著者
栗田 憲二 鈴木 正 安藤 愛次
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林学会誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.14-16, 1953-01-25 (Released:2011-09-02)
参考文献数
6

We attempted to apply the burned soil (mixed ashes of tree leaves and branches) on the culturing bed soil of the horse radish (Eutrema wasabi) field.At the end of the growing period the seedlings were harvested and measured; then culturing bed soils were sampled and determined on their properties.(1) The growth and yield remarkably increased by the treatment. Especially the new shares of seedlings showed the better results.(2) On the mechanical compositions of culturing bed layers, percentages of silt and clay in the treated plot indicated some higher value in comparison with the control plot.(3) Two years elapsed since beginning of the treatment. The results of chemical analysis have shown that the contents of humus and nitrogen in the treated plot are higher than those in control plot; but that pH value shows no difference between them.
著者
根本 淳子 竹岡 篤永 高橋 暁子 市川 尚 鈴木 克明
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.427-439, 2023-12-20 (Released:2023-12-16)
参考文献数
20

インストラクショナルデザイン(ID)分野では国際的には状況に応じて新しいものを生み出すデザインの重要性が指摘されているが,国内ではこの高次のスキル向上を支援するプログラムは存在しない.本研究では状況に応じたデザイン力に着目し,大学授業の改善支援を担う上級インストラクショナルデザイナー(上級IDer)向けに,他者(クライアント教員)への提案に必要な視点「寄り添う」を養成する講座を開発した.関連プログラムの位置づけを整理し,授業改善提案に先立ちクライアント教員の状況やニーズを聞き取ることができる支援ツール「8つの質問」を開発した.試行の結果,本講座参加者は,クライアント教員の授業への思いに寄り添う授業改善を提案ができていた.クライアント教員に寄り添う視点を取り入れるための仕掛けづくりができた.今後はクライアント教員の授業改善の度合いから「寄り添う」ことができたかどうかを確認していく予定である.
著者
石川 遥至 内川 あかね 風間 菜帆 鈴木 美保 宮田 裕光
出版者
日本マインドフルネス学会
雑誌
マインドフルネス研究 (ISSN:24360651)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.15-26, 2020 (Released:2022-02-22)
参考文献数
29

近年,マインドフルネス瞑想のプログラムは,欧州などを中心に小中学校を含む教育現場に応用されており,日本への導入も検討されている。大学の多人数講義における瞑想実践の効果に関して,量的な検討は少ない。本研究では,大学学部生を対象とした1学期間の講義の冒頭で,5分間の集中ないし観察瞑想を実施し,講義終了時における気分および動機づけ状態を含む心理的効果を検討した。その結果,5分間瞑想を実施した講義回では,実施しなかった回よりもリラックスの得点が有意に高かった。また,瞑想の出来に関する自己評定が高い学生は,自己評定が低い学生よりも,リラックス,講義への集中度,理解度,興味の得点がいずれも有意に高かった。これらから,講義冒頭における瞑想の実践は,講義時間中を通して望ましい心理的効果を持つことが示唆される。一方,瞑想の出来に対する自己評価と瞑想の種類も,これらの効果に関連しているかもしれない。
著者
西北 健治 井尻 朋人 鈴木 俊明
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.222-228, 2021-12-31 (Released:2022-05-11)
参考文献数
21

【目的】本研究は,体幹傾斜角度と頸部の角度を変化させたリクライニング車椅子姿勢と嚥下困難感との関係を明らかにすること,また顎舌骨筋と胸骨舌骨筋の座位姿勢の筋活動量と嚥下困難感との関係を明らかにすることを目的とした.【方法】対象は健常成人10名とした.課題は ① 姿勢保持の筋活動の測定,② 9パターンの姿勢での嚥下動作,③ 各姿勢での嚥下困難感の回答とした.座位姿勢は頸部屈曲20°,中間位,伸展20°の3 パターンと体幹傾斜80°,70°,60°の3 パターンを組み合わせた9 パターンを設定した.嚥下困難感は安静座位(頸部中間位,体幹鉛直位,股関節,膝関節共に屈曲90°,足底は床面接地)での嚥下を基準として,10 が最も飲み込みやすいとした0~10 で回答させた.筋活動の測定は顎舌骨筋と胸骨舌骨筋とした.【結果】頸部屈曲20°,中間位,伸展20°いずれにおいても,体幹傾斜60°が80°より有意に嚥下困難感の値が低値であった.そして,体幹傾斜60°かつ頸部伸展20°は他の肢位と比べ嚥下困難感の値が最も低値であった.またリクライニング車椅子座位姿勢時の顎舌骨筋,胸骨舌骨筋の姿勢時筋電図積分値相対値と嚥下困難感に有意な負の相関を認めた.顎舌骨筋はr =-0.50,胸骨舌骨筋はr =-0.54 であった.【結論】体幹傾斜60°かつ頸部伸展20°は,他の肢位と比べ嚥下困難感の値は低値であり,その要因として,姿勢保持時に顎舌骨筋と胸骨舌骨筋の筋活動の大きさが関係すると考えられた.嚥下困難感を生じさせないためには,顎舌骨筋と胸骨舌骨筋の筋活動が少ないポジショニングを検討することも一つの指標になると考えられた.
著者
成田 年 鈴木 雅美 成田 道子 新倉 慶一 島村 昌弘 葛巻 直子 矢島 義識 鈴木 勉
出版者
Japan Society of Pain Clinicians
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.397-405, 2004-10-25 (Released:2009-12-21)
参考文献数
30

神経因性疼痛下ではモルヒネに対する鎮痛作用の感受性が低下することが知られているが, その詳細な分子機構はほとんど解明されていない. 本稿では, 神経因性疼痛下におけるモルヒネの鎮痛作用の感受性低下と神経因性疼痛を含めた慢性疼痛下におけるモルヒネの精神依存形成抑制の分子機構について検討した結果を紹介する. 坐骨神経結紮により, 脊髄後角において protein kinase C (PKC) および脳由来神経栄養因子 (brain-derived neurotrophic factor: BDNF) の免疫活性の増大およびアストロサイトの著しい形態変化が観察された. また, このような変化は非疼痛下でモルヒネを慢性処置することによりモルヒネの鎮痛耐性が形成された動物の脊髄においても認められたことから, こうした変化は神経因性疼痛下におけるモルヒネの鎮痛作用減弱の一因である可能性が示唆された. また, 神経因性疼痛下では, モルヒネの精神依存形成が著明に抑制されることを確認した. さらに, 神経因性疼痛下では, 腹側被蓋野においてγ-aminobutyric acid (GABA) 含有神経上に存在するμオピオイド受容体の機能低下が引き起こされること, また, ドパミン神経上における extra-cellular signal-regulated kinase (ERK) 活性の著明な減弱が引き起こされることが明らかとなった. 一方, ホルマリンの足蹠皮下投与による炎症性疼痛モデルにおいても, モルヒネの精神依存形成は有意に抑制された. この現象は, κオピオイド受容体拮抗薬の前処置によりほぼ完全に消失した. これらのことから, 神経因性疼痛下においては, 腹側被蓋野におけるμオピオイド受容体の機能およびERK活性の低下が, また, 炎症性疼痛下では, 内因性κオピオイド神経系の活性化が主因となり, モルヒネの精神依存形成が抑制されたと考えられる.
著者
鈴木 中正
出版者
東洋史研究會
雑誌
東洋史研究 (ISSN:03869059)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.606-629, 1978-03-31

The Ta-ch'eng sect which spread from Yunnan 雲南 to Szechwan 四川, Kweichow 貴州, the Yangtze 揚子 valley provinces, Chih-li 直隷, and to the capital of Peking北京 in the mid-Ch'ing period, was founded by Chang Pao-t'ai, a kung-sheng 貢生 from Ta-li 大理 prefecture of Yunnan. Like other founders of sects in the late Ming 明 and early Ch'ing periods, he held lower gentry status which one can identify with the "popular literati" 大衆的讀書人 as categorized by Tadao Sakai 酒井忠夫. The contents of his teachings are difficultto know, but the records of his attaining enlightenment and founding a sect at Mount Chi-tsu 鶏足山 give us a clue. Situated to the northeast of Ta-li, this mountain had become famous all over China as a sacred place of the Maitreya Buddha who would descend there and hold the Three Dragon Flower Meeting 龍華三會. Chang's enlightenment may have been based on Zen practices, but when he preached to a congregation of commoners, he seems to have included the Maitreya cult in his soteriological system. When the sect was suppressed in 1746, it had been divided into three sub-sects. One of them had a clearly anti-Ch'ing political color, but the others were presumably non-political. It seems the politically colored sub-sects had begun to cooperate with the kuo-fei bandits 嘓匪 and with mine-workers in Szechwan, a group of discontented, anti-regime fighters. Soon after their foundation, popular sects in China fell in to organizational and doctrinal disunity, a feature which corresponds to the characteristics of Chinese society observed by Mark Elvin as "the most fluid society in the world, " haunted by constant competition rather than harmony.
著者
明石 祐作 鈴木 広道 竹内 優都 上田 淳夫 廣瀬 由美 今井 博則 石川 博一
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.9-16, 2021-01-20 (Released:2021-08-01)
参考文献数
29
被引用文献数
1

日本ではインフルエンザの診断に,迅速抗原検査が広く用いられている.しかし,40~50% で偽陰性が見られるとされ,正確に結果を解釈するためには,検査性能に影響する要因を把握する必要がある.今回,インフルエンザ様症状(37℃以上の体温上昇,寒気・体熱感,咳,喀痰,倦怠感,咽頭痛,筋肉痛・関節痛,頭痛,鼻汁・鼻閉のいずれか)の発症から検査までの時間経過により,インフルエンザ迅速抗原検査の感度・特異度が異なるか,単施設前向き研究で調査した.当施設がある地域のインフルエンザ流行期間に(2017年12月~2018年2月および2018年12月~2019年3月),臨床的にインフルエンザの疑いがあり,担当医がインフルエンザ迅速抗原検査を必要と判断した患者を対象とした.基準検査法はリアルタイムPCR法とした.期間中の累計322名(2017年度:159名,2018年度:163名)のうち,313名を最終対象者とした.リアルタイムPCR法を用い129名(41.2%)でインフルエンザウイルスを検出した(A型:88名,28.1%;B型:41名,13.1%).インフルエンザ迅速抗原検査の感度は,全体で54.3%(95% 信頼区間(CI):45.3~63.1),特異度は100%(95%CI:98.0~100)だった.感度はインフルエンザ様症状の発症からインフルエンザ迅速抗原検査までの時間の経過により有意な上昇を示した(p=0.03):12時間未満,38.9%(95% CI:17.3~64.3);12~24時間,40.5%(95% CI:25.6~56.7);24~48時間,65.2%(95% CI:49.8~78.6);48時間以降,69.6% (95% CI:47.1~86.8).本検討より,インフルエンザ迅速抗原検査の感度は,インフルエンザ様症状の発症から時間が経過するに連れて上昇する可能性が示された.
著者
糖尿病性腎症合同委員会・糖尿病性腎症病期分類改訂ワーキンググループ 馬場園 哲也 金崎 啓造 宇都宮 一典 古家 大祐 綿田 裕孝 繪本 正憲 川浪 大治 深水 圭 久米 真司 鈴木 芳樹 和田 淳 和田 隆志 岡田 浩一 成田 一衛 小岩 文彦 阿部 雅紀 土谷 健 加藤 明彦 市川 和子 北谷 直美
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.11, pp.797-805, 2023-11-30 (Released:2023-11-30)
参考文献数
20

わが国では2014年に改訂された糖尿病性腎症病期分類が広く用いられてきた.最近では,高齢化や肥満者の増加,糖尿病や高血圧症に対する新規治療薬の開発などを背景に,糖尿病患者に合併した腎臓病が多様化していることが指摘されている.そこで糖尿病性腎症合同委員会では,腎症病期分類を再度改訂する必要性を検討した.現時点では,アルブミン尿や推算糸球体濾過量に基づく2014年分類を変更する必要性を示唆する新たなエビデンスが発出されていないことから,今回の改訂では2014年分類の基本的な枠組みは変更しないこととした.ただし,日本腎臓学会のCKD重症度分類や国際的な表記との整合性を重視し,病期名を「正常アルブミン尿期(第1期)」,「微量アルブミン尿期(第2期)」,「顕性アルブミン尿期(第3期)」,「GFR高度低下・末期腎不全期(第4期)」,「腎代替療法期(第5期)」へ変更した.
著者
遠山 健太 鈴木 宏哉 渡 正
出版者
Japan Society of Human Growth and Development
雑誌
発育発達研究 (ISSN:13408682)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.95, pp.52-70, 2023 (Released:2023-08-18)
参考文献数
36

The decline in children's physical fitness has become a widely recognized problem in recent years. To address this issue, the Japanese government introduced the New Physical Fitness Test in 2008. The latest report shows that more than 80% of elementary schools throughout Japan have been complying with this directive. According to the Japan Sports Agency, 71.1% of the schools were using the test results to help develop their yearly plans; however, as the questionnaires were answered by each of the schools, it is unclear whether the elementary school teachers were actually using the test results effectively or not. The purpose of this research is to identify elementary school teachers' attitude toward the physical fitness test, and to determine how they are utilizing it as an educational tool to stimulate and promote students' personal fitness goals. The research was conducted among 840 teachers who are currently working at elementary schools across Japan. The questionnaires consisted of a total of 11 questions, of which nine required descriptive answers. The KJ method was used to categorize each answer into smaller groups of similar answer. The results showed that the elementary school teachers had both positive and negative perceptions of the physical fitness test, and the two major findings were as follows: (1) Although some of the teachers used the fitness test in their class, they were unable to identify a relationship between the education guidelines and the fitness test; therefore, they could not utilize the test results effectively. (2) Teachers felt burdened by the limited time they have to prepare and manage the New Physical Fitness Test. According to these findings, there should be clearer guidelines on how to use the test effectively, so that both teachers and students will be able to utilize the assessment and implement it to improve their fitness.
著者
中村 秀明 阪本 奈美子 染谷 泰子 矢島 務 刈間 理介 鈴木 宏昌
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.331-338, 2021-06-30 (Released:2021-06-30)
参考文献数
18
被引用文献数
1

救急救命士が実施する静脈路確保(peripheral intravenous cannulation;PIVC)の成否因子を検討した。方法:BANDO-MC において2018年8月1日〜2019年2月28日に記録されたPIVC 381症例を対象とした。結果:傷病者の年齢(OR 0.97,95%CI 0.958-0.994;p<0.05)の増加とともにPIVC成功率の低下を認めた。静脈の太さ(OR 1.34,95%CI 1.142- 1.591;p<0.001)と静脈の視認性(OR 1.22,95%CI 1.051-1.425;p<0.001)はPIVC の成功に寄与していた。考察:静脈の形状がPIVCの成否に影響しており, それらを改善することはPIVCの成功率の上昇に寄与する可能性が示唆された。
著者
金子 仁 Cecchini Nicole M. 清水 敬樹 光銭 大裕 堀越 佑一 松吉 健夫 鈴木 大聡 佐藤 裕一 三宅 康史
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.844-851, 2022-10-31 (Released:2022-10-31)
参考文献数
20

アメリカ合衆国パラメディックは,病院前救護で多彩な医療行為を実践する。このパラメディックを養成する1施設の調査を行った。全米標準カリキュラムに基づいた教育プログラムと学生64名の臨床経験を調査した。課程期間44週間で学生は516時間の講義とシミュレーション手法を含む実習,病院実習234時間(以下,中央値),救急車同乗実習329時間,救急車でのインターンシップ80時間を経験した。この間,学生は成人患者136人,高齢者82人,小児43人の傷病者・患者,それに伴う病態を多数経験した。指導および監督下で,学生は実際の傷病者・患者に対して経口気管挿管5回,静脈路確保86回,薬剤投与106回を含む侵襲的処置を実施した。救急車同乗実習では学生が主体でチーム指揮,傷病者対応を行う実践的実習が実施されていた。米国の標準的パラメディック養成教育は長時間の病院と救急車での臨床的経験を提供し,侵襲的処置を自ら判断,実施するon-the-job教育が行われている。
著者
鈴木 智晴 藤井 雅文 村上 光平 中本 浩揮 前田 明
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.79-87, 2019-06-17 (Released:2019-06-25)
参考文献数
8
被引用文献数
2

One of the important roles of a baseball catcher is to check whether an opponent is trying to steal a base. This checking action must occur as part of other events: a quick throwing action (short operation time), a high ball speed (short duration of ball flight), and accurate tagging (the time from the fielder catching the ball to touching the opponent runner is short). In other words, in order for the catcher to check whether an opponent is trying to steal a base, it is necessary to shorten the time between catching the ball and when the fielder touches the opponent runner. However, the relationship between the time and the possibility of checking for an attempt to steal a base and the influence of each phase on the steal check rate have not been examined. The present study investigated the relationship between the time required to prevent a steal and the steal check rate of a baseball catcher using video recordings. The video recordings used for our analysis were videos of steal check successes and failures in exhibition and official university and amateur baseball games, with a focus on runners attempting to steal second base. We classified Motion Time as the period from catching the initial pitch to ball release, Ball Time as the period from ball release to ball arrival at second base, and Touch Time as the period from ball arrival at second base to the fielder touching the runner; the sum of these 3 phases was defined as All Time, and the sum of Motion Time and Ball Time was defined as Pop Time. We constructed 3 models in which the success or failure of the steal check was set as a target variable and each phase time as an explanatory variable, and performed logistic regression analysis on each model. As a result, we clarified that the baseball catcher could check for a steal if the All Time was less than 2.429 s, and there was a significant negative correlation between the steal check rate and All Time. In addition, among the three phases, Touch Time had the greatest effect on the steal check rate. Therefore, it was suggested that accurate throwing is the most important factor in preventing a steal to second base.
著者
原田 諭 須賀 涼太郎 鈴木 健介 北野 信之介 坂田 健吾 藤本 賢司 中澤 真弓 小川 理郎 横田 裕行
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.797-805, 2022-10-31 (Released:2022-10-31)
参考文献数
15

新型コロナウイルス感染症拡大により対面による実習は中止となった。新たな教育手法としてVR動画を活用した遠隔シミュレーション実習を実施した。目的:VR動画を活用した遠隔実習と,従来実施していた実技を伴う対面実習における知識の教育効果を比較検討した。方法:2020年度シミュレーション履修者4年生82名(VRあり)を対象にVRゴーグルを使用して10想定の動画を視聴させ,救急救命士国家試験と同等の筆記試験を実施した。比較対象は,2019年度シミュレーション履修者4年生68名(VRなし)とした。結果:A問題はVRなし群が有意に高かった。D問題はVRあり群が有意に高かった。一般問題はVRなし群が有意に高かったが,状況設定問題はVRあり群が有意に高かった。結論:一般のシミュレーション実習は,A問題でみる一般医学的知識の向上に有用であり,VR動画を活用した実習は,一般のシミュレーション実習より状況設定問題の知識向上に有用であった。
著者
中澤 真弓 鈴木 健介 小川 理郎
出版者
日本救急医学会関東地方会
雑誌
日本救急医学会関東地方会雑誌 (ISSN:0287301X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.14-18, 2021-03-31 (Released:2021-03-31)
参考文献数
6

はじめに : 救急救命士による気管挿管は現場での実施頻度も少なく, 技術維持のため訓練が必要である。目的 : 救急救命士養成課程の学生が雪山において, 屋内の床上で習得した気管挿管と同様の基本手技を施行できるかを検証した。方法 : 日本体育大学救急医療学科2年生72名を対象に, 気道管理トレーナを用い, 雪上において(1)傷病者頭部谷側斜面(2)傷病者頭部山側斜面(3)傷病者立位(4)傷病者埋没の4想定で気管挿管基本手技訓練を行い, 屋内で実施した結果と比較した (対応のあるT検定・有意水準P<0.05) 。結果 : 胸骨圧迫の評価が雪山で有意に低かった。環境に関係なく目視で確認できる項目は雪山で有意に高得点であった。アクシデントは「滑落」「資器材の凍結」「歯牙損傷」が発生した。考察と結論 : 雪山での気管挿管は, 基本手技の習得が現場での応用を可能にしていると思われた。
著者
鈴木 伸嘉 工 穣
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 (ISSN:24365793)
巻号頁・発行日
vol.126, no.6, pp.777-785, 2023-06-20 (Released:2023-07-01)
参考文献数
24

昨今, インフルエンザや COVID-19 などの感染症の流行予測に Social Networking Service (SNS) からのビッグデータを用いる手法が注目を集めている. 感染症の流行と同様に, 花粉の飛散はリアルタイムな気象条件や複雑な外的要因に左右され,それに伴う症状の出現も即時性が高い. そこで, SNS の一つである Twitter に投稿されている花粉症にまつわるツイートは花粉飛散数との関連があるのではないかと考えた. 2022年 2 月 3 日から 5 月22日の間に316,505ツイートを得ることができた. 東京都と松本市のスギ花粉およびヒノキ花粉の飛散数とツイート数との関連を検討したところ, 東京都のスギ花粉飛散数が増えるにつれ花粉症に関連したツイート数が増加し, 両者の相関関係は0.85と強い相関が認められた. 一方地方都市である松本市の花粉の飛散数とスギ花粉症に関連するツイート数との間にもかなりの相関があった. 次に, 花粉症に関連するツイートの内容について形態素解析を行った. 「くしゃみ」, 「鼻水」 といった単語が多く使われているのに対し 「鼻づまり」 の使用数が少ないことが特徴的であった. 一方, 「かゆみ」 や 「かゆい」 といった掻痒感を表す単語が多く使われていることが分かった. 代表的な SNS である Twitter を用いることで, 医学的な現象である花粉症のリアルタイムな動向を把握することができた.