著者
木村 年晶 鈴木 直人
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.43-50, 2020-03-31 (Released:2020-03-31)
参考文献数
28
被引用文献数
1

In this study, we aimed to create a list of stimulus words suitable for evoking emotions that are placed evenly in the emotional space. College students (n=38) were invited into the laboratory and presented with two-character (Kanji) idioms, which were controlled for the number of characters and moras. We asked the students to evaluate the emotional valence and arousal level on an affect grid for each of the two-character idioms. We succeeded in creating a list of emotional words that minimize the interdependent influences of emotional valence and arousal factor as much as possible. A total of 271 two-character idioms were constituted using an evaluation that focused on the evoked emotions, and not on the attributions of the words’ meanings. Therefore, the inventory has adequate validity as a list of emotional words to be used for experiments.
著者
小林 雄一郎 天笠 美咲 鈴木 崇史
雑誌
じんもんこん2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.23-30, 2015-12-12

本研究の目的は,計量文体論の技法を用いて,日本の流行歌の時系列変化を明らかにすることであ る。具体的には,1977 年から 2012 年までに発表された 773 曲の歌詞における 26 種類の語彙指標(品 詞,語種,文字種,語彙レベル)を比較した。その結果,1990 年頃を境に,語種と文字種の頻度が大 きく変化していることが分かった。特に,外来語とカタカナの頻度が著しく減少し,漢語と漢字の頻 度が増加した。本研究は,計量文献学に新たな知見をもたらし,日本の現代文化を対象とする社会学 研究に客観的な資料を与えるものである。
著者
鈴木 浩太 稲垣 真澄
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3+4, pp.165-171, 2018 (Released:2019-02-01)
参考文献数
20
被引用文献数
5

【要旨】本研究では、読み書きの困難さを主訴に受診した8歳10カ月男児をMovement Assessment Battery for Children-Second editionにより発達性協調運動障害(Developmental Coordination Disorder : DCD)であると診断し、対象児の特性に合わせた漢字指導を実施した。対象児は、知的水準よりも、読み書きの学力が低く、読み書きの困難さがあることが示された。読み書きの困難さの背景に、運動の不器用さと視知覚能力の低下が想定された。そこで、書字表出を最小限にし、良好な認知機能で漢字形態の知覚を補うことを目的として、聴覚法(音声言語化して覚える方法)と指なぞり法(大きな文字を指でなぞる方法)を併用した。漢字指導は、9歳10カ月~10歳10カ月の期間に実施し、小学校3年生の配当漢字を用いた。その結果、対象児は、多数の漢字を習得し、DCD児に対する漢字指導において聴覚法と指なぞり法の併用が有効である可能性が示唆された。
著者
鈴木 宏昭 横山 拓
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.4-15, 2016-06-20 (Released:2016-09-05)
参考文献数
42

本稿では,組織の中に蓄積された暗黙知の明示化,公共化に関わる困難を認知科学的に分析する.その困難は,意識化すら不可能な知識が存在すること,言語が断片的であるがゆえに状況の復元に十分なパワーを持っていないことに由来する.こうした困難を克服するためには,知識を,場の中でマルチモーダルシミュレーションによって生み出され,改変され続けるものとして捉えることが必要とされる.また状況や身体の情報を豊かに伝える象徴的言語の利用も知識の伝達には有効である.
著者
鈴木 健二 古家 靖士 若松 俊輝
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.17, no.36, pp.739-744, 2011-02-20 (Released:2011-06-20)
参考文献数
14

The purpose of this paper is to report the survey of the department store in a local city implementing extension and reconstruction for increasing in floor area and improvement in function. Some results show as follows : (1)There is much room to extend upward, because the building was built as low-layer-building. So extensions were done not only to horizontal direction but also vertical direction. (2)While existing buildings were used as the department-store, changes of usage made differences of floor-height and floor-level in the building. (3)Although air-conditioning-systems were changed in 1970-1990s to keep up with the revisions of law, increasing in floor area and improvement of equipments are consisted by some means or other.
著者
田辺 和俊 鈴木 孝弘
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.A41-A48, 2021 (Released:2021-09-15)
参考文献数
15

全世界に蔓延している新型コロナウイルス(COVID-19)の日本における死亡要因を探るために,都道府県別の死亡率を目的変数とし,生活や健康,社会経済的要因など各種の指標を説明変数として重回帰分析による実証研究を試みた.目的変数と説明変数との非線形関係に対処するためにSupport Vector Machineを適用し,感度分析により要因を探索した.その結果,死亡率を上げる危険要因として生活保護,都市化,貧困率,サービス業,性比の5種,死亡率を下げる防御要因として単独世帯,食事,睡眠の3要因,併せて計8種の要因が得られた.特に,いわゆる「三密」に関連する都市化,サービス業,単独世帯の3要因の寄与がもっとも大きいこと,次いで貧困層の実態を反映する生活保護と貧困率の寄与が大きいことなど,新型コロナウイルスの予防対策に関して新規かつ有用な知見が得られた.
著者
鈴木 美緒 屋井 鉄雄
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.479-486, 2008-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
21
被引用文献数
2 1

本研究では, 日本の都市部での自転車配慮型道路の整備にあたり, 自動車の進入を許可する運用方法の自転車共用通行帯を導入する可能性を, ドライビングシミュレータ実験で得た自動車走行特性から検討した. その結果, 十分な幅員の余裕がない車道に自転車を走行させる場合, 自動車進入可能な自転車共用通行帯を, 優先的に幅員を与えて導入することで, 自動車と自転車に適切な距離が保たれ, 自動車の速度も上昇することがわかった. また, 交差点では, 歩道より車道の自転車の方が対処されやすいことが明らかになった. さらに, 交差点や駐車車両, 自転車同士の追い越しなどでの自動車の挙動より, 自転車配慮型道路に求められる課題も見出せた.
著者
鈴木 久男 伊東 史朗 天納 聖佳
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 人文科学系列 (ISSN:02879727)
巻号頁・発行日
no.47, pp.492-466, 2014-03

勝林院は大原北東部の山麓に位置する天台宗の寺院である。周辺には、三千院や後鳥羽天皇陵を始め、勝林院を管理する実光院や宝泉院などがある。勝林院は、平安時代に寂源によって中興されたといわれる寺院とされ、また天台声明の根本道場としても著名である。そして、鎌倉時代に浄土宗の法然は、ここ勝林院において談義を行ったため、浄土宗の信者からも厚い信仰を集めている。 平成二十四年秋、京都産業大学むすびわざ館ギャラリーは、平成二十五年に中興して千年という大きな節目を迎える勝林院の歴史や文化財の展示を計画した。そこで京都産業大学日本文化研究所は研究活動の一環として、勝林院本尊の阿弥陀如来像の調査を勝林院の協力を得て実施した。さらに平成二十五年には勝林院に所蔵されている文化財の整理作業を関係者のご理解により実施することができた。 本報告は平成二十四年度に実施した阿弥陀如来像の調査と平成二十五年度に行った整理作業のなかで明らかになった成果の中間報告である。なお執筆の分担は文末に( )で表記した。
著者
江口 忠志 竹之内 盛志 樋口 直史 鈴木 智 長岡 可楠子 砂川 恵伸 八重樫 牧人
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.5, pp.981-988, 2021-05-10 (Released:2022-05-10)
参考文献数
10

62歳,男性.アルコール性肝硬変,門脈血栓症に対してダビガトランを約5年間内服していた.来院2週前より肉眼的血尿,1週前より間欠熱・労作時の息切れが出現し,採血で著明な腎機能障害と胸部CT(computed tomography)でびまん性のすりガラス影を認めた.膠原病・血管炎や感染症と鑑別を要したが,腎生検にて抗凝固薬関連腎症(anticoagulant-related nephropathy:ARN),臨床所見から肺胞出血と診断した.抗凝固薬を内服中の患者の肺腎症候群では,ARN及び肺胞出血を疑う必要がある.
著者
田口 裕起 鈴木 久貴 小川 耕作 白井 暁彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, no.10, pp.9-11, 2014-02-25

本研究ではHMDのセンサフュージョンをそのまま利用し,普及しているコンテンツ開発環境であるUnity3Dにおける首の動きを利用したジェスチャ入力の認識方法を提案する.最も基本的な方法として,絶対的な回転角度によって「肯定」,「否定」,「疑問」の3つのジェスチャを認識する.
著者
鈴木 秀憲
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.27-42, 2012
参考文献数
41

In 1980s, Benjamin Libet and his colleagues conducted a series of experiments on voluntary acts. Its result is that certain brain potential (RP) precedes conscious will, which has excited much discussion about the existence and nature of free will. This paper shows that this result admits various interpretations about RP, conscious will, and their relation, depending on philosophical assumptions concerning free will and the relation between mind and brain. I also argue that the process of deliberation, rather than the momentary decision, should be the focus of investigation in order to elucidate the role of conscious will and the nature of free will.
著者
鈴木 克実
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.409-414, 2023 (Released:2023-05-01)
参考文献数
13

テレビの視聴時間は年々減少している.これに伴い,民間テレビ局は厳しい経営環境に置かれ,特に地方局は厳しい状況にある.そのような中,アニメ番組を中心に特色ある編成を行っている地方局も存在する.しかし,その内容は大人向けで放送時間も深夜帯となっているほか,制作方式にも変化が生じている.本稿ではインタビューを中心に地方局の有効な番組編成戦略はいかなるものかを,系列局と独立局2社のアニメ番組編成の事例から考察した.番組テーマの選別や編成時間の工夫,番組スキームの選択など,組織的な学習と戦略の実行により,番組視聴者を増やす可能性を示した.アニメのような特定のファン層を持つ内容の番組編成については,地域特性を見極め,環境や生活スタイルに合ったテーマを採用する.そして地域リソースを最大限に活かしつつ番組調達を行い,最適な枠に番組を編成することができれば,地方局は長期的な競争優位を獲得しうる.
著者
池尻 良平 池田 めぐみ 田中 聡 鈴木 智之 城戸 楓 土屋 裕介 今井 良 山内 祐平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.45031, (Released:2021-11-05)
参考文献数
15

本研究では,若年労働者の思考のモデリングが,経験学習と職場における能力向上に与える影響と,思考のモデリングの実態を調査した.インターネット調査で取得したデータをもとに構造方程式モデリングを用い,仮説を検証した結果,思考のモデリングは経験学習の具体的経験,および職場における能力向上に正の影響を与えることが明らかになった.また,若年労働者は上司や先輩から,主に仕事や業務の仕方や方法や進め方,過去のものを含む資料といった対象に注目し,見る・聞く・読むことで思考のモデリングをしていることが示された.さらに,職場における能力向上の上位群では,仕事相手を含む対象まで観察できていたり,見る・聞く・読むことに加えて,分析することで,より深い思考を学んでいることが示された.
著者
鈴木 信孝 川島 拓也 許 鳳浩 上馬塲 和夫
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.133-139, 2018-09-30 (Released:2018-10-12)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

ハトムギの外殻・薄皮・渋皮を含む全粒熱水抽出エキス(Coix-seed Reactive Derivatives: CRD)とビタミン剤(葉酸・B1・B6・B12)併用療法が奏功した難治性疣贅の2例と膣壁コンジローマの1例を報告した.今後は,CRDやビタミン剤の至適摂取量・期間を把握するために,さらに症例を集積したいと考えている.
著者
笠松 慶子 鈴木 哲 辛島 光彦 泉 博之 神代 雅晴 二宮 理憙
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.125-131, 2004-06-15 (Released:2010-03-15)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

本研究では, 月経周期の月経前期, 月経期および低温期の三つの時期において2種類の実験作業における作業パフォーマンスと月経随伴症状の違いについて検討した. その結果, 単純反応型作業での総作業量と反応時間においては月経周期の時期の影響を受ける傾向があり, 低温期では他の二つの時期に比べて作業パフォーマンスが高いことが認められた. 状況対応型作業では月経周期の時期の影響は認められなかった. 月経期には身体的な変化, 月経前期には精神的な変化が強く現れた. なお, 本研究の被験者は7名と少数であり, 限定されたデータから得られた結果である.
著者
鈴木 彩加
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.29-42, 2017 (Released:2018-06-13)
参考文献数
23

1990年代以降に草の根レベルで展開されるようになった保守運動に人びとが参加する理由は、「癒し」や「不安」といった言葉で論じられてきた。しかし、冷戦体制の崩壊やグローバル化の進展などの社会変化に由来する「不安」がナショナリズムへと接続することで解消されるという説は、「不安」が運動を通してどのように「癒される」のかという点について明らかではない。さらに、国内や海外の先行研究では、女性参加者らが運動内で性差別に遭遇していることが示されており、「癒し」と「不安」という説明は女性参加者にも適用できるのか、ジェンダーの観点から慎重に検討する必要がある。本稿では女性の動きが活発だと言われている「行動する保守」を対象に、女性団体A会の非-示威行動で実施した調査から、保守運動の参加者同士の相互行為をジェンダーの観点から考察することを目的とした。A会の非-示威行動の場で参加者たちは様々なジョークを話していることから、本稿ではジョークの持つ機能に着目した。「嫌韓」や「愛国心」といった政治意識上「右」に位置するジョークは、参加者たちが共有する知識や価値観をもとに成立しており、参加者同士の交流を円滑にする機能を有していた。しかしながら、「慰安婦」問題に関しては高齢男性の性差別的ジョークに女性参加者たちが「沈黙」する場面が見られ、ジェンダーに関するトピックは参加者間の相違を顕在化させることが明らかとなった。
著者
Burkhardt Johannes 鈴木 直志
出版者
桐蔭法学会
雑誌
桐蔭法学 (ISSN:13413791)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.1-22, 2009-02
著者
松永 康生 神田 径 高倉 伸一 小山 崇夫 齋藤 全史郎 小川 康雄 関 香織 鈴木 惇史1 4 木下 雄介 木下 貴裕
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

草津白根山は群馬県と長野県の県境に位置する標高2000mを越える活火山であり、その山頂部は2つの主要な火砕丘で構成されている。そのうち、北部に位置する白根山では、火口湖である湯釜を中心に活発な活動が観測されていることから、これまで地球化学的研究を中心に様々な研究が行われてきた。一方で、白根山の2kmほど南に位置する本白根山では、歴史時代に火山活動が観測されていないこともあり、幾つかの地質学的な研究を除いてほとんど研究されておらず、地下構造や火山熱水系については不明な点が多い。たとえば、本白根山の山麓には草津温泉、万代鉱温泉、万座温泉など湧出量が豊富な温泉が分布し、それらの放熱量は湯釜周辺からのものを大きく上回ることが知られているが、熱の供給源の位置については未だに不明である。また、本白根山は1500年前にマグマ噴火が起こったことが最近の地質学的研究で明らかにされたものの、マグマ溜まりの状態・位置についてはほとんど分かっていない。本白根山における噴火の発生可能性を議論する上でも、本白根山周辺のマグマ熱水系を解明することは重要である。そこで本研究では、白根山南麓を含む本白根山周辺の23点において広帯域MT観測を行い、地下比抵抗構造の推定を試みた。MT法は電磁気探査手法の一つであり、地下のメルトや熱水など高導電物質に敏感であるため、マグマ溜まりや熱水系の観測に適している。MT法データの3次元解析によって得られた最終モデルから、白根山から本白根山の地下1-3kmにかけて低比抵抗体が広がっていることがわかった。この上部に火山性地震の震源が分布することから、この低比抵抗体は流体に富んだ領域であり、ここから流体が浅部へと上昇し、地震を引き起こしていると考えられる。先行研究において、山麓温泉(草津温泉、万代鉱温泉、万座温泉)は、高温火山ガスと天水が混合してできた初生的な温泉水が、分別過程を経ずに湧出したものであると解釈されていること、この低比抵抗体の他に目立った火山性流体の存在領域が見られなかったことから、本研究ではこれを山麓温泉の流体供給源と考え、以下のようなモデルを提案する。(1)低比抵抗体の下深くには何らかの熱源が存在し、上部に熱と流体を供給する。(2)熱の供給を受けた低比抵抗体内の流体は山頂下へと上昇し、火山性地震を発生させる。(3)流体の一部は断層に沿って本白根山の東斜面へと上昇し、表層に変質領域を形成する。(4)この流体と天水が混同してできた温泉水は東斜面の溶岩中を流れ下り、万代鉱温泉、草津温泉として湧出する。一方、本白根山の直下では、マグマの存在を示すような特徴的な低比抵抗体は解析されなかった。しかし、現状では深部構造を詳細に議論できるほど測定・解析精度が十分ではないので、今回の解析結果からは火山直下にマグマ溜まりが存在しないと結論づけることはできない。今後、マグマ熱水系の推定精度を向上させるため、追加の観測やシミュレーションを実施していきたい。