著者
石山 大三 小川 泰正 広瀬 和世 武田 知己 中村 晋作 若狭 幸 オセニェング オラオツェ ステバノビッチ ゾラン
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.139, no.2_3, pp.10-20, 2023-03-31 (Released:2023-03-31)
参考文献数
15

In the study area of eastern Serbia, which includes the Bor and Maidenpek mining areas of the Republic of Serbia, a research of environmental evaluation of the study area was carried out by means of field survey for environment and satellite image analysis in order to establish and improve methods for assessing the environmental impact of mining areas by satellite image analysis. The results of this study showed that it was possible to efficiently determine the distribution of overburdens and tailings in a wide area based on the distribution of points having jarosite spectra, and that it was possible to distinguish waste rocks such as overburdens and tailings with high environmental impact from those waste rocks with relatively low environmental impact based on the mineral assemblage of the waste rocks estimated from satellite image analysis. In addition, if topographical data before and after mining development are obtained from the satellite image analysis, the volume of the waste rocks can be estimated, and the quantitative estimation of the amount of toxic elements dissolved from the waste rocks could be possible by combining the experimental data on the extraction of toxic elements from the waste rocks. In addition, the predicted hazardous area (Type I), where high concentration of Cu may be leached from the waste rocks revealed by the surface survey, corresponds to the area where waste rocks such as overburdens and tailings is distributed around the mine and the area where waste rocks such as tailing is distributed along the river downstream of the mine as estimated by the satellite image analysis. These results indicate that it is possible to predict the environmental impact in advance of the survey in the mining area, and to predict the environmental impact in the mining area where it is not possible to go directly to the survey and to consider guidelines for countermeasures.
著者
小川 一美
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.63-74, 2003 (Released:2004-02-17)
参考文献数
33
被引用文献数
5 4

対人コミュニケーションは後続する対人認知などの対人的相互作用ときわめて密接な関係にあると考えられる。会話はダイナミックな相互作用であるため,各々の会話者の特徴だけではなく,二人の会話者によって作り出される相互作用そのものに着目をする必要がある。本研究では,Burgoon et al.(1995)による相互作用パターンのひとつである返報性の考えをもとに,二者の発話量の均衡が,会話者や会話の印象に及ぼす効果について検討した。実験1では,より日常に近い場面における発話量の均衡状態と観察者が抱く印象の関係を探索的に検討するため自然会話場面を刺激として用い,実験2では,会話者や会話内容などの要因を可能な限り統制した会話を作成し刺激として用いた。結果,発話量の均衡状態は会話者に対する印象とは関連がなかったが,会話に対する印象では,快印象を生じさせる可能性が示唆された。本研究は,認知的負荷が少なく会話を冷静に観察することができる観察者を認知者としたが,今後,会話者による認知と比較検討することで,発話量の均衡が印象形成に及ぼす効果についてより詳細に検討していくことが課題として残された。
著者
小川 賢治 Kenji OGAWA
雑誌
人間文化研究 = Journal of Human Cultural Studies
巻号頁・発行日
no.48, pp.71-98, 2022-03-31

ABSTRACTEllen Hodgson Brown writes in her book lThe Web of Debtz that the sovereign state can issue money by itself, and that international bankers have deprived sovereign states of power to issue money. Also she says that some events in the world history can be seen from a point of view that those events happened through struggles between sovereign states and international bankers. For example, 'The Glorious Revolution' in England can be seen as that: King James II was a roman catholic and did not permit private banks or money lending. So, Protestants drove him out to establish private banks, and Queen Mary II and King William III were throned. They were Protestants and permitted private banks. Another example: American Independent Revolution was a struggle between American independentists and the British State. American independentists wanted to issue their own money, not to borrow British money and not to pay interest. On the other hand the British State did not admit losing its banks in America. So both joined battle and America won independence from Britain.
著者
成瀬 信子 小川 安朗 藤田 拓男 折茂 肇 大畑 雅洋 岡野 一年 吉川 政己
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.5, no.6, pp.487-490, 1968-11-30 (Released:2009-11-24)
参考文献数
10

2才から91才にいたる81人の健康男子の毛髪を5才ごとに区切り, 各群5人を選び, 1人5本の試料について, 洗浄後, 蒸留水で十分湿潤し, テンシロンIII型万能引張り試験器で切断荷重, 切断伸長率, 切断仕事量および立ち上りのヤング率を測定した. 毛髪の直径は60~140μの間に分布し, 15才前後をピークとして, 以後加齢とともに漸減の傾向を示し, 二次曲線, または, 15才ごろまでは上昇以後下降する2本の直線の合成として表現される. 年齢と切断荷重, 年齢と切断仕事量の推移もほぼ同様である. これに反し, ヤング率は, 20才ごろまでは減少し, 以後加齢とともに徐々に上昇する二次曲線への回帰が統計的に有意である. 加齢の指標の一つとして, 毛髪の物理的性状の研究は有用である.
著者
湯田 厚司 小川 由起子 新井 宏幸 荻原 仁美 神前 英明 清水 猛史
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.122, no.2, pp.126-132, 2019-02-20 (Released:2019-03-01)
参考文献数
10
被引用文献数
4 3

本邦でのスギ花粉とダニが原因のアレルギー性鼻炎合併例は多い. スギ花粉とダニを同時に用いた皮下免疫療法は行えるが, 舌下免疫療法の併用治療 (併用 SLIT) に関する知見は十分ではない. 併用 SLIT が行えれば有用であり, 安全性を検討した. 当院で2017年6月以降にスギ花粉 (シダトレン ®) とダニ (ミティキュア ®) で併用 SLIT を行った53例 (男性31例, 女性22例, 年齢12~53歳, 平均21.7±11.6歳, スギ花粉先行39例) を対象とした. 先行と後行 SLIT の間隔は1カ月以上あけ, 朝夕に分けて開始した後に5分間隔でスギ花粉・ダニの順で行った. 併用 SLIT 後6カ月まで受診毎に副反応を確認した. 完遂率は51/53例 (96.2%) で, 脱落2例の理由は副反応によるものではなかった. 副反応はすべて軽度で, 処置不要であった. 併用 SLIT 期の副反応は, 全副反応で増加せず, 口腔咽頭感覚症状で有意に減少した. 投与間隔による副反応は変わらず, 投与順で副反応は変わらなかったが, ダニ後行 SLIT で維持アレルゲンを減量する例が増えた. 併用 SLIT は1~2カ月以内の短期間間隔で安全に行えた.
著者
小川 潤
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2019-04-25

ローマ帝国は一般的に、支配下にある都市の自治を尊重し、それら諸都市に統治の一端を担わせることで広大な領域の支配を可能にしたと考えられています。それゆえ、ローマ史研究ではこれまで、都市に注目した研究は多く為されてきました。しかし碑文などを読むと、都市より小規模な田園地帯の共同体も独自の行政機構を有し、広範な自治能力を有していたことがわかります。本研究はこのような共同体に注目し、都市よりもさらにミクロな視点からローマ統治の在り方を考える試みであり、ローマによる属州支配の一端を明らかにするものです。
著者
中井 義明 大橋 淑宏 江崎 裕介 石塚 洋一 松下 隆 伊藤 博隆 馬場 駿吉 平川 勝洋 原田 康夫 菊屋 義則 岡崎 英登 黒川 道徳 二宮 優子 村上 譲 伊東 一則 深水 浩三 大山 勝 松根 彰志 飯田 冨美子 小川 敬 大堀 八洲一 花田 武浩
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.33, no.Supplement5, pp.655-673, 1990-10-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
12

漢方製剤である麻黄附子細辛湯の通年性鼻アレルギーに対する効果を検討した。漢方の古典の記載に忠実に基づいた製法により得られたエキスを含む細粒剤と, それまでの経験に基づいた製法により得られたエキスを含む散剤の比較試験を実施した。有効率 (著効+有効) は散剤投与群で63.5%, 細粒投与群で76.7%と, 両群とも良好な結果であり, 統計学的に差は認められなかった。各症状の改善率において, 細粒投与群が散剤投与群より鼻汁, 鼻閉症状に高い効果を示したが, 統計学的な差は認められなかった。細粒剤といわゆる抗アレルギー剤の有効率を比較すると, くしゃみ発作および鼻汁は同程度の効果が, 鼻閉については優る効果であったと考えられる。副作用については, 散剤投与群で6.2%, 細粒剤投与群で5.1%の症例に認められたが, いずれも症状は軽微であり, また臨床検査値にもなんら異常は与えなかった。
著者
小川 了 竹山 廣光
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.293-300, 2019-12-15 (Released:2020-01-15)
参考文献数
31

n‐3系脂肪酸は魚油, ボラージ油 (ルリジサ種子油) に豊富に含まれている脂肪酸で, n‐6系脂肪酸とともに必須脂肪酸である. このうちEPA, DHAには抗炎症作用や抗癌作用があることが多くの研究で明らかとなってきている. 作用機序に関してはいまだ十分に解明されていないが, 近年, n‐3系脂肪酸から細胞間生合成経路によって産生されるレゾルビンなどの代謝産物が同定され, 脂質メディエーターとして働き, 炎症の消退に関与していることがわかってきている. また, EPAの癌に対する作用については, 細胞レベルの実験では膵癌, 乳癌, 結腸癌, 肝細胞癌, 肺癌, 食道癌などにおいて種々の癌によって報告されている. EPAはNF‐κBの活性化を抑制し, 炎症性サイトカインの産生を制御することから, 癌制御目的や抗炎症目的にEPAを投与もしくはEPA含有する免疫栄養療法が注目され, 前向き試験が行われてきた. しかし, 現時点は臨床において炎症や癌の制御に対するはっきりとした有効性は認めていない.
著者
木原 令夫 足立 哲也 藤永 秀子 小川 隆一 小関 隆 姫野 友美 牧野 荘平
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.609-617, 1995-06-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
16
被引用文献数
2

伊豆大島住民のうち15歳以上の4673名を対象としてスギ花粉症のアンケート調査を行ったところ回収率は22.3%であり, 春先 (2月中旬から3月中旬) に鼻症状を有する例は8.9%, 眼症状例は5.7%, 皮膚症状例は8.1%であった. 有症状例に行ったスクラッチテストで13.8%の例がスギ抗原陽性であり, IgE RAST score 2以上の例は33.3%であった. 平成2年2月から4月までの最高スギ花粉飛散数は北部診療所で3月7日に118個/cm^2, 南部診療所では2月28日に271個/cm^2であった. 全住民に対するスギ花粉症患者を推定すべく再度アンケート調査を行ったところ (回収率53.1%) 鼻症状3項目以上と眼症状2項目とを同時に有する例は4.7%であり, 未回答者のうちランダムに選んだ100名に対する電話での調査結果と合わせて頻度を検討すると, 全住民のうち5.64%にスギ花粉症を疑わせる例が見出された.
著者
小川 亮
出版者
The Philosophy of Science Society, Japan
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.1-1, 2022-12-10 (Released:2022-12-10)
参考文献数
51

In Japan, despite its popularity in natural science and philosophy, Inference to the Best Explanation is generally considered as an argument for scientific realism rather than as a method of philosophy. This paper aims to marshal some relevant topics in dispute and defend IBE against its critics. The distinct feature of IBE is that it considers simplicity and fruitfulness as theoretical virtues. This character makes IBE useful as a common method of philosophical inquiry. In conclusion, IBE is tenable as a heuristic to identify a working hypothesis, at least.
著者
水間 恵 岡村 俊宏 鈴木 英作 須田 義人 平山 琢二 小川 智子 鈴木 啓一
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.51-57, 2013-02-25 (Released:2013-08-25)
参考文献数
11
被引用文献数
1

海藻と海苔の飼料添加給与がブタの免疫能に及ぼす影響を検討した.試験1では,体重20 kgのランドレース種去勢雄20頭を半数ずつ対照区と試験区に分けて群飼し,試験区には海藻を0.8%添加した飼料を給与した.試験開始時(0日),羊赤血球(SRBC)の一次(21日)と二次接種時(28日),その翌日(29日),さらにその一週間後(35日)に採血と唾液を採取し,免疫能を測定した. SRBC二次接種の翌日,食細胞活性は両区とも低下したが海藻区が有意に高かった(P<0.05).SRBC二次接種後,唾液中IgA濃度は海藻区が対照区と比べ有意に高い値(P<0.01)を示し,SRBC特異的IgG濃度も海藻区の値が高かったが有意差は認められなかった.試験2では肥育後期のブタに海苔を2.0%飼料添加し,各免疫形質について対照区と比較したが,いずれの免疫形質についても海苔添加の有意な効果は認められなかった.
著者
川原 一郎 小川 由夏 塩崎 絵理 原口 渉
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
pp.11097, (Released:2023-02-15)
参考文献数
39
被引用文献数
2

舌骨は,他骨との連続性を持たず,軟部組織を介した状態の極めて特異な解剖学的な特徴を有しており,日常生活においても,位置的変化を呈する可動性を持った骨構造物である.過長した舌骨やその偏位によって,頸動脈に何らかの影響を及ぼすことも知られており,舌骨に関連した血管障害の報告は散見されるが,いまだ認知度は低く,その病態を周知させることは重要であると考えられる.3D-CTAでは,舌骨と頸動脈との決定的な解剖学的異常所見を捉えるのに有用であり,隣接,接触,圧迫,あるいは絞扼の状態を時に経験し,その解剖学的異常は脳血管障害発症の危険因子と考えられる.茎状突起から甲状軟骨まで含めた,いわゆるstylohyoid-thyroid chain複合体において,舌骨は中心的役割を果たしており,内頸動脈の走行異常を呈する症例やESUS症例においては,常に舌骨関与の可能性の有無も念頭に置き,精査する必要がある.
著者
澤田 いずみ 道信 良子 石川 幸代 小川 賢一 原田 瞳
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.652-660, 2022 (Released:2023-02-16)
参考文献数
42

目的:日本の医療分野で健康問題を抱える人へ実践されている応援の概念分析を行い,定義を明らかにする.方法:国内文献29件を対象にRodgersの概念分析を行った.結果:前提要件3つ,属性4つ,帰結4つのサブカテゴリーから,各一つの【カテゴリー】が抽出され,医療分野の応援は,生き方の模索が続く健康問題を抱える人への【自分らしくあることの困難性への共感】に基づいて,医療者が【その人が自分らしく生きるために味方になり新たな活動を試みる】ことで【その人の主体性の高まりに医療者としての自分らしさが充実していく】過程であった.味方になるとは,医療情報を分かりやすく伝えること,対象者と願いを共に考え支えること,対象者の思いを代弁し共感を周囲に波及させ仲間を作ることにより,その人らしさを支えることだった.結論:医療分野での応援は,対象者のその人らしさを大切にしたい医療者の新たな活動の創出を助ける概念と考えられた.
著者
井上 里加子 小川 亜紀 吉村 征浩 入江 康至
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学会年会要旨集 第92回日本薬理学会年会 (ISSN:24354953)
巻号頁・発行日
pp.2-P-134, 2019 (Released:2020-03-20)

There are two types of amazake: malted-rice amazake and Sake lees amazake. It has been reported that Sake lees amazake improves human intestinal flora and relieves constipation. But there is no report on malted-rice amazake for improving constipation. The purpose of this study is to conduct a long-term ingestion test on humans and consider whether intake of malted-rice amazake will improve constipation. The subject is adult females with periodic menstrual cycles. Feces were collected in the follicular phase to minimize the influence of premenstrual syndrome. The DNA extracts from feces were analyzed using quantitative PCR using specific primers. The defecation status was investigated by self-report questionnaire.In the defecation state, soft stool of the stool was found significantly by intake of malted-rice amazake in hard stool group. Symptoms of constipation improved in 83% of constipation group. Analysis of intestinal bacterial flora showed a significant decrease the ratio of Firmiscutes / Bacteroidetes in constipation group due to intake of malted-rice amazake. It was suggested that intake of malted-rice amazake changed the construction of gut microbiota as well as the intestinal environment, resulting in improvement in constipation.