著者
荒川 弘之 徳森 謙二 亀澤 秀美 藤淵 俊王
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.11-15, 2018-01-15 (Released:2018-01-15)
参考文献数
6
被引用文献数
5 5

一般の病院等ではX線撮影装置がその有用性から広く普及している一方,患者・介助者や医療従事者への不必要な被ばく量増大の可能性がある。本研究では放射線防護教育を目的としたX線撮影室内での放射線散乱の可視化図の作成を行った。モンテカルロシミュレーションコードPHITSを用いて,PHITSの利用初学者においても簡便に作成できる放射線の散乱を表した図を作成することで,端的かつ的確な放射線防護教育と不必要な被ばくへの注意喚起ができると考えられる。
著者
森山 昭雄
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.67-92, 1987-02-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
31
被引用文献数
10 7

本稿は,東濃地方と三河山地東部地域に分布する土岐砂礫層と明智礫岩層とが相互に対比されることを明らかにし,当時の古水系とそれらの砂礫層堆積後に生じた地殻変動ならびに地形発達を論じたものである.土岐砂礫層と明智礫岩層は同時期に堆積したものであり,これらの砂礫の供給源が木曽川(付知川)水系であることを論証した。また,従来知られていなかった活断層が三河山地には数多く存在することを明らかにして,その断層地形と断層面を記載した。これらの断層群は東西圧縮応力場で生じた共役の断裂系であり,そのほとんどが土岐面形成後に活動したことを明らかにした.さらに,木曽川・土岐川・矢作川の大規模な流路変遷と水系変化に着目して,断層ブロック運動に先行する大規模な波状変形が起こったことを推論した.
著者
林 信太郎 岡田 豊博 堤 久 熊川 寿郎 森 眞由美
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.373-376, 1999-05-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

症例は72歳男性. 1991年頃より膝関節痛が出現しNSAIDsが投与された. 同時期に軽い腎障害を指摘された. 1993年に貧血 (Hb 9g/dl台) を指摘された. 1996年7月に下腿の浮腫と息切れを主訴に当院に受診し, 貧血の進行 (Hb 6.9g/dl) と腎障害 (Cr 1.5mg/dl) を認め入院となった. 貧血の主因として骨髄異形成症候群 (以下MDS) が, 腎障害の精査で行った腎生検でIgA腎症が確認された. また10月下旬には両側手, 膝関節に関節炎が出現した. このためプレドニン20mg/日を開始したところ, すみやかに関節炎は消失し, 貧血と腎機能にも改善傾向がみられた.本例は経過中にMDS, 腎障害, 関節炎と多彩な臨床像を呈したが特にMDSと成因の一つに骨髄異常を指摘されているIgA腎症の合併例はこれまでになく, 本報告が一例目と思われる.
著者
森 美奈子 上村 浩 竹林 正樹
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.146-153, 2022-05-31 (Released:2022-06-10)
参考文献数
25

目的:ナッジが設計された社員食堂での健康メニュー選択促進の実践と利用者の状況等の報告を目的とした.活動内容:特定非営利活動法人TABLE FOR TWO Internationalと契約した社員食堂では,ナッジのEASTフレームワークに則って健康メニュー選択を促進している.Easyナッジとして,手に取りやすい場所に健康メニューを配置し,健康メニューを選ぶと20円が自動的に寄付できる仕組みとした.Attractiveナッジとして,手書きポップで健康メニューを強調し,支援を受けた子どもの笑顔の写真を掲示した.Socialナッジとして,開発途上国の学校給食への寄付数を,Timelyナッジとして,今すぐに援助を要する子どもがいることを掲示した.活動評価:参加群(当該社員食堂利用者)100名に質問紙調査を,未参加群(当該社員食堂を利用したことのない労働者)70名にウェブ調査を実施した.参加群(解析対象者47名)は,未参加群(同70名)より社会貢献活動と健康メニューの両方に興味がある者が多く,ボランティア活動の参加経験率も高かった(いずれもP<0.001).参加群の利用期間は平均29.3か月,今後も継続利用したい者が71.0%だった.これらのナッジは,既存のナッジの弱点である「短期的効果」を克服できる可能性が示唆された.今後の課題:本実践では各群で調査法が異なったこと等の限界があるため,今後は同一企業の社員を対象に条件を揃えて検証する必要がある.
著者
久世 濃子 河野 礼子 蔦谷 匠 金森 朝子 井上 陽一 石和田 研二 坂上 和弘
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第34回日本霊長類学会大会
巻号頁・発行日
pp.52, 2018 (Released:2018-11-22)

オランウータン(Pongo属)は,大きな体(雄:80kg,雌40kg)で樹上から下りることがほとんどないので,他の霊長類に比べて捕食のリスクが小さいと考えられている(Wich et al. 2004)。本研究では,野生オランウータンの頭骨を対象に,法医学的手法を用いて,中大型哺乳類に攻撃された可能性を検証した。対象の頭骨(頭蓋冠のみ:顎骨と歯は消失)は,ボルネオ島北部マレーシア領サバ州のダナムバレイ保護区内の熱帯雨林の林床で,2016年発見された。頭骨には側頭部に複数の損傷(貫通穴)が見られ,動物による咬傷の可能性が考えられた。主要な2つの穴の穴間距離(A)および,アタッカー候補である4種の上顎犬歯間距離(B)を測定した。アタッカー候補として,同所的に生息している中大型の肉食もしくは雑食(動物性食物を摂取した報告がある種)の哺乳類,ウンピョウ(Neofelis diardii),ヒゲイノシシ(Sus barbatus),マレーグマ(Helarctos malayanus),ボルネオオランウータン(Pongo pygmaeus)の頭骨標本(博物館等に所蔵)を用いて,Bを測定した。穴間距離A:35mmに最も近似していたのはウンピョウ(B:27.9-33.0, n=3)だった。ヒゲイノシシ(74.5-163.5 n=13),マレーグマ(64.7-76.1, n=2),ボルネオオランウータン(69.1-74.2 n=3)はAに対して大きすぎ,犬歯2本で同時に噛むことで,陥没穴を形成する可能性は非常に低いと考えられた。さらに飼育下のウンピョウに,オランウータンの頭蓋とほぼ同じ大きさの樹脂性のボールを与えて,噛むことができるかを確認する実験を行った。また,損傷のあるオランウータン頭骨のサイズと,蝶後頭軟骨結合の状態を,他のオランウータンと比較し,性別と年齢クラスを推定した。その結果,高齢のオトナ雌である可能性が最も高いと考えられた。さらに他の調査地でも,オトナがウンピョウに襲われたと推定される事例が2例あることも判明した。今まで,ウンピョウはオランウータンの未成熟個体しか襲わないと考えられていたが,成熟個体も襲われる可能性があることが明らかになった。
著者
森次 幸男 和田 耕治 池田 俊也
出版者
一般社団法人 日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.166-177, 2022-02-28 (Released:2022-05-27)
参考文献数
14

Objective: The purpose of this study was to assess the opinions of healthcare professional regarding the contributions of the Medical Affairs department. Furthermore, we aimed to identify factors influencing and reasons for the contributions in the new coronavirus disease 2019 (COVID-19) pandemic situation.Design/Methods: A web-based survey was conducted among healthcare professionals (Key Opinion Leader/Key Thought Leader, KOL/KTL) who had multiple contacts with the Medical Affairs department, Japan.Results: The responses of 141 KOL/KTLs in Japan were collected; 77.3% of the respondents indicated that the contributions of the Medical Affairs department exceeded their expectations (achieved the expected level of contribution). The most common responses were “the identification of unmet medical needs” and “the dissemination of medical and scientific information, providing advanced medical and scientific information;” other responses included “promoting sales of the company's drugs.” The requests from KOL/KTLs regarding quality were “knowledge about biological and clinical statistics” and “proposal and quick response ability from the perspective of medical staff and patients,” but these responses were partially different between physicians and pharmacists. COVID-19 has resulted in substantial changes, for example, “face-to-face” interactions have significantly decreased from 91.5 to 50.4% and “Online” interactions have significantly increased from 20.6 to 70.9%. However, the effects of the declaration of emergency state could not be identified. The KOL/KTLs requested to make the meeting times more appropriate, conduct in-depth two-way discussions, provide latest information, and discuss about professional manners and behaviors.Conclusion: In summary, regardless of the changes in the types of activities caused by COVID-19, the Medical Affairs department has made substantial contributions to healthcare professionals, who highly appreciated them. Furthermore, depending on responses of individuals whose expectations could not be met, areas of improvements have been suggested.
著者
及川 充 大塚 正男 森 邦宏 佐藤 昌美 小口 正信
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.416-419, 1995-08-01 (Released:2011-07-19)
参考文献数
9
被引用文献数
1

We statistically studied several problems related to critical flicker fusion frequency (CFF), which was used to design the interlaced scanning method of television systems. Since CFF values closely depend on the physical and mental state of the observer, statistical treatment of data is essential. We studied the difference between up and down discrimination threshold series and the coincidence between CFF values for equal energy colors, mainly by adapting a variance method analysis.
著者
森谷 敏夫
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.470-476, 2011-10-31 (Released:2014-11-11)
参考文献数
13

肥満は, 食べ過ぎ, 運動不足, 遺伝, 食事の偏り, 熱産生障害 (体温維持や食後のエネルギー燃焼低下), 自律神経機能の低下などが複雑にからみあった結果であると考えられます. ですから, 太る原因は人さまざまなのです. でも, この地球上の多くの人々は実際には飢餓と毎日戦っており, 「肥満」という文字は存在しないのです. 肥満が目立つのは機械文明が発達した国の飽食と運動不足社会だけといっても過言ではないでしょう. 日本も例外ではなく, 40歳以上の男性の二人に一人がメタボリックシンドローム (内臓脂肪症候群) に罹っている可能性が強く示唆されているのが現状です. 戦後の激変した食環境, 運動不足環境が生み出した産物であると理解したほうが妥当なのです. 肥満はほとんどすべての生活習慣病 (糖尿病, 高血圧, 脳・心臓血管系疾患など) の温床になっています. ただこれらの生活習慣病と関係が深い肥満症, 高血圧症, 高脂血症, 糖尿病などの「死の四重奏」は病魔への序曲を音もなく奏でるので, 病気が発生するまでほとんど「無自覚, 無痛」なのです. 運動不足を意図的に再現した7日間のベッドレスト実験で, 骨格筋の糖取り込み能力やインスリン作用の低下が劇的に起こることが証明されました. 世界でも最も健康管理ができているNASAの宇宙飛行士が, 2週間の無重力飛行で超運動不足を強いられて地球に帰還すれば, 糖尿病患者よりも血糖コントロールが悪くなっているのは容易に理解できるでしょう. 筋肉はわれわれの体の約4割を占め, 糖質・脂質エネルギーを最も多量に使う“臓器”なのです. この“臓器”筋肉の収縮はインスリンとは別の細胞内シグナル伝達機構を介して, 糖輸送を活性化できるので, インスリン抵抗性の存在下においても, 運動により糖輸送は通常正常に機能します. また, 運動により記憶などをつかさどる海馬での脳由来神経栄養因子が増加することが明らかにされており, 学習能や記憶力の増加, 認知症の予防, 自律神経活動や脳諸機能の保全のみならず, IGF-1, インスリン, GLP-1などのホルモンを仲介してエネルギー代謝や食欲調節にも大きく関与している可能性が示唆されています. 「生涯現役, 死ぬまで元気」に生きるためには, それなりの努力が当然必要になってくるでしょう. 一生涯の習慣的な運動の継続や賢い食生活が肥満や生活習慣病の予防や豊かな老後への免罪符になるのです.
著者
中井 誠一 新矢 博美 芳田 哲也 寄本 明 井上 芳光 森本 武利
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.437-444, 2007-08-01 (Released:2007-09-14)
参考文献数
40
被引用文献数
11 14

The guidelines for the prevention of heat disorders during sports activities were established 13 years ago in Japan. Since then, various studies on preventive measures against heat disorders have been done, yielding new knowledge about its prevention. It has been reported that the incidence of heat disorders is high in children and the elderly, and heat acclimatization and clothing are the factors involved in this disorder. We proposed to lower the WBGT (wet-bulb globe temperature) limit for warning (discontinuation of hard exercise) from “28°C or more” to “25°C or more” (corresponding to an ambient temperature of 28°C) for non-acclimatized persons, children, the elderly, and persons wearing clothes covering the entire body. We also indicated that heat disorders can occur due to unpredictable causes, because the mechanism is very complicated.
著者
デイリシャト ヤ アイルトン ツ イバデト レ アイカン サ マリヤ サ 関根 道和 鏡森 定信
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.107-113, 2002 (Released:2010-04-30)
参考文献数
12

砂療は, 中国のトルファンにおける自然条件を利用した, ウイグル医学の病気の治療方法の一つである。本研究では心拍, 血圧, 体温及び体重の砂療の効果について, 様々な患者や慢性関節リウマチ患者の症例について検討した。砂の温度が50-60℃の砂療により, 心拍, 収縮期血圧, 体温はいずれも統計的に有意に上昇した (それぞれ16.3±7.5/分, 4.1±16.6mmHg, 1.0±0.2℃)。大部分の患者では砂療終了10分後には心拍, 血圧, 体温は砂療前の状能に回した。しかし一部分の患者さんでは回復はみられなかった。したがって, 高血圧患者は砂療時に特に注意が必要である。なお, 砂療一時間後には, 体重は有意に減少した (1.5±3.8kg)。30例の慢性関節リウマチ患者では, 15日間の砂療後で, 21例 (70.0%) は関節の痛みが軽減した。しかし5例 (16.7%) では変化がなく, 4例 (13.3) は途中で関節の痛みで砂療を中止した。以上の結果から, 砂療は慢性関節リウマチ患者に効果のある可能性を示した。
著者
永井 宏達 山田 実 上村 一貴 森 周平 青山 朋樹 市橋 則明 坪山 直生
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.84-89, 2011-04-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
19

【目的】姿勢制御エクササイズの反復が足関節周囲筋の同時活動に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は健常若年者22名とし,介入群(11名)と対照群(11名)に無作為に分類した。不安定板上で10秒間姿勢を保持する課題を行い,その際の筋活動を前脛骨筋,ヒラメ筋より導出した。介入群には不安定板上での反復エクササイズを行い,その後不安定板上での評価を再度実施した。得られた筋電図波形より,同時活動の指標であるco-contraction index(CI)を求めた。【結果】介入群のCIは,エクササイズ後に有意に減少し,介入前50.7 ± 23.9%,介入後38.5 ± 22.0%であった。一方,対照群のCIには変化が認められず,介入前58.7 ± 23.9%,介入後60.9 ± 23.1%であった(p < 0.05)。【結論】不安定場面での同時活動は,姿勢制御エクササイズを行うことで減少する。このことは,姿勢制御エクササイズにより筋の過剰な同時活動が減少することを示唆している。
著者
長谷川 馨亮 野口 賢一 森住 俊美 中嶋 淳一 兼清 知之 杉浦 亮介 鎌本 優 守谷 健弘 小田 秀朗 川島 修
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 41.23 放送技術 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.37-40, 2017 (Released:2021-07-21)
参考文献数
5

限られたネットワーク帯域の中で低遅延かつ高品質で符号化できる方式「CLEAR (Conditionally Lossless Encoding under Allowed Rates)」を考案し,装置試作を行った.CLEARはロスレスオーディオ符号化を基にしており,入力音源に依存してフレームごとに原音そのままで送れる場合と歪を生じる場合を切り替える方式である.本稿では,オーディオコーデック装置試作における試作装置の概要,および試作装置における実際のラジオ放送の音声と実回線を用いた伝送実験の結果について報告する.
著者
砺波 紀之 井本 桂右 岡本 悠希 福森 隆寛 山下 洋一
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.217-226, 2022-05-01 (Released:2022-06-01)
参考文献数
42

本論文では,音響イベント検出のための新たな評価指標を提案する。環境音分析のタスクの一つである音響イベント検出の従来の性能評価指標では,イベントの種類によらずすべての誤検出が等しく重み付けされる。提案指標では,音響イベントの種類を考慮しながら深刻な音響イベントの誤検出がより大きく罰則される。また,深刻な誤検出が発生し易いあるいは発生しにくい音響イベント検出モデルを用いて,複数の性能評価指標に対する深刻な誤検出の影響を詳細に分析する。実験結果より,従来指標と比較して,提案指標を用いることで,深刻な誤検出の多いイベント検出モデルの性能がより劣化して評価されることを確認した。
著者
森本 文雄 嶋津 岳士 岩井 敦志 平出 敦 吉岡 敏治 杉本 侃
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.87-90, 1996-02-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
9

We present a case of pure puffer fish poisoning who developed prolonged ataxia without persistent muscle weakness. Impaired peripheral nerve conduction was suggested to be the cause of the prolonged ataxia. A 40-year-old male, a licensed puffer fish chef, tasted a piece of puffer fish liver when his stomach was empty. Approximately 20 minutes later he recognized numbness in the fingers and lips, the onset of generalized muscle weakness and paresthesia. He was admitted to our hospital for the management of progressive motor weakness one hour after ingestion. Spontaneous breathing disappeared 90 minutes after ingestion. After six hours of mechanical ventilation, spontaneous breathing resumed. Motor paralysis and paresthesia improved within 20 hours, while dizziness persisted for several days, which was not attributable to alcohol in this case. Neurological examination showed prolonged ataxia; he could not stand on one foot until the third hospital day. Serial peripheral nerve conduction velocity studies revealed decreased conduction velocities. In particular, conduction velocities of the sensory nerve were more seriously impaired and required a longer recovery time as compared to those of the motor nerve. Since tetrodotoxin does not affect the central nervous system, such prolonged ataxia in puffer fish poisoning is presumably attributable to decreased peripheral nerve conduction velocities.