著者
武田 昌一 杤谷 綾香 橋澤 保輝 加藤 修一 大山 玄
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.629-638, 2004-11-01
被引用文献数
4

4名の声優が発声した銀行端末(ATM)案内文音声を対象として,感情を合めた場合と含めない場合の韻律的特徴の差異を解析した。更に分散分析により,話者・文依存性の有無を調べた。分散分析の結果から,韻律的特徴は全体的に話者や文に依存する傾向が大きいことが示された。反面,共通の特徴として(1)「喜び」は主として声を高くすることで,(2)「悲しみ」と「感謝」は主として基本周波数パターンを平坦化することで,表現していることを示す結果を得た。更に,話者自身が最も好ましいと考えた感情で発声した場合,共通のATM案内文音声の特徴は,早口で声を高くすることであることが分かった。
著者
武田平治 編
出版者
菱花堂
巻号頁・発行日
1885
著者
伊藤 隆 御厨 貴 季武 嘉也 有馬 学 武田 知己 小池 聖一 梶田 明宏
出版者
政策研究大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

近代日本史料情報の収集、整理、公開及び将来期待される史料情報機関への提言作成を目的として以下のような研究成果をあげた。1、史料収集ア)ヒアリング調査。史料所在に詳しい研究者を合計19名招聘し、ヒアリングを実施した。イ)史料所在調査。史料所在情報を収集するため、12回の出張を行った。さらにさまざまな史料目録類を収集した。また、中央官公庁に対し精力的に所蔵史料の問い合わせを行った。2、史料整理多くの研究協力者に手伝ってもらって、収集した史料群約20文書の整理を行った。その一部は既に目録を活字化したが、全体の量は膨大であったので残念ながら作業は完結せず、今後も整理を続行する予定である。3、ホームページの充実以前より開設しているホームページ(http//:kins.grips.ac.jp)に情報を追加するなど、その充実をはかった。また、他機関が行っているインターネット上での史料情報公開に関して考察を加え、その問題点等を探った。5、新機関への提言我々は会合の都度、どのような史料情報集約機関が望ましいのか、情報を交換し話し合ってきた。以上、詳細については研究成果報告書に譲るが、そのほかに本研究の成果を中心として『近代日本人物史料情報辞典』(仮題)という刊行本を出版する予定である。
著者
半沢 康 武田 拓 加藤 正信 小林 初夫 本多 真史
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

同一のインフォーマントに同じ方言調査を繰り返し実施した場合,その調査結果はどの程度安定するのだろうか。本研究は方言調査データの「信頼性」(調査データがどの程度安定するのか)を明らかにすることを目的とする。宮城県角田市と伊具郡丸森町および福島県田村郡小野町において実験的調査を実施し,方言調査データの信頼性を把握した。伊具地方の調査では,多くの項目の安定性(2回の調査の一致度)は80%程度との結果が得られた。他のデータについても今後も分析を進め,結果を公表する予定である。
著者
武田 隆之 牛窓 朋義 山内 寛己 門田 暁人 松本 健一
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.8, pp.1-8, 2010-03-11

本稿では,学生の演習課題のような小規模なソースコードを対象とした盗用の検出を目的とする.インデント,演算子などのコーディングスタイルに着目し,59 項目の特徴量として抽出し,盗用の発見に用いる.盗用関係にあるソースコード間において 59 項目の特徴量の差分を測定し,盗用関係にないソースコード間における特徴量の差分と比較したところ,28 項目の特徴量が盗用検出に有効であること,28 項目のうち 8 項目の特徴量はプログラムの内容によらず盗用検出に有効であること,8 項目のうち 3 項目の特徴量はソースコード整形ツールによるインデント整形に対して耐性を持つことが分かった.The goal of this paper is to detect software plagiarism in small-size source code like exercise assignments at school. This paper focused on coding style elements, such as indents and operators, and computed 59 quantitative measures from these elements. To evalute the usefulness of measures for plagiarism detection, we compared measures of suspected pairs (of plagiarism) and nonsuspected pairs. As a result, we found that 28 measures were effective to detect plagiarisms. Especially, 8 of 28 measures were effective for different program specifications, and 3 out of 8 measures were effective even after source code indentation tools were applied.
著者
勅使河原 三保子 伊藤 克亘 武田 一哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.291, pp.39-44, 2005-09-09
被引用文献数
1

本研究では日本のアニメにおける善玉と悪玉の音声の比較を行った.不快感情を表すことが多い悪玉の声は, 不快感情が持つ音声的特徴を反映するという仮説が立てられ, Laverの声質記述の枠組みを用いた受聴による分析により, 悪玉の声には咽頭部分の狭めまたは拡張が聴覚的に認められた.咽頭部分の狭めやそれに伴う調音的特徴は, 不快感情を表す音声に予測された特徴であった.日本語母語話者を対象とした聴取実験において, 咽頭部分の形状について対比させた刺激音を用い, 咽頭部分の形状が人物の印象(外見, 性格, 感情)を左右することが確認された.
著者
久保 真人 饗場 郁子 下畑 享良 服部 信孝 吉田 一人 海野 佳子 横山 和正 小川 崇 加世田 ゆみ子 小池 亮子 清水 優子 坪井 義夫 道勇 学 三澤 園子 宮地 隆史 戸田 達史 武田 篤 日本神経学会キャリア形成促進委員会
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.219-227, 2021 (Released:2021-04-21)
参考文献数
15
被引用文献数
1

医師のバーンアウトの現状と対策を検討するため日本神経学会の全学会員8,402名に対しアンケート調査を行い,15.0%にあたる1,261名から回答を得た.本論文では男性医師と女性医師の比較結果について報告する.勤務・生活状況では既婚者のみに有意な差が認められた.労働時間など勤務状況では男性のほうが厳しい条件で勤務していること,家事分担では女性の負担が重いことが確かめられた.日本版バーンアウト尺度による分析では,全体の得点では性差は認められなかったが,バーンアウトと関連する要因については,男女に共通した要因にくわえて,男性あるいは女性特有の要因が明らかとなった.
著者
武田 裕子
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.129-134, 2023-04-15 (Released:2023-04-15)
参考文献数
18

“人々が生まれ育ち,生活し,働き,そして歳をとるという営みが行われる社会の状況”が健康格差を生じるとき,WHOはそれを「健康の社会的決定要因(Social determinants of health;以下,SDH)」と定義した.舗装されていない道路や段差などの物理的環境にとどまらず,雇用や収入,社会保障制度,さらには自立を阻害する差別や偏見といった社会状況は,困難を抱える人たちにこそ大きく影響する.SDHは社会的公正(social justice)に基づく取り組みと位置付けられているが,この公正の考え方をいちはやく明示した医療職は作業療法士である.“作業を利用し,環境に働きかける”行いは,作業の権利を保障するものであり作業的公正の実現に他ならない.
著者
武田 潤
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.512-521, 1987-12-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
28

The study was undertaken to clarify the mechanism causing bronchoconstriction after inhalation of cold air and to determine the site of bronchus most severely affected. A series of experiments were performed on 11 healthy subjects who had history of bronchial asthma only in childhood. The respiratory resistance was continuously measured by a newly developed system to test the effect of cold air inhalation and also the pulmonary function was measured before and after the inhalation. The bronchial hyperresponsiveness to methacholine was measured by the astograph. The effects of various drugs (atropine, ipratropium bromide and disodium cromoglycate) on the increase of respiratory resistance were investigated. The respiratory resistance was increased immediately after the inhalation of cold air in all subjects. The increase in respiratory resistance was inhibited by atropine and ipratropium bromide but not by disodium cromoglycate. The decrease of V25 induced by inhalation of cold air was significantly greater than that of FEV1. Thus it was concluded that from a pharmacological point of view, inhalation of cold air caused bronchoconstriction, predominantly in small airway via cholinergic mechanism. Also, the degree of increase in the respiratory resistance was correlated with the bronchial sensitivity to methacholine.
著者
安藤 瑞穂 武田 俊信 熊谷 恵子
出版者
一般社団法人 日本LD学会
雑誌
LD研究 (ISSN:13465716)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.290-300, 2018 (Released:2020-12-04)
参考文献数
41

本研究は成人期のADHD(以下,成人ADHD)にコーチングを適用した10事例の報告である。第1筆者によりコーチングが3から4カ月実施され,身辺管理を中心とした日常生活上の困難さ,気分や感情の一部に改善を示す結果が得られた。これらの結果は我が国の成人ADHDに対するコーチングの適用を支持する予備的な成果を示唆するものを考えられた。本研究では,事例のエピソードを交え,コーチングの実施による効果を考察した。
著者
中根 俊成 溝口 功一 阿部 康二 熱田 直樹 井口 保之 池田 佳生 梶 龍兒 亀井 聡 北川 一夫 木村 和美 鈴木 正彦 髙嶋 博 寺山 靖夫 西山 和利 古谷 博和 松原 悦朗 村松 慎一 山村 修 武田 篤 伊東 秀文 日本神経学会災害対策委員会
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.643-652, 2020 (Released:2020-10-24)
参考文献数
57

東日本大震災の甚大な被害を踏まえて日本神経学会の災害対策活動はスタートした.2014年,正式に日本神経学会災害対策委員会が発足し,災害支援ネットワーク構築と指揮発動要件設定を行い,模擬訓練を実施した.2016年の熊本地震で我々は平常時の難病患者リスト作成,個別支援計画策定の重要性を認識し,避難所等における難病患者のサポートのあり方を検討した.2017年,我々は災害対策マニュアルを刊行し,難病患者の災害時調整役として各都道府県に神経難病リエゾンを配置することを定めた.神経難病リエゾンの役割は「被災地の情報収集・発信」,「医療支援調整」,「保健活動」であり,平常時と災害時の活動が期待される.
著者
下畑 享良 久保 真人 饗場 郁子 服部 信孝 吉田 一人 海野 佳子 横山 和正 小川 崇 加世田 ゆみ子 小池 亮子 清水 優子 坪井 義夫 道勇 学 三澤 園子 宮地 隆史 戸田 達史 武田 篤 日本神経学会キャリア形成促進委員会
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.89-102, 2021 (Released:2021-02-23)
参考文献数
24
被引用文献数
2 1

医師のバーンアウトに関連する要因を明らかにし,今後の対策に活かすため,2019年10月,日本神経学会はバーンアウトに関するアンケートを脳神経内科医に対して行った.学会員8,402名の15.0%にあたる1,261名から回答を得た.日本版バーンアウト尺度の下位尺度の平均は,情緒的消耗感2.86/5点,脱人格化2.21/5点,個人的達成感の低下3.17/5点であった.また本邦の脳神経内科医のバーンアウトは,労働時間や患者数といった労働負荷ではなく,自身の仕事を有意義と感じられないことやケアと直接関係のない作業などと強く関連していた.これらを改善する対策を,個人,病院,学会,国家レベルで行う必要がある.
著者
武田 秀太郎 キーリー 竜太 アレックス 馬奈木 俊介
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.553-556, 2022 (Released:2022-10-10)
参考文献数
8

近年注目される民間核融合業界であるが,一体誰が核融合実現を目指しているのだろうか?ベールに包まれる民間核融合業界を最新の統計データを用いて紹介する。世界には自社で核融合炉実現を目指す企業が25社存在し,資金調達額は5,000億円を超える。そのうち17社(68%)が過去10年間に設立され,また約3,000億円が2021年単年で投資されている事実は,核融合におけるスタートアップの勢いが増していることを指し示している。また核融合企業は発電(24社)から宇宙推進(11社),水素製造(7社)まで多様な市場をターゲットとし,その半数以上(17社)が核融合発電は2030年代に実用化されると考えている。これらの統計は,民間核融合企業が短期的かつ意欲的なマイルストーンを設定して技術開発と実証を繰り返すことで,環境意識の高い投資家への訴求に成功していることを示唆する。
著者
高木 絢加 武田 一彦 御堂 直樹 駒居 南保 山口 光枝 永井 成美
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.49-58, 2013 (Released:2013-05-23)
参考文献数
32
被引用文献数
4 3

【目的】温かい飲食物摂取後の,「体の温かさ」や体温の変化を検討した報告は少ない。本研究の目的は,温度の異なるスープをサンプルとして,飲食物の温度が摂食者の主観的温度感覚と深部・末梢体温に及ぼす影響を調べることである。【方法】前夜から絶食した若年女性20名に,異なる日の朝9時に,65°Cスープ摂取,対照として 37°Cスープ摂取,スープ摂取なし(ブランク)の3試行をランダムな順序で実施した。26°Cの実験室で検査衣を着用した安静状態の被検者の,サンプル摂取10分前から摂取65分後までの主観的温度感覚,深部体温(鼓膜温),末梢体温(手先温,足先温),心拍数を測定した。スープ摂取後には嗜好調査を実施した(大変おいしい[10点]~大変まずい[0点])。【結果】嗜好得点は,65°Cスープでは37°Cスープより有意に高かった。摂取後の鼓膜温,足先温,心拍数の変化量は,65°Cスープ, 37°Cスープ,ブランクの順に高値で経時変化した(Sample effect, Sample×Timeとも有意)。各測定時点の多重比較からは,65°Cスープでは,主観的温度感覚は摂取直後で 37°Cスープやブランクと比べて有意に高値であること,鼓膜温は摂取20分後まで,足先温は摂取15分後まで 37°Cスープと比べて有意に高値であることが示された。【結論】37°Cスープとの比較から,65°Cスープ摂取後の鼓膜温や足先温の上昇はスープの温度の影響を受けていると考えられた。3試行の結果から,飲食物に含まれるエネルギー基質や美味しさなどの要因に加え,飲食物の温度自体も主観的温度感覚や体温に影響を及ぼすことが示唆された。
著者
武田 志乃 西村 まゆみ 山田 裕 上野 俊治 島田 義也
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第34回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.5156, 2007 (Released:2007-06-23)

近年、劣化ウラン弾汚染地域やウラン鉱山伏流水を飲用する地域で健康影響についての報告が増加し、子どもへのウランの毒性影響に関心がもたれている。自然界に存在するウラン(天然型ウラン)や劣化ウランは放射線毒性よりも重金属としての化学毒性が優勢とされ、カドミウムや水銀様の腎臓の尿細管障害を引き起こすことが知られている。しかし発達期におけるウランの感受性や体内挙動は十分に理解されていない。その理由の一つは、組織中の微量ウランの測定が困難であったことがあげられる。すなわち、ウランはα線放出核種であるため、β線やγ線核種のように感光フィルムやイメージングプレートによる組織分布が簡便に得られない。 我々はこれまでに、ナノビームを利用した高エネルギー領域シンクロトロン放射光蛍光X線分析(SR-XEF)や誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)による微量元素測定手法に取り組んできた。両手法は微小組織におけるウラン分析に有効であることから、我々はこれらの手法を幼若ラットにおけるウランの挙動解析に応用することを試みた。本研究では、ウランをばく露した生後6日齢および3週齢の雄性ラットにおけるウランの体内挙動、および腎臓中ウラン分布とアポトーシス誘導との関係を報告する。