著者
守 一雄 宮澤 悟 村山 喬宏 森岡 優太
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and Studies in Education (ISSN:24336114)
巻号頁・発行日
no.4, pp.141-147, 2020-11-30

早口言葉"バスガス爆発"は練習をしてもなかなか上手く言えるようにならないことが知られている。 本研究では、"バスガス爆発"と音韻的にほとんど同じである"バスが砂漠発"という言葉を「足場」と して利用することで、この早口言葉が簡単に言えるようになるかどうかを実験的に検証した。大学生 36名をランダムに約半数ずつに割り振り、「足場かけ」条件(実験条件)と統制条件とで同じように1分 間の練習を行い、プリテスト・ポストテスト法による検証を行った。実験の結果、「足場かけ」条件 で効果が認められたが、「足場かけ」がない統制条件でも練習すればできるようになり、統計的な差 は認められなかった。
著者
石岡 恒憲 峯 恒憲 宮澤 芳光 橋本 貴充
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

短答式記述採点支援システムを実装した。採点エンジンの性能を評価するために、国立情報学研究所が主催するタスク競争型の国際研究集会NTCIR-13の質問応答のサブタスクに参加し、国内外11の研究機関が参加する中、横浜国立大学と並んでトップの成績を収めた。タスク課題は東大2次試験の世界史における500字論述試験の自動採点(過去5年分)である。研究成果は国際的なトップカンファレンスの一つであるWI 2007に採択された。その後も九州大学と連携しシステム性能の向上を目指した。技術的には、LSTMというストリーム型の言語モデルに学習の精度を上げるための工夫を創案し、JAWS 2019にその成果を発表した。
著者
宮澤 眞一
出版者
埼玉女子短期大学
雑誌
埼玉女子短期大学研究紀要 (ISSN:09157484)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.195-215, 1998-03-01

幕末に二度にわたって来日したローレンス・オリファントは、主として1858年のエルギン卿使節に随行したときの出来事を伝えた二巻本の紀行記によって、近代日本史に名前を残しているけれども、『冒険生涯のエピソード』と題した自叙伝に、「或いは転石に付いた苔」と副題で解説しているように、来日前のオリファント青年と言えば世界各地を渡り歩き、それも民族対立や反乱の緊迫した現場ばかりを嗅ぎつけては急行する冒険作家として知られていた。あまりに各地を転がり廻るので、一体どのような生活のステップを歩んだ人なのかよく分からない。冒険家、法律家、外交官、スパイ、特派員、紀行作家、小説家、社交家、国会議員、宗教家、事業家、など様々な仕事をその間にしてきている。本人としては様々な体験を各地でしたからこそ、知恵という苔が付いた、と言いたいのであろうが、1860年代に入ると、奇妙なハリス宗教集団に加わるという形で、この苔は具体的な一つの形に現れることにもなる。本稿では、一見不可解に見える冒険家の生涯について解明の糸口を探るために、来日に至るまでの性格形成を中心に論じ、自己分析の深化に焦点を当てる。
著者
宮澤 大輔 栗本 康夫 竹内 篤 近藤 武久
雑誌
あたらしい眼科 = Journal of the eye (ISSN:09101810)
巻号頁・発行日
vol.15, no.10, pp.1441-1443, 1998-10-30
参考文献数
3
被引用文献数
3
著者
池上 真平 佐藤 典子 羽藤 律 生駒 忍 宮澤 史穂 小西 潤子 星野 悦子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.237-247, 2021 (Released:2021-10-25)
参考文献数
36
被引用文献数
2

Regardless of the time and location, people listen to music. One may ask why people listen to music and what function it serves. This study clarifies the psychological functions of listening to music and the attributes associated with the individual differences found in these functions. A total of 916 participants between the ages of 15 and 88 were asked to rate various psychological functions of music listening and Big Five traits. A factor analysis identified the seven factors of psychological functions of music listening: “self-awareness”, “emotion regulation”, “communication”, “tool”, “embodiment”, “social distance regulation”, and “solace”. The results revealed that the individual differences in the functions were the result of gender, age, and personality traits. The nature of these seven functions and future directions are discussed.
著者
鈴木 一成 村中 祥悟 宮澤 雄一 神谷 あゆみ 藤本 忠蔵 太田 勲 伊藤 聖孝 坂田 訓章
出版者
大学等環境安全協議会
雑誌
環境と安全 (ISSN:18844375)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.3-8, 2014-03-31 (Released:2014-05-16)
参考文献数
9
被引用文献数
1

電子顕微鏡の試料作製に使用されたオスミウム酸化物の溶液(以下、廃液という)からオゾン酸化によって酸化オスミウム(Ⅷ)を再生する方法を開発した。酸素の無声放電によって発生したオゾンを廃液に吹き込んで酸化オスミウム(Ⅷ)を生成させた後、0.1 mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に吸収させ、濃度2.0%(w/v)以上の酸化オスミウム(Ⅷ)溶液を得ることができた。この再生した酸化オスミウム(Ⅷ)溶液を電子顕微鏡の試料作製に使用して、市販の新品の酸化オスミウム(Ⅷ)溶液と同等の電子顕微鏡イメージを得ることができた。
著者
谷口 浩和 宮澤 秀樹 能登 啓文 泉 三郎
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.70-72, 2005
参考文献数
9
被引用文献数
1

背景. 気管支異物は, 健常若年成人に生じることは極めて稀である. 症例. 33歳の男性で, 主訴は咳嗽と発熱であった. 甘海老の頭部の入った味噌汁を飲んでいた際に強くむせた. その後, 咳嗽が続き, 強く咳をすると甘海老の足が喀出され, 発熱も出現したため, 当科を初診した. 気管支鏡にて, 中間幹内をほぼ閉塞する甘海老の頭部を認め, 把持鉗子を用い摘除した. 摘除後は, 数日の抗生剤投与にて症状の軽快をみた. 結論. 患者背景にかかわらず, 誤嚥の疑われる病歴があった場合には気管支異物の可能性を考えることが重要であると思われた. 気管支異物は, 小児や高齢者に多く発生し, 健常若年成人に生じることは極めて稀である. 今回我々は, 健常若年成人にみられた甘海老の頭部による気管支異物の1例を経験したので報告する. 症例 症例:33歳, 男性. 主訴:咳嗽, 発熱. 既往歴:特記すべきことなし. 職業歴:営業. 生活歴:喫煙歴はなし. 飲酒は, 機会飲酒. 現病歴:2004年6月22日, 甘海老(Pandallus eous, northern shrimp/pink shrimp/deep-water shrimp)の頭部の入った味噌汁を飲んでいた際, 何かが気管に入った感覚があり強くむせた. その後気管内に何かあるような違和感と咳嗽が続き, 強く咳をすると甘海老の足が喀出され, 軽度の呼吸困難が出現した.
著者
岡 大祐 関根 芳岳 大津 晃 青木 雅典 林 拓磨 馬場 恭子 中山 紘史 栗原 聰太 宮尾 武士 大木 亮 宮澤 慶行 柴田 康博 鈴木 和浩
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.155-158, 2021 (Released:2021-03-28)
参考文献数
9

自己血管による内シャント(arteriovenous fistula: AVF)は本邦における慢性透析用バスキュラーアクセスの中で最も多い.AVF造設術は一定の割合で不成功例を認めるが,本邦において大規模RCTは行われておらず,AVFの初期開存に影響を与える因子の詳細な解析は行われていない.今回AVF造設術を施行した症例群をレトロスペクティブに解析し,初期開存に影響を及ぼす因子を解析した.対象とした119例の内,シャント閉塞をきたした症例は15例(12.6%)であり,初期開存に影響を与える因子として有意差を認めた項目は深部静脈血栓症(deep vein thrombosis: DVT)の既往のみであった.過去の論文にて開存率に影響を与える因子とされている,性別,年齢,糖尿病の既往などの因子よりも,血栓素因の有無がAVF初期開存に重要な影響を与える可能性が示唆された.
著者
宮澤 仁
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.547-566, 2012-11-01 (Released:2017-11-16)
参考文献数
48
被引用文献数
3 3

本研究では,長崎市を事例地域に地域密着型サービスの介護事業所が取り組む地域交流・連携の実態を明らかにした.まず,外部評価報告書の内容を分析した結果,事業所から地域社会に積極的に働きかけるタイプの取組みに地域差が確認された.全体の傾向として事業所は,所在地の自治会をパートナーとして交流・連携に取り組むことでさまざまな効果を享受していたが,そこにも地域差が存在した.次に,その要因として①地域の環境条件と②事業所の運営方針を想定し,交流・連携に積極的な姿勢を示す複数の事業所と地域社会を調査した結果,各事業所はそれぞれの運営方針を反映した交流・連携の必要動機をもっていること,その実践形態には地域の環境条件が踏まえられていることが明らかとなった.このことは,地域交流・連携の深化には事業所の姿勢や体制を整えるとともに,地域の特性に配慮した交流・連携手法の採用が重要になることを示唆している.
著者
宮澤 仁
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.59-80, 2003-02-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
28
被引用文献数
16 17

本稿では,関東地方における介護保険サービスの地域的偏在を統計データの分析から検証し,その形成要因に想定されるサービス事業者の参入行動を考察した.その結果,介護保険が企図する営利企業の参入は,それが容易な福祉系訪問型サービスの中でも,介護職員の巡回移動との関連で採算確保が期待できる都市部に集中し,同サービスが大都市に偏在する要因になっていた.他方,山間部の小規模町村には社会福祉法人でさえ参入が消極的で,公益性の高い社会福祉協議会が福祉系の訪問型・通所型サービスを中心に提供事業を担っていた.しかし,社会福祉協議会も採算性重視の事業を強いられており,事業者競争や経営合理化に長けた医療機関の中には,事業の安定化を目的に福祉と医療の事業複合体を形成する事例が関東地方東部に多数確認された.それらの結果は,介護保険の下,サービス提供事業に採算性が重視されている状況を裏付けるものであろう.ゆえに,サービス事業の経営を地域の諸条件と関連付けて詳細に分析することが,介護システムの今後を占うために必要とされる.
著者
北野 泰奈 本間 太郎 畠山 雄有 治部 祐里 川上 祐生 都築 毅 仲川 清隆 宮澤 陽夫
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.73-85, 2014 (Released:2014-04-21)
参考文献数
52
被引用文献数
26 26

日本人の食事 (日本食) は健康食として世界中に認知されている。しかし, 日本では食の欧米化が進行し, 現代日本食が本当に有益か疑わしい。そこで本研究では, 時代とともに変化した日本食の有益性を明らかにするため, 2005年, 1990年, 1975年, 1960年の日本食を調理・再現し, これをマウスに4週間与えたところ, 1975年日本食を与えたマウスで白色脂肪組織重量が減少した。肝臓のDNAマイクロアレイ解析より, 1975年日本食を与えたマウスは糖・脂質代謝に関する遺伝子発現が増加しており, 代謝の活性化が認められた。次に, 各日本食のPFCバランス (タンパク質・脂質・炭水化物のエネルギー比率) を精製飼料で再現し, 上記と同様な試験を行ったところ, 群間で白色脂肪組織重量に大きな差は認められなかった。以上より, 1975年頃の日本食は肥満発症リスクが低く, これは食事のPFCバランスに依存しないことが明らかとなった。