著者
菊池 馨実 関 ふ佐子 石田 道彦 大原 利夫 尾形 健 石田 道彦 大原 利夫 尾形 健 関 ふ佐子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

アメリカ高齢者法を多角的に検討した共同研究を日米法学会総会で行うとともに、アメリカでの現地調査の概要を雑誌に連載する機会を得た。また各研究者が、個別に、日本社会保障法学会、日本成年後見法学会、全米ロースクール協会などでの学会報告で、高齢者の権利擁護、高齢者法などに係る研究発表を行った。このほか、各研究者が、自律の価値付け、アメリカ医療改革・所得保障制度などに係る比較研究、日米の福祉国家研究など、高齢者の法的保護に関わる多くの論文を発表した。
著者
山本 淳一 小嶋 祥三
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

次の6つのステップからなる療育プログラムを構成し,3歳から7歳の13名の重度自閉症幼児に適用した効果を詳細に分析した.(1)「基本的社会的相互作用」対人刺激の過敏性をとり、遊びを中心にした社会的相互作用を安定させることが、支援プログラムの初期段階においては最も重要であった。(2)「共同注意」応答型共同注意は、指さしから視線に手がかりを移行させることで、全ての子どもで成立した。始発型共同注意は,相手がその刺激を見ることができない場面設定をし、参加児の興味を引く刺激を用いることで促進された.(3)「模倣」以下の摸倣を系統的に評価し、運動、知覚、自己他者認知の障害のあり方を分析した。粗大・微細,動作・音声,対称・非対称,他者方向・自己方向。(4)「音声言語理解」聞き取り理解の学習と前頭葉の活動との相関関係が見られた。(5)「言語表出(哺語,単音,単語,文)」視覚的枠組み使って,文法にあった文を成立させていく指導ステップを構築した。(6)「機能的言語」叙述言語に関して、自分の経験した事象を報告する指導によって、獲得と般化がなされた。子どもの注意を十分引く必要があり試行回数が学習効果を決定する課題は「離散試行型指導法」を用い,社会的相互作用を目的とした課題と般化促進のために「ピボタル行動指導法」を用いた.基本的には週1回、大学での子どもへの指導,親面接,家庭でのかかわり方と指導のアドバイスを実施した.その結果、9名の自閉症児の社会言語領域、認知領域の発達年齢に大きな向上が見られた.また,適応行動尺度では,全員について向上が見られた.このような指導だけでは,音声言語の獲得と拡張、機能化がなされなかった4名の自閉症児については,絵カードの交換によるPECS(Picture Exchange Communication System)を導入し,3名について音声模倣の獲得がなされた.
著者
沢岡 清秀
出版者
工学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002 (Released:2002-04-01)

1.<創造的再利用>の意義に対する設計者・建築家の基本的認識について:<創造的再利用>は古美術の博物館展示的作業や、既存建築の物理的骨格のみを利用して思いのまま変更する作業ではなく、既存建築を「対話」の相手と考えてアイデアを構想する、新しい創作の一領域であると捉えられている。それは、既存建築の中にそれを創り出した人々の考え方や価値観、感情の「表現」を見るという基本的視点に立っている。その結果生み出されたすぐれた事例は歴史的文化的価値を経済的社会的価値に転換し、長い間人々に忘れられていた空間に光を当て、パブリックのための価値を生み出している。2.<創造的再利用>のデザイン手法について:一方に内部と外部を切り離して考える「内外分離の原則」があり、これは特にニューヨーク市の保存行政において顕著に見られる。この原則は、外部の保存と引き換えに内部の自由な変更を保証し、内外デザインに強いコントラストを生む背景を形作っている。他方に外部ファサードのみを保存して内部のみを改変する手法には明確な批判もあり、これは特にチューリヒ市において顕著に見られた。そこでは内外を続合して考え、新旧の混在をより積極的に表現する方向性が模索されている。<創造的再利用>は既存作品の「解釈」から成り立つ点で演劇の演出や音楽の演奏にも通ずる「対話」に基づくアートであり、21世紀においてますます重要になる新たな創作の領域であると考えられる。
著者
鈴木 和博 南 雅代 加藤 丈典
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

・電子プローブマイクロアナライザを高性能・高機能化して分析値の精度と確度を高めた.・トリウムやウランを含む鉱物のコンコーダントな分析値を選別する化学的基準を確立して、CHIME年代の確度を高くした.・氷上花簡岩、領家帯ミグマタイト、肥後変成岩、韓国京畿地塊の準片麻岩、中国南東部の花商岩類、中国吉林省の東清花簡岩のCHIME年代を再検討して、地質学的推定年代や同位体年代との矛盾を解明した.矛盾の原因は肥後変成岩と東清花商岩では同位体年代、氷上花商岩と京畿地塊では地質学的解釈、領家帯ミグマタイトと中国南東部花商岩ではCHIME年代にあった.
著者
筧 一彦 広瀬 友紀 渡邊 眞澄 近藤 公久
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010 (Released:2010-08-23)

人間の文理解過程において先行する文脈情報による予測が、後続する文の理解過程に与える影響及び文中の動詞特性の影響について検討した。実験の手法として、眼球運動測定装置によるVWP(VisualWorldParadigm)法や文完成課題などを用いた。刺激文として統語的構造に多義性を持つ文、語省略のある文、意味不整合語を含む文を使用した。その結果、先行情報の内容と後続の文処理との関係が種々明らかとなった。
著者
佐藤 誠 峯 陽一 文 京洙 シャーニー ジョルジオ カルロス マリア・レイナルース 中村 尚司 鄭 雅英 佐藤 千鶴子 安藤 次男 小島 祥美 大倉 三和 スコーマン マキシ ソロモン フセイン コーネリッセン スカーレット バレスカス マリア・ロザリオ ベイリー エイドリアン アティエンサ マリア・エラ ハートウェル レオン デヤヘール ニコラ 大西 裕子 坂田 有弥
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

国際人口移動を単なる労働移民の問題にとどまらない複合現象として理解する視点にたち、日本とアジア、南アフリカと南部アフリカという二地域における国際人口移動の実態把握と比較分析を通じて、流出地域と流入地域において人間の安全が保障されるための課題は何であるのかを、人間安全保障の批判的摂取をふまえつつ解明した。具体的には、社会セクターにおける人口移動に焦点をあて、国際人口移動研究への理論的貢献を行った。
著者
梅澤 実 土井 進 浦野 弘 濁川 明男 中山 玄三 姫野 完治 谷塚 光典
出版者
鳴門教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003 (Released:2003-04-01)

教育実習における実践的能力を評価する評価基準を明らかにすることをねらいとし、教育実習での実習生の学びから、評価基準を探った。その結果以下のことが明らかになった。(1)授業設計段階での意思決定:初期は、興味・関心」が意思決定に大きく関わるが,授業の回数を重ねるに従い,その観点は次第に薄れ,理解度の項へと関心が高まる。(2)授業実践過程における意思決定:「子僕の反応」による意思決定要因は,「予想外の応答」と「子供の行動」に分けられる。「意思決定の実際」では、授業展開における「リスキー」か否かの判断は,授業が予定通り成立するかどうかである。しかし,実習が進むにつれ,子供達が「理解」するために,どのような意思決定をすればよいかという意識が芽生える。(3)授業を見る観点の変容:初期段階は、「子ども主体」の実現を探ろうとする意識で、大学における講義等で得た知識を授業者の具体的教授行為に同定する。授業を1〜2回経験した段階で、「説明」「発問」という教授行動を児童の側から捉える。授業を3〜4回経験した段階から、「特定児童」に目が向けられる。最後の段階では、「教材」についての見方、「子どもの学習にとって、どんな意味があったか」といった、「子どもの学習」と「教材」との関係を視野に入れた批判的視点が獲得される。
著者
光末 紀子 宗像 惠 曽根 ひろみ 須藤 健一 山崎 康仕 三浦 伸夫
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000 (Released:2000-04-01)

平成12年度には、各研究領域に内在するジェンダー問題の摘出と分析が行われ、平成13年度には、研究会の開催と討議によってジェンダーに関する本格的な共同研究が進められた。平成14年度はこれをさらに推し進め、「現代社会における文化的性差を支える価値観と諸規範を根底から問い直す」という共通テーマに対する各人の研究成果を持ち寄って数回の研究会で意見交換を行い、共同討議を通じて研究の成果を統合することがめざされた。この研究計画にもとづき、3年間に合計9回の研究集会が開かれた。それぞれの報告者とテーマは以下のとおりである。第1回 曽根ひろみ「公娼制と梅毒」、桜井徹「『女としての自然』の収奪」。第2回 ブライディ・アンドリュース(ハーバード大学科学史・科学哲学科助教授)「アメリカにおけるジェンダー研究」。第3回 藤目ゆき(大阪外国語大学助教授)「公娼制度と日本軍慰安婦制度」。第4回 ロバート・フローデマン(コロラド鉱業大学教授)"Corrosive Effects : Environmental Ethics, Eco-feminism, and the Metaphysics of Acid-mine Drainage"。第5回 カリーム・ベナマル"Theory of Abundance and Scarcity"、土佐桂子「ミャンマーにおけるトランスヴェスタイト-男装者(ヤウチャシャー)のジェンダー論」。第6回 金野美奈子「性別職務分離研究再考-ジェンダー分析の方法論的リスク」。第7回 三浦伸夫「『レディーズ・ダイアリー』にみる18世紀英国の女性と数学」。第8回 光末紀子「B.パッペンハイムの思想と行動-ドイツにおける第一波フェミニズムの一動向」。第9回 曽根ひろみ「日本近世の法制とジェンダー」。いずれの研究集会においても、濃密な内容の報告をめぐって活発な討論が交わされ、本科研の共通テーマに関する研究分担者間の共通認識はいっそう深められた。その結果、新たな性差規範に基づく個々人のジェンダー・アイデンティティの確立と、あるべき「両性の共同性」への展望とを獲得するための基礎が築かれたと言えよう。さらに、各々の研究分担者における研究の進展の一部を紹介すれば、以下のごとくである。(1)光末は、19世紀末から20世紀初頭にわたるフェミニズム第一波の時代に、多くのフェミニストたちがジェンダーをめぐる様々な論争に参加したが、それらの論争を「母性」というキーワードのもとに検証した。(2)曽根は売買春についての歴史学、民俗学、社会学の研究史を批判的に検討し、それを一冊の単著にまとめた。(3)阪野は、ブレア政権の家族政策が、就労促進型給付の拡大や選別主義の強化といった点で保守党政権との連続性が強いことを明らかにした。(4)宗像は、フロイトのセクシュアリティ論を再検討し、男根中心主義とされるフロイト理論に伏在する、女性的セクシュアリティの始原性の契機を探求した。(5)土佐は、90年代のミャンマーの主要な雑誌に見られるジェンダー関係の記事を収集調査した。(6)上野はフランクフルト学派にみられる家父長制批判の論理とその逼塞を検討し、塚原はハーディングとハラウェイの観点観測論および強い客観性の概念を吟味した。
著者
清水 周次 田中 雅夫 中島 直樹 岡村 耕二
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

従来の遠隔医療システムにおける「画質の劣化」と「高価な機器の必要性」という問題点を解決した新しいシステムを開発し、研究教育用インターネットを活用して、アジアを中心とした医療施設へ高解像度の動画像を用いた遠隔医療教育の活動を展開した。各施設の技術的・医療的背景を調査後、外科手術や内視鏡を初め多くの分野においてライブデモンストレーションや遠隔会議を行った。またハイビジョンなどさらに新しい技術への取り組みも行っている。
著者
照井 哲 原野 悟 武田 文 三宅 健夫 横山 英世
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995 (Released:1995-04-01)

研究目的 現在わが国では、急激な高齢化社会を迎え疾病構造からみても生活習慣に係わる病気が死因の大部分を占めている。厚生省の打ち出した生活習慣病の予防対策の一環として、簡易医療機器による自己検診を普及させることで、健康に対する意識を向上させ、さらに行動変容に結びつくよう本研究を行った。研究対象 企業や保健所の健康教室受診対象者に対し血圧計、血糖計、歩数計、体温計など簡易医療機器を貸与し自己測定を行わせ結果を解析した。また老人保健法並びに学校保健法の健康診断の結果を費用便益法で解析して、自己健康診断との比較を行った。結果及び考察 平成7年度に行った自己検診(血圧・検尿・体温・歩数)や平成8年度に行った自己血糖測定の結果を集計し、性別・年齢階級別に解析を行った。この結果健康に意識を持つ集団においては頻回に自己測定を行っており、特に不安の多い60歳以上の対象者が関心が強い。さらに質問票の集計から成人病健康診断結果並びにその後の事後措置結果を踏まえて、自己健康診断による健康に関する意識の変容が行動変容に結び付きいていることが示された。さらに糖尿病患者における自己血糖測定においては、血糖の改善のみならず脂質や肝機能、尿酸などの最終的に生体情報値の改善に結び付いていることが示され、個々人の生活全般に自己検診が良い結果を呈したことが明らかになった。また、学校保健法及び老人保健法の健康診断の費用と自己健康診断の費用との比較検討を行い、自己健康診断の費用便益が示された。結語 わが国の疾病構造において中心をなす成人病は、日々の生活習慣に由来するところが大きい。自分の健康は自分で作るという習慣の形成がこれら疾病の一次予防上最も重要であり、この自己検診による行動変容は成人病対策上極めて有用と考えられ今後の普及が望まれる。
著者
西谷 望 小川 忠彦 菊池 崇 塩川 和夫 大塚 雄一 小川 忠彦 菊池 崇 塩川 和夫 大塚 雄一
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

本研究では、2006年11月に稼働を開始した北海道-陸別HFレーダーを主に活用し、北海道北方からオホーツク海、極東シベリア領域にわたる電場擾乱等の電離圏プラズマ関連現象と伝搬性電離圏擾乱等の超高層大気関連現象の間の相互作用の解明に焦点を置いて研究を進め、サブオーロラ帯電場擾乱の発生条件や伝搬性電離圏擾乱による電離圏プラズマ構造運動のメカニズム、および巨大地震後に超高層大気変動により引き起こされる電離圏プラズマ変動の特性等を明らかにした。
著者
平山 次清 高山 武彦 平川 嘉昭 庄司 るり 上野 道雄 塚田 吉昭 岩下 英嗣 土井 康明
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

海上が荒れた場合はバラストタンクと主翼および尾翼を制御することによって浅く潜航し波浪影響を避けるという新コンセプト船を提案し、その実現可能性について主として流体力学・運動制御工学の観点から実験・数値計算を実施して検討した結果、船長の半分程度まで潜水すれば波浪影響は数%以下に抑制可能であることやウェザールーチングの観点からは10%程度の燃費低減が可能といった結果を得た。
著者
野田 研一 山里 勝己 木下 卓 高田 賢一 中村 邦生 窪田 憲子 笹田 直人 中川 僚子 久守 和子
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

英米文学および英米文化の研究を通じて、英米圏における〈日本幻想〉の胚胎・生成とインパクトの諸相を総合的かつ具体的に検証することをめざした。(ただし、課題の性格上、日本文学に関する研究も含まれる。)理論的には表象論を基底に据え、コロニアリズム/ポストコロニアリズムにおける「接触界域」(contact zone)論を踏まえつつ、日本表象に内在する複雑なダイナミズムを明らかにした。具体的には、言説としての〈日本幻想〉生成のプロセスを複数のテーマ設定によって分析した。これらのテーマは、連続的な生成プロセスであり、明瞭な区分を与えることは困難であるが、このプロセス全体を通じて、所定の個別化された〈日本幻想〉が産出・消費されてきたものと考える。
著者
大政 正武 鈴木 和夫 福田 正樹 柴田 久夫
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996 (Released:1996-04-01)

1. ヌメリイグチ、ハナイグチ、アミハナイグチの3種のイグチ類の菌根性きのこの培養菌糸体からプロトプラストの調製方法を開発した。2. ヌメリイグチ、ハナイグチ、アミハナイグチのプロトプラストの培養方法を開発した.この際通常プロトプラストの培養に使われる寒天が良くないことを明らかにし、その代わりにゲランガムが良いことを示した。3. ヌメリイグチ、ハナイグチ、アミハナイグチの培養に対する培地成分、培養温度など各種条件の影響を合成培地を用いて明らかにした。4. ハナイグチを中心にイグチ類の遺伝資源を26株収集した。5. ハナイグチの11系統のミトコンドリアDNAのRFLP分析によりこれらが3つのグループに分けられることを明らかにした。これはミトコンドリアDNAの大きさの違いによる分類とも一致した。6. ヌメリイグチのプロトプラスト再生株に形態変異や酸化酵素活性の変異が表われ、これらの間に関連性があることを明らかにした。7. ヌメリイグチの細胞学的な性質を明らかにした。8. 以上の知見から、プロトプラストや交配を用いることによりヌメリイグチの育種が可能なことが明らかになった。9. アカマツの無菌的に育成した実生に、ヌメリイグチ、ハナイグチの菌根を合成することに成功した。10. イグチ類のキアミアシイグチから、新しいマクロライドフェノール性物質を抽出し構造決定した.又、菌根菌のケロウジからはこれまでにない新しいタイプの抗細菌性物質を抽出し、構造を決定した。
著者
宗原 弘幸 古屋 康則 早川 洋一 後藤 晃 後藤 晃
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

交尾は、肺呼吸、四足歩行と並んで、ヒトを含む脊椎動物が陸圏に進出する際の前適応である。交尾の進化過程を再現するため、近縁種に交尾種と非交尾種を含んだカジカ上科魚類をモデルとして、雄間の競争、特に精子競争の影響に焦点を当てて、実験的に調査した。行動形質の評価指標として繁殖成功度に注目した。その結果、射出精子量、交尾の順番が、繁殖成功度に影響し、先にたくさんの精子を雌に渡すという行為が交尾の進化動因であることが示唆された
著者
朝岡 幸彦 南里 悦史 降旗 信一 小川 潔 能條 歩 石崎 一記 福井 智紀
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本プロジェクトに関連してすでに活動を開始している「自然体験学習実践研究会」に自然保護教育や自然体験キャンプなどで取り組まれてきた手法を積極的に位置づけ、その評価を通して自然体験学習に関わる指導者養成のあり方を体系的に提起することを目標とした。指導者養成のためのカリキュラム作成及び実践モデルの実施をめざした総合的研究であり、自然体験学習実践研究会を中心に自然体験学習の指導者養成システムに関する幅広い論点の提起と整理がなされた。
著者
山本 道雄 森 匡史 嘉指 信雄 松田 毅 喜多 伸一 鈴木 泉 山本 道雄
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002 (Released:2002-04-01)

本研究では認識における超越論的立場と自然主義的立場との対立を、概念史的・問題史的方怯によって研究した。とりあげた哲学者は主として、スピノザ、カント、フッサール、ジェイムズ、ドゥルーズである。スピノザについては、自然主義的と解釈される彼の哲学における超越論的契機が、「原因」概念を中心に考察されている。カントについてはその超越論哲学の可能性が予定調和説という形而上学原理に依っていて、この形而上学的原理を避けるには自然主義的還元か、あるいは演繹論の意味論的転回をとる他ないことが論じられている。フッサールについては、最近の志向性概念の自然主義化の試みに対して、その「還元主義の誤謬」がD.W.スミスの議論を手がかりに批判的に論究され、志向性を自然主義的還元から守るために、それが因果的依存性と区別されるという主張に着目されている。ジェイムズに関しては、「非超越論的現象学」としてのジェイムズ根本的経験論とフッサール現象学との類似性および差異性を明らかにすることによって、「非超越論的」哲学の一つの可能性が、最近の研究成果をふまえながら探求されている。ドゥルーズについては現代フランス哲学における超越論的原理の考察という目的の下に、ドゥルーズにおける超越論的経験論の解明が試みられている。さらにこれらの研究に加え、実験科学である心理学の分野から、人間の記憶の再生と再認を比較に関する研究成果が寄与されている。この比較のために新しい方法が考案され、この方法によって、再認成績の方が再生成績よりもすぐれているという結果が判明した。この結果から、検索空間が同一であっても,検索の手がかりの差さえあれば,再認の方が再生よりも好成績となること知見が獲得された。
著者
若林 俊彦 吉田 純
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

本研究のテーマである脳腫瘍に対する樹状細胞療法は、平成18年度で基礎研究、前臨床研究が終了し、平成19年度はトランスレーショナルリサーチとして臨床研究へと移行出来た。すなわち、脳腫瘍(グリオーマ)の特異的分子標的としてIL13受容体alpha2鎖由来ペプチドをGMPグレードで製造することが可能なため、樹状細胞療法の工程がすべて閉鎖回路系にて準備可能となり、厳重なクリーンルームでの管理下においての臨床応用への道が開けた。さらに、人工合成ペプチドであるために、その標的が明確であり、目標としての脳腫瘍へのT細胞の特異的攻撃性を高める可能性も示唆されている。この閉鎖回路系にて作製された樹状細胞は、臨床応用に際しての滅菌管理方法・保存方法・保存期間・パイロジェンテスト・含有提示抗原の定性・定量等も比較的簡便であり、臨床応用への可能性は極めて高いと言える。今回の、IL13受容体alpha2鎖由来ペプチドによる抗原提示効果が樹状細胞による免疫機能の増強に結びつけば、悪性脳腫瘍、特に難治性のグリオーマに対する特異的分子標的細胞療法の免疫誘導の有効性が示唆され、治療面での貢献度は極めて大きく、既存の治療方法に細胞療法分野が一翼を担い、治療選択に幅ができる事は必至である。本研究期間中に、IL13受容体alpha2鎖由来ペプチドを用いて、国際標準化機構ISO9001:2000及びISO13485:2003の管理体制下にある細胞調製施設を使用して、臨床使用用の樹状細胞を作製した。この細胞を用いて、合計4症例に対して実際の樹状細胞療法が実施され、合計16回に及ぶ樹状細胞投与が施行された。その結果、本治療法の安全性が確認され、また画像診断上の有効性や組織診断による有効性が一部の症例に確認でき、今後の治療法の展開に重要な情報が獲得され、臨床応用への大きな福音となった。他の分野から研究面で遅れていた脳腫瘍の樹状細胞療法が、殺細胞効果と静細胞効果を併せ持つ新たな治療法として今後更なる展開が期待される。
著者
高橋 昭久
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

温熱処理においてγH2AXに比べてATMのフォーカスの減衰が速いこと、DNA-PKcs、Chk2のフォーカスは遅れて認められることを明らかにした。また、NHEJ修復欠損株に比べてHR修復欠損株は温熱感受性になることを明らかにした。温熱耐性にPolβが関与していることを明らかにした。さらに、温熱耐性獲得時にγH2AXおよびその他のDSB認識リン酸化タンパク質のフォーカス形成率が減ることを明らかにした。
著者
深瀬 浩一 藤本 ゆかり
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003 (Released:2003-04-01)

糖鎖の機能を明確な物質的、構造的基礎に立って明らかにすることを目指し、固相法と固相-液相ハイブリッド法による糖鎖の迅速かつ効率的な合成法について検討した。4-アジド-3-クロロベンジル(ClAzb)基を持つ糖鎖を固相合成した後、アジド基と固相担持ホスフィン樹脂の反応により、ClAzb基を持つ目的化合物のみを釣り上げ、続いてDDQ酸化によって目的物を切り出す手法を用いてエリシター5糖の合成を行った。アスパラギン結合型糖タンパク質糖鎖の固相合成に向けた基礎的な検討を行い、(Bu_3Sn)_2を用いたラジカル反応によりトリクロロエトキシカルボニル(Troc)基を固相上で効率的に切断する方法を開発した。また固相上でN-Troc基の隣接基関与を利用した立体選択的グルコサミニル化を行うことに成功した。4,6-O-ベンジリデン保護マンノシルN-フェニルトリフルオロアセトイミデートを糖供与体として、TMSOTfを触媒として用いるβ-選択的マンノシル化法を見出した(α:β=1:9)。またN-フタロイル保護シアル酸のフェニルトリフルオロアセトイミデートを供与体に用いるα-選択的なシアリル化法も見出した。われわれは、タグとタグ認識分子の特異的なアフィニティーを利用してタグの結合した化合物を分離する手法を開発し、Synthesis based on affnity separation(SAS)と名付けた。本研究ではポダンド型エーテルをタグに用い、タグの結合した目的糖鎖を固相担持アンモニウムイオンに選択的に吸着させる方法を確立した。この手法を用いてルイスX糖鎖を含む10数種のオリゴ糖ライブラリーの合成を行った。免疫増強活性複合糖質リポ多糖ならびにペプチドグリカンについて、様々な部分構造や類縁体の合成を行い、それらの生物活性試験により、機能の解析ならびに生体の蛋白因子の相互作用について調べた。