著者
舩戸 徹郎 柳原 大 石川 欽也 青井 伸也
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

小脳における神経障害が姿勢制御機能を低下するメカニズムを解明するために、生体データから力学モデルを用いて制御系を定量評価する手法を構築した。①環境に応じて運動状態を変える力学モデルとその評価手法、②後肢2足で直立するラットの姿勢実験環境という2つのツールの開発することで制御系の評価手法を構築し、この手法を用いて下オリーブ核障害ラット及び小脳疾患患者の制御系を評価することで、小脳障害が制御入力全体や環境適応のために働く制御機能を低下させるという姿勢制御能力の低下要因を示した。
著者
眞城 知己 是永 かな子 石田 祥代
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

デンマークにおける自治体再編が特別ニーズ教育制度の展開にどのような影響を与えているのかその特徴を明らかにする目的で情報収集に取組んだ。海外学術調査種目の主旨である資料の収集をフィールド調査を通じて丹念に行うために教育省、各自治体の担当者、国策に携わる学識経験者への継続的な面接調査と資料収集を方法の柱に据えて研究を進めた。その結果、現地の研究協力者の支援と協議を重ねながら5つのレギオン及び半数を超える市の担当者及び学校における面接調査と資料収集を行うことができた。これらの資料の分析を進め、自治体間の差違の急速な拡大傾向と近隣市と共同で新制度を創出する自治体の存在などが明らかになった。
著者
鳥越 文蔵 内山 美樹子 飯島 満 黒石 陽子 原田 真澄 坂本 清恵 神津 武男
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

古典芸能の人形浄瑠璃文楽で頻繁に上演される演目の大方は、享保から宝暦年間(1716~1764)に初演された作品である。しかしこれまで翻刻が著しく遅れていた。本研究では、国内外の諸本を書誌調査し、十行本なども参照したうえで、現存最善の翻刻本文を提供し、国内外の演劇研究進展への貢献をめざした。成果として、義太夫節未翻刻浄瑠璃作品集成第二期10冊を出版した。また、本文のデジタル・アーカイブ化を目標とし、本文データの整理分析を行い、近世上方語資料となる語彙索引2冊を作成、刊行した。
著者
岩坪 秀一 木下 冨雄 四方 義啓 内田 達弘 伊藤 圭
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

理工系分野の早期教育の真の在り方を探るために、かつてわが国において実施された「飛び級」制度(小学校五年から中学校に進学する「五修」と中学校四年から高等学校に進学する「四修」を導入することによって、普通課程と比較して二年早く教育課程を終了するもの)、及び終戦前後(昭和20年1月〜昭和23年3月)に実施された「特別科学教育」制度(小学校四年から六年、中学校一年から三年までの六学級から理数系の学力に特に秀でた児童・生徒を選抜して英才教育を施したもの。東京高等師範学校、東京女子高等師範学校、広島高等師範学校、金沢高等師範学校、京都帝国大学が中心となって教育に当たった。学級数は実施機関によって異なった。)を取り上げた。これらの教育制度の経験者からの情報収集及び追跡調査から教育の実態を明らかにし、その得失を十分に検討することによって、わが国の理数系早期教育の発展に資することを目的とした。具体的活動としては、経験者から経験談及び資料提供を受けるために11回の研究集会を開催し、さらに面接聴き取り調査を行った。また、中国における早期教育のための教員養成についての講演会を開催した。アンケート調査も計画したが、個人情報に深く関わる内容であるために質問項目について慎重に吟味して実施へと繋げることができた。主要な研究成果の概要は以下の通りである。(1)飛び級については、その経験者の協力を得て、京都府師範学校附属小学校第二教室の教育の実態が明らかになった。また、兵庫県立神戸第一中学校の四修修了者の特徴について統計的な検討を行った。(2)京都府立第一中学校において実施された特別科学教育(京都帝国大学が協力)の経験者諸氏の協力が得られ、従来余り知られていなかった事実が明らかにされた。(3)理数分野の早期教育の実をあげるためには、理数分野と人文社会分野の教育のバランスが必要不可欠であることが明らかになった。理数系分野だけに特化して効率を図ることは、優れた人材養成に繋がらない。(4)早期教育のための教員養成、上級学校との接続の確保、中途からの転向の保障など、制度面での支援が重要であることが明らかになった。
著者
前田 忠直 富永 譲 末包 伸吾 水上 優 朽木 順綱 杉山 真魚
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

本研究は,建築空間の生成を「生きた生活世界」の具体化として解読しようとする建築論的研究である。以下に示す3つの課題(I,II,III項目),及び5つの細目課題について代表者と研究分担者により同時平行的に遂行し,それらを比較検討した。I.20世紀の建築家の思索(方法概念)の生成論的研究:1)ステートメント,講義・講演録,著作による分析,2)建築家のスケッチ,紀行文による分析 II.建築作品の生成論的研究:3)建築作品の生成過程の実証的研究,4)アーカイヴ訪問,現地調査(作品調査及びサイト調査)による実証的検証 III.総括:5)生成論的分析による存在論的建築論の構築
著者
藤本 悦子 今本 喜久子 小林 宏光 今井 美和 有田 広美 大島 千佳
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

高齢者の睡眠を援助することを目的に、高吸水性樹脂を使ったホットパックを作成した。この用具は入浴に比べ簡便に実施できる特徴を持つ。深部温を一旦あげ、次いで低下させるが、この変動時に睡眠が誘導される。実際に施設入所の高齢者に実施したところ、夜間の睡眠の質が向上した(睡眠潜時と中途覚醒の減少)。特に、日頃から不眠を訴える群で、その効果は大きい。この用具を使った睡眠援助のための看護プログラムを作成した。
著者
三上 俊治 橋元 良明 箕浦 康子 吉井 博明 八ッ橋 武明 柏倉 康夫 遠藤 薫
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本研究では、多チャンネル状況における地域情報メディアの利用実態を探るために、鳥取県米子市において、中海ケーブルテレビの視聴可能地域をエリアとして、テレビ、新聞、多チャンネルケーブルテレビ、インターネットの利用状況、地域情報の情報源、地域住民の情報発信手段としてのケーブルテレビの役割について、テレビ局での聞き取り調査、パブリックアクセスチャンネル(PAC)参加者へのグループインタビュー、米子市民へのアンケート調査を実施した。具体的には、米子市在住の20〜69歳男女819名を対象とする社会調査を実施した他、携帯電話、携帯メール利用者計約10名を対象として、特定の1週間の通話内容とメール内容を記録してもらい、これを起こしたスクリプトを使って会話分析を行った。社会調査の結果、次のような知見が得られた。(1)テレビとインターネットに関する利用と満足の構造は類似しており、ある程度の相互代替性、補完性がみられる。(2)ケーブルテレビの加入動機は、多チャンネル化と専門チャンネル視聴が大きく、多チャンネル化ニーズが強いことを示している。(3)中海テレビの地域チャンネルは比較的よくみられており、なかでも災害情報、選挙速報、お祭りなどのイベント情報へのニーズが高いことがわかった。(4)パブリックアクセスチャンネルの視聴率は低いが、ケーブルテレビの番組取材を受けた経験のある人が多く、これがケーブルテレビの地域的機能に貢献していることがわかった。携帯メールの会話内容を分析した結果、感情表現として絵文字や特殊記号が多用されていること、全体として文章が簡潔で短く、くだけた会話調であること、移動しながら、きわめて短時間に多くのメッセージが交換されていることなどの特徴が再確認された他、音声通話との使い分けの実態などが明らかになった。
著者
高橋 嘉夫 狩野 彰弘
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

様々なバクテリア細胞表面への吸着のREE分配パターンには特異な重希土類(HREE)の濃集がみられ、これはEXAFS法によりは多座のリン酸サイトとの錯生成によることが明らかになった。また(リン酸サイト)/(カルボキシル基)比はpHと共に減少し、[REE]/[バクテリア]比の増大と共にカルボキシル基の寄与が増加した。HREEの濃集は天然のバイオフィルムやバクテリア由来の水酸化鉄にも見られると共に、同様の特徴が先カンブリア時代の縞状鉄鉱床(BIF)にも見られ、REEパターンがバクテリア活動の指標となることが分かった。
著者
森田 茂之 中村 博昭 河澄 響也 古田 幹雄 村上 順 秋田 利之 森吉 仁志
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究では,曲面の写像類群とリーマン面のモジュライ空間の構造の解明を中心課題とし,それに密接に関連する種々の問題についての研究を行った.具体的には,写像類群のコホモロジー群の研究,Floerホモトピー型の理論の展開,3次元多様体のゲージ理論に基づく位相不変量の研究,写像類群の調和的Magnus展開の理論の建設,Grothendieck-Teichm\"uller群の構造の研究,3次元多様体論における体積予想の研究,3・4次元における非可換幾何学の展開,写像類群の有限部分群と特性類の関係に関する研究,写像類群のJohes表現の研究,写像類群と4次元多様体論との関連,等である.このように代表者および各分担者はそれぞれのテーマを追究する一方で,相互啓発により一段高い観点からの研究を目指した.その中から,例えば写像類群の幾何学とシンプレティック幾何学との結びつきや,写像類群と自由群の外部自己同型群の構造の類似点および相違点の解明等の新しい研究の方向も見えてきた.
著者
小川 敦史 我彦 広悦 犬飼 義明 犬飼 義明
出版者
秋田県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,1)作物根系の大部分を占める側根原基ならびにその周辺組織における,浸透圧ストレス条件下での発現遺伝子ならびに代謝物質の変動の網羅的解析,2)冠根および側根数が著しく減少するイネ突然変異体の特徴の解明と,その原因遺伝子の単離および機能解析,3)糖代謝関連酵素の根系形成への関与の解明,4)オーキシンやサイトカイニンの働きを制御する腫瘍誘発遺伝子群の一つである6b遺伝子を導入した植物体での根系形成やホルモンの分配の解明を行った.
著者
齋藤 ひろみ 森 篤嗣 橋本 ゆかり 岩田 一成 菅原 雅枝
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

国内でも外国人の児童生徒が増加しているが、日本生まれ日本育ちの子どもの言語発達支援・教育が新たな課題となっている。本研究では、こうした日本生育外国人児童生徒(日本籍の児童も含む)のリテラシーの発達について、作文を書く力に焦点化して調査を行った。外国児童生徒と日本人児童生徒から、出来事作文と意見文作文という2つのジャンルの作文データを収集し、産出量、表記、語彙、文法、内容構成等の観点で分析を行った。その結果、産出量、社会性の表出には日本人児童と同等の発達が見られたが、特殊音表記、文法適格性、結束性、陳述の適確さ・多様さ、論理性にやや遅れが見られ、これらを意識した指導が求められる。
著者
ゴチェフスキ ヘルマン 藤井 浩基 塚原 康子 酒井 健太郎 大角 欣矢
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

28年度の研究活動は28年3月12日から29年6月26日まで開催された駒場博物館の「フランツ・エッケルト没後100周年記念特別展「近代アジアの音楽指導者エッケルト--プロイセンの山奥から東京・ソウルへ」」展示中に行われた行事とその準備に集中した。5月28日には東京大学駒場キャンパスで「フランツ・エッケルトとその時代」というタイトルで国際シンポジウムと吹奏楽の演奏会を実施した。シンポジウムには研究代表者と研究分担者全員に加えて安田寛(元奈良教育大学、研究協力者)、李京粉(ソウル大学、研究協力者)、曺允榮(梨花女子大学、招待講演)と文景楠(東京大学、通訳)が参加し、主にこの研究で明らかになった新たな事実の解釈と意義について議論した。演奏会では小澤俊朗の指揮と神奈川大学吹奏楽部の演奏でエッケルトの作品を一次資料から再現した。その中の複数の作品がエッケルトの時代から一度も演奏されていないものであった。作品の性質と再現に当たっての問題点については楽譜作成に協力した都賀城太郎(藤村女子高等学校)から説明があった。6月23日には渡辺克也(オーボエ)と松山元・松山優香(ピアノ)によって、エッケルトのオーボエとピアノの作品を中心とする演奏会を行い、オーボエの専門家成澤良一に解説を依頼した。展示された資料によって成澤氏はアジアのオーボエ受容史について新たな発見をし、本研究企画にも貢献した。特別展は多くの観客を迎えるのみならず、数多くの専門家が(一部繰り返して)展示会を訪れ、その結果研究代表者を含む企画者は多くの刺激を受けることになった。展示が終わってから研究代表者は改めてヨーロッパに渡り、エッケルトがプロイセンやドイツで経験した軍楽隊文化とその時代背景についてさらに調査した。
著者
太田 浩 芦沢 真五 渡部 由紀 野田 文香 新田 功 横田 雅弘 堀田 泰司 上別府 隆男 杉本 和弘
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

欧州で進行中の大学評価プロジェクトであるNufficのMINT、CHRのIMPI、IAUのISAS、ACAのAIMの開発者と利用した大学に聞き取り調査を行うと共に文献調査を行い、プロジェクト間の相違点、課題、利点などを明らかにした。そのうち、IMPIが開発した国際化評価の489指標を翻訳し、日本の文脈に照らして妥当と判断される152の指標を使い、質問紙調査を日本の228大学に対して行った。調査で収集したデータの分析結果に基づき、日本の大学国際化の評価に関する現状と今後の評価のあり方、及び日本の大学にとって最も有効性が高いと考えられる指標群、また有効性が高くないと考えられる指標群を明らかにした。
著者
神谷 庄司 林 高弘 徳田 豊
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

シリコンの長期疲労破壊確率の統計的評価・推測法を確立した。また、これを用いて上活性環境中の疲労寿命を予測し、それまでに提唱されていた表面の酸化反応とは異なる疲労機構の存在の可能性を明らかにした。さらにシリコン表面の機械的.傷の電子的検出に成功し、.傷の電子状態が環境中の水蒸気等のガス分子によって変化することを初めて明らかにするとともに、湿潤環境下における疲労寿命低下のメカニズムが表面現象以外にもあり得ることを指摘した。
著者
颯田 葉子 西岡 輔 安河内 彦輝
出版者
総合研究大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

チトクロームP450(CYP)は生体内外に由来する物質の代謝に関わる酵素である。この酵素の種類は生物によって異なることが知られており、生息環境や食性の違いを反映していると考えられる。本研究では、特に、薬物の代謝に関わるCYPサブファミリーの分子進化や肝臓での発現解析を行い、CYPの多様化の生物学的機構を明らかにすることを目的とした。その結果、サブファミリーの起源は、羊膜類と両生類との共通祖先にまで遡ること、またその酵素の基質特異性を決める領域での特異的な進化の様相を明らかにした。
著者
秋谷 裕幸
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

四年間の研究期間中、中国福建省浦城県南部のびん語びん北区方言群に属する、山下方言、臨江方言、観前方言、水北街方言、楓溪方言、および浦城県北部の呉語仙陽方言の調査を行った。調査項目は私がこれまでに公刊してきた『びん北区三県市方言研究』等と同一である。当初調査を予定していた小溪方言に代えて楓溪方言を調査するなどの変更はあったが、現地調査はほぼ当初の計画通りに進行した。調査データの入力作業も進めたが、平成二十六年六月一日現在、楓溪方言のデータ入力は未完成である。本研究課題の最終目標であった調査報告書『浦城県境内びん北区方言研究』(中国語)の初稿完成が研究期間内に達成できなかったことを遺憾とする。
著者
佐治 斉 田村 裕之 市川 朗
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、地震をはじめとする大規模災害時において、被災地状況とその周辺の広域道路状況などを一括把握でき、円滑・迅速な救助活動に供することを目的とするものである。そのため、画像情報や地図情報を統合活用し、被災地周辺の個別特徴情報をそれぞれ抽出し、さらにそれらを連携して解析をすることで、大規模災害時での救助活動に必要な被災地周辺情報を自動生成できる画像解析手法を検討し、試作システムを構築した。
著者
緒方 一夫 粕谷 英一 紙谷 聡志 津田 みどり
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

アリ類を生物多様性のバイオインディケーターとして利用することを上位の目的に,分類学的情報の整備とフィールドデータの解析を行った.分類学的研究から新種の記載やシノニムを整理し一部タクサについては検索表を提示し,ウェッブ上に公開した.群集生態学的研究から西南日本,ベトナム,タイの農林生態系で定量・定性的なサンプリングを実施し,群集の特性を比較し,対応分析による序列化を行い,そのパターンについて考察を加え,インディケーター種を抽出した.
著者
丸野 俊一 松尾 剛 野村 亮太 小田部 貴子
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

本研究では、対話型授業に焦点を定め、(1)教師の対話方略の運用の仕方・変化、(2)創造的対話が生起するために不可欠な心的要因に対する子どもの気づき、(3)教師の認識論の違いと授業形態との関連、(4)批判的思考や共感性の育成の変化の様相を解明した。その結果、(1)教師の対話方略の運用は子どもたちの対話力の水準に依存する,(2)対話の生起には、異なる考えを認め合う、他者の視点を共有し、自分の考えを省察することの重要性に気づく、(3)授業スタイルは、教師が抱く認識論に大きく依存する、(4)対話型授業の中では、創造的・批判的思考のみでなく、情動的な共感性も育まれることが分かった。
著者
角皆 潤 谷本 浩志 神田 譲太 野口 泉 小松 大祐
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、東アジア域では初となる一般水環境試料中に含まれるNO_3^-のΔ^<17>O組成定量を実現し、そのNO_3中に含まれる大気由来のNO_3^(NO_3^-_<atm>)の混合比のトレーサーとしてのΔ^<17>O組成の信頼性を検証するとともに、その有用性を実証することを目的としている。特に、全NO_3^-中に占めるNO_3_<atm> 混合比は、定常状態下では、総NO_3^-供給速度に対する大気からのNO_3^-_<atm>沈着速度の相対比に等しいので、これを活用する。まず北海道の利尻島において、長期に渡って湿性沈着試料を集めてNO_3_<atm>のΔ^<17>O組成の連続観測を成功させ、その年平均値(Δ^<17>O_<atm>)を見積もった。次に同島の森林域から流出する地下水試料中のNO_3について、Δ^<17>O値定量を実現し、Δ^<17>O_<atm> との比較から、大気から沈着した窒素が森林生態系によって浄化される過程を定量的に評価した。さらに摩周湖の湖水中に溶存するNO_3のΔ^<17>O組成の分布を定量し、大気から貧栄養の水環境下に沈着したNO_3^-_<atm>の挙動を定量化した。