著者
松村 寿枝
出版者
奈良工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,音声分析を用いた疲労検出システムの開発を目的にシステムの構築を行った.まずVDT作業後の音声データを収集し,音声分析を行い,基本周波数,パワー,継続時間長を求めた.結果,疲労時には約55.6%のデータで,基本周波数の低下,平均パワーの低下,継続時間長の増加がみられた.次に上記の特徴量を用いた疲労検出システムを構築した.その後10名の被験者で使いやすさの評価を行い,その評価を参考にシステムの改良を行った.結果,本システムは使いやすさが向上した.
著者
荻野 博 谷口 功 松村 竹子 田中 晃二 佐藤 弦 佐々木 陽一
出版者
東北大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1991

本研究を推進する上で基本となる単核、二核および多核錯体ならびにクラスターの合成について大きな進歩が見られた。特に二核錯体については系統的な錯体の合理的な合成がいくつかの系で可能となった。これらの成果にもとずき、錯体の電子状態と酸化還元電位との関連および混合原子価状態の理解を深めることができた。ゼロ次反応速度則に従う電子移動反応系、プロトン移動と共役した電子移動やCO_2還元を触媒する錯体の発見など、興味ある種々の電子移動反応系が発見された。金属タンパク質の電極上における酸化還元挙動の研究の歴史は極めて浅いが、本研究においても大きな進展が見られた。金属錯体の光誘起電子移動反応が理論および実験の両面から研究された。走査トンネル顕微鏡(STM)の発明とその後の急速な発展は、これまでほとんど推測の域をでなかった固体界面の研究状況を一変させつつある。電極と溶液界面における電子移動との関連から、本研究においてもSTMを使った表面化学種の構造解析が行われ、大きな発展があった。以上述べた研究は研究者間の相互の連絡のもとに進められた。平成3年11月11日および12日の両日にわたって東工大において、さらにまた平成4年11月11日および12日の両日にわたって分子科学研究所でそれぞれ公開シンポジウムを開催し、総括的な検討を行った。なお1992年のノーベル化学賞は「化学系における電子移動理論への貢献」を行った米国カリフォルニア工学大学のマーカス教授が受賞した。我々の研究提案がいかに緊急性があったか、また時宜を得たものであったかを証明したものと自負している。
著者
松村 武 稲見 俊哉 道村 真司 松岡 英一 椎名 亮輔 谷田 博司 世良 正文 伊賀 文俊 鈴木 博之 大坪 亨
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

強相関電子系物質におけるスピン・軌道の複合自由度が低温で示す様々な新奇秩序現象を研究する上で極めて強力な実験手法である共鳴X線回折実験を,最低温度0. 6 K,磁場8Tの環境で行うことができるシステムをSpring-8の日本原子力機構ビームラインBL22XUに構築した.典型3物質Ce0. 7La0. 3B6, PrPd3S4, DyPd3S4について実験を行い,いずれもf電子の多極子自由度が密接に関与した秩序を形成していることを観測した.
著者
山形 眞理子 松村 博文 鐘ヶ江 賢二 田中 和彦 俵 寛司
出版者
昭和女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

平成21年度にベトナム中部・ホアジェム遺跡の第二次発掘調査を行った。カムラン湾岸に位置する鉄器時代埋葬遺跡である。この遺跡で甕棺墓に副葬される土器群は、フィリピン中部カラナイ洞穴、タイ南部サムイ島出土土器と酷似する。考古学的な考察から土器の年代は紀元後2~3世紀と推定され、埋葬人骨の放射性炭素年代もそれを裏付けた。東南アジアに国家が出現する時期、南シナ海を渡って交流した人々の存在が明らかになった。
著者
庄司 達也 山岸 郁子 中澤 弥 須藤 宏明 山口 直孝 平野 晶子 掛野 剛史 須藤 宏明 中沢 弥 平野 晶子 山口 直孝 和泉 司 杉山 欣也 松村 良
出版者
東京成徳大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

研究活動は、合計13回に及んだ勉強会の開催と、関西地方を中心とした実地踏査を2本の柱として展開した。また、本研究課題が対象とした改造社を取り上げ活動する他の研究グループとの連携を進め、情報交換や合同研究会の開催を行うなどした。これらにより、短期間に全国で斉に行われた宣伝活動の実態を広く把握することができ、改造社のみではない、他の出版社による同様の活動に対する広範な情報の収集とその分析の必要性を明らかにした。また、関連する資料の収集により、以後に反復される同種の出版企画についての考察を深めた。
著者
中島 真紀 松村 千鶴 横山 潤 鷺谷 いづみ
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.57-63, 2004-06-30
被引用文献数
7

温室栽培トマトの授粉用に導入されたセイヨウオオマルハナバチの野生化の状況を把握するために,2003年5月下旬から8月下旬にかけて北海道勇払郡厚真町および鵡川町において踏査による営巣場所探索の調査を行った.のべ18人日の調査により,8つのセイヨウオオマルハナバチの野生化巣と11の在来マルハナバチの巣が発見された.巣の発見場所は,主に水田の畦や畑地の用水路の土手であり,特にセイヨウオオマルハナバチとエゾオオマルハナバチ,エゾトラマルハナバチは営巣場所の選択において類似性が高いことが示された.さらに在来種であるエゾオオマルハナバチの1つの巣から,セイヨウオオマルハナバチの働き蜂が出入りしていることが確認された.在来マルハナバチ類とセイヨウオオマルハナバチが同じ巣を利用することにより,寄生生物の異種間感染をもたらす可能性が示唆された.
著者
PATRICK Rebollar 松村 剛 丸岡 高弘 真野 倫平 クーロン ダヴィッド ペロンセル モルヴァン 一丸 禎子
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は東京大学総合図書館所蔵コレクション『マザリナード集成』約2700点を完全デジタル化し、世界に先駆けマザリナード文書のオンライン・デジタルコーパスとしてインターネット上に公開した。これにより世界的にも貴重な原資料の保護と継承のみならず、新たな学術研究の可能性を開くことに貢献した。本研究により実現したコーパスの特徴は従来型データ・ベースと異なり、研究者によって絶えず更新され、最新の知識が一般にも共有されることである。日本が発信したこの新しい知の共有・集積方法(マザリナード・プロジェクト)は最も先端的かつ学際的な「マザリナード文書の研究用プラットフォーム」として国際的に機能し始めている。
著者
山西 健司 森永 聡 松村 憲和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.48, no.8, pp.830-836, 2007-08-15
参考文献数
8
被引用文献数
1

本稿では,テキストマイニング技術を用いてCGM(consumer generated media)情報から知識化を行う枠組みについて解説する.CGMマイニングにおいては,1)トピックのダイナミクスを捉えること,2)トピックの共通文脈を捉えること,3)分散へテロな情報を俯瞰すること,といった問題が重要である.これに対して,それぞれ,動的トピック分析,文脈マイニング,分散協調マイニングといった技術によって解決できることを示す.本枠組みの有効性を,BIGLOBE旬感ランキングにおける事例などを用いて示す.
著者
山田 古奈木 森 健 入江 誠治 松村 万喜子 中山 勝司 平野 隆雄 須田 耕一 押味 和夫
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.11, pp.1103-1108, 1998 (Released:2009-04-28)
参考文献数
11
被引用文献数
1

症例は41歳男性。平成7年10月発症の急性骨髄性白血病(M1)。2回の寛解導入療法に不応であったが,3回目の治療後寛解を得て,平成8年4月HLAの一致した兄をドナーとして同種骨髄移植を行った。移植後好中球数は20日目に500/μlまで回復し,その後さらに増加したが,移植前より合併していた真菌症が急速に悪化し移植後31日目に死亡した。剖検では,全身性真菌症の所見を呈し,心筋刺激伝導系への真菌の浸潤が死亡の直接の原因と考えられた。急性GVHDはみられなかった。剖検時に採取した患部組織の培養より,Aspergillus flavus (A. flavus)が検出され,アフラトキシン産生株であることが判明した。アフラトキシン産生性のA. flavusが臨床検体から分離されたのは本例が初めてである。
著者
浜 幸雄 松村 光太郎 田畑 雅幸 冨板 崇 鎌田 英治
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.64, no.523, pp.9-16, 1999
被引用文献数
8 7

This study is aimed to estimate the frost damage of concrete under natural weatering conditions. An empirical formula based on the meteorological factors was obtained by means of multiple regression analysis of the results of freezing-and-thawing tests which were carried out under several experimental conditions to evaluate the effects of the freezing-and-thawing conditions (lowest temperature, keeping time of lowest temperature, cooling rate) and the curing conditions of concrete (water content). The formula describes the number of equivalent freezing-and-thawing cycles to ASTM C666 A. Applying meteorological data in some cities of Japan to this formula, the number of equivalent cycles in one year and the length of service life were calculated. The correspondence of estimated value to the results of exposure test for 15 years was investigated.
著者
芝山 幸久 滝井 英治 加藤 明子 松村 純子 島田 涼子 坪井 康次 中野 弘一 筒井 末春
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.547-551, 1999-10-01

症例は初診時18歳女性で, 身長163cm, 体重37kg, 無月経と体重減少を主訴に来院した. 自己嘔吐や過食のエピソードはなく, 治療経過中に心窩部痛が出現したため内視鏡検査施行したところ, GradeBの逆流性食道炎を認めた. さらに約1年後胸のつかえ感, 心窩部痛が出現したため内視鏡検査再検したところ, GradeDの重症逆流食道炎を呈してした, プロトンポンプ阻害薬(PPI)のランソプラゾール投与にて1カ月後には著明に改善していた. 発症機序として, 低栄養状態に伴う胃排出能低下によりTLESRが増加し, 逆流性食道炎を発症したと考えられた. BNに逆流性食道炎が合併することは知られているが, ANでも胸やけや心窩部痛は胃食道逆流症を想定すべきである. 自覚症状は摂食不良の一因にもなるため, 早期に内視鏡検査を施行して, PPIなどの投与を考慮すべきである.
著者
加藤 久和 斉藤 知弘 武智 秀 松村 肇
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.1358-1366, 1993-10-20
被引用文献数
8

将来の衛星放送で, 統合ディジタル放送(ISDB)を実施する場合の変調方式についてシステム検討を行った.12GHz帯でディジタル放送を行う場合を想定し, (1)WARC-BSによる伝送諸元を満足すること, (2)導入初期での現行FM方式との同時放送を考慮し, FMテレビとディジタルテレビの同等のサービス時間率を確保すること, の2点を満足する変調方式と伝送容量を明らかにすることが本論の目的である.ISDB伝送フォーマットで, 誤り訂正に差集合巡回符号(1016,772)を用い, 衛星放送の中継器特性と民生用受信機の性能を前提として, 所要C/N値と混信保護比により, 各種変調方式の評価を行った.シミュレーションと室内実験によって, QPSKにより40Mb/sの伝送レートのシステメムを構成すると, 上記条件を満足するISDBサービスが可能となることが明らかとなった.
著者
石引 雄二 松村 勉
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.57-59, 2006-01-20
被引用文献数
1 1

症例は16歳男性.既往歴は10歳で近医にて性同一性障害の可能性指摘.11歳で側頭葉てんかん.2004年4月20日早朝, 睡眠中陰部疼痛で覚醒し, 陰嚢に出血あり.父親がベッド下にカッターナイフ発見.当科受診し, 右外傷性精巣脱出症の診断.右陰嚢切開創より精索に及ぶ陰嚢内容脱出.手術で陰嚢内容を還納し, 閉創.術後8日目に退院.退院後は自傷行為の再発なし.性器自傷は本邦報告37例と比較的稀である.自験例はこの内, 最年少であった.
著者
田中 恵子 池田 順子 東 あかね 入江 祐子 松村 淳子 杉野 成
出版者
夙川学院短期大学
雑誌
夙川学院短期大学研究紀要 (ISSN:02853744)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.1-11, 2004-03-17
被引用文献数
1

青年期女性のやせの者の生活習慣上の問題点を明らかにすることを目的として、15〜29歳女性住民415人を対象とした生活習慣調査を行い、やせと生活習慣との関連をFisherの直接法と重回帰分析により検討した。やせの割合は、15〜19歳、20歳代の順に31.3、23.0%であった。普通体型で自分の体型を太めに評価している者に、ダイエット経験者(現在ダイエットをしている者と過去にしていた者)の割合が有意に高かったことから、青年期女性において適正体重に関する健康教育が重要であることが改めて示された。15〜19歳では、食生活に関する幾つかの項目で、好ましくない習慣を有する者にやせの割合が高いという結果が得られた。やせの者に食品の組み合わせについての意識が低い傾向がみられたこと、ご飯、その他の野菜(緑黄色野菜を除く野菜)、牛乳・乳製品の摂取頻度の低い者にBMIが有意に低いという関連がみられたこと、さらに総合的な食品のとりかたの評価指標であるバランススコア平均値がやせで低い傾向を示したことから、10歳代後半のやせの者に対するバランスのとれた食事摂取という健康教育をおこなう必要性が改めて示された。20歳代においては、喫煙習慣を有する者ほどBMIが低くなる傾向がみられたことから、喫煙が体型および健康に及ぼす影響について正しい認識をもたせて禁煙教育を積極的にすすめていく必要性が高いと考えられた。食生活では、15〜19歳に比べて、やせと関連する問題となる習慣は少なかったが、バランススコア平均値が、普通に比べてやせで低い傾向を示したことから、15〜19歳と同様にできるだけ多様な食品をとることの重要性を示していく必要性が高いと考えられた。