著者
浅井 幸 横山 康之 斉藤 晃一 大友 友昭 松田 登
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:00231908)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.415-421, 1985-09-01 (Released:2009-10-15)
参考文献数
39

Diseases in the oral cavity of infants are very different from those of adults because the oral tissues of infants are growing, and the oral conditions such as food and drink or dental treatment materials are different. There are many indistinct points in the case of cysts or tumors of infants as there are few case reports on them. The authors have experienced the following interesting cases : Case 1 An 11-month-old male with a mucous cyst located in the left palate glossal arch.Case 2 A 1-year-old female with a fibroma located in the median palate.Case 3 A 1-year 8-month-old male with an embryonal rhabdomyosarcoma located in the left margin of the posterior tongue.Each patient was treated by resection under general anesthesia and the postoperative course was uneventful. Cases like the above are relatively infrequenct among infants. It is ordinarily thought that both mucous cysts and fibroma are caused by local factors and inflammation. Refering to our cases, we suggest that such diseases as mucous cysts and fibroma are related to antecedent embryological causes.
著者
武脇 義 斉藤 英毅 志水 泰武
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.61-68, 2002 (Released:2018-05-04)
参考文献数
57

恒温動物は,一般に平均37℃の体温を維持していると理解されている。しかし,この中には冬眠動物という例外的な存在が含まれている。ハムスターやリスなどの小型哺乳類に見られる冬眠は,クマなどの大型哺乳類の冬眠に対し「真の冬眠」と呼ばれ,体温は5〜10℃まで下降する。この時期,冬眠動物たちの心拍数,呼吸数そして血圧も激減することが知られている。にもかかわらず,末梢の血管抵抗の値に関しては活動期のものとほとんど変わらないことが確認されている。この原因として,血液粘稠度が体温の低下により上昇し血管抵抗が維持されるというもの,あるいは血管平滑筋のアドレナリンに対する感受性が高まり収縮力が増強されるというもの,などが今までの認識であった。ところが最近の薬理学的および電気生理学的研究によると,このような末梢血管抵抗の維持には血管を支配する交感神経の伝達機構の増強や血管内皮細胞による弛緩機能の低下も重要な関わりを持っていることが明らかになってきた。本稿では,冬眠下動物の末梢血管抵抗の維持に関して,特に血管交感神経と内皮細胞の機能変化に焦点をあて,最近の知見を中心に考察してみたい。
著者
斉藤 庸平
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.214-217, 1998-01-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
10
著者
"栃原 きみえ 斉藤 一枝 水口 綾子 池田 恵子" トチハラ サイトウ ミズグチ イケダ K. "TOCHIHARA K. SAITO A. MIZUGUCHI K." IKEDA
雑誌
名古屋女子大学紀要 = Journal of the Nagoya Women's College
巻号頁・発行日
vol.25, pp.1-12, 1979-03-15

"被服の着装効果と人の個性との関係を明らかにするために,個性の要素の1つである顔の形態的因子を研究対象とし,本学学生222名を被験者として,1/2大の写真を用いて各部位の計測をした.1.眉,目,鼻,口の長径,幅径,角度 眉,目,鼻,口の各部位の長径,幅径および角度を計測し,最大,最小,平均,標準偏差を求めた.2.眉,目の長径,幅径,角度の左右差と出現率 顔の因子の左右アンバランスは個性の研究に必要と考え,眉長,眉幅,眼裂長,眼開大径および眉頭を基点とする眉尻の角度,眼頭を基点とする眼裂の角度の左右差について検討したが,左右同径,および同角度は極めて少なく,各項目ともに約80~90%の者に左右差が認められ,高い出現率であった.3.眉,目,鼻,口の相関係数 眉,目,鼻,口の長径,幅径,角度の120項目について相関係数を求めたところ,41項目が有意であった.その中で眉長,眉幅,眉角度,眼裂長,眼開大径のおのおの右と左間の相関係数が特に高い傾向を示した.そこで類型化のための資料には,左右のいずれか一方でよいと判断し,本研究では右を用いることにした.4.眉,目の類型化 4-1 眉,目の長径,幅径による類型化と出現率 本研究を進めるにあたって,先ず顔の因子の類型化が必要と考え,今回は眉と目を取り上げ,長径,幅径の標準偏差±3σを用いて5段階に分け,両者の組み合わせによって類型化を試み出現率を求めた. 4-2 眉,目の角度による類型化と出現率 眉長と眉角度および眼裂長と眼角度の各標準偏差を用いて類型化を試みたが,上り眉は52.7%と過半数を占め,下り眉は31.1%また0度つまり眉頭と眉尻が水平線上にある眉は16.2%であった. 目の場合,上り目の出現率は97.7%と圧倒的に高く,下り目は0.5%,0度は1.8%と低い傾向であった. 4-3 眉の特殊型 眉の形には俗にいう三日月型,への字型などがあるが,これらの形態と個性との関係を追求するために類型化を試みたが,全体の中での出現率は三日月型が22.5%,への字型が14.0%であった. 4-4 一重まぶた,二重まぶたの例 目の形態には俗にいう一重まぶた,二重まぶたがあるが,出現率は一重まぶたが55.4%二重まぶたが33.0%,また左右のいずれか一方が一重まぶた,または二重まぶたのいわゆる左右アンバランスの目は10.8%であった.以上のように一重まぶたの者が圧倒的に多かったのは,東洋人種である日本人の特徴を裏付けているものといえよう. 7-5 眉,目の位置に関する類型化 左右の眉頭間および眼頭間の各標準偏差を用いて5段階の類型化を,また眉の下縁と目の上縁間の標準偏差を用いて眉,目間の類型化を試み,眉と目の位置に関する形態を把握した.以上,眉,目,鼻,口の長径,幅径,角度を数値として確認し,また眉,目について類型化を試みたが,続けて鼻,口の類型化を試みたいと考えている.今後これらの資料をもとにして個性との関係を追求し,更に被服との関係についても明らかにしてゆきたいと考えている.終りに本研究の資料収集に御協力くださった高梨亨子講師,また被験者として御協力くださった服飾専攻の学生諸姉に,深甚の謝意を表します."
著者
久保 隆太郎 斉藤 郁雄 酒井 孝司 石原 修
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.72, no.619, pp.33-38, 2007
参考文献数
22
被引用文献数
4 5

Many of studies aiming at grasp of the actual condition of heat-island phenomenon in recent years are the moving observations which need time correction and the fixed point observation with few measuring points. In consideration of these situations, the long-term fixed point observation which can acquire data which is high resolvable in time and spatially is performed in this study. In previous study, the measuring method of the long-term fixed point observation of the temperature and humidity observed at about 160 points in Kumamoto city was explained in full detail. While the temperature and the humidity distribution obtained from the measurement result were shown, the characteristic of temperature change of each measuring point was clarified by using the principal component analysis about temperature change etc. In this study, the feature of the climate of Kumamoto city is solved based on the observation result of summer heat day and chill day. And, in Kumamoto-city where temperature and humidity is high, the influence the strength of a wind has on temperature distribution is considered. Furthermore, the feature of moving observation of the temperature distribution and the long-term fixed point observation adopted by this study is shown. Based on each measurement result, the actual condition of the heat-island phenomenon in Kumamoto city is solved.
著者
幸田 圭史 高橋 一昭 更科 広実 斉藤 典男 新井 竜夫 布村 正夫 谷山 新次 鈴木 秀 奥井 勝二 古山 信明 樋口 道雄
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.1466-1470, 1985

非ポリポーシス性遺伝性大腸癌の一型として分類されているcancer family syndromeは, Lynch (1973)らによりその診断基準が示されたが未だ明確なものではない.今回cancer family syndromeを疑わせる異時性3重複癌の症例を経験した.症例は60歳の女性で, 40歳時にS状結腸癌,直腸癌に罹患. 57歳時に子宮内膜癌に罹患.今回(60歳)は胆嚢癌,横行結腸癌と診断され昭和59年7月開腹術を行ったが多数の腹腔内播種を認め根治術を施行し得ず閉腹した.その組織型は全て腺癌であった.また本症例の三男は20歳時に大腺癌の為死亡し,母親は胃癌の為53歳時に死亡している.本症例の大腸癌はポリポーシスの形をとっておらず,子宮癌は子宮体部に発生したものであった.これらは, Lynchらの述べているcancer family syndromeの特徴の大部分を満たしているが,広い家族歴を調査できなかった為,常染色体優性遺伝のことは証明できず確定診断にはいたらなかった.家族に対する癌の二次的予防の意味においてcancer family syndromeを診断することは意義があり,今後明確な診断基準の作成が必要と考えられた.また,診断基準の作成の為に免疫学的研究の導入が必須と思われた.
著者
中西 晃 赤堀 侃司 野田 一郎 木村 達明 斉藤 耕二 藤原 喜悦
出版者
東京学芸大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1985

1.帰国子女の文化的アイデンティティの形成に関する調査研究現在は社会人として活躍しているかっての帰国子女が, 自分の青少年時代の異文化体験をどう評価し, それが現在の個人の人格形成にどのような関わりがあるかを調査研究した.(1)研究の手法 青少年時代に海外で生活し, 現在は社会に出ている異文化体験者に対し, 質問紙法及びインタビューによって調査を行った. 質問紙法では同年代の未異文化体験者を統制群とし, 比較検討を行った. (2)研究の成果 (1)職業, (2)余暇, (3)友人, (4)職場, (5)父母, (6)結婚, (7)人生観・人格, (8)異文化体験の影響の8項目にわたっての調査を統計的に分析した結果, 当初想定していた程ではなかったものの, 異文化体験群と統制群とではそれぞれの項目について有意な差が検出された. 面接法によっての調査からも, 個人の人格形成にとっては異文化体験はその成長を促すものであり, プラスの関与があったことが伺えた.2.帰国子女の国際感覚に関する意識の調査研究帰国子女の国際感覚が一般生とどのように異なるかを対比することによって, 帰国子女の国際感覚の特質を明らかにする調査研究を行った.(1)研究の手法 帰国子女のうち, 中・高校生を対象に質問紙法による調査を行った. 同年齢の一般の生徒を統制群として比較検討した.(2)研究の成果 (1)日本の印象, (2)外国語, (3)差別, 偏見, (4)生活習慣, (5)個性, (6)将来・進路の5つの内容について統計分析の結果, 帰国生と一般生の間には各内容に有意差が見られた. 帰国生には外国語・差別偏見に対する意識, 海外での進学・就職志向に顕著な特徴が見られた. また, 帰国前の日本の印象, 生活習慣の変容, 周囲に合わせる傾向から, 帰国生の日本への適応の様子の一端を窺うこともできた.
著者
柿崎 真沙子 澤田 典絵 山岸 良匡 八谷 寛 斉藤 功 小久保 喜弘 磯 博康 津金 昌一郎 康永 秀生
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.179-186, 2018 (Released:2018-05-03)
参考文献数
19

目的 DPCデータを大規模なコホート研究の発症登録に利用することが可能であるかを検討するため,独自に収集した脳卒中および急性心筋梗塞発症登録数と,DPCデータを活用して得られた疾病登録数との比較を行い,脳卒中と急性心筋梗塞の各診断名において実施された治療・処置や検査から,標的疾患罹患の把握に有用な項目があるか検討した。方法 研究対象病院のDPCデータから,4種類(主傷病名,入院の契機となった病名,医療資源を最も投入した病名,医療資源を二番目に投入した病名)のいずれかに,急性心筋梗塞,脳内出血,脳梗塞が含まれる症例を抽出し,疾患ごとに実施された検査や治療の情報を抽出・集計し当該研究対象病院にてJPHC研究の一部として独自に収集した発症登録により得られた登録数を比較した。結果 DPCデータで抽出された症例数は独自に実施した発症登録数より多かったが,その差はとくに脳梗塞において顕著であった。JPHC登録数/DPC症例数の比は心筋梗塞1.13,脳内出血0.88,脳梗塞0.67であった。結論 急性心筋梗塞および脳内出血の疾病登録にはDPCデータを利用して,対象者数を概ね把握できる可能性が示された。脳梗塞についてはDPC登録病名とDPC治療・検査・診断項目を補助的に活用することで,疾病登録対象者数の同定精度を高め得る可能性がある。しかしながら,DPCデータを大規模なコホート研究の発症登録に利用するためには,地域全体での発症数がDPC導入病院の発症数でカバーできるのか,さらなる検討が必要である。
著者
影山 洋 斉藤 哲也
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.844-848, 1996-12-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
22

高クレアチンキナーゼ(CK)血症を契機に発見された甲状腺機能低下症の患者で免疫グロブリン結合CKによるマクロCK血症がみられた患者を報告する. 症例は50歳女性, 高血圧で外来通院中約1カ月前頃より両側上肢の筋力低下の症状あり, CKを測定したところ, 異常高値で, 精査のため入院. 乾燥皮膚, 頭毛の脱落, nonpitting edema, 両側上下肢の筋力低下がみられた. CKは98. 5%がMM活性であり, 電気泳動ではextrabandがみられ, マクロCKが疑われた. 薄層ゲル濾過法で正常スポットと高分子スポットがみられ, 酵素免疫固定法では重鎖はA, 軽鎖はκとλの両者からなる免疫グロブリン結合CKであることが明らかとなった. 身体所見より甲状腺機能低下症が疑われ, 遊離T3, T4とも測定感度以下, TSHは異常高値であった. 甲状腺自己抗体, TSHレセプター抗体は陰性であった. 甲状腺ホルモンの補充療法により筋力低下は消失し, CKも正常化し, 免疫グロブリン結合CKも消失した. 甲状腺機能低下症に伴い免疫グロブリン結合CKがみられたのは本症例が2例目であり, きわめてまれであると考えられた.
著者
竹村 貴人 斉藤 奈美子 池野 順一 高橋 学
出版者
一般社団法人 日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.160-164, 2009 (Released:2013-03-31)
参考文献数
12
被引用文献数
1

近年の急速な産業技術の発展に伴い, レンズやシリコンウェハなどの先端材料の精密加工の需要が非常に高まっている. そのような背景のもと, 砥石は物作り産業をはじめとする産業技術の基盤を支える重要な道具の一つであることはいうまでもない. しかしながら, 天然砥石の合砥と呼ばれる仕上げ砥は, 未だに人工的に造られた人工砥石よりも優れた研削性能を持つものもあるとされており, 現在でも日本刀や和包丁など刃物の研ぎ師が好んで使っている. ここでは, このように優れた研削性能を持つ天然砥石, とくに合砥に関する情報を人工砥石に取り入れることを目的として, 合砥の内部構造の特徴を応用地質学的な視点を交えてまとめた. その結果, 質の高いとされる合砥はサブミクロンオーダーの空隙が多く存在していることが明らかになった.
著者
栗原 祐史 勝田 秀行 山口 徹太郎 安田 有沙 塩竃 素直 佐藤 仁 斉藤 芳郎 鴨志田 慎之助 鎌谷 宇明 代田 達夫
出版者
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
雑誌
日本顎変形症学会雑誌 (ISSN:09167048)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.17-23, 2017-04-15 (Released:2017-05-02)
参考文献数
9

We report two cases of genioplasty performed using a navigation system. In recent years, virtual orthognathic surgeries have been performed using simulation software with data from preoperative computed tomography (CT), and the osteotomy design, direction and distance of bony segment movement have been established. Despite the accuracy of simulations using three-dimensional CT data, results obtained from simulations cannot be effectively applied to clinical practice unless comparisons can be made to actual surgery. We report our experience of performing genioplasty using simulation software with preoperative CT data, and established the osteotomy design as well as the direction and distance of bony segment movement. Simulation-guided navigation osteotomy was performed with reference to simulation results transferred to the navigation system. A reference antenna was attached to the head of the patient using a headband. Next, interfacing laser registration was performed. Osteotomy was then performed along the osteotomy line drawn on the chin bone surface using piezosurgery and a tracker, and the bone segment was mobilized by down-fracture using a bone saw. Using the image of the simulated repositioned bone segment shown on the navigation system screen, the bone segment was moved to the determined position and fixed. Our results suggest that use of a navigation system allows safer, more precise genioplasty.
著者
斉藤 文彦
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.216-220, 2016-11-01 (Released:2018-03-15)
参考文献数
1

National Medicinal Chemistry Symposium(NMCS)は、ACS Division of Medicinal Chemistry主催で1948年より隔年で開催されている。今回の第35回シンポジウム(NMCS2016)は、2016年6月26~29日までの4日間、イリノイ州シカゴで開催された。29の国・地域から約350名の参加があり、受賞・招待講演である口頭発表が26演題、ポスター発表が109演題であった。1日目は「DMPKに関する最近の話題」と「受賞講演」、2日目は「転写因子ターゲット」、「エピジェネティック メカニズム」と「ポスターセッション」。3日目は「神経変性疾患に対する治療の最近の進歩」、4日目は「オープンイノベーション」と「アンドラッガブルからドラッガブルへ」についての講演であった。本レポートでは口頭発表のなかからいくつかの演題について報告する。
著者
菊地 康博 北崎 知子 斉藤 秀之 柴沼 忠夫 諸住 なおみ 金井 靖 米本 儀之 杉田 修 大沼 規男
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement1, pp.227-234, 1994-04-25 (Released:2011-08-04)
参考文献数
5

新規経口ペネム薬SY5555の体液内濃度測定法および体液中での安定性について検討した。微生物学的定量法 (bioassay法) では, 検定菌としてBacillus subtilis ATCC6633, 検定培地として日抗基記載の培地 (ペプトン0.5%, 肉エキス0.3%, クエン酸ナトリウム1%, カンテ ン1.5%, pH6.5~6.6) を用いる寒天平板拡散法により測定可能であった。検出感度はカップ法およびagar well法で0.05μg/ml, ペーパーディスク法で0.10μg/mlであった。血漿中濃度の測定では標準溶液は対照血漿により調整することが必要であり, その時のagar well法での検出感度は0.10μg/mlであった。高速液体クロマトグラフ (HPLC) 法では, 血漿はアセトニトリルで除たん白後, 尿は緩衝液で希釈後。逆相系カラムにより測定可能であり, 検出感度はそれぞれ0.1μg/mlおよび2.5μg/mlであった。臨床第一相試験におけるヒト血漿および尿中のSY5555濃度をbioassay法とHPLC法で測定したところ, 両法による結果はよく相関した。また, SY5555を添加したヒト血漿試料および尿試料をそのまま-20℃ 以下に凍結保存した時, SY5555はそれら体液中で少なくとも42日間は安定であった。
著者
斉藤孝藤島宇内編
出版者
太平出版社
巻号頁・発行日
1965
著者
小西 文雄 古田 一裕 斉藤 幸夫 片岡 孝 柏木 宏 岡田 真樹 金澤 暁太郎 菅原 正 篠原 直宏
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.789-796, 1994 (Released:2011-06-08)
参考文献数
30
被引用文献数
1

直腸癌に対する術前放射線化学治療において, 温熱療法を加えることによる腫瘍壊死効果の増強について検討した.A群 (18例) では放射線温熱化学併用治療を, B群 (18例) では放射線化学治療を施行した.放射線照射は総量40.5Gy, Whole Pelvisの照射野で施行した.温熱療法は, 8MHzRadiofrequencyを用いて1回50分計5回施行した.また, 5-nuorouracil坐薬1日200mg計3,400mgを投与した.治療前後で施行した下部消化管注腸造影における腫瘍の縮小率の平均値は, A群では31.8%, B群では18.2%であり, A群において有意に縮小率が高かった.切除標本の病理組織学的所見における治療効果を, 胃癌取扱い規約の規準に従って評価した結果, A群ではB群と比較して有意により高度な腫瘍の変性や壊死が認められた.以上より, 温熱療法を併用することによって治療効果が増強されることが示され, 放射線温熱化学併用治療は直腸癌の術前治療法として有用であろうと考えられた.
著者
北 恭成 長壁 篤史 野本 弘平 萩原 康嗣 斉藤 功一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.107-107, 2013

現在,動画配信システムは人々の日々の生活に普及しており,多くの人が楽しんでいる.しかし,従来の閲覧動画選択システムでは自分の好みにあった動画を見つけることは簡単なことではない.また,一度それを見つけると同じカテゴリの動画を選択し続ける傾向がある.その結果,様々なカテゴリから好きな動画と出会うことは難しい. 非平面型タッチパッドは,最近開発された新しい入力デバイスである.これは,平面型タッチパッドと比べユーザの直感的な意図表現を可能とする. 本研究では,非平面型タッチパッドを用い,新しい動画との偶発的な出会いを支援するシステムの提案を行い,また従来のシステムとの比較を行う.実験の結果,提案システムを用いることによりユーザは,普段見るカテゴリだけでなく今までほとんど見たことのない新しいカテゴリ内からも好みに合った動画に出会えることが明らかになった.
著者
田中 文雄 赤木 成子 藤本 政明 結縁 晃治 杉原 博子 増田 游 斉藤 稚里 小河原 利彰 中井 貴世子 難波 正行 岡田 聡子
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.851-856, 1994-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
10

めまいおよび耳鳴を主訴に来院した59症例に対してトフィソパムを投与し, 自覚症状, 他覚所見の改善度を検討した. 同時に心理テストであるTMIおよびシェロング起立試験を施行した. 全般改善度は軽度改善以上で, めまいに対して85%, 耳鳴に対して83 %であつた. めまいでは併用薬を用いた群で改善率が高かつたが, 耳鳴では併用薬のない群でも高い改善率が得られた. TMIでは, II型+IV型での著明改善の割合が1型での著明改善の割合より高い傾向を示した. またシェロングの起立試験では, 施行したすべての症例で陰性化を認めた. トフィソパムは自律神経機能不全の悪循環を断ち切ることにより, めまいおよび耳鳴を改善することが示唆された.