著者
渡邊 公一郎 今井 亮 横山 拓史 板谷 徹丸 三谷 泰浩 小林 哲夫 本村 慶信 セティジャジ ルーカスドニィ 高橋 亮平 米津 幸太郎 糸井 龍一 池見 洋明 実松 建造 HARIJOKO Agung SHERSTEN Anders IDRUS Arifudin WARMADA I Wayan DUNCAN Robert A.
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

インドネシア及びフィリピンの金・銅鉱徴地と地熱資源、タイ及びマレーシアの含REE花崗岩風化殼、フィリピンの斑岩銅鉱床および浅熱水性金鉱床についての地質調査を行い、鉱床生成条件の解析に基づく資源量と開発可能性の評価を行った。また、地質試料と室内実験データについて、地理情報システムとデジタルデータベースを併用した統合管理システムを構築した。
著者
渡邊 公一郎 米津 幸太郎 今井 亮 高橋 亮平 横山 拓史 中西 哲也 実松 健造
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

多くの鉱物・エネルギー資源を海外依存する我が国では、資源安定供給に向けて継続的に学術的な資源探査を行うことは必須であり、本研究では、レアメタル・金属・炭化水素資源を含む地下資源ポテンシャル評価のための新しい資源データモデル開発をアフリカ及び東南アジア各国の資源国で行った。結果、エジプト・シナイ半島の重希土類元素濃集帯、アルジェリア南部・ホガールでのレアメタル花崗岩体の発見、リビアでのリモートセンシングによる炭化水素資源の抽出を成し遂げた。東南アジア・モンゴルでは金、希土類元素、スズ、タングステン、モリブデンの新たな濃集地域の発見および既存鉱床の成因モデル開発を行い、探査・開発の指針を示した。
著者
安田 勳 横山 二郎
出版者
岡山大学農学部
雑誌
岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
巻号頁・発行日
no.13, 1959-03

ダリヤを短日処理することによつて開花の状態,地上部の生育,特に地下部(球根)の生育が如何なる影響を受けるかを知ろうとして,1958年の春から夏にかけて実験を行つた.実験に用いた品種は中輪デコラチーブ咲の"花笠"という切花用のもので,短日処理の設計は次のようであつた.7時間日長区午前10時より午後5時まで浴光10時間日長区午前7時より午後5時まで浴光13時間日長区午前6時より午後7時まで浴光標準区自然日照のまま1区当りの球根数は12個,1球の重量は平均して100gのものを用いた.定植は4月15日で,遮光期間は6月1日より7月31日の2ヵ月とした.9月1日に圃場の全球根を掘上げ,9月6日より調査を行つた結果は次の通りであつた.1.9月1日までの総開花数は13時間区が最大で7時間区が最も少なかつたが,草丈と節数は各区とも大差がない.2.掘上げた根の重さの平均は10時間区,7時間区,標準区,13時間区の順に小さくなるが,球根が地上部の風乾重に対する比率では10時間と7時間の両区がはるかに大きく,13時間及び標準区は小さい.3.球根とならなかつた繊維根の数量及び重量は日照時間の少ない区ほど少なく,日照時間ののびるに従つて大となる.4.新球根の数は日長処理の時間数と特別関係はないようである.これは何か他の原因によるのではなかろうか。
著者
河村 毅 大谷 幹伸 保坂 義雄 東海林 文夫 福谷 恵子 横山 正夫
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.288-295, 1981
被引用文献数
1

昭和40年から昭和54年までの15年間に東大分院泌尿器科であつかった15歳以下の小児尿路結石症は17名で,この間の全結石症例の1.6%に相当した.性別は男12,女5で男女比は2.4:1であった.年齢は最年少が8カ月,8例が5歳以下で最年長に15歳であった.結石部位は上部結石13例(腎結石9,尿管結石4),下部結石2例(膀胱結石2),上部と下部結石合併2例(尿管と膀胱結石1,尿管と尿道結石1)であった.臨床症状は肉眼的血尿6例,発熱3例,側腹痛3例,膀胱刺激症状3例,尿閉1例,尿失禁1例とさまざまであった.上部結石13例のうち観血的治療をおこなったのは11例,13回で,このうち腎摘例が2例で腎保存出来たものは9例であった. 10例に結石成分の分析をおこない燐酸塩系結石4,蓚醗塩系3,シスチン2,キサンチン1例であった.原因疾患の判明したしのは9例,52.9%で,その内訳はシスチン尿症2,キサンチン尿症1,尿路奇形と感染3,長期臥床1,薬剤の副作用2例であった.結石 freeの状態となった12例の平均追跡期間は9.6年で,この間の再発は1例のみで再発率は8.3%であった.小児尿路結石症は結石の早期診断と原因疾患の検索が必要であり,このためには前もってたてたスケジュールにしたがって原因疾患の検索をおこなう必要がある.またX線陰性結石の疑いのある場合には腹部 CTが診断上有用である.
著者
萩谷 昌己 横山 茂之 陶山 明 浅沼 浩之 藤井 輝夫 ROSE John 村田 智 岩崎 裕 吉信 達夫
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

形態変化するDNA分子の設計方法:萩谷は、連続ヘアピンからなる分子マシンに関して、ヘアピンの配列を変化させたときに、3連続ヘアピンから成る分子マシンの挙動がどのように変化するかを調べた。分子マシンの光制御を目指した光機能性超分子の構築:浅沼は、これまでとは逆に「cis-体で二重鎖形成、trans-体で解離」というスイッチングが可能な光応答性DNAの設計と実現に成功した。ヘアピンとバルジによる並行計算:萩谷は、Whiplash PCRの熱力学的な解析と、状態遷移の効率化(Displacement WPCR)を行った。レトロウィルスによる並行計算:陶山は、二つの正帰還と一つの負帰還反応から構成されたオシレータをRTRACの基本反応を用いて構築した。シミュレーションにより発振可能な条件が存在することを確かめた後、実装を進めた。翻訳系による並行計算:横山は、翻訳システムを利用した「オートマトン」を動物細胞(培養細胞)内でも構築することを目標に、非天然型アミノ酸が細胞に与えられた場合にのみ活性化され、サプレッサーtRNAにアミノ酸を結合するような酵素(アミノアシルtRNA合成酵素)を用いることにより、サプレションを制御する機構を構築した。DNA Walker:萩谷は、DNA Walkerの構築に向けて、温度、pH、光の三種類の入力によって駆動する分子マシンに関する予備実験を行った。特に、これらの三種類の入力の独立性について調べた。マイクロチップのための微量液体制御機構の開発:藤井は、液滴操作に必要な周辺技術等の整備を進め、オンデマンド式で液滴の生成・合一の操作が可能にした。また、本技術を用いてDNAとPNAのハイブリダイゼーション反応と電気泳動による反応産物の分離操作をデバイス上で実現した
著者
川戸 和英 横山 勝彦 伊吹 勇亮 芝田 正夫 小野 豊和 石井 智 朝原 宣治 大八木 淳史
出版者
大同大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、企業や組織の社会的責任(CSR)を実践する媒体としてスポーツが有効であるとの仮説について、以下の研究成果を得た。第1は、CSRの基礎理論と成果指標開発に関して、CSRからソーシャル・キャピタル(SC)、そしてグローバル・コンパクト(GC)までの概念展開ができたこと。第2は日本各地や中国、韓国の調査で知見が得られたこと、第3に、成果発表として書籍出版の展望と4つの学会発表を行えたことである。
著者
木村 正統 横山 一彦 中村 國衛 糸満 盛憲
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.24-29, 1996-02-29
被引用文献数
1

骨格筋における虚血再灌流後のO^-_2発生量の変化を観察する目的で,家兎温虚血後再灌流モデルを用いて,O^-_2発生量を測定し検討した。15羽の家兎後肢を各5羽ずつ2時間,4時間,6時間の血流遮断後,再灌流を行い,経時的に局所静脈血中のO^-_2発生量を測定した。血流遮断を行わない5羽をコントロール群とした。Superoxide Index(SI:再灌流後値/再灌流前値)をO^-_2発生量の指標とした。各虚血群とも,SI値は再灌流後5分にて有意に高値を示し,再灌流後のすべてのSI値は再灌流前より有意に高値を示したが,その後の経時的変化には有意な差は見られなかった。各虚血群間の比較では,経過時間別,各個体の最大SI値(MSI),全SI値の平均(ASI)のいずれの比較においても,各虚血群はコントロール群より有意に高値を示し,4時間は2時間より高値で,6時間は2時間と4時間より高値であった。虚血再灌流後O^-_2は初期より増加し,虚血時間が長くなるほど多くのO^-_2が発生することが観察された。
著者
照井 哲 原野 悟 武田 文 三宅 健夫 横山 英世
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

研究目的 現在わが国では、急激な高齢化社会を迎え疾病構造からみても生活習慣に係わる病気が死因の大部分を占めている。厚生省の打ち出した生活習慣病の予防対策の一環として、簡易医療機器による自己検診を普及させることで、健康に対する意識を向上させ、さらに行動変容に結びつくよう本研究を行った。研究対象 企業や保健所の健康教室受診対象者に対し血圧計、血糖計、歩数計、体温計など簡易医療機器を貸与し自己測定を行わせ結果を解析した。また老人保健法並びに学校保健法の健康診断の結果を費用便益法で解析して、自己健康診断との比較を行った。結果及び考察 平成7年度に行った自己検診(血圧・検尿・体温・歩数)や平成8年度に行った自己血糖測定の結果を集計し、性別・年齢階級別に解析を行った。この結果健康に意識を持つ集団においては頻回に自己測定を行っており、特に不安の多い60歳以上の対象者が関心が強い。さらに質問票の集計から成人病健康診断結果並びにその後の事後措置結果を踏まえて、自己健康診断による健康に関する意識の変容が行動変容に結び付きいていることが示された。さらに糖尿病患者における自己血糖測定においては、血糖の改善のみならず脂質や肝機能、尿酸などの最終的に生体情報値の改善に結び付いていることが示され、個々人の生活全般に自己検診が良い結果を呈したことが明らかになった。また、学校保健法及び老人保健法の健康診断の費用と自己健康診断の費用との比較検討を行い、自己健康診断の費用便益が示された。結語 わが国の疾病構造において中心をなす成人病は、日々の生活習慣に由来するところが大きい。自分の健康は自分で作るという習慣の形成がこれら疾病の一次予防上最も重要であり、この自己検診による行動変容は成人病対策上極めて有用と考えられ今後の普及が望まれる。
著者
中島 真紀 松村 千鶴 横山 潤 鷺谷 いづみ
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.57-63, 2004-06-30
被引用文献数
7

温室栽培トマトの授粉用に導入されたセイヨウオオマルハナバチの野生化の状況を把握するために,2003年5月下旬から8月下旬にかけて北海道勇払郡厚真町および鵡川町において踏査による営巣場所探索の調査を行った.のべ18人日の調査により,8つのセイヨウオオマルハナバチの野生化巣と11の在来マルハナバチの巣が発見された.巣の発見場所は,主に水田の畦や畑地の用水路の土手であり,特にセイヨウオオマルハナバチとエゾオオマルハナバチ,エゾトラマルハナバチは営巣場所の選択において類似性が高いことが示された.さらに在来種であるエゾオオマルハナバチの1つの巣から,セイヨウオオマルハナバチの働き蜂が出入りしていることが確認された.在来マルハナバチ類とセイヨウオオマルハナバチが同じ巣を利用することにより,寄生生物の異種間感染をもたらす可能性が示唆された.
著者
加藤 昌英 辻 元 田原 秀敏 横山 和夫 青柳 美輝 山田 美紀子 谷口 肇
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本年度(補助金が交付されてきた期間を含む)に行った研究によって得られた結果は以下のとおりである。1.複素3次元射影空間のある種の領域(「広い領域」)の商多様体の分類に関して次のことが分かった。すなわち(1)この問題を(複素1次元の)クライン群理論の高次元化(奇数次元のみ可能)と考えた。特に複素3次元の場合には、Grassmann多様体G(4,2)に作用する群と考えることによって、うまく問題の定式化(2)クライン群理論における初等型の群に対応する部分の複素3次元版がほぼ完成した。ここで初等型の群とは3次元射影空間の稠密な領域に作用する「端点(end)」が有限である群と定義する。特に固有不連続な開集合の商空間が正の代数次元を持つコンパクトな成分を少なくともひとつ持てば、固有不連続な開集合は3次元射影空間の稠密な領域であって、クライン群は初等型になることが示された。同時に商多様体も有限不分岐被覆を除いて分類された。ここの議論では、(非Kaehler多様体を含む)複素多様体への正則写像の、S.Ivashkovichによる拡張定理が有効に用いられる。現在、発表のための草稿の作成と、証明の改良(なるべく概念的な証明に直すこと)を行っている。が出来ることがわかった。これによって基礎になる種々の概念が固まった。2.複素多様体がprobableになるための良い十分条件を求める問題についてはまだ手がついていない。複素射影構造が特異点集合の持つ場合の考察についても進歩がなかった。ともに今後の課題である。
著者
横山 祐子 稲葉 智之 浅川 満彦
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.83-93, 2003-09
被引用文献数
1

サル類の公衆衛生学的研究の一環として,東京都内動物商およびペットショップで死亡したサル類5科15属22種96個体について,寄生蠕虫類の調査を実施した。検査動物の属としてはLemur, Galago, Nycticebus, Perodicticus, Aotus, Saimri, Cebus, Cebuella, Callithrix, Saguinus, Leontidius, Macaca, Cercopithecus, Erythrocebus, および Miopithecusであった。その結果,45個体に何らかの寄生蠕虫類を認めた。特に,調べたリスザル12個体とタラポアン14個体すべてに蠕虫類が認められたが,いずれも愛玩動物として人気が高いので警戒が必要とされた。今回の調査では線虫13属,吸虫1属,鉤頭虫2属,すなわちPhysaloptera, Rictularia, Dipetalonema, Gongylonema, Streptopharagus, Enterobius, Lemuricola, Crenosomatidae gen., Primasubulura, Globocephalus, Strongyloides, Molineus, Trichuris, Dicrocoeliidae gen., Prosthenorchis, Nephridiacanthusが検出された。このほか舌虫類の若虫(おそらくProcephalus sp.およびArmillifer sp.)が見つかったが,条虫類は見つからなかった。ほとんどの蠕虫類が日本で初めての報告となった。
著者
横山 実
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
no.12, pp.141-158, 1987

日本と韓国の非行少年について,比較研究をおこなう手はじめとして,両国の公の統計の分析をおこなった.公の統計を用いる比較研究には,多くの問題点が存在している.しかし,日本と韓国の比較研究は,他国間のそれと比べて,その問題点は,より軽微であると思われる.何故ならば,日本と韓国との間には,統計作成の方法,法律における犯罪の定義等で,類似性がみられるからである.公の統計によると,日本では,1970年代の後半から1980年代前半にかけて,人口あたりの非行少年の比率が増大している.この間,成人や年長少年の犯罪は,かならずしも増加していない.著しく増加したのは,年少少年による軽微な犯罪である.このような犯罪の数は,統制機関の活動如何によって,簡単に増減しうる.戦後最悪といわれた高い非行率は,社会統制機関,特に警察が,補導および検挙の活動を活発化したために,もたらされたのであろう.韓国においても,これと同じ現象が見られるであろうか.韓国では,1970年代に,高度経済成長期を迎えた.この間,成人の犯罪率も,少年のそれも,ともに増加している.少年が犯した犯罪の内訳では,日本に比べて,暴力犯の比率が高い.身分別では,学生の比率が高まりつつあるとはいえ,無職が3分の1強を占めている.経済状態では,下層階級の者が9割近くを占めている.年齢別では,18〜19歳の年長少年が,半数近くとなっている.公の統計から,これらの特徴を読みとる限りでは,韓国の社会統制機関は,成人や年長少年の犯罪の処理に,追われているようである.日本で最近見られているような現象は,韓国において近い将来に生じるとは,いえないようである.
著者
横山 悦生
出版者
技術教育研究会
雑誌
技術と教育
巻号頁・発行日
vol.435, pp.6-8, 2010-03-15 (Released:2010-06-24)
著者
近山 隆 湯淺 太一 上田 和紀 田浦 健次朗 遠藤 敏夫 横山 大作 田浦 健次朗 遠藤 敏夫 横山 大作 馬谷 誠二
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

爆発的に増加する大量の情報を効率的に扱うソフトウェアの構成には、広域に分散配置した高度な並列性を持つ情報システムを柔軟に記述できるソフトウェアの枠組が基本技術として必要となる。このためのプログラミング言語やミドルウェアのシステムと、複雑なソフトウェアの正当性を検証するためのシステムを対象に研究を進め、具体的なシステムを提案、設計、実装し、その性能を検証した。代表的成果ソフトウェアは公開している。
著者
松岡 心平 天野 文雄 磯田 道史 小川 剛生 落合 博志 小林 健二 高桑 いづみ 高橋 悠介 橋本 朝生 宮本 圭造 山中 玲子 横山 太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

観世文庫の能楽関係資料は、質・量ともに能楽に関する最重要の資料群である。本研究では、これらの資料の調査・研究に基づき、インターネット上で画像と解題を公開するデジタル・アーカイブ「観世アーカイブ」を拡充させると共に、これを活用して、近世能楽史の研究を大きく進めた。特に、15世観世大夫元章(1722~74)の能楽改革に関する研究に重点を置き、観世元章に関する用語集と関係書目、年譜をまとめ、刊行した他、元章による注釈の書入れが顕著な謡本『爐雪集』の翻刻と検討を行った。さらに、観世文庫に世阿弥自筆能本が残る「阿古屋松」の復曲を行い、観世文庫資料の展覧会でも研究成果を公開した。
著者
可児 久典 山川 洋右 丹羽 宏 桐山 昌伸 深井 一郎 近藤 知史 斉藤 雄史 佐々木 秀文 横山 智輝 藤井 義敬
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.414-417, 1997-07-25

症例は, 54歳の男性。1996年5月より咳嗽, 喀痰が出現し, 人間ドックにて胸部異常陰影を指摘されたため, 当科紹介受診となった。喀痰細胞診でClass V(腺癌), 気管支鏡検査では, 右上葉気管支入口部にポリープ状の腫瘍をみとめ, 生検で扁平上皮癌の診断を得た。このため右肺上葉原発の扁平上皮癌の診断で, 6月18日右上葉楔状切除術を施行した。術後の検索にて, 腫瘍は右S^2原発の腺扁平上皮癌で, 気管支内腔をポリープ状に発育しており, pT2N0M0 stage Iであった。気管支内腔をポリープ状に進展する腫瘍は原発性肺癌, カルチノイド, 転移性肺腫瘍等でみられるが, 肺癌の場合は扁平上皮癌が大半を占める。腺扁平上皮癌はその頻度も少なく, 内視鏡的所見や発育形態も定かではない。本例は末梢から発生し気管支内腔をポリープ状に進展した腺扁平上皮癌として, 興味のある症例であると思われた。