著者
香曽我部 秀幸 横山 充男 鵜野 祐介 加藤 康子 近藤 眞理子 田中 裕之 富安 陽子 長澤 修一 畠山 兆子 福井 善子 藤井 奈津子 松井 外喜子 高科 正信 香曽我部 秀幸
出版者
梅花女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

研究を始めたとき、「幼児教育・保育の実践をめざすこと」と「児童文学・絵本の創作・伝達・研究を行うこと」は密接に関連すると考えていた。だが、それぞれを目標とする若い女性には、異なる気質が見出され、簡単に2つの目標を合体できないことが、実践的研究からわかってきた。だが、5年間の実践的研究を積み重ねた結果、児童文学・絵本の創作や伝達の実践活動は、幼児教育・保育を目指す若い女性に刺激を与え、新たな技能や知見を獲得し、意欲を生み出していく現象が見出された。すなわち、児童文学・絵本の創作・伝達・研究を巡った実践的な教育は、時間はかかるものの、幼児教育・保育の教育に寄与すると考えられる。
著者
横山 啓太
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

数学基礎論の一分野である2階算術の諸体系についての研究,特に逆数学プログラムへの寄与を目的とした研究および,算術の体系のモデルについての研究を行った.2階算術の諸体系についての研究では,昨年度までの研究で得られていたACA_0およびWKL_0における超準解析の手法についてより精密な考察を行った.これにより,2階算術に対応した超準解析の手法が直接表現できるシステムを新たに考案した.さらに,これらのシステムを用いて表現される超準解析の証明を通常の2階算術の証明に直接変換するための手続きを与えた.これにより,超準解析の証明を細かく分析することが可能になり,超準手法を用いた逆数学研究のための新たな手法が得られた.また,これらをさらに発展させ,2階算術の多くのシステムに対して超準解析のシステムによる特徴付けを行い,さらに超準解析を用いたより多くめ証明の分析を進めることを目指して研究を進めている.また,これらのフレームワークの逆数学研究への新たな応用も試みている.また,堀畑佳宏氏と協働で複素解析の基礎に関する逆数学研究をさらに推し進め,いくつかの定理に対する逆数学的な評価を得た.特に,局所的な可積分性が重要となる状況では,WWKL_0が重要な役割を果たすことがわかり,このことからいくつかの逆数学的な評価が得られた.また,正則関数の特異点の扱いについての研究も行った.現在,ピカールの定理の逆数学的評価を目指し,研究を進めている.この他,フーリエ級数の収束性についても逆数学研究を行い,いくつかの逆数学的結果を得た.以上の結果をふまえ,今までの成果を博士論文「Standard and Non-standard Analysis in Second Order Arithmetic」にまとめた.
著者
近藤 三雄 間仁田 和行 横山 容三 小沢 知雄
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.161-175, 1983-02-18
被引用文献数
6 3

本研究では,樹木,芝生の存在が開放空間ならびに都市空間を構成する人工被覆物と比べて,いかに異なる温度,湿度などの微気象状態を呈するかを実証するととを意図した。その結果樹木の緑陰面,樹冠面あるいは健全な芝生面は裸地面,アスファルト舗装面などに比べると,年間,天候状態による温度変化が少なく,夏季の昇温防止効果も大であるまた樹冠下がつくりだす微気象環境は不快指数をわずかに減ずるに過ぎないことなどが実証された。
著者
佐藤 和秀 亀田 貴雄 石井 吉之 的場 澄人 高橋 一義 石坂 雅昭 竹内 由香 横山 宏太郎 小南 靖弘 川田 邦夫 渡辺 幸 飯田 俊彰 五十嵐 誠 竹内 望
出版者
長岡工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

北海道から本州の山形県,新潟県,富山県にいたる冬期の降積雪試料を採取し,主に酸性雪に関する化学特性の解析を行い,その実態の調査研究を実施した。報告例が少ない降積雪の過酸化水素濃度に関する多くの知見が得られた。より明確な因果関係の把握にはさらなる観測調査が必要であるが,大気汚染物質あるいは積雪の主要イオン濃度,過酸化水素濃度,pH,黄砂,雪氷藻類などの間にはいくつかの相関関係が見られ,融雪水のイオンの選択的溶出も観測された。
著者
安藤 広子 塚原 正人 溝口 満子 市川 尚 飯野 英親 浅沼 優子 横山 寛子 HEATHER Skirton KAREN E. Greco CYNTHIA A. Prows
出版者
岩手県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

わが国の看護基礎教育において遺伝遺護教育を導入・発展させていくために、看護教員のための教育プログラムの開発にあたり、国内・外の遺伝看護教育の実態調査を行った。それによると、基礎教育全体に遺伝看護の要素が盛り込まれる傾向にあること、看護学以外のコースに「遺伝カンセラー養成」等の大学院修士レベルのコースが設置されつつあった。しかし、「遺伝看護教育」とはどのようなものであり、その教育展開はどうあったらよいかを知りたいというニーズが多かった教育プログラムの内容および展開方法については、海外の研究協力者と共に国際的な視野から検討を行い、実施した。そして、臨床遺伝学の基礎と主な疾病の事例展開を中心に、E-ラーニングと対面授業を行い、websiteでの調査とフォーカスグループ・インタビューによる評価を行った。学習モニターは、全国を8ブロックに分けて募集をした看護学教員30名であった。対面授業による学習者の情報交換および交流は、遺伝看護教育のあり方を検討する上で、有意義な反応がみられた。また、学習者の要請により、本研究において作成したE-ラーニング教育内容および「国際遺伝看護教育セミナー2007&2008」の講義内容を冊子体に編集をした
著者
持田 邦夫 小林 浩之 横山 保夫
出版者
学習院大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

ゲルマニウム-ゲルマニウム結合を骨格とする新しいσ共役系ポリマー(ポリゲルマン)を合成し、その薄膜における有機感光体としての評価を行った。以下、成果をまとめる。(1)σ共役系ポリゲルマンおよびその関連化合物の合成…従来のジクロロゲルマンのナトリウム金属還元法の他、ヨウ化サマリウム(II)による還元法や触媒による開環重合法の開発、さらにはπ系の置換したゲルマニウム-ゲルマニウム結合を骨格とする新しいポリマーの合成にも成功した。(2)ポリゲルマンは薄膜の物性研究…合成したポリゲルマンの可視・紫外吸収極大(300-350nm)やイオン化ポテンシャル(5-6eV)の物性研究を行った。(3)キャリヤ-輸送能力の検討…TOF法を用いて、その値が10^<-4>-10^<-5>cm^<-2>/V.sであることを見いだし、感光体として従来にない能力を有することがわかった。(4)イオンラジカルの研究…キャリヤ-輸送を理解するため必要なポリゲルミル陽イオンラジカルの研究を放射光を用いて行なった。発生した陽イオンラジカルの吸収極大は可視・紫外部に存在し、その分子量が伸びるに従い吸収極大が長波長にシフトをすることを見いだした。(5)ポリゲルマン薄膜の光、熱分解特性…溶液状態と比較しながら検討した。
著者
松岡 心平 天野 文雄 磯田 道史 小川 剛生 落合 博志 高桑 いづみ 高橋 悠介 竹本 幹生 橋本 朝生 姫野 敦子 宮本 圭造 山中 玲子 横山 太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、観世文庫が所蔵する貴重な能楽関係文献資料の調査・整理・保存・公開によって、今後の能楽研究の発展の基礎を築いた。資料はマイクロフィルムに撮影・保存したうえで、これをデジタル画像化し、文献調査に基づく書誌情報と統合してデータベース化した。これはデジタルアーカイブとしてWeb上に公開され、資料が世界中から検索・閲覧可能になった。さらに「観世家のアーカイブ展」の開催を通じて、研究によって得られた知見の普及をはかった。
著者
山崎 俊嗣 金松 敏也 小田 啓邦 横山 由紀子
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

1.海底堆積物中の磁性鉱物問の磁気相互作用を見積もった。ARM(非履歴性残留磁化)の獲得効率は、磁気相互作用に強く支配されている。そのため、堆積物から相対古地磁気強度を求める際の、堆積物の磁化獲得能の違いを補正(規格化)のためのパラメータとしては、ARMよりもIRM(等温残留磁化)の方が適している。2.北西太平洋における過去25万年間の高分解能の古地磁気強度スタックを構築した。堆積物から信頼できる相対古地磁気強度を求めるには、初期続成作用による磁性鉱物の溶解を受けたものを除く必要がある。低保磁力の磁性鉱物の割合を示す指標であるS比は磁鉄鉱の溶解に敏感であり、これを指標に溶解を受けた層準を除去できる。3.北太平洋の堆積物コアから、過去160万年間の相対古地磁気強度を求めた。このコアの相対古地磁気強度と岩石磁気特性を、堆積環境の異なる西部赤道太平洋のコアと比較すると、相対古地磁気強度は極めて良い一致を示すが、岩石磁気特性の変化は大きく異なる。ウェーブレット変換を用いた時系列解析により、古地磁気強度には10万年スケールの変動が見られること、岩石磁気パラメータは10万年スケールの変動が含まれる場合でも古地磁気強度とは同期しておらず両者に有意な相関はないことを明らかにした。従って、堆積物の性質の変化は相対古地磁気強度に影響しておらず、古地磁気強度記録に見られる10万年スケールの変動は地磁気変動を反映している。4.東部赤道インド洋の堆積物コアから、過去80万年間の相対古地磁気強度及び伏角の変動記録を得た。西部赤道太平洋に見られる伏角異常域は、東部赤道インド洋には延びていない。両海域について、古地磁気強度と伏角の関係を比較することにより、長周期の伏角の変動は、双極子磁場が弱いときに相対的に停滞性非双極子磁場の影響が大きくなることにより生じるというモデルが支持されることを示した。
著者
力武 常次 横山 泉 菱山 よね子
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大學地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.19-31, 1953-04-25

序報に於て日本に於ける地磁気短周期変化の異常を指摘したが,本報文に於ては世界各地の観測結果をもととゝして検討を加えた.1936年6月18日9時41分GMTの磁気嵐急始を解析して,ポテンシヤルと鉛直分力より,日本附近の変化磁場を地球外および地球内に原因を有する2部分に分離した.その結果地球内に起因する部分は第9図のような分布を示し,これが地表近くを流れる電流によって起ると考える時は,日本附近に渦状の電波系があることゝなり,通常の電磁感応の理論によっては,その分布を説明できず,地下に特殊の電気伝導度分布を考えねばならない.
著者
清水 祥一 木方 洋二 塚越 規弘 杉山 達夫 横山 昭 赤沢 堯 S.C Huber 片岡 順 西村 正暘
出版者
名古屋大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1987

別紙(様式5)に記している様に、3年間にわたる共同研究実施期間中、名古屋大学農学部(NU)からはノースカロライナ州立大学(NCSU)に計11名の研究者がおもいた。一方NCSUからNUに12名が来訪した。これらはいづれも比較的短期間の滞在による研究交流ではあったが、主題にかかげたバイオテクノロジー領域における両大学研究者間の科学的知見の交換に益すること大きく、将来にわたる共同研究実施計画に関して有用かつ重要な成果をもたらした。就中NCSUの研究者、Drs.Parks,Thompson,Huber,Petters,Theilの来学の意義は大きい。これがもとになって、NUの若手研究者、及び大学院学生が渡米することとなった。また、NCSUの関連研究者訪問の道も開かれた。たとえば、NUからは三木清史(大学院学生)がDr.Petters研究室に赴いて6ケ月研究した。近く木全洋子(大学院学生)はTheil教授のもとでPh.Dを取得するため渡米する計画である。また、佐々木卓治はNCSUの招へいプログラムによって10ケ月間Food Technology学科においてSwaisgood教授と共同研究を行った。Biochemistry学科のHead,Dr.Paul AgrisがNUにおいて行ったDNA,RNAの生物物理学に関するセミナーもはなはだ高度のものであった。これ等すべてが両大学の研究者に益するところはまことに大きいものであった。直接本研究計画に名を連ねたものに加えてNCSUのJapan Center長、Mr.John Sylvesterは第2年次NUの非常勤講師として来学し、大学院学生に対して特別講義を行った。それは日米の学術交流プログラム、特にNCSU-NUの学術提携の現状並びに将来を展望するものであり示唆に富むものであった。本共同研究が実施される契機になったのは、NCSUのS.Huber教授が外国人客員教授としてNUに6ケ月滞在し、赤沢、杉山等とともに行った共同研究と、また大学院学生に対する指導である。それ等の具体的成果として、別紙に示す様な論文が発表されている。
著者
横山 淳
出版者
立命館大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

1.背景我々の長期的な研究目標は,近年提案された第一原理手法である細胞動力学理論を人体の臓器器官に応用し,臓器の形態形成メカニズムや細胞の集団戦略を理論的に解明することである.特に,糖尿病との関連から実験的知見が豊富である膵臓細胞の組織形成をターゲットとする.その為にまず,細胞内エネルギーが一定に保たれるメカニズムを解明し,堅牢なエネルギー論に基づいたミトコンドリアのモデルを構築する.次に組織形成に向けた細胞間相互作用を担う情報伝達物資の,膵臓細胞における分泌・受容機構のモデル化を行う.2.結果(1)ミトコンドリアが細胞内ATP濃度を一定に保つメカニズムの有力な仮説のひとつであった"feedback control theory"は,激しく変わるATP需要に十分に耐えられないことが近年の理論研究から示されている.そこで我々はATP-ADP交換体の熱力学的平衡により細胞内ATP濃度が一定に保たれるという新しい仮設を提唱した.本仮説に基づいたモデルは,100倍以上変化するATP消費速度においてもATP濃度が一定に保たれ,かつミトコンドリア数の変動に対してもロバストであることが理論研究から認められた.本論文はJournal of Theoretical Biologyに投稿され,現在審査中である.(2)膵臓細胞の情報伝達物質の分泌・受容機構のモデル化として,フィックの法則を細胞膜の境界条件に応用した情報伝達物質分泌の新しい空間モデルを構築した.本モデルをテストケースとしてGnRH分泌細胞に応用したところ,情報伝達物質の拡散性が小さい方がより遠くまで情報を伝達できるという画期的な現象を発見した.これは拡散性が小さい程,分泌細胞の近くに情報伝達物質が滞留し,より細胞発火の閾値に近い状態を維持する為,僅かしか情報達物質が伝わらなくても細胞の発火を引き起こす為に起こる.本研究成果によりSociety for Mathematical Biologyからポスター賞が授与された.
著者
塚田 有紀子 中村 眞 中尾 正嗣 鈴木 孝秀 松尾 七重 山本 亮 濱口 明彦 花岡 一成 若林 良則 小倉 誠 横山 啓太郎 細谷 龍男
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.871-875, 2007-10-28
被引用文献数
2

潰瘍性大腸炎 (ulcerative colitis : UC) は若年女性に好発し, 患者の妊孕性は健常人と差がない. また, 妊娠によってUC自体が増悪しやすいこともあり, 患者の妊娠時の治療が問題になる. 症例は24歳時にUCを発症した35歳経産婦. 30歳時には治療薬を中断中に妊娠8週で流産しており, 32歳時にはステロイド療法を継続しながら第1子を得ている. 2006年7月, Prednisolone (PSL) 5mg/日とmesalazineの内服中であり, UCの活動性は臨床重症度分類で中等症であったが, 妊娠のため自己判断で内服を中止した. 同年9月妊娠8週0日で排便回数10回以上, 腹痛, 顕血便が増悪し入院となった. PSL20mg/日を使用し, 絶食と中心静脈栄養により腸管安静をはかったが症状は改善せず, 腹部の反跳痛も出現して開腹手術の適応が検討された. 10週2日からPSL50mg/日の静注を行い, 加えて11週1日から顆粒球除去療法 (granulocytapheresis : GCAP) を週2回計10回施行した. GCAP3回施行後から諸徴候は好転し, GCAP5回施行時 (14週1日) には, CRP0.5mg/dLと陰性化し, 解熱して緩解に至った. PSLは漸減し, 16週1日にPSL20mg/日で退院した. 退院時点で胎児の大横径・大腿骨長はいずれも16週相当であった. 治療に難渋したUC合併妊娠症例に対してGCAPを併用したところ, 速やかに緩解し妊娠継続が可能となった. UC合併妊娠では, 通常の薬物療法に加えて, 胎児への影響が問題とならないGCAPを積極的に活用するべきである.
著者
横山 ハツミ 林 慎一郎 田中 秀樹 山崎 登志子 西川 まり子 白木 智子 糠信 憲明 廣川 聖子 片山 はるみ 矢田 幸博 吉田 伊織
出版者
広島国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

看護学生の老化の理解に役立つエイジングメイクの技法(メイク道具と手順)と教材(DVDとライフイベントCAIゲーム)を開発した。この教材を用いた演習により、学生が老ける、衰退するなどの加齢のプロセスを体験することで、いずれ訪れる老いを偏見なく受容することができる。高齢者のフィジカル・メンタルの両側面から理解が深められ、高齢社会の主人公である高齢者ケアニーズの核心に迫る、主体的な学習教材として役立つ。