著者
八木 行雄 古内 進 高橋 秀之 小山 弘之
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.389-395, 1989-04-15
被引用文献数
1

Theileria sergenti感染牛赤血球の浸透圧脆弱性および膜形態の変化について検討した.実験感染牛では,原虫寄生率の増加にともない赤血球浸透圧脆弱性は亢進し,等張域における溶血率は原虫寄生率よりも明かに高い値を示した.この現象は密度勾配分画された各寄生率の赤血球においても同様であった.血清浸透圧は感染牛,潟血牛ともほぼ一定の値で推移した.走査型電子顕微鏡による観察の結果,重篤時の牛の赤血球は変形し,ほとんどの赤血球はEchinocyteの状態に陥っていることが判明した.またEchinocyteの比率は原虫寄生率よりも著しく高い値を示した.同様の現象は小型ピロプラズマ病重篤時の放牧牛においても認められた.以上の成績から,赤血球の浸透圧脆弱性と膜形態の異常はT. sergenti寄生赤血球のみならず,非寄生赤血球においても起きていることが示唆された.
著者
納谷 太 高橋 悟史 宮前 雅一 寺田 努 野間 春生 鳥山 朋二 小暮 潔 西尾 章治郎 今井 倫太
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.55-66, 2009
被引用文献数
1

We have developed a new battery-operated sensor node based on ZigBee wireless network in order to track people's location even with a poor electrical infrastructure. For a sensor network consisting of such kind of sensor nodes, we have designed a flexible sleep control protocol which fulfills low-battery consumption as well as high-accuracy time synchronization between these nodes. We have deployed a sensor network system composed of more than 40 sensor nodes in a hospital floor for tracking more than fifteen nurses simultaneously. Experimental results show that the system can operate around 27 days using four AA size NiMH batteries and can achieve 90% accuracy in the location estimation.
著者
高橋 謙輔 栗原 聡 廣津 登志夫 菅原 俊治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.11, pp.1851-1860, 2009-11-01
被引用文献数
2

本論文では,センサの位置情報についての事前知識を用いずに,反応情報のみからセンサ間の隣接関係の推定法を提案する.コンピュータ機器やセンサデバイスの発展とともに様々なセンサネットワークアプリケーションが提案されてきた.これらのアプリケーションにおいて人間の行動に基づいたトポロジー情報は,人間の行動を支援するために必須のものである.しかし,大量のセンサを使用するアプリケーションにとってこの情報を手動で設定し,維持するのは簡単でない.提案手法ではAnt Colony Optimization(ACO)を用いて精度の高いトポロジーの自動推定を行う.本手法では取得したセンサデータの信頼性を推定し,ACOに適用することによって高精度化を実現する.最後に,独立した三つの環境で収集したセンサデータを用いて提案手法を評価し,従来の手法と比べすべての環境について推定誤差率がかなり向上したことを示す.
著者
濱西 知子 若松 尚美 貝沼 圭二 高橋 節子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.326-332, 2000-08-20
被引用文献数
1

サゴ澱粉の高濃度澱粉ゲルの老化特性を知る目的でサゴおよびとうもろこし、馬鈴薯、タビオカ、加工小麦澱粉を用いてゲルの凍結解凍安定性について比較した。ゲルの調製法は攪拌加熱法について静置加熱と比較し、加工小麦澱粉を添加した結果についても実験を行った。高濃度ゲル食品としてわらび餅を調製し、官能評価を行ない食味評価と物性との関係について検討した。1)調製直後の各種高濃度ゲルの硬さの差は僅少であった。2)高濃度ゲルの調製法としての攪拌加熱法は、静置加熱法に比べて、凍結・解凍を繰返した際の硬さ、離水量の増加が緩慢であり、老化が抑制された。また、加工小麦澱粉ゲルの老化は認められなかった。3)天然澱粉に加工小麦澱粉を20%添加することにより、凍結・解凍サイクルにおける硬さ、離水量の増加が抑えられ、特にサゴ澱粉において老化抑制効果が顕著であった。4)評価法による官能評価から硬さ、弾力性、べたつき、総合評価の項目でサゴ澱粉は嗜好性が高く、次いで馬鈴薯澱粉が好まれた。5)嗜好性の高かったサゴおよび馬鈴薯澱粉を用いて官能評価を行なった結果、サゴ澱粉は攪拌加熱法が馬鈴薯澱粉の場合は静置加熱法がより好まれ、澱粉の種類により攪拌が食味特性に及ぼす影響の異なることが明らかとなった。本研究を行なうにあたり平成7年度財団法人飯島記念食品科学振興財団より研究助成をいただきました。ここに深く感謝の意を表します。
著者
横山 裕 伊藤 仁洋 高橋 宏樹 小野 英哲
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.64, no.516, pp.37-44, 1999
被引用文献数
2 1

The purpose of this study is to present the lower criterion of C.S.R not to slip at the landing when people step on the slippery surface without the knowledge of the slipperiness changing. In this paper, first, it was made clear that the most dangerous motion was fast walking at the speed of one-point-two-two times the height per second. So, fast walking and walking at natural speed were selected as motions to be investigated. Secondly, from the investigation of the load applied to the floor while these motions, the load to be simulated by "Landing Slip Meter" was established.
著者
山下 利之 高橋 雅博 酒井 秀昭 武田 利浩 市村 匠
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.105-112, 2000-04-15
被引用文献数
8

高度情報化社会の発展に伴い, コンピュータとのコミュニケーションにより, 長時間の仕事, 作業を進める機会がますます増えつつある.人間同士のコミュニケーションの場合, 自然言語によるverbal情報に, 表情や身振りによるnonverbal情報が加わり, 円滑なコミュニケーションが行われている.そこで, 人間とコンピュータとの円滑なコミュニケーションを促進するインタフェースとして, 本研究では顔に注目した.そして, 特定の状況において生じる感情を表している表情をファジィ推論によって選択するモデルを提唱した.眉と目の傾きに関する3条件と口の形の3条件の組合せによる9種類の顔を用いてファジィ推論モデルを構成した.本モデルを, コンピュータ画面上に入力された文章に表されている感情を表情で表現するシステムへ応用することを試みた.システムに関する質問紙調査の結果, ヒューマンインタフェースとしての顔表示の有効性が示された.
著者
高橋 一裕 長谷川 光司 阿山 みよし 春日 正男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.99, no.384, pp.7-10, 1999-10-21

マルチメディア技術の発展によって,迫力のある映像だけでなくより臨場感のある音場再生技術が望まれているが,これを実現しようとするとき,映像が音像定位に与える影響は無視できない.本研究では,視覚情報が音像定位に与える影響について実験的に検討する.被験者の正面より左右30度ずつに配置された2つのスピーカから被験者の両耳までの伝達関数をそれぞれ測定し,バイノーラルな音場再生を実現するための逆フィルタを求めた.これにより作成したバイノーラル音像と実音源による音像をそれぞれ用い,半円形のスクリーン上の様々な位置の映像を組み合わせて被験者に提示し,音像定位を測定した.
著者
長野 翔一 高橋 寛幸 中川 哲也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.90, pp.65-70, 2008-09-17
被引用文献数
6

情報爆発時代において,情報の個人化を実現するプロファイル技術が注目されている.しかし,現在のプロファイル技術は獲得した閲覧履歴全体からユーザの全閲覧行動における要求の傾向を推測するため,要求の変化を検出するのは困難である.本稿が扱う 「要求」 とは行動への動機の事を指し,10 分程度で変化する性質を持つ.ユーザは要求に基づいてウェブページの閲覧を行う.我々は,ユーザの要求変化は各閲覧履歴の意味的類似度を利用することで検出可能であると考え,閲覧履歴の分類方式を提案する.既存の分類方式では,同じ要求内でも時系列に従い少しずつカテゴリが変化する,複数の異なる要求が並存する,といった閲覧行動の性質のため精度を下げることとなる.そこで,提案方式はこれらの性質を考慮し,クラスタ重心付近に十分な閲覧履歴数が確保できないことを前提とした,局所解重視の分類方式の構築に取り組む.また,既存の分類方式と比較実験を行い,提案方式が既存方式に比べ有効であることを確認した.We propose a clustering method for detecting the change of intention from user's browsing behavior. It is necessary to treat the user's intention accurately in information explosion age. However, treating dynamic intention is difficult for a conventional method, as behavior targeting model. Because the category change little by little in the same intention, and any other intentions exist at same time. For detecting user's intention change in browsing-behavior, we analyze each of browsing-history based on the similarities, and clustering based on local part similarities, in case web history have not a normal distribution. In addition, we evalute on result of an experiment to effectiveness for conventional clustering method.
著者
高橋 克巳 Pramudiono Iko 喜連川 優
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.176, pp.7-12, 2004-07-06

Webのサービスへのアクセス記録を解析するWebログマイニングにおいて、ログデータを地理的な位置にもとづいて解析する方法に関して述べる。Webで利用者の現在位置や利用者の望む位置に関する情報の提供サービスがさかんになってきており、効果的な解析方法と、有効な利用方法の考察が必要である。本稿では、インターネットでの位置に関する情報提供サービスの大規模ログデータを解析した作業の報告を行う。解析から、住所ワードの推薦には、commodityである情報対象に対する近隣地域の提示、およびspecialtyに対する中心地域の推薦が可能であること、およびそれぞれのルールを選ぶ際には相関ルールの支持度だけでなく、単語間の相互情報量が有効であることについてのべる。最後に本解析結果を使った単語を推薦して検索の補助を行うシステムについて説明する。
著者
嶺 竜治 亀山 達也 高橋 寿一 古賀 昌史 緒方 日佐男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.6, pp.868-875, 2009-06-01
被引用文献数
1

文字認識と単語レイアウト解析技術を用いて,紙文書の文字情報とサイバー空間のディジタル情報のリンクを張る手法を提案する.これまでに,WebサイトのURLが埋め込まれた二次元コードをカメラ付き携帯電話で認識し,そのWebサイトへ接続する技術が実用化されている.しかしながら,二次元コードを印刷するために文書レイアウトが制約を受けたり,印刷する二次元コードの数に制限があるという問題があった.提案する手法は,文書やページごとに紙面上の単語の並びが異なることに着目し,認識した複数の単語の相対位置関係を解析し,文書の種別や読取り位置を特定する手法である.そして,読取り位置とURLを対応づけたデータベースを作成しておけば,二次元コード等を文書に印刷することなくハイパリンクが実現できる.文書数4種,総単語数約9400の文書テキストデータを用いた原理実験で,97%の精度で文書種の特定を,また文書種が特定できれば約98%の精度で正しい単語位置を特定できることが分かった.また,カメラ付き携帯電話とPCを用いたプロトタイプを開発し,実際の携帯電話通信網での動作を確認した.今後は実験の規模を拡大するとともに,本方式を用いた様々なサービスの検討を行う予定である.
著者
坂野 秀樹 森勢 将雅 高橋 徹 西村 竜一 入野 俊夫 河原 英紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.551, pp.157-162, 2008-03-13
被引用文献数
2

実時間動作するSTRAIGHT,リアルタイムSTRAIGHTの改良を行ったので,その詳細について報告する.高品質音声分析変換合成法STRAIGHTは極めて高品質であり,合成システムや聴覚実,験用のツールとして広く利用されるようになってきている.STRAIGHTは,MATLABによって実装されており,オフラインでの処理にはこれが広く用いられているが,実時間で動作するものではない.そこで,我々は,実時間で動作するリアルタイムSTRAIGHTをC言語による実装で構築してきた.今回は,まず,C言語によるSTRAIGHTの実装であるC言語版を,MATLAB版STRAIGHTの最新版と同等のものに更新した.そして,このC言語版の関数の一部を利用し,リアルタイムSTRAIGHTのスペクトル抽出部分を改良した.改良したリアルタイムSTRAIGHTを用いて主観評価実験を行った所,MOS値が3.4となり,これまでのリアルタイムSTRAIGHTに比べ0.7程度改善したことが分かった.また,C言語版STRAIGHTにおいては,バージョンによるAPIの違いが大きいという問題があった.今回,このような問題を解決したC言語版STRAIGHTのAPIを策定し,STRAIGHTライブラリとして実装した.
著者
中西 大祐 永長 知孝 高橋 大介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS
巻号頁・発行日
vol.108, no.471, pp.59-64, 2009-03-02
被引用文献数
5

本稿では,都市景観内スポット情報とWeb上の住所情報を用いたポジショニングシステムの検討が行われている.まず,既存のポジショニングシステムの精度の確認をするために,携帯電話に搭載されているGPS機能を用いて,都市部において測位実験が行われている.次に,システムの提案が行われている.利用者は携帯電話のWebブラウザを用いて,専用フォームからサーバ側に周辺の建物に関する情報とGPS等から取得した位置情報を送信し,その情報をもとに実行されたWeb検索結果から位置情報を得ることができる.提案方式について評価するため,GPS実験の位置情報と測定地点のスポット名情報を用いたシステムの動作実験が行われ,GPS単独使用時より測位精度の向上が見られることが示されている.最後に,提案システムの考察が行われ,使用するスポットの選択,Webサイトの構造と測位誤差の関係について述べられている.
著者
柳川 協 高橋 史
出版者
岡山大学
雑誌
研究集録 (ISSN:04714008)
巻号頁・発行日
vol.109, pp.75-86, 1998-11