著者
加藤 哲郎 渡辺 泱 島 正美 海法 裕男
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.62, no.9, pp.704-707, 1971-09-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
18
被引用文献数
1 4

Transsection of the hypogastric nerves and/or pelvic nerves was performed on 18 adult male dogs. Prostates were removed on the 7th, 14th and 21st postoperative day to examine histologically.The denervation caused severe structural changes on the dogs prostate, which could be summarized as follows.1. Atrophy of the epithelium as well as myxomatous degeneration resulting in proliferation of collagenous fibers in the stroma was the most prominent finding commonly seen in the various denervating groups. Since cystic dilations of the prostatic gland or capillaries were indefinitely observed in some cases, these findings could not be confirmed as typical changes caused by the denervation.2. The degenerative changes were recognized on the 7th day and more conspicuous on the 14th day after denervations. On the 21st postoperative day, however, the degeneration of prostatic tissue became considerably slight.
著者
秋坂 真史 渡辺 めぐみ 志井田 孝 石津 宏
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.607-617, 2005
参考文献数
19

茨城県東海村で発生したJCO社による放射能臨界事故は, 一般社会のみならず心身の健康に敏感な住民にも大きな衝撃をもたらした.事故災害やその健康被害などについての報告も多い中, 本事故についての現場からの調査報告, とりわけ児童の心身への影響に関する学術報告は皆無に近かつた.そこで, 本邦で初めて住民を巻き込んだ放射能洩れ事故が, 近隣の学校生徒の心身に与えた影響, 特に心的外傷後症状の実態や内容などを調べる目的で調査を行った.屋内退避対象地域になったJCOから半径10km圏内の7市町村に所在する15校の小学生・中学生・高校生計479名を分析対象に, 事故直後(想起)および事故1年後に心的外傷後症状の感情状態や変化(現在)に関し, 無記名かつ自記式の質問紙調査を実施した.男女別また校種別でも, 両期とも精神的症状項目で女子が有意に高かつた.事故直後の身体症状や睡眠障害・興奮などの心身症状は性差なく, 比較的少数であつたが存在はした.このように事故1年後でも思春期女子の感情不安定性が目立ち, 健康診断や精神的フォローアップの必要性が示唆された.
著者
李 敬鋒 川崎 亮 解 子章 渡辺 龍三
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.466-471, 1991
被引用文献数
1

A simple test method using small sized specimens is often required for the effective development of ceramic materials. In the present work, the Modified Small Punch (MSP) test was employed for evaluating the thermal shock resistance of Y<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>-ZrO<SUB>2</SUB> and SiC ceramics.<BR>The change in strength after quenching from various temperatures was evaluated accurately by the MSP test. The load vs. deflection curves obtained by the MSP test provided more detailed information about the thermal shock by quenching. It has been found that the measured values of the critical temperature difference which indicates the thermal shock resistance of the ceramics are in good agreement with the theoretically calculated values for the materials investigated in the present work. The results show that the combination of water quenching and MSP test is effective for the evaluation of thermal shock resistance of ceramics.
著者
金井 謙二 渡辺 崇
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.76, no.771, pp.3172-3174, 2010
参考文献数
7

For the human motion detection by camera, it is usually needed to use sensors and/or markers. We propose a method that does not handle any sensors nor markers, instead, that adopts optical flows. By applying this method, we can analyze synchronization between human motions and classify moving direction of crowds. The optical flows are estimated by the Lucas-Kanade method. The result of the optical flows is assigned to a hue circle, and the histogram of the hue gives information to identify human motions. Utilizing this color information makes our method robust to the environmental changes. We defined the combined Bhattacharyya coefficient and use it to detect the synchronization of the human motions. In this paper, two persons dance choreography and the results before and after the practices are quantitatively evaluated. The crowds' classification is performed depending on the moving directions of the crowds. We also describe the method to detect unusual acts. These functions are available to score the group performances in games and to detect the persons doing normal and abnormal actions.
著者
渡辺 興亜
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.279-285, 2000-05-15 (Released:2009-09-04)
参考文献数
11

南極氷床内陸部および日本列島の積雪域における広域雪氷観測を通じて, いかにして雪氷化学観測の方法が確立していったかを筆者の個人的経験を回想しつつ述べた.
著者
豊田 輝 田中 和哉 平賀 篤 佐野 徳雄 菅沼 一男 西條 富美代 安齋 久美子 渡辺 長 相原 正博 渡邊 修司 青栁 達也 新永 拓也 中山 彰博
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.657-664, 2021 (Released:2021-08-20)
参考文献数
12

新型コロナウイルス感染症によるパンデミックへの対応経験を理学療法士(PT)養成課程における一つのモデルとし,今後の備えとなる事業継続マネジメント(BCM)の在り方を検討した.具体的には,BCMプロセスに沿って本学科のパンデミック発生後からの対応を振り返り検討した.結果,BCMプロセスごとに8つの問題点が抽出され,その対応策としてパンデミックに対応する業務継続計画を策定した.今回,BCMプロセスに沿った検討により,本学科における全業務の洗い出しと業務優先度の選定,それに必要な組織体制の見直しが可能となり,さらには今後の課題も明確となった.今後も,社会の要請に応えるべく,パンデミック発生時においても質の高いPTの養成が継続できる組織であるため再考を続けたい.
著者
藤井 恒 渡辺 康之
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
やどりが (ISSN:0513417X)
巻号頁・発行日
no.169, pp.10-24, 1997-05-20
被引用文献数
1

1996年8月18日〜24日に行われたギフチョウフォーラムの懇親会は,メインテーマであるはずのギフチョウの話よりもむしろ「オオモンシロチョウ」の話題で盛り上がった。筆者の一人,藤井は北海道の川田光政氏や青森の工藤忠氏からの情報で,北海道の道南部だけでなく,稚内や青森県の竜飛崎付近でもオオモンシロチョウが採れたということをこの時すでに知っていた。すぐにでも北海道へ飛んで行きたい気分であったが,ギフチョウフォーラムの仕事をすっぽかす訳にもいかず,ギフチョウフォーラム終了後に調査に出かけることを決めていた。一方,渡辺も9月中旬には大雪山へ行くのでその際,オオモンシロチョウの撮影などを行うことにしていた。その後,紆余曲折を経て,結局一緒に調べに行きましょうとが決まったのが,8月27日の夜。翌日の早朝,大阪伊丹空港で落ち合うこととなった。ここでは,この時の調査行の結果を簡単に報告しておきたい。なお,8月28日〜8月31日午後までは2人で行動を共にしたが,それ以降は別行動をし,藤井は9月1日〜5日まで青森県で調査を行い,渡辺は9月2日〜12日まで大雪山に滞在した後,9月13日に札幌で調査を行った。
著者
渡辺 和之
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014

&nbsp; 原発事故による畜産被害を聞き取りしている。2013年秋と2014年春に南相馬市で調査をおこなった。南相馬市には福島県内にあるすべての避難区域が混在する。20km以内の旧警戒地域は小高区にあり、旧計画的避難区域(2012年4月解除)や特定避難勧奨地点(以下勧奨地点)は原町区の山よりの集落に集中する。原町区の平野は比較的線量も低く、旧避難準備区域(2011年10月解除)となり、30km圏外の鹿島区では避難も補償もない。調査では原町区の山に近い橲原(じさばら)、深野(ふこうの)、馬場、片倉の集落を訪れ、4人の酪農家から話を伺うことができた。<br>&nbsp; 南相馬では転作田を牧草地としており、いずれの農家も20ha以上の牧草地を利用する。このため、糞や堆肥置き場には困っていない。ただし、事故後牛乳の線量をND(検出限界値以下)とするため、30Bq以上の牧草を牛に与えるのを禁止し(国の基準値は100Bq)、購入飼料を与えている。<br>&nbsp; ところが、酪農家のなかには1人だけ県に許可を取り、牧草を与える実験をしている人がいる。彼は、国が牧草地を除染する以前から自主的に除染をはじめ、九州大学のグループとEM菌を使った除染実験をしている。牛1頭にEM菌を与え、64Bqの牧草を与えてみた所、EM菌が内部被曝したセシウム吸着し、乳の線量が落ちていた。<br>&nbsp; 市内では震災を機に人手不足が深刻化しており、酪農家の間でも大きな問題となっている。南相馬の山の方が市内でも線量が高く、いずれの酪農家の方も子供を避難させている。妻子は県外にいて1人で牛の面倒を見ている人もおり、今までの規模はとても維持できないという。といって、少ない規模だと、ヘルパーも十分に雇うこともできず、牛の数を半分以下に減らした人もいる。<br>&nbsp; 現地では地域分断よりも、地域の維持がより大きな問題となっている。ある酪農家は「続けられるだけまだいいと、今では考えるようにしている」という。「小高や津島の酪農家を見ていると、いつ再開できるのか先が見えない。農家によって状況も違うし、考え方も違う。どうやって生きて行くのか、その先の見通しを何とか見つけないと。事故がなくても考えなければいけないことだったかもしれない。ただ、無駄な努力をさせられたよな」とのことである。片倉では、小学校が複式学級になる。深野でも小学校の生徒が10人に減ってしまった。「避難先には何でもある。30-40代は戻ってこない。だから、昨年から田んぼも再開した。続けていないと集落が維持できなくなる」とのことである。<br>&nbsp; 人がいなくなったことで獣害問題も深刻化している。山に近い片倉や馬場では、震災前からイノシシの被害はあったが、震災後に電気柵を設置したという。「電気柵をはずすと集中砲火を受ける。猿も定期的に群れで来る。あれはくせ者。牧草の新芽を食べる」という。<br>&nbsp; このような状況でありながらも、彼らは後継者不足には悩んでいない。週末になると避難先の千葉から息子さんが手伝いにくる人もいれば、息子が新潟の農業短大を卒業したら酪農をやるという人もいる。「酪農で大丈夫かとも思うが、牧草さえ再開できれば牛乳は足らないし、やってゆけなくはない」。また、「一度辞めると(酪農の)再開は困難。それ(息子が家業を継ぐ)までは今の規模を維持して行かないと」という。酪農仲間たちは、「親の背中を見てるんだねえ」とコメントしていた。
著者
アラブシャヒ サイエド アリレザ 江 鐘偉 渡辺 哲陽
出版者
日本AEM学会
雑誌
日本AEM学会誌 (ISSN:09194452)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.333-338, 2006-09-10
被引用文献数
1

The purpose of this report is to introduce and discuss about the design parameters for a segment of a tactile sensor which will be used to read one dot of a braille alphabet. A single segment of a tactile sensor, consisting of a piezoelectric (PVDF) film sandwiched between two elastic materials, is designed. The design parameters, regarding the geometry and Young's modulus of the sensor are introduced. Simulations are used to investigate the influence of the design parameter on the sensor output, and to show the design criterion in order to obtain enough large sensor output. The results show that 1) for obtaining enough large sensor output, the layer, which is closer to the contact point with the dot of a Braille alphabet, should be "thinner" than and have a "similar hardness" to the other layer, 2) the output of sensor is mostly dependent on the bending effect near the PVDF layer and the Clamped structure can encourage more bending.
著者
高橋 晶 伊藤 ますみ 岡崎 光俊 田中 晋 原 恵子 渡辺 雅子 開道 貴信 大槻 泰介 加藤 昌明 大沼 悌一
出版者
日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 = Journal of the Japan Epilepsy Society (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.74-80, 2007-08-31
参考文献数
9

われわれは成人期に脳出血が生じ、初めてウィリス動脈輪閉塞症(もやもや病)と確定診断された側頭葉てんかんの1例を経験した。症例は36歳男性。8歳時月に1&sim;2回の嘔吐から始まる短い意識減損発作が出現した。17歳時、脳波上左前側頭部に棘波を認め側頭葉てんかんと診断された。27歳時けいれん発作重積とひき続くもうろう状態が2日持続した。その後MRIにて両側海馬硬化、右脳内出血瘢痕を認めた。36歳時、遷延する意識障害を呈し画像所見にて脳内出血を認め、もやもや病と診断された。本例の発作は、臨床症状および脳波所見からは側頭葉起源のてんかん発作と考えられ、もやもや病は偶発的に合併したものと判断した。ただし、てんかん原性獲得にもやもや病による慢性的血行動態異常が関与した可能性は考えられた。以上からてんかんの経過中であっても他の脳器質疾患の並存を考慮すべきと思われた。<br>
著者
木村 昭夫 留目 優子 大国 寿士 桜田 紳策 渡辺 ユキノ 倉田 潔 木村 壮介
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.8, pp.332-335, 1998-08-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
11

近年,重症脳傷害に対する中等度低体温(32℃~34℃)の脳保護効果が注目されているが,この療法の際に,しばしば細菌感染症が惹起される。本論文では,この低体温下における単球の機能についてin vitroにて検討した。健常成人より得た末梢血から単核白血球を分離し,そのなかの単球の遊走能,貪食能および殺菌能を33℃並びに37℃で比較検討した。単球の遊走距離は,3時間において37℃では平均1.1mmであったのに対し,33℃では平均0.1mmであった。37℃では単球1個当たり貪食した酵母(Saccharomyces cerevisiae)数が2.3±2.1個であるのに対し,33℃では1.9±1.8個であった(p=0.017)。また貪食された後,発育してきたコロニー数は,37℃で(1.8±0.11)×106個,33℃では(2.4±0.17)×106個であった(p<0.0001)。遊走能,貪食能,殺菌能ともに33℃で低下しており,これらが低体温療法の際の易感染性に関与していることが示唆された。
著者
藤枝 幹也 脇口 宏 川久保 敬一 渡辺 誠司 倉繁 隆信 弘井 誠 原 弘
出版者
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液学会雑誌 (ISSN:09138706)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.499-503, 1992

症例は7歳女児.3歳7ヵ月頃から出血傾向, 血小板減少, 巨核球減少, 赤芽球形態異常とHbF高値などが持続し, 6歳2ヵ月に骨髄芽球の増加がみられ, 骨髄異形成症候群 (MDS, RAEB) と診断された.少量cytosine-arabinoside (Arac-C) 療法で, 貧血と出血傾向の改善, 芽球の減少がみられたが, 約1年後にovert leukemla (FAB分類M2) に急性転化した.多剤耐性で寛解がえられず, 入院9ヵ月目から咳嗽出現し, 胸部レ線像でび慢性の浸潤像と心陰影の拡大が認められた.抗生剤, 抗真菌剤, 強心剤に反応せず死亡した.剖検では, 左肺上葉に空洞形成がみられ, 組織学的にアスペルギローシスの像を呈していた.全肺胞はPAS染色で顆粒状に染まる物質でみたされ, 一部oil redに染まっていた.電顕像でmultilamellated structureが認められアスペルギルス感染に伴う肺胞蛋白症と診断された.
著者
宮田 博規 渡辺 洋二 近藤 久義 八神 健一 佐藤 浩
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.371-376, 1993
被引用文献数
1

マウス肺炎ウイルス (PVM) の感染把握を目的として, その特異抗体の定量を三種類の血清学的試験法 (二種の血球凝集抑制試験「HI」法並びに間接蛍光抗体法「IFA」) で吟味したところ, IFAが最も感度並びに特異性に関し優れていた。この結果, IFA法は動物実験施設等を対象とする小規模的なモニタリングの適用に実用性から選択肢の一つであることが確認された。この方法を使用して, 我が国の研究機関およびブリーダー由来の実験動物 (ラット, マウス, ハムスター, モルモット, ウサギ) の1, 280サンプルを対象として, PVMの感染流行の有無を血清学的方法により検索した。その結果, 実験動物の中で特にコンベンショナルラット (116/674; 17.2%) とSPFラット (60/200; 30.0%) で高率に抗体が検出された。また, コンベンショナルウサギにおいても低率ながら, 抗体陽性固体 (2/144; 1.4%) を認めた。しかしながら, ハムスターやマウスでは抗体陽性固体を検出することが出来なかった。これらの結果から, 我が国のコンベンショナルコロニーやSPFコロニーにも, 欧米同様PVM感染が存在し, 今後SPFラット・マウスの検査項目として全ブリーダーでとりあげる必要性が示唆された。
著者
渡辺 千寿子
出版者
佛教大学学会
雑誌
社会学部論叢 (ISSN:03863301)
巻号頁・発行日
no.12, pp.60-82, 1978-12-01
著者
渡辺 えり代
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.125-132, 2013

<p>香研究会IRIは,香道の世界で伝えられる香十徳の中の香の効能,すなわち,感覚を研ぎ澄まし,心身を清浄にして,汚れや穢れを取り除き,孤独感を癒し,多忙時に心を和ますという働きを現代生活に活かすために,新しいスタイルの香道としての聞香体験,平安時代の貴族に愛された練香や古代エジプトの薫香キフィの創作を通して,心身のウエルネスに役立てる活動を行っている.</p>