著者
山本 信人 大石 裕 烏谷 昌幸
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

21世紀の東南アジアは原子力ルネサンスといわれ、エネルギー確保と省エネ、気候変動対策の切り札としての原発が脚光を浴びた。インドネシア(05年)とフィリピン(09年)は原発(再)建設を政策課題としたが、反対の市民運動がわき上がった。主たる論争点は原発の安全性と政策過程の透明性であった。安全性については推進・反対派ともに科学者を要して論争を展開した。結果的には原発建設計画は中止に追い込まれた。その主要因は、政策過程の不透明性と政策不信、そして「援助」国と関連多国籍企業の資本の論理、つまり安全への不安であった。
著者
櫻井 三子 山本 和彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.309-310, 1994-09-20

RFC822で定義されたヘッダと本文以外に構造を持たないメールに代わって,本文に構造を持つ多目的メール(MIME)や,プライバシ強化メール(PEM)が定義されている.MIMEもPEMもRFC822との互換性は重視しているが,互いの利用に関しては十分な考慮がなされないまま,独立に規定されている.様々なデータ形式を扱うMIMEの利用は,今後RFC822に代わり普及するであろう.従って,MIME形式のメールに対してPEMを適用するような場合が増えることが予想されるため,MIMEやPEMのような構造化メールを統合する必要性が高まってくる.また,構造化メールの普及を図るためには,Emacsなどユーザの多いエディタ上で使い易いインターフェイスを提供することが重要である.このような観点から,本稿では, MIMEとPEMを統合する方式や, Emacs上のメールインターフェイスにおける実装について議論する.
著者
阿久津 聡 勝村 史昭 山本 翔平
出版者
株式会社 リクルート リクルートワークス研究所
雑誌
Works Discussion Paper (ISSN:24350753)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.1-21, 2021 (Released:2023-12-13)

本研究では、競争的な仕事環境と主観的不健康感との間の直接的および(ワーカホリズムを介した)間接的な関係を検討した。また、競争的な仕事環境と主観的不健康感の関係、および競争的な仕事環境とワーカホリズムの関係における認知の歪みの調整効果を検証した。データは、様々な業種、職種、さらには職位の就業者 9,716 名から収集した。その結果、競争的な仕事環境は、直接的にも、またワーカホリズムを介しても、主観的不健康感と正の関係性が示された。さらに、認知の歪みが、競争的な仕事環境とワーカホリズムとの間の正の効果を調整し、認知の歪みが高い場合の方が、(低い場合に比べて)その正の関係性が強まることが明らかになった。この研究は、従業員の健康に対する意識が高まっている日本企業にとって、重要で実践的な意味を持つものである。
著者
森 真誠 深井 貴明 山本 啓二 広渕 崇宏 朝香 卓也
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2022-IOT-59, no.7, pp.1-8, 2022-09-06

近年,爆発的に増加するデータを処理するために,多くのソフトウェアが利用されている.これらを共用 HPC システム上で利用する需要はあるものの,現在の共用 HPC システムはユーザが管理者権限を使用 (以後,root 化) できず,これらソフトウェアの導入に多くの労力を要する.また,システムレベルの最適化も root 化ができないため共用 HPC 環境では困難である.一方で共用 HPC 環境で単に root 化を許可すると,ハードウェアへの恒久的な変更などセキュリティや運用上で問題ある操作を防げない.また,ユーザのジョブがシステムの設定を変更できるため,ジョブの実行毎に設定変更の影響を取り除くためのマシン再起動が必要となるものの,再起動処理には多くの時間を要する.仮想計算機を用いるとこれらを解決できるものの,仮想化処理による性能劣化があり HPC システムには適さない.本研究では,上記課題を解決しユーザの root 化を可能とするシステムを提案する.提案システムは軽量なハイパバイザによって (1) ハードウェアの恒久的な変更を防ぐ機能と (2) ジョブ実行後マシンの再起動なしにシステムを既定の状態へ戻す機能を提供する.本手法を富岳と同系統システムで評価するため,Arm プロセッサで動作する軽量ハイパバイザ MilvusVisor と上記 2 つの機能を設計および実装した.本実装による実験の結果,メモリ性能における性能劣化について 2% 以下で上記機能を実現できることを確認した.
著者
竹田 修三 渡辺 和人 山本 郁男 山折 大
出版者
北陸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

米国において、大麻主成分のテトラヒドロカンナビノール(THC)はがん患者などでモルヒネが効かない重篤な痛み緩和の目的で投与される。本研究は、がん患者、特に乳がんに注目し、THCの臨床適正使用に向けた基礎研究である。THCは分子中に、女性ホルモンと類似した部分を有していた。女性ホルモンは乳がん増殖を促進したが、THCの共存下でその効果が消失した。低女性ホルモン条件下(閉経後乳がんモデル)でTHCを添加した場合、逆に増殖の促進が見られた。本研究により、THCは女性ホルモンと相互作用し、乳がん増殖に影響を与える可能性が示唆された。
著者
尾下 豪人 渕田 比呂志 伊藤 徳明 妹尾 美里 磯山 正子 山本 祐太郎 由田 彩佳 大﨑 慶子 川﨑 広平 奥崎 健
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.26-31, 2019-03-20 (Released:2019-03-28)
参考文献数
20

目的:閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome:OSAS)のリスク評価における日本語版STOP-Bangテストの有用性を検証する.方法: OSASのスクリーニング目的でパルスオキシメトリー検査を受けた内科入院患者を後ろ向きに検討した.結果:受検者144人のうち,3%酸素飽和度低下指数≧10/hrの精査対象者57人に精密ポリグラフィ検査を施行し,17人を中等症,29人を重症のOSASと診断した.受信者動作特性曲線分析の結果,STOP-BangテストのBMIカットオフ値は従来の35 kg/m2よりも30 kg/m2にした場合に良好な診断能を示した.STOP-Bangテスト値3点以上を陽性とした場合,中等症―重症SASを検出する感度は95.7%,特異度は42.9%だった.結論: STOP-Bangテストは簡便にOSASリスクを評価できる.
著者
山本 剛
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.75, no.10, pp.610-618, 2020-10-05 (Released:2020-12-10)
参考文献数
44
被引用文献数
1

近年,超伝導体を用いた電気回路で量子計算機を実現しようとする研究が非常に活発に行われている.約20年前にクーパー対箱とよばれるデバイスを用いて1量子ビット動作が実証されて以来,巨視的量子現象とよばれる超伝導の強固な量子コヒーレンスと固体素子であるがゆえの集積技術との相性の良さを併せもつとの期待から,世界中のグループにより精力的な研究が続けられた.その結果,コヒーレンス時間,読出し方法,ビット間結合方法など様々な要素技術が大きく進歩した.昨年2019年にはGoogleらの研究チームが,53個の超伝導量子ビットからなる回路を用いて,ある問題の解を古典計算機よりも高速に求めるという量子超越性の実証実験を報告した.20年間の技術蓄積は確かに膨大であり,特に分野外の方や新たにこの分野に挑戦しようとする方には,どこから手を付けてよいか分からないということもあるかもしれない.しかし,各要素技術において様々な試行錯誤がなされた結果,比較的単純な現在の主流方式というものが存在し,それは上記Googleらの実験にもあてはまる.まず超伝導量子ビットの基本回路構成であるが,これはトランズモンとよばれるもので,その実体は非線形インダクタであるジョセフソン接合とキャパシタの単純な並列共振回路である.インダクタが非線形であるために,通常のLC共振器と異なり,離散準位のエネルギー間隔が一定でなくなる.それらの離散準位のうち最低二準位を量子ビットとして用いるのである.量子ビットの典型的なエネルギー準位間隔は,周波数に換算して5 GHz,温度に換算して~240 mKである.従って,熱揺らぎの影響を十分小さくするために,希釈冷凍機を用いて10 mK程度に素子は冷却される.また量子ビットの1ビットゲート操作は,この準位間隔に共鳴するマイクロ波パルスを照射することによって行われる.一方,量子ビットの読出しについては,分散読出しとよばれる手法が用いられる.分散読出しとは,量子ビットと分散的に結合した共振器の共振周波数が,量子ビットの状態に依存することを利用した読出し方法である.比較的容易に高効率かつ非破壊的な読出しが実現できるが,量子ビットと結合した共振器を微弱なマイクロ波でプローブするため,量子誤り訂正などで必要となる単一試行での読出しを十分な精度で行うためには,非常に低雑音なマイクロ波増幅器が必要となる.そしてそのようなマイクロ波増幅器として,やはりジョセフソン接合を含んだ超伝導回路で実現されるジョセフソンパラメトリック増幅器が用いられる.このような現行方式は,今後もしばらくは主流であり続けると思われる.しかし,例えば分散読出しを行うための現在の実験セットアップは,パラメトリック増幅器以外にも体積のかさばる半導体低温増幅器やアイソレータなども必要で,単純なスケールアップは数100ビット程度の回路規模で破綻すると思われる.また最近ではトランズモンよりもノイズ耐性に優れた改良型量子ビットの研究も盛んに行われている.他にも希釈冷凍機内のマイクロ波ケーブルの配線,量子ビットチップの高密度配線技術,制御エレクトロニクスなど大規模量子計算機実現に向けて,まだいくつものブレークスルーが必要であり,今後ますます分野横断的な研究開発が必要となってくるであろう.
著者
バゼル 山本登紀子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.356-365, 2005 (Released:2005-09-01)

2004年10月30日,米国ハワイ州オアフ島にあるマノア渓谷に観測史上最悪の集中豪雨が襲った。流木や瓦礫(がれき)でふさがれたマノア川の橋が流れをせき止め,鉄砲水がハワイ大学マノア校キャンパスを直撃し,40施設が多大な被害を被った。中でも太平洋地域最大の研究図書館であるハミルトン図書館の受けた被害は20億円以上という大惨事となった。図書館機能を担う中枢部が全壊し,1世紀近くの年月をかけ収集し,保存してきた政府刊行物,地図,航空写真は泥水の中に埋没した。本稿はハミルトン図書館が体験したこの大災害の記録である。災害の実態,対応,復旧の実体験を関係者のインタビュー,災害記録等を基に紹介する。
著者
山本 昭宏
出版者
日本メディア学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.9-27, 2014-01-31 (Released:2017-10-06)
参考文献数
20

The purpose of this paper is to propose a hypothesis about the process through which the media builds up collective expectations concerning nuclear power (the Nuclear Dream) and the transformation of such expectations. We focus on the Asahi and Yomiuri Newspapers and study not only editorials, but also regular features that are likely to have affected public opinion as much as editorials. The period targeted in this paper is the 20 years from 1945 to 1965. We divide these 20 years into three periods based on changes in the Nuclear Dream: the dream of war deterrence (1945 to 1949) ; the dream of peaceful use (1949 to 1957) ; and the dream of nuclear power generation (1957 to 1965). Japanese newspapers were unknowingly trapped in the Nuclear Dream that they built up through their own discourse; while they detached themselves from the Nuclear Dream in the late 1950s, they expanded the dream again in the 1960s. By describing this process, we examine how it is possible to meet collective expectations built up by the media.
著者
永井 成美 菱川 美由紀 三谷 信 中西 類子 脇坂 しおり 山本 百希奈 池田 雅子 小橋 理代 坂根 直樹 森谷 敏夫
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.263-270, 2010 (Released:2011-02-15)
参考文献数
27
被引用文献数
3 1

本研究の目的は, 若年女性の肌状態に栄養, 生理学的要因が関与するかどうかを検討することである。横断的研究として, 肌状態, 生理学的検査, 2日間の食事調査, 精神状態, ライフスタイルに関するデータを皮膚疾患のない54名 (2022歳) の女子学生より得た。肌状態と生理学的検査項目 (体温, エネルギー消費量, 自律神経活動) は非侵襲的手法により測定した。統計解析の結果, 角層細胞面積とエネルギー代謝, 角層水分量とビタミンA・B1摂取量, 交感神経活動指標に関連が認められた。バリア機能の指標である経皮水分蒸散量と炭水化物, ビタミンB1, 野菜摂取量にも関連が認められた。また, 肌状態はメンタルな面や自宅での冷暖房使用とも関連していた。以上の結果から, 若年女性の肌状態には栄養的な因子とともに活発な代謝と自律神経活動が関与することが示唆された。
著者
山本 佑実 菅村 玄二
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.457-466, 2017-09-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
35

Focusing on the semantic similarity between physical and psychological pain, we tested whether people who are sensitive to their own bodily pain are also sensitive to the psychological distress of others. Forty-three undergraduates evaluated the subjective physical pain induced by a tactile stimulus. Then, they rated the negative emotions of the characters depicted in the Thematic Apperception Test (TAT) and the pro- and anti-social attitudes toward others. Also, we measured how fast they can detect negative facial expressions and negative emotional words. Result indicated that the high pain-sensitivity group (n = 23) projected more avoidant emotion to the TAT pictures (p = .07, d =0.67), and detected negative faces more fast (D =0.37, p = .07) than the low-sensitivity group (n = 20). The high group also felt more prosocial emotions (p = .02, d =0.76), and showed more critical attitudes toward bullying (p = .07,d =0.56). It seems unlikely that the relationship between the sensitivity of physical pain and the prosocial responses can be mediated by the judgment of psychological distress of others. Rather, it is more likely that physical pain can directly enhance the awareness of psychological distress of others and prosocial reactions to them.
著者
白 成美 山本 將 澤村 英子 齋藤 經生
出版者
学校法人 山野学苑 山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.33-47, 2008 (Released:2019-06-10)

仏像の中でも、とりわけその彫像表現が顕著に異様な仁王像(執金剛神像)について研究を行った。とくに筋肉美は、西洋の彫像からどのような影響を受け、どのような過程を経て仏像の形態表現に影響してきたかに注目した。インドで成立した仁王像はバジュラパーニとよばれた。その姿はヘレニズムの影響を受けており、西洋のヘラクレス神像に原型が求められるようである。その後中国に移入され、仏法の守護神としての威容を表わすうえに装飾品や天衣などの中国的要素が加わって、中国独自の仁王像として完成された。それは中国に伝来以来、時代と共に次第に変化し、北魏時代からは仏法の守護神としての威容を表わすために髻、憤怒の顔、威嚇するポーズなどの表現がみられるようになる。北魏のスリム形仁王像が六朝時代を経て、徐々に筋肉隆々とした逞しい姿になっていくが、唐時代ではその表現が誇張・装飾化された形となり、より一層の力強い写実的表現となった。唐代の影響を強く受けた韓国や日本でも、中国の仁王像のリアルな人間の美的表現の影響がみられる。韓国では、石窟庵の仁王像にみられるように、筋肉の形や天衣などに韓国独自の表現がされている。日本では、天平時代の仁王像には唐の影響がよく反映されているが、それ以上にはげしいポーズや表情などもみられ、体型やプロポーションにおいて、より充実した表現が認められた。鎌倉時代には、天平への復古を目指しながらも新たな中国(宋)の影響によって、生身に近い、生きているかのような仁王像が造られるようになった。この仁王権には、人体解剖学的に理解しにくい表現も散見されるにも係わらず、仏の守護神としての力強さや美しさが感じられる。それは美術解剖学的には成功した表現によると考えられる。日本でみられる仁王像は、ある日突然成り立ったものではない。長い年月、各国で造られた仁王像の影響を受けながら、信仰心を持って常に自然な姿、写実的な姿を追い求めた結果なのである。
著者
山本 英貴
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.126, no.6, pp.62-84, 2017 (Released:2018-10-20)

小稿は、奥右筆文書に収録される諸大名より幕府に提出された行列道具の所持願、その願い出を認めるかどうかを記した幕府役人の評議書などを総合的に分析し、江戸幕府の政務処理の流れを復元したものであり、家斉期の幕府と藩(大名家)との関係について、次の点を明らかにすることができた。 まず、行列道具の所持願の処理過程について、大名が月番老中に提出した所持願は、月番より大目付・目付に渡され、それは両名より、願い出を認めるか否かを記した評議書とともに、月番へ返上された。行列道具の所持は、大名の家格に関わる問題であり、願い出の採否については、月番と他の老中とが大目付・目付の評議書を参考に、合議により決めていた。その際、老中が採否にあたって重視したのが、願い出を認めると他の大名に支障が出るか、という点であった。この基準があればこそ、幕府は大名に行列道具を持たせることを、その家格と序列を操作するための手段として活用できたのである。 次に、家斉期の幕政については従来、将軍家斉の子女と縁組した大名は官位が上昇したりする不公平なもの、として理解されてきた。小稿においても、家斉の息女と縁組した会津松平・鍋島の両家が、以前に断られた所持願を、新規に先例を提示することなく認められていた点を確認した。その一方で、家斉の子女と縁組していない藤堂家も、前述の基準により、新規に先例を提示することなく、これまで断られていた所持願を認められた、という事実を明らかにした。 以上により、小稿では、家斉期に行列道具の所持願が多く認められた背景として、①家斉の子女と縁組した大名に道具の所持が認められ、それ以外の大名も幕府に所持願を出したこと、②老中を始め幕府の諸役人に、他の大名との兼ね合いから所持願を認めようとの考えがあったこと、の二点を明らかにしたのである。
著者
山本 俊光
出版者
一般社団法人 日本環境教育学会
雑誌
環境教育 (ISSN:09172866)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1_14-24, 2012-10-15 (Released:2014-03-31)
参考文献数
31
被引用文献数
1 2

The present study was conducted to analyze the relationship between experience of nature in childhood (preschool to elementary school) and the social nature of university students with reference to parental attitudes. The study was based on a questionnaire survey of 429 students (163 men and 264 women; 293 from residential areas and 123 from farming areas) attending five universities in May 2008. Students with much nature experience were accepted by their parents to a greater extent than those with less nature experience; in this context, nature experience included activities such as camping, hiking and climbing, growing flowers, make-believe play, playing outdoors and in mountain areas, rearing insects, etc. Such children might also have visited art museums and participated in nature observations, as well as having been taught the importance of good habits and manners. The results showed that the opinions of the parents about child education had influenced their children's nature experience. Comparison of the means of the social disposition “empathy" factor scores and the social attitude “social skill" factor scores revealed a tendency for higher scores to reflect more, rather than less, nature experience. The social nature of these children, nurtured through non-routine activities such as camping, was probably also nurtured by daily involvement with friends and family. University students showed an association between experience of nature in childhood and their social nature.
著者
松木 征史 山本 克治
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.62, no.9, pp.919-922, 1993-09-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
13

宇宙には,目に見えている物質の10倍から100倍もの,目に見えない物質が存在していることがわかっている,この,いわゆる暗黒物質(ダークマター)の正体は現在全く不明であり,素粒子・宇宙物理学に関連する大問題である.暗黒物質は,通常の物質との相互作用がきわめて弱く,その検出は著しく困難である.暗黒物質の有力な候補である宇宙由来素粒子アクシオンの探索もきわめて困難な課題であるが,量子工レクトロニクスの手法を用いて探索する方法が最近見いだされて,その検出実験が進められている.
著者
安里 龍 友利 啓子 東盛 キヨ子 新城 澄枝 金城 須美子 山本 茂
出版者
The Japanese Society of Health and Human Ecology
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.219-236, 1995-07-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
80

Okinawa prefecture, consisting of the Ryukyu Islands in the southern part of Japan archiperago, is located in the subtropics. From ancient time, Okinawa had developed trading networks with China, Korea and many Southeast Asian countries and had received cultural influence from them. As the results, it is said that the foods consumed by, and food habits of, Okinawans, have been more similar to those in such countries than in Japan. The life span of Japanese has recently become longest in the world, and it has been longer in Okinawa than in any other prefectures. In this respect, special attention has been drawn to the historical aspects of Okinawan food habits. In the literature so far, however, typical foods, recipes and food habits in specific historical periods were documented but their compiled description throughout the history was lacking. This paper aims at a comprehensive description of the various events from the ancient time to the present to demonstrate their interrelation in a chronicle. Major a pects treated are introduction of foods, food production systems, food-processing, trades, marketing activities, food consumptions, religious roles of food services, and famines caused by natural and man-made disasters in relation to food habits.