著者
望月 哲男 越野 剛 後藤 正憲 鈴木 正美 鳥山 祐介 長縄 宣博 中村 唯史 沼野 充義 野町 素己 松里 公孝
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

ヴォルガ地域の文化的な様態を、各流域の民族・宗教文化的特徴、および中世期から現代までの複雑な歴史的経緯を踏まえて整理し、包括的文化圏としてのヴォルガ地域像を解明した。ヴォルガ河の表象にみられる多義性・多面性とその変遷を、18世紀以降の文芸の諸ジャンルにおいて検討し、その特徴や文化的機能を分析した。近現代の宗教・文化思想を題材に、東西文化論におけるヴォルガ地域の特徴と機能を整理した。
著者
鈴木 一哉 吉田 たけお 三浦 幸也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術
巻号頁・発行日
vol.96, no.425, pp.41-48, 1996-12-13
参考文献数
10

本稿では設計されたハードウェアの構造がその動作仕様を満たしているかどうかを検証する方法を提案する.従来の検証法で用いられている一階述語論理は再帰的な表現ができないため,順序回路を含むようなハードウェアを表現できない.本稿では高階述語論理を用いることによってこの問題を解決する.本稿ではまず仕様である動作記述およびその設計である構造記述をそれぞれ高階述語論理式に変換する方法を示す.仕様記述および設計記述を表す論理式から"設計が仕様を満たしている"という意味を表す論理式を作り,この論理式を証明することによって検証を行なう.さらに本稿ではこの論理式を定理証明系を用いて証明する際の手順も示す.
著者
山口 泰 辻本 徳介 鈴木 宏正
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.35, pp.31-36, 2001-04-20
参考文献数
2

狭山事件においては足跡石膏型が重要な証拠の1つとされてきた.すなわち,犯行現場に残された足跡と押収された地下足袋で作られた足跡との,類似性が争点となっている.従来の鑑定は写真を基本として類似性を議論している.すなわち,足跡石膏型を写真撮影した上で長さや角度を測定し.形状の類似性を立証しようとしている.石膏型が,本来3次元形状であることから,今回,我々は3次元スキャナを用いて足跡を計測した.その上で足跡の3次元形状を観察するとともに,2つの足跡の類似性を検討した.Plaster casts of footprints have been considered as important evidences in the Sayama case. Namely, one of the issues is either thefootprints at the scene correspond with the footwears. The previous opinion was based on photos of the plaster casts. They measured distances and angles in the photos. We have taken range images of the plaster casts by using three dimensional laser scanner. This report discusses the three dimensional shapes of the plaster casts and their similarity.
著者
高井 正成 西村 剛 米田 穣 鈴木 淳 江木 直子 近藤 信太郎 内藤 宗孝 名取 真人 姉崎 智子 三枝 春生
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

ミャンマー中新世末~前期更新世の地層から、複数のオナガザル科化石を発見し、さらに共産する動物相の解析を進めてミャンマーの新生代後半の哺乳動物相の変遷を明らかにした。また東ユーラシア各地(中国南部の広西壮族自治区、台湾南部の左鎮、シベリア南部のトランスバイカル地域、中央アジアのタジキスタンなど)の新生代後半の地層から見つかっていた霊長類化石の再検討を行い、その系統的位置に関する議論を行った。
著者
吉敷 祥一 山田 哲 竹内 徹 鈴木 一弁 岡田 健 和田 章
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.69, no.575, pp.113-120, 2004
被引用文献数
10 10

Many steel structures suffered damage at beam-to-column connections under the Northridge and Hyogo-ken Nanbu Earthquakes more than 8 years ago. After these earthquakes, a remarkable number of studies have been made on beam-to-column connections in U.S. and Japan. Nevertheless, in those studies, little attention has been paid to the point of repairing. The purpose of this study is to propose new ductile steel structure frame system, which realizes not only structural performances but also easy repairing after heavy earthquake. This system is based on bolted connections with split-tee. Main feature of this system is to limit plastic deformation to the splittee at bottom flange. To the contrary, the split-tee at top flange can be kept in elastic, because the center of rotation stays at the top flange of beam end.Consequently, when the structure using this system suffers compulsory deformation under the earthquake, the deformation concentrates on the split-tee at bottom flange. Finally, two series of static tests were conducted. First series are axial loading tests of the weak-web-split-tee elements, and second series are bending tests of beam-to-column connections having weak-web-split-tee. From the result of these tests, we verified that this system had efficient deformation capacity. In addition, the damaged part of this system would.be easy to repair or change to new one.
著者
鈴木 伸一
出版者
植生学会
雑誌
植生学会誌 (ISSN:13422448)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.61-74, 2001
被引用文献数
7

&nbsp;&nbsp;1.日本のコナラ林について植物社会学的な種組成および分布の検討を行った.各地域から報告された既発表文献と筆者らの報告した合計562の植生調査資料を用い,総合常在度表により広域的に比較した.その結果,日本のコナラ林群落を次の9群集にまとめ,イヌシデ-コナラ群団,コナラ-ミズナラオーダー,ブナクラスに位置付けた.1)オニシバリ-コナラ群集,2)ノグルミ-コナラ群集,3)アベマキ-コナラ群集,4)ケネザサ-コナラ群集,5)ケクロモジ-コナラ群集,6)クヌギ-コナラ群集,7)クリ-コナラ群集,8)カシワ-コナラ群集,9)オクチョウジザクラ-コナラ群集 <BR>&nbsp;&nbsp;2.コナラ林は各群集の分布状況から,沿岸地域,西南日本地域,中部内陸地域,東北日本地域および日本海地域の5つの分布型にまとめられることを明らかにした.特に西南日本地域と東北日本地域はほぼフォッサ・マグナを境界とし,植物区系上の境界である牧野線に対応していた.<BR>&nbsp;&nbsp;3.垂直分布では,コナラ林は沿岸低地から海抜1350mまでみられ,2つの分布パタ-ンに大別される.1つはヤブツバキクラス域のみに分布する群集で,自然立地をもたない集約的管理によって形成されてきた二次林である.中国大陸の夏縁性ナラ林との類縁をもつと考えられる.他の1つはヤブツバキラス域から下部ブナクラス域まで分布する群集で,二次林だけでなく自然植生としても存在する.ブナクラスの種群が優勢で,二次林としては下部ブナクラスの夏縁広葉樹自然林に由来すると考えられる.
著者
佐々木 裕 磯崎 秀樹 鈴木 潤 国領 弘治 平尾 努 賀沢 秀人 前田 英作
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.635-646, 2004-02-15
被引用文献数
12

近年,大量の文書を用いて自然文によるユーザからの質問に答える質問応答(QA: Question Answering)システムに関する研究が注目を集めている.これまでいくつかのQAシステムが開発されてきたが,それらの多くは人手で作成されたルールや評価関数を用いて,質問の答えを大量の文書から抽出するアプローチをとっていた.これに対し,本論文では,機械学習技術を用いて,日本語QAシステムの主要なコンポーネントをそれぞれ学習データから構築することにより,QAシステム全体を構築する方法について述べる.具体的には,質問タイプや答えの判定を2クラス分類問題としてとらえ,質問文やその正解例から学習された分類器により,これらの機能を実現する.本アプローチのフィージビリティの確認のため,機械学習手法Support Vector Machine(SVM)を用いて学習型QAシステムSAIQA-IIを実装し,2 000問の質問・正解データによるシステム全体の5分割交差検定を行った.その結果,システムの性能として,MRR値で約0.4,5位以内正解率で約55%の正解率が得られることが明らかになった.This paper describes a Japanese Question-Answering(QA) System, SAIQA-II.These years, researchers have been attracted to the study of developingOpen-Domain QA systems that find answers to a natural language question given by a user.Most of conventional QA systems take an approach to manually constructing rules and evaluation functions to find answers to a question.This paper regards the specifications of main components of a QA system,question analysis and answer extraction, as 2-class classification problems.The question analysis determines the question type of a given question andthe answer extraction selects answer candidates thatmatch the question types. To confirm the feasibility of our approach,SAIQA-II was implemented using Support Vector Machines (SVMs).We conducted experiments on a QA test collection with 2,000 question-answer pairs based on 5-fold cross validation.Experimental results showed that the trained system achieved about 0.4 in MRR andabout 55% in TOP5 accuracy.
著者
鈴木 喜六
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア (ISSN:09154191)
巻号頁・発行日
no.114, pp.92-94, 1999-04

鈴木 今回は、資金の流れについてご説明します。主に資金運用表に関する話がメーンになるかと思います。 詳しい説明に入る前に、まず資金の流れと決算書の関係を整理しておきましょう。資金の流れとは、どこから資金を得て、どこに資金を用いたのか、すなわち調達と運用のあり方に相当します。
著者
鈴木 正紀
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.364-369, 2002-07-01

IFLA「図書館/情報教育プログラムのためのガイドライン2000」を翻訳し,1976年に出された「図書館学校の基準」との若干の比較を行った。両者は四半世紀のあいだを経ており,その間の図書館をめぐる技術的環境変化,高等教育機関のおかれた社会的環境の変化によって,教育内容は大きく変化していることが見て取れる。
著者
名和 範人 鈴木 貴 小川 知之 石毛 和弘
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

名和と石毛が運営メンバーに名を連ねる『語ろう「数理解析」』(http://www.gifu-u.ac.jp/~tisiwata/seminar/ma_seminar.html)を通して,様々な分野の研究者との議論の場を設ける事ができた。この活動などを通して、研究分担者各員は、各々の研究分野で成果をあげ、様々な研究集会など、複数の講演機会や海外への渡航機会も得て、情報交換がより密になされるようになった。名和は、擬共型不変な非線形シュレディンガー方程式の爆発解に対して、その爆発速度と漸近挙動との間の関係性について、ひとつの結果を得る事ができた。これにより、次のステップとして、本格的にネルソン過程と呼ばれる解の背後にある確率過程と爆発速度との関係の追求に移る事ができる。また、微分型非線形シュレディンガー方程式の爆発解に対しても、漸近形に対しては、部分的に同様の結果を得た。さらに、これまでに開発した技術が、超伝導の理論に現れるような、非線形シュレディンガー方程式系の解析にも有効である事を見抜き、古典場ではあるが、クーパー対の生成とも言うべき性質を解が持ち得る事を示した。石毛は、拡散係数が大きな半線形熱方程式の爆発解の爆発集合や漸近形に関する結果や、球の外部領域における線形熱方程式の解の最大点挙動および解の微分の無限遠方での減衰評価を得た。鈴木は、自己双対ゲージ模型におけるある種の自己組織化現象や,走化性方程式系の爆発問題に関して興味深い結果を得た。小川は、自発的パターン形成のモデルである、スイフト=ホッヘンバーグ方程式や,ある電気化学系のモデル方程式などの解に現れる時空パターンについて,力学系や分岐理論を用いた解析を行った。これらの解析の一部は、すでにシュレディンガー方程式の解の解析と精神を同じくしている部分もあり、今後のさらなる共振的な発展が期待される。
著者
鈴木 健之
出版者
盛岡大学
雑誌
盛岡大学紀要 (ISSN:02860643)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.23-30, 2008-03

The aim of this paper is to interpret two books on childcare leaves by fathers from a sociological point of view. First, "Ikukyu Tosan no Seicho Nisshi," the first book on childcare leave by father in Japan, will be introduced. Second, "Shinmai Papa Wa Ikukyu-san," the most recent book on childcare leave by father in Japan, will be introduced. In Japan, hardly any fathers tend to take childcare leaves. In conclusion, an analysis of childcare leaves by fathers in Japan will be discussed.
著者
鈴木 聡一郎 林 末義
出版者
Japan Society of Sports Industry
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.1-8, 2009 (Released:2009-11-05)
参考文献数
19

Ski boots are generally important for assisting progress in ski turn technique as an interface between a skier and a ski. This study is aimed at developing a new ski boot that can improve the results of alpine ski races for Japanese players. In this paper, a new design of a ski boot that is adjusted to the features of the frame of Japanese athletes was experimentally examined. As a result, it was demonstrated that the front part of the upper shell of a ski boot should be lower and the rear part should be higher than the normal upper shell for providing well-balanced quick leaning of the leg in the ski turn. Finally, the effect of the new upper shell was verified in giant slalom and slalom test by Japanese alpine ski players of the first rank.
著者
鈴木 秀幸
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.82-86, 1998-08-15
被引用文献数
3
著者
鑛山 宗利 鈴木 茂之 蜂谷 欽司 小野 文一郎 多田 幹郎 佐藤 公行
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.310-314, 1995-05-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1 1

Environmental ionizing radiations were surveyed in Okayama city during December of 1992, using a NaI (Tl) scintillation survey meter (TCS-161; Aloka, Japan) and a NaI (Tl) γ spectrometer (JSM-102; Aloka, Japan) ; measerments were carried out in fine days.Equivalent dose rate of environmental ionizing radiations was in the range of 0.048-0.171μSv/h, and the average was 0.082±0.019μSv/h. The dose rate was higher in hills than in fields. Therefore, it appears as if rocks have more radioactive materials than soils do.The distribution of the dose rates was analyzed from geological points of view. Mesozoic and Paleozoic layer was in the range of 0.067-0.095μSv/h, and the average was 0.080±0.008μSv/h. Rhyolitic layer was in the range of 0.076-0.105μSv/h, and the average was 0.088±0.010μSv/h. Granitic layer was in the range of 0.057-0.171μSv/h, and the average was 0.098±0.022μSv/h. Neogene Period layer was in the range of 0.057-0.114μSv/h, and the average was 0.076±0.015μSv/h. Quaternary Period layer was in the range of 0.048-0.114μSv/h, and the average was 0.076±0.013μSv/h.By γ spectrometry, 40K, 208Tl, 212Bi, 214Bi, and 228Ac were detected at Mt. Kaigara (0.171μSv/h), Tsushima (0.076μSv/h) and Fujita (0.048μSv/h), especially, 226Ra was detected at Mt. Kaigara. It seems that 40K was distributed uniformly in Okayama city area. Thas, the difference in the dose range is attributable to nuclides other than 40K.Now, we conclude that there has been no change of the dose rates of environmental radiation in Okayama city these 10 years.
著者
鈴木 隆
出版者
日本設計工学会
雑誌
設計工学 (ISSN:09192948)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.543-548, 2011-10-05
著者
鈴木 宏子
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.518-511, 2012-03

紀貫之は、最初の勅撰和歌集である『古今集』の編纂作業の中で多くの歌を収集し、またそれらの歌を理解し分類・配列することを通して、和歌についての知見を深めていった。そして得られた知見を自分の歌において確認し、『古今集』に随時反映させていったことは想像にかたくない。貫之は表現の〈型〉についてきわめて意識的な文学者であったが、そのような資質は歌集編纂作業の中で培われたものと見ることができる。先に稿者は歌集編纂の問題を念頭において『古今集』四季歌の表現分析を行なったが、本稿では恋歌をとりあげて、万葉相聞歌以来の〈型〉を継承する歌、『古今集』よみ人知らず歌の新たな動向を捉えた歌、紀貫之から始まる新しい〈型〉を用いた歌のそれぞれについて具体例を挙げて論じる。