著者
森尾 佳代子 津金 麻実子 岡本 禎晃 糀 桂子 田墨 惠子 上島 悦子
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.381-387, 2013-06-10 (Released:2014-06-10)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

Dacarbazine (DTIC) produces adverse reactions including local venous pain during the intravenous injection. DTIC is reported to be photolyzed to produce certain kinds of pain producing substances. 5-diazoimidazole-4-carboxamide (Diazo-IC) is considered to be a causative photolyte of venous pain. A newly designed cover shield has been used at Osaka University Hospital when DTIC is administered for the last 4 years. This shield comprises black cotton and covers both the infusion bag and route of infusion. We evaluated the effectiveness of this new shield against photodegradation of DTIC by determining the concentration of Diazo-IC. DTIC was dissolved with an injection solvent and mixed with 5% dextrose in water. Prepared samples were divided into 3 groups (without shield, infusion bag covered with shield, and infusion bag and infusion route covered with shield) and exposed under natural light conditions indoors. Prepared solutions ran down through the route and those samples were taken before and after passing the route pipe. Diazo-IC in the samples was measured by HPLC. Production of Diazo-IC in the non-covered bag was significantly increased in comparison with that in covered infusion bags. Diazo-IC production in samples after passing through the route was significantly increased compared with that in samples taken before passing through the route of the non-covered shield and covered infusion bag only. For the covered infusion bag and infusion route, the samples taken before and after passing through the route did not show significant differences. These data suggest that the new shield, which almost perfectly covers both the infusion bag and route of infusion, is effective in preventing DTIC photodegradation.
著者
岡本 五郎 山本 恭子 島村 和夫
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.251-258, 1984 (Released:2007-07-05)
参考文献数
16
被引用文献数
5 4

4倍体ブドウの巨峰系品種の中で, ‘巨峰’及び‘ピオーネ’の果房には多くの無核小粒果が混入するが, これに比べて‘紅瑞宝’, ‘紅伊豆’, ‘レッド•クイーン’, ‘ハニー•レッド’ではより多くの有核果が着粒し, 無核果の混入は少ない. このような無核果の着生原因を知るために, 各品種の花器の完全性と胚珠への花粉管の伸長を比較した.‘巨峰’及び‘ピオーネ’では, 胚珠の形態的異常や胚のうの未発達が他の品種より多くみられた. 生殖核と栄養核のない花粉も両品種で特に多かったが, 寒天培地上での発芽能力とは一定の関係がなかった. 子房内に伸長した花粉管の数は, いずれの品種でも子房組織の中央部または下部で著しく減少したが, ‘巨峰’と‘ピオーネ’ではその減少が特に著しく, 胚珠へ到達する花粉管も極めて少なかった.これらのことから, ‘巨峰’及び‘ピオーネ’で有核果の着生が少ないのは, 胚珠の発達が十分でないこと, 及び花粉管の子房内組織での生長が不活発であるために胚珠が不受精になりやすいことが原因であると考えられる. これらの品種では, 不受精に終った子房の多くがそのまま生長を続けて無核果になるものと思われるが, その機構は不明である.
著者
小宮 みぎわ 岡本 芳晴
出版者
日本獣医循環器学会
雑誌
動物の循環器 (ISSN:09106537)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.35-41, 2022 (Released:2022-08-18)
参考文献数
18

家庭用塩素系洗浄剤(主成分は次亜塩素酸ナトリウム)の暴露により,呼吸器障害ならびに一過性心筋傷害が引き起こされたと考えられる猫の,詳細な臨床経過を観察することが出来たので,報告する。本症例は,第3病日に呼吸促迫を呈し,胸部X線検査では明らかな心拡大が認められた。胸腔内にわずかな胸水貯留,腹側にびまん性肺胞パターン,左右肺動脈の重度拡大が認められた。心エコー検査では右心系の拡張,心室中隔の扁平化,肺動脈の拡大,三尖弁と僧帽弁の逆流を確認した。第6病日には胸水貯留量の増加が認められたため,抜去した。血清心筋トロポニンIは8.441 ng/mlと著しく高値を示した。本症例はその後,治療に反応して次第に状態は改善し,第32病日に心拡大,三尖弁/僧帽弁の逆流が認められなくなった。3年が経過したが,本症例の血清心筋トロポニンは0.050 ng/mlであり,心エコー検査においても心筋症を疑う所見はない。
著者
久留宮 康浩 寺崎 正起 岡本 恭和 坂本 英至 後藤 康友 浅羽 雄太郎 新宮 優二 夏目 誠治
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.317-322, 2003-02-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
12
被引用文献数
2 4

大腸癌術後の最も危険な合併症の一つである縫合不全について,その病態と治療向上に関連する因子を明らかにする目的で,過去12年間に当院で大腸癌に対し待期および緊急手術を含め切除を行った675例についてretrospectiveに検討した.またイレウスと縫合不全の関連,特に逆行性イレウス管が縫合不全の予防に有用か否かについて検討を加えた.縫合不全は47例(7.0%)にみられた.男性,術前イレウス,下部直腸癌,リンパ節転移陽性は縫合不全の危険因子であった.保存的に治療した34例の縫合不全発症日と経口摂取開始までの日数との間には有意な負の相関があった(p<0.001). 47例中再手術は8例であったが,再手術後の経過は全例良好であった.縫合不全症例47例のうち在院死亡は5例(10.6%)で,縫合不全がない症例(在院死亡, 1.9%)より有意に死亡率が高かった.イレウスで発症した大腸癌に対して逆行性イレウス管を挿入することにより緊急手術を減少させ,かつ縫合不全の発症率も減少させることができた.
著者
岡本 秀明 岡田 進一 白澤 政和
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.504-515, 2006 (Released:2014-07-08)
参考文献数
33
被引用文献数
28

目的 大都市に居住する高齢者の社会活動に関連する要因を,身体,心理,社会・環境的な状況から総合的に検討することを目的とした。方法 大阪市に居住する65~84歳の高齢者1,500人を,選挙人名簿を用いて無作為に抽出した。調査は,自記式調査票を用いた郵送調査を実施した。有効回答数771人(51.4%)のうち,代理回答および IADL 得点が 0 点の者を除外したため,分析対象者は654人となった。社会活動は,個人活動,社会参加・奉仕活動,学習活動,仕事という 4 側面を捉える社会活動指標を用いて測定した。分析は,社会活動の 4 側面それぞれを従属変数,基本属性,身体,心理,社会・環境的な変数を独立変数としたロジスティック回帰分析を行った。結果 ロジスティック回帰分析を行った結果,個人活動が活発な者の特性は,外出時のからだのつらさがない,親しい友人や仲間の数が多い,活動情報をよく知っている,活動情報を教えてくれる人がいる者であった。社会参加・奉仕活動では,地域社会への態度の得点が高い,平穏でのんびり志向の得点が高い,親しい友人や仲間の数が多い,外出や活動参加への誘いがある,技術・知識・資格がある,中年期に地域とのかかわりがあった者であった。学習活動では,地域社会への態度の得点が高い,外出や活動参加への誘いがある,活動情報をよく知っている者であった。仕事では,変化や新しさを伴う活動的志向の得点が高い,技術・知識・資格がある,中年期に地域とのかかわりがあった者であった。結論 高齢者の社会活動には,身体,心理,社会・環境的な要因が幅広く関連していた。高齢者が社会活動に参加しやすい社会を構築していくためには,地域における仲間づくりや共通の関心を持つ者同士が出会ったり共に活動したりしやすいような支援や,地域の委員等が活動参加を適度に促すことなどが求められる。また,個人の側も高齢期以前から地域の活動に関心を持つなどの努力が必要であろう。
著者
岡本 敬司 野崎 剛弘 小牧 元 瀧井 正人 河合 啓介 松本 芳昭 村上 修二 久保 千春
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.369-375, 2001-06-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
16

栄養状態の回復期にカルニチン欠乏および高CPK血症をきたした神経性食欲不振症を報告した.症例は30歳女性.入院時体重は19.6kg(-57%標準体重).入院時より高度の肝機能障害を認めたが, 栄養状態の改善に伴い入院30日目には正常化した.しかし, そのころよりCPKが上昇しはじめ, 入院時は正常範囲にあった血清カルニチン濃度が正常の半分以下まで低下した.その後, 摂食量の増加にもかかわらず, 血清カルニチン濃度はわずかに上昇したのみで, CPKも漸減しただけであった.そこでカルニチン製剤を投与したところ, CPK, カルニチンともに速やかに正常化した.神経性食欲不振症の栄養状態の回復期におけるCPKの上昇とカルニチンの関連を考察した.
著者
西村 馨 木村 能成 那須 里絵 岡本 美穂 佐藤 かな美
出版者
国際基督教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

集団不適応の中学生に対するグループセラピーを実践し、参加者(合計14名)のほぼ全員が学校での適応状態の改善を見た。グループでの治療展開について、個人の未形態の情緒が対人関係的出来事(対人トラウマの再演)をもたらし、その理解が相互の関係性を深化させ、さらに現実的アクションへと至るプロセスが見出された。このようなグループセラピーの構造、治療的活動、基礎技法、セラピストの姿勢、グループ発達段階に応じた介入について整理した。また、本グループによる教師研修(1名)、カウンセラー研修(3名)の検討により、子どもの感情に一層接近する感覚の向上とやりとりの柔軟化が見出された。
著者
深瀬 裕子 岡本 祐子
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.266-277, 2010-09-20 (Released:2017-07-27)
被引用文献数
3

本研究は,Erikson(1950/1977・1980)の精神分析的個体発達分化の図式Epigenetic schemeにおいて空欄となっている老年期における8つの心理社会的課題を示し,Erikson,Erikson,&Kivnick(1986/1990)との比較から,日本における心理社会的課題の特質を検討することを目的とした。高齢者20名を対象にErikson et al.と同様の手続きによる半構造化面接を行った。その結果,8つの心理社会的課題を説明する肯定的要素と否定的要素,および課題に取り組むための努力である中立的要素がそれぞれ抽出された。これらより,第VIII段階における8つの心理社会的課題を具体的に示した。また,各課題に取り組む際に,戦争体験,家制度,社会の中での高齢者の地位という日本独自の文化が影響していることが示唆された。以上の知見は社会参加に積極的な人々における心理社会的課題の取り組み方を示すものであり,特に高齢者の心理社会的課題を理解する上で重要であると考えられた。

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著者
岡本正文 編
出版者
文求堂
巻号頁・発行日
1902
著者
岡本 安晴
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
pp.38.2, (Released:2019-06-21)
参考文献数
39

The up-down method of adaptive psychophysical measurement uses binary response categories, e.g., “stronger” and “weaker.” This study proposes that ratings using three response categories, e.g., “stronger,” “do not know,” and “weaker,” or four response categories, e.g., “stronger,” “probably stronger,” “probably weaker,” and “weaker,” should be used instead. Simulation experiments showed that the proposed methods were superior to the standard up-down method. Comparisons were made with respect to the root mean square error (RMSE). First, in the case of two response categories, the RMSEs of estimates made using a stochastic model were smaller than those derived using the standard arithmetic method based on simple averaging, except in one extreme case. Hence, comparison of two, three, and four response categories was made with respect to estimates made using stochastic models. The RMSEs of estimates of the point of subjective equality using three or four response categories were smaller than those using two response categories. The RMSEs of estimates of model slope parameters, where a just noticeable difference was calculated as a ratio of the parameter, were smaller with three or four response categories than with two response categories, except in two extreme cases.
著者
冨田 仁美 奥田 真也 松本 雄志 鴨川 賢二 岡本 憲省 奥田 文悟
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.340-345, 2012 (Released:2012-09-26)
参考文献数
19

症例は65歳,男性.突然の左片麻痺と構音障害にて当科へ入院となった.左片麻痺のほかに左核上性顔面神経麻痺,左舌下神経麻痺,頸部以下の左半身で深部感覚障害がみられた.頭部MRIでは右延髄上部から中部の腹側から被蓋部に梗塞巣を認めた.3週間後も左舌下神経麻痺は続いたが,線維束攣縮や筋萎縮はみられないため,左核上性舌下神経麻痺と診断した.本例の顔面神経麻痺と舌下神経麻痺は病巣と反対側にみられたため,両神経核への核上性線維が延髄において交叉する前に障害されたと推測された.核上性の顔面神経および舌下神経線維の交叉部位には延髄上部から下部にかけてバリエーションが存在することが示唆された.
著者
岡本 梢 井上 裕匡 堤 仁勢 才本 由美 石野 真輔 辻 吉郎
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.25-31, 2020 (Released:2020-01-10)
参考文献数
28

回復期リハビリテーション病棟(以下、回復期リハ病棟)は低栄養患者が多いとされ、本研究では当院回復期リハ病棟で提供される食事が栄養学的に適正か否かを検討した。 入院後2週間の食事摂取量から計量した1日平均摂取エネルギー量、たんぱく質量をそれぞれ標準体重で除しEおよびPとした。入院時BMIからUW群(BMI<18.5kg/m²)、NW群(18.5≦BMI<25kg/m²)、OW群(BMI≧25kg/m²)に3分類し、入院2週間後で体重が1.5%以上減少したD群、体重が1.5%未満減少もしくは増加したND群に細分類した6群間のE、P、平均年齢、FIM効率等を比較した。 E、PはOW-ND群で有意に高く、平均年齢はUW-D群で有意に高かった。 FIM効率はNW-ND群で高い傾向を示した。 FIM効率の観点から、肥満傾向の患者には入院直後から標準体重を目標とした減量が望ましい。一方、高齢の患者には摂取量低下を考慮した上で必要エネルギー量を確保する必要がある。
著者
中俣 恵美 岡本 加奈子 横井 賀津志 甲斐 悟
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1339, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】高齢化や認知症患者の増加に伴い,医療・福祉現場では要介護高齢者の重度化が目立つ。経口摂取が困難な終末期を迎えると,生活の大半を静的姿勢が占めることになる。このような状況において,ポジショニングは,重要な介入方法の一つとなる。ポジショニングの目的として褥瘡予防や拘縮予防はもちろん,重度要介護高齢者では積極的な姿勢ケアによるリラクセーションは特に重要であると考える。しかし,終末期を迎えると言語機能も損なわれ,自身の要望や苦痛を訴えることができないため,そのケアは支援者の能動的なものに移行する。それゆえに,ポジショニングによる主観的満足感を確認,評価することが困難となる。そこで我々は,ポジショニングの有無による心拍数と自律神経活動を測定し,安楽の状況を評価できるか検証した。【方法】研究に同意を得られたポジショニングケアを必要とする症例3名(障害高齢者の日常生活の自立度B2:1名,C2:2名)。ポジショニングなし(背臥位)とポジショニングあり,それぞれの状況で体圧分布〈ニッタ社,BPMS〉,および5分間,自律神経活動と心拍数を測定した。ポジショニングの設定は①接地面積を広くする,②体圧をできるだけ分散する(除圧),③肩甲帯,骨盤帯,体幹での回旋(捻じれ)の改善を基本とし肢位の決定を行った。自律神経活動は,MemCalc Bonaly Light(GMS社)を用い,スペクトル解析から低周波成分(LF:Low frequency,0.04~0.15Hz)と高周波成分(HF:High frequency,0.15~0.40Hz)を計算し,HFを副交感神経活動指標に,LF/HFを交感神経活動指標にした。【結果】A氏:ポジショニングなしからありへの副交感神経活動の変化は,30.8±6.3から43.2±11.2に上昇,交感神経活動の変化は0.4±0.3から0.6±0.6に低下した。心拍数の変化は,60.9±0.8拍/分から58.1±0.3拍/分に低下した。B氏:ポジショニングなしからありへの副交感神経活動の変化は,296.2±197.2から373.4±508.4に上昇,交感神経活動の変化は8.2±14.7から0.8±0.6に低下した。心拍数の変化は,96.7±7.8拍/分から95.2±1.4拍/分に低下した。C氏:ポジショニングなしからありへの副交感神経活動の変化は,2732.4±1949.7から985.7±735.2に低下,交感神経活動の変化は,2.1±2.7から0.5±0.3に低下した。ポジショニングなしのときの副交感神経活動および交感神経活動の変動は激しく,安定しなかった。【結論】リラックス状態と副交感神経活動には,密な関係があるといわれている。今回の研究においても同様の傾向がみられ,重度要介護高齢者においてポジショニングの有無によって心拍数と自律神経活動に変化が生じた。この変化は,リラックス状態を反映していると考えられ,安楽の状況を評価できる可能性が示唆された。そして,自律神経活動として可視化することで尊厳あるケアにつなげることが可能となると考えられる。
著者
岡本 一利
出版者
DEEP OCEAN WATER APPLICATION SOCIETY
雑誌
海洋深層水研究 (ISSN:13458477)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.1-7, 2006-10-25 (Released:2010-06-28)
参考文献数
20

駿河湾で採取した成体サクラエビを, 海洋深層水と表層水の2実験区に分け, 水温は約15℃, 餌料はアルテミアノープリウスを給餌することにより個別飼育した.海洋深層水区, 表層水区の実験結果は次のとおりであった.最大生残日数は各々185, 17日, 平均生残日数は各々58.8, 13.0日, 1個体あたりの最高脱皮回数は各々15, 1回, 平均脱皮回数は3.4, 0.2回であり, 海洋深層水区で生残日数が長く, 脱皮回数が増加した.海洋深層水区において, 飼育開始から最初の脱皮までの平均日数は15.8日, それ以降の平均脱皮間隔日数は12.0日で規則的に脱皮を繰り返した.脱皮前甲長 (x) と脱皮後甲長 (y) の関係を求めた結果, y=0.7156x+2.71 (r=0.80, n=31, p<0.001), の式で表された.飼育実験値と野外調査による成長推定値が類似した.海洋深層水を利用することによりサクラエビの生態解明が期待される.
著者
板垣 翔大 岡本 恭介 佐藤 和紀 三井 一希 泰山 裕 安藤 明伸 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S46030, (Released:2022-07-11)
参考文献数
8

本研究では,授業中の教育実習生に参観者が助言や励ましを送信可能なシステムを開発し,教育実習生の授業で実践利用した.授業者と指導教員へのインタビュー調査からシステムを評価した結果,授業中の助言により,その場で授業を改善するきっかけを与えられることや,送られる励ましによって安心感や心強さが生じること,また,授業中に助言等を受け取るツールとしてスマートグラスが妥当であることなどが示唆された.