著者
伊藤 泰広 今井 和憲 鈴木 淳一郎 西田 卓 加藤 隆士 安田 武司
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.275-278, 2011 (Released:2011-04-19)
参考文献数
20
被引用文献数
1

症例は29歳の男性である.左眼周囲の間欠的な頭痛で発症し,当初は自律神経症状がなく三叉神経痛と診断したが,6日後に流涙,結膜充血といった自律神経症状が出現し,結膜充血と流涙をともなう短時間持続性片側神経痛様頭痛発作(SUNCT)と診断した.ガバペンチンを開始し,800mg/日に増量したところ,頭痛発作と自律神経症状はすみやかに消退した.3カ月後に400mg/日に減量した時点で,僅かに頭痛発作が生じた.SUNCTでは頭痛が自律神経症状に先行して出現するばあいがあることが示唆された.SUNCTの長期経過や治療は未解決な点が多く,本邦での症例の蓄積と治療方針の確立が望まれる.
著者
森口 晃一 鈴木 裕也 原口 和史
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0300, 2006 (Released:2006-04-29)

【はじめに】 膝前十字靭帯(ACL)損傷の受傷機転は、非接触型損傷(非接触)が多く、受傷機転はジャンプ着地、ストップ動作、方向転換などが代表的である。非接触では詳細な受傷機転を把握することで、ACL損傷後の理学療法やACL損傷の予防において競技特性を踏まえたプログラム立案につながると思われる。そこで今回、当院でACL再建術を受けた患者の受傷機転を調査し、競技別の受傷機転の特徴について若干の知見を得たので報告する。【対象・方法】 平成16年4月から平成17年10月までに当院でACL再建術を受けた26例を対象とした。カルテと問診より受傷形態を非接触と接触型損傷(接触)に分け、非接触において競技、受傷機転、受傷側を調査した。【結果】 非接触20例、接触6例であった。非接触の競技別数は、バスケットボール(バスケ)8例、バレーボール(バレー)4例、バドミントン(バド)4例、サッカー2例、野球1例、陸上が1例であった。また非接触における受傷側数は左15例(バスケ7例、バレー4例、バド4例)、右5例(バスケ1例、サッカー2例、野球1例、陸上1例)であった。競技別で受傷数の多かったバスケ、バド、バレーの受傷機転は以下の通りであった。バスケは、走行速度を減速した際1例、右へ方向転換した際3例(フェイントで左に踏み込み即座に右に方向転換した際1例、急停止し右に方向転換した際1例、ドリブルの進路を右方向へ変えた際1例)、フェイントされて右へステップした際2例、右から左へジャンプし左下肢で着地した際1例、(以上受傷側左)、フェイントされて左へステップした際1例(以上受傷側右)。バドは、左後方のシャトルを打った際4例で受傷側は全て左。バレーは、スパイク着地時4例で受傷側は全て左。このうち1例は左に流れたトスを打った後の着地で、1例は通常よりもスパイク位置(上肢位置)が後方であった。【考察】 バスケ、バド、バレーでは左膝の損傷が多い傾向にあった。これは右利きが多く左下肢が軸足となることが多いためだと思われる。競技別の受傷機転の特徴は、バスケは特に右への方向転換やステップ時の左膝の損傷が多い傾向にあった。ACL損傷後の理学療法やACL損傷予防のポイントの1つとして、右方向への速い動きでの左下肢機能が重要であると考えられる。バドの受傷機転や受傷側の結果から、左後方への動きの際の左下肢機能がポイントと思われる。さらに左後方に飛んできたシャトルを打ち返すときに体幹を左方向へ傾斜させながら打ちにいったという患者のコメントもあり、体幹の制御能力も重要になると思われる。バレーについては、受傷機転としてスパイク着地時の損傷が多いことから、従来から言われている着地時にACL損傷危険肢位を避けることが大切であるが、空中での体幹制御能力が着地に影響を与えることも考えられるため、体幹機能も重要な要因となると思われる。今後症例数を増やし検討を深めたい。
著者
松本 慶蔵 鈴木 寛 野口 行雄 玉置 公俊 宇塚 良夫 宍戸 春美 井手 政利 永武 毅 土橋 賢治 田口 幹雄 渡辺 貴和雄 林 雅人 木村 久男
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.321-333, 1979

従来のセファロスポリン系抗生物質より抗菌力の拡大と増強がなされたとされるCefamandole sodiumにつき基礎的・臨床的研究を行なった。呼吸器感染症の病原菌に対するMICのピーク値は, 肺炎球菌0.1μg/ml, 大腸菌0.78μg/ml, 肺炎桿菌0.78μg/ml, インフルエンザ菌0.39μg/mlで, 本剤の抗菌力の特徴はインフルエンザ菌に対する抗菌力が, CEZ, CEXよりも極めて優れ, アンピシリンに匹敵することである。ボランチアにおける本剤2gの点滴静注時血中ピーク値は57±19.16μg/ml, 血中半減期は37±1.73分, 尿中回収率は投与開始後5時間までに52.8±10.48%で, さらに連続投与による蓄積性もみられなかった。臨床的検討は呼吸器感染症16例, 尿路感染症3例, 細菌性心内膜炎2例, 敗血症1例, 肝膿瘍1例, 不明熱1例の計24例について行なった。呼吸器感染症に対する本剤の主たる投与量は慢性気管支炎1g×2・DI/日, 肺炎1~2g×2・DI/日で, 呼吸器感染症全体に対する有効率は75%であった。本剤が優れた抗菌力を示すインフルエンザ菌性呼吸器感染症4例中, 本剤の抗菌力と解離した臨床効果を呈した症例は嚢胞状気管支拡張症の1例だけであった。副作用は対象24例中1例のみにGOT, GPTの軽度上昇を認めたにすぎなかった。<BR>抗菌力および臨床的検討成績からみると, 本剤はインフルエンザ菌性呼吸器感染症をはじめとした感染症に極めて有用であると結論することができる。
著者
苅谷 嘉顕 本間 雅 鈴木 洋史
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.147, no.2, pp.89-94, 2016 (Released:2016-02-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

臨床現場における薬物副作用出現は,その症状に伴った臨機応変な対応が求められるのみならず,減量や休薬などにより治療効果を減弱させる場合があり,大きな問題となっている.そのため,治療効果を減弱させないマネージメント法の提案や,開発段階から副作用を回避する薬物を探索する手法構築は極めて重要な課題である.しかしながら,薬物副作用は,主作用と異なり起因分子が明確でないことが多いため,メカニズム解明やその出現予測は一般に困難である.本稿ではまず,副作用解析アプローチを,チロシンキナーゼ阻害薬erlotinibやsunitinibに対する副作用解析を具体例として紹介している.これらの薬物副作用解析において,生体を分子レベル,細胞レベル,組織レベル,個体レベルと階層性に基づき理解し,ベースと考えられる分子レベルでの薬物親和性に関する網羅的解析により,副作用を誘導する候補分子を同定し,システム生物学的手法により細胞レベルでの応答を理解することで,副作用メカニズムを同定することが可能となった.このアプローチを,より広範な薬物副作用解析に応用するためには,複雑なシステムである細胞内分子ネットワークの〝動的〟挙動解析に関する技術開発が今後の課題と考えられた.また,副作用予測に関しては,副作用発現に関わる細胞レベルでの網羅的で複雑な分子連関を解析することにより予測可能と期待されるが,このアプローチにおいても複雑システムの解析が重要となることが想定される.〝動的〟挙動解析は,副作用解析および予測のどちらにおいても強力なツールとなると考えられるが,これまでの解析技術では,シミュレーションモデルにおけるパラメータの信頼性や解析対象モデルの複雑性による解析困難といった課題がある.これらの克服が,副作用解析および副作用予測へのブレイクスルーになると考えられる.
著者
長谷川 真理子 山口 岳史 鈴木 完 山本 英輝 西 明
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.49-55, 2017-02-20 (Released:2017-02-20)
参考文献数
20

【目的】神経芽腫Stage 4S の治療と結果を後方視的に検討し,特に胎児期の無症状発見例の治療について考察する.【方法】過去33 年間に経験したStage 4S の神経芽腫9 例について,臨床的特徴,治療内容と転帰,全生存率,予後因子を検討した.【結果】症例は男児2 例,女児7 例,年齢は0 日~9 か月(中央値,1 か月)で,神経芽腫マススクリーニング発見例が4 例,胎児期発見例が2 例,有症状診断例が3 例であった.全例,副腎原発で,転移は肝8 例,皮膚2 例,骨髄1 例であった.腫瘍組織が検索された8 例では全例がfavorable histology で,3 例がdiploid,5 例がhyperdiploid,またMYCN の増幅例はなく,5 例が低リスク,3 例が中間リスクと分類された.治療は,マススクリーニング発見例では原発巣の一期的摘出と化学療法を行い,胎児期発見例では出生後に無治療経過観察を試みたが,結果的に腫瘍増大あるいは腫瘍マーカーの上昇により治療を必要とした.無症状発見例は1 例を除いて腫瘍なしで,全例が生存中である.一方,有症状発見例については積極的な治療を行い1 例のみ救命できたが,2 例が死亡した.全生存率は無症状発見例が100%,有症状診断例が33%であった.【結論】神経芽腫Stage 4S では,有症状診断例では迅速かつ積極的な対応が必須であり,一方,無症状でも胎児期発見例はマススクリーニング発見例と異なり腫瘍進展の可能性があり,厳重な監視のもとに治療の要否を判断することが極めて重要である.
著者
堤 梨恵 秋元 史恵 早川 裕子 後藤 由紀 榎 悦子 鈴木 昌子 河野 啓子
出版者
東海大学
雑誌
東海大学健康科学部紀要 (ISSN:13474162)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.115-120, 2001

本研究は精神健康調査の一部として得られた自由記載欄の内容を分析することによって具体的なストレッサーを把握し、また看護婦・士が考える対応策を明らかにすることを目的に行った。NIOSH (National Institute for Occupational Safety and Health:米国国立安全保健研究所)の職業性ストレスモデルを用いてT大学病院のストレッサーを分類すると、仕事のストレッサー(226件)、仕事外の要因(14件)、個人要因(148件)であり、仕事のストレッサーが最も多かった。ストレッサーの中では、長時間労働や休日労働の記載が多く、反対に看護技術に関する記載が少なかったことが特徴的であった。また、看護婦・士が考える対応策として、「ストレスを軽減するような病院のサポートシステム」(5件)や「ストレスを軽減するような病院環境」(5件)、「組織運営の改善」(4件)、「仕事に対する評価」(2件)があった。
著者
鈴木 秀一
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.83-112, 1983

序I. 古典派のヴェーバー像 : 「正統派」とマルクス主義II. フライシュマンの「ヴェーバーとニーチェ」論III. モムゼンの「ヴェーバーとニーチェ」論IV. 批判的考察 1. 問題の所在 2. ヴェーバーの方法論と自然法 3. 「支配の社会学」とニーチェ : カリスマ的支配をめぐって 4. 真性カリスマと民主的カリスマ : 「カリスマ的支配の日常化」の問題結Nach der sogenannten "Max Weber Renaissance" in den 1960er Jahren ist Webers politisches Denken vornehmlich Gegenstand heftiger Kontroversen gewesen. In der vorliegenden Arbeit wenden wir uns der Geschichte der Kritik an Webers politischer Theorie zu, wobei wir der Problematisierung des Verhannisses von Weber zu Nietzsche besondere Aufrnerksamkeit widmen. Dabei teilen wir die Geschichte, der Interpretation 'von Webers politischer Theorie in zwei Zeitabschnitte ein die Zeit vor und die Zeit each der "Weber Renaissance", urn die allegem.eine Teridenz in der neuen Weberinterpretation hervorzuheben. Der entscheidende Unterschied zwischen den zwei Weberinterpretationen liegt in der Thematisierung des Verhaltnisses Webers zu Nietzsche. Erst nach der "Weber Renaissance", wird der groBe EinfluB, den Nietzsche auf die politische Theorie Max Webers ausgeiibt hat, erortert. Vor der "Weber Renaissance" hatten sowohl die "Orthodoxen" wie Marianne Weber, Karl Jaspers und auch die Marxisten wie Lukacs, Max Horkheimer gewiB nicht die Absicht, Webers Begriff des "Charisma" als eine. Analogie zu Nietzsches "Ubermenschen" anzusehen (Kap. I). Aber heutzutage steht die Beziehung Webers zu Nietzsche genau in diesem Sinner zur DiskuSsion. Hierbei spielen E. Fleischmann und W. J. Mommsen die fuhrende Rolle (Kap. II und Kap. III). Die Zielsetzung dieser Arbeit ist die folgende : Es geht um die Kritik an der Problematisierung des Verhaltnisses von Weber zu Nietzsche durch Fleischmann und Mommsen. Die beiden Kritiker schatzen den wichtigen Unterschied zwischen dem "genuinen" and dem "demokratischen" Charisma in Webers Herrschaitssoziologie gering ein oder ubersehen ihn ganz. Und wir mochten auch hervorheben, daB Webers demokratischer charismatischer "Fuhrer" eine "Verantwortungsethik" hat, die Nietzsches "Ubermensch" uberhaupt nicht kannte (Kap. IV).

1 0 0 0 分身入門

著者
鈴木創士著
出版者
作品社
巻号頁・発行日
2016
著者
鈴木 陽一 橋本 明記 田中 祥次 木村 武史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.179, pp.27-32, 2011-08-18

筆者らは21GHz帯放送衛星によるスーパーハイビジョン放送システム実現を目指し,衛星放送を利用したスーパーハイジョン伝送方式の検討に取り組んでいる.本稿では,これまで取り組んできた衛星を利用したスーパーハイビジョン伝送実験を紹介するとともに,誤り訂正符号としてLDPC符号を適用した300MHz級広帯域変復調器の開発について述べる.本装置は,変調方式2種類(Q/8PSK),符号化率8種類(1/2〜9/10)利用可能であり,シンボルレート250Mbaudにおいて251〜677Mbpsの伝送能力を有する.また,LDPC符号はシャノン限界に迫る性能を有するため,復調器の要求条件として訂正限界C/N下でも十分な同期性能を維持する必要がある.今回,π/2シフトBPSK位相基準バースト信号を,主信号に対して間欠的および周期的に挿入する手法を導入し,同期性能の向上を確認した.本報告ではモデムの基本性能であるIF折返しによるC/N-BER特性および位相基準バースト信号の挿入による同期性能向上効果について述べるとともに,WINDS衛星を利用した衛星折返しによる伝送性能についても報告する.
著者
山城 拓也 真栄田 裕行 又吉 宣 安慶名 信也 喜瀬 乗基 鈴木 幹男
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.110, no.2, pp.113-117, 2017
被引用文献数
1

<p>Compensatory hypertrophy of the lingual tonsil can develop after extraction of the palatine tonsil, causing dyspnea and a feeling of suffocation. Sometimes, such patients present with physical airway obstruction, and in some cases, surgical treatment is warranted for the enlarged lingual tonsil. Our patient reported herein presented with inspiratory dyspnea caused by compensatory hypertrophy of the lingual tonsil 20 years after she had undergone enucleation of the palatine tonsil passed after palatine tonsil. We performed extraction of the lingual tonsil using an FK-WO retractor and obtained good results. We present the case herein.</p><p>The patient was a 54-year-old woman who presented to our department with the chief complaint of dysphagia, mild dyspnea and dysphonia. The patient had undergone bilateral palatine tonsil enucleation as treatment for sleep apnea syndrome 20 years earlier. The endoscopic findings at the initial diagnosis consisted of a markedly enlarged lingual tonsil with constriction of the pharyngeal cavity at the site. Moreover, a portion of the enlarged tonsil hung down like a pendulum and invaginated into the glottis during inspiration. The patient was diagnosed as having airway stenosis due to compensatory hypertrophy of the lingual tonsil. Because of the difficulty in intubation caused by the enlarged lingual tonsil, we undertook airway maintenance by tracheotomy and induced general anesthesia of the patient. Then, we carried out resection of the enlarged tonsil by Transoral Video-Laryngoscopic Surgery (TOVS) using the FK-WO retractor. We also resected a portion of the epiglottis, because the transformed epiglottis has already become useless. At present, one year since the surgery, there has been no recurrence of the symptoms and the airway continues to be maintained well too.</p><p>There have been no other case reports of inspiratory airway obstruction caused by hanging down into the airway, like a pendulum, of a part of an enlarged lingual tonsil.</p>
著者
内田 一秀 後藤 千枝 務川 重之 光永 貴之 鈴木 芳人
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.157-164, 2009-11-25 (Released:2009-12-16)
参考文献数
27
被引用文献数
1

The relationship between larval instar and head-capsule width in Helicoverpa armigera (Hübner) was examined in laboratory-reared and field-collected insects from Ibaraki and Yamanashi in eastern Japan. Each of the first three and each of the last three instars could reliably be distinguished using head-capsule width for both strains fed on an artificial diet. In the laboratory, 91.8% of larvae from Ibaraki had five instars, and 8.2% had six or seven instars, while 36.1% of the larvae from Yamanashi had five instars, and the rest had six instars. Pupation occurred when the larval head-capsule width reached about 2.6 mm, and the development time for each instar was independent of the total number of instars. Consequently, head-capsules were typically larger at each instar for larvae with fewer instars. The distribution of head-capsule widths in larvae obtained from sunflowers in Ibaraki showed peaks corresponding to the first, penultimate, and ultimate instars of laboratory-reared larvae. However, the widths supposedly representing the second and third instars were smaller than those found in the laboratory, suggesting that H. armigera larvae molt more times in the field than in the laboratory and require a longer time to complete development on sunflowers. These results may enable improvement of H. armigera forecasting and insecticide bioassay tests.
著者
辻 澄子 中村 優美子 外海 泰秀 柴田 正 内堀 伸健 川田 誠 小林 建夫 鈴木 宏 室井 順子 鈴木 由記子 兼田 登 鈴木 英樹 宮本 文夫 伊藤 誉志男
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.111-123, 1990
被引用文献数
2 6

農産物39種類195試料,水産物23種類115試料及び畜産物8種類40試料の生鮮食品合計70種類350試料並びに農産加工品58種類331試料,水産加工品38種類323試料,畜産加工品19種類147試料,菓子類18種類90試料,嗜好飲料31種類250試料,油脂・砂糖・調味料など15種類75試料及び調理加工食品11種類55試料の加工食品合計180種類1271試料中のH<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>を酸素電極法により測定した. <BR>生鮮食品70種類中,H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>を含有していない食品は56種類であり,平均値として1mg/kg未満のものが9種類であり,1mg/kg以上のものはピーナッッ(乾)(3.3mg/kg),カレイ(1.7mg/kg),ホタテ貝(4.0mg/kg),ホタルイカ(3.4mg/kg),及びカニ(1.2mg/kg)の5種類であった. <BR>一方,加工食品188種類中,H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>を含有していない食品は47種類であり,平均値として1mg/kg未満が82種類,1~5mg/kgの範囲の食品が41種類であり,5mg/kg(以下単位省略)以上の食品としては甘らっきょう(5.7),干ししいたけ(7.4),いかなご佃煮(9.1),焼のり(8.9),ひとえぐさ佃煮(7.8),乾燥ひじき(8,5),玉露(葉)(6.7),煎茶(葉)(6.2),玄米茶(葉)(6.4),番茶(葉)(6.4),ほうじ茶(葉)(30.4),紅茶(葉)(18.0),ウーロン茶(葉)(35.3),麦茶(45.0),コーヒーいり豆(140.3),インスタントコーヒー粉末(368.5),ココア(62.8),こいくちしょうゆ(7.6)の18種類であった.茶類及びコーヒー類は飲用状態ではいずれも5mg/kg以下となった. <BR>調理による食品中のH2O2含有量に対する影響について,加熱調理では,H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>量の増加傾向が,水もどし調理では,干ししいたけ以外はH2O2量の減少傾向が示された. <BR>従って,H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>含有量は調理方法により大きく変化することが判明した. <BR>更に,干ししいたけのように,水もどしすることにより,H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>量が増加傾向を示し,ばらっきも大きいことから,しいたけ成分からのH<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>生成の可能性が示唆された.