著者
西村 瑠佳 井ノ上 逸朗
出版者
特定非営利活動法人 日本バイオインフォマティクス学会
雑誌
JSBi Bioinformatics Review (ISSN:24357022)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.68-80, 2023 (Released:2023-11-01)
参考文献数
112

ウイルスはヒトの体内をはじめとする地球上の様々な場所に存在し、バイロームを構成する。このバイロームを解析するのにはメタゲノムデータまたはメタトランスクリプトームデータを用い、バイオインフォマティクス技術を駆使したウイルスゲノムの網羅的探索が必要となる。ウイルスゲノムの探索には既知のウイルスゲノム配列を基にした相同性検索に加え、近年では様々な手法が用いられるようになった。さらに、こうして探索された多数のウイルスゲノムを基に、バイロームを構成するウイルス組成や宿主との関連性が調べられている。本稿ではウイルスの探索とバイローム解析に使われるバイオインフォマティクス解析手法を紹介し、バイローム研究結果の概要や問題点などを概説する。
著者
中澤 毅 大畑 尚子 石塚 貴紀 高田 萌々 小松 泰生 直海 玲 石川 裕子 諸井 明仁 大橋 容子 高橋 慶行 橋口 幹夫 青柳 藍 源川 隆一
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.96-100, 2020 (Released:2020-05-13)
参考文献数
12

目的:2018年に沖縄県を訪れた外国人観光客は290万人と過去最高を更新している.これに伴い当院救急室を受診する外国人旅行者妊婦も増加している.今回当院を受診した外国人旅行者妊婦症例の実際に対応した際の特徴や問題点・今後の課題について検討した. 対象および方法:2014年1月1日から2018年12月31日の5年間に当院救急室を受診した外国人旅行者妊婦の診療録を後方視的に検討した. 結果:当該期間に受診した外国人旅行者妊婦は37例だった.多くは軽症だが,入院・分娩の症例も存在し入院費は母児を含めて300万円前後であった.また異なる言語・文化・保険システムが現場対応となる事も多く診療・治療に支障となる事例が確認された. 考察:外国人旅行者妊婦症例は増加しており緊急の対応が必要となる場合もある.限られた医療資源の中で対応の難しい症例もあり,今後の環境整備が重要だと考えられた.
著者
髙谷 幸
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.531-548, 2018 (Released:2019-03-31)
参考文献数
50
被引用文献数
3 3

本稿では, 1980年代以降の日本における在留資格のない移住者をめぐるカテゴリーの変遷を跡づけることによって, 「不法滞在者」カテゴリーが支配的なカテゴリーとして定着する過程およびその帰結を明らかにする.新しい移住者の来日が増加した1980年代, 彼・彼女らは, 在留資格の有無ではなくジェンダーや職業の区別にもとづき「ジャパゆきさん」や「外国人労働者」と呼ばれた. しかし, 1990年の入管法改定によって, 外国人労働者のなかに合法/不法という区分が持ち込まれた. くわえて「不法滞在者」という区分が警察によって生み出され, 「不法」と名指された者は「犯罪者」としての意味を帯びるようになった. その後, この「犯罪者」としての「不法滞在者」というカテゴリーは, 対抗的カテゴリーとのせめぎ合いをともないつつもさまざまな領域に浸透し, 正統化され, 自明性を帯びるようになった. こうして今や, このカテゴリーの自明性は, 「不法滞在者」排除の実践を支える一方で, その排除が当該カテゴリーの自明性をより強化するという形で相互規定している.同時に, こうした「不法滞在者」カテゴリーの普及は, 「外国人労働者の増加による治安悪化」という根拠なき不安を増幅させ, それが結果として移民政策の確立を困難にさせるという帰結をもたらしてきた.
著者
山田 紀彦
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
アジア経済 (ISSN:00022942)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.2-30, 2023-09-15 (Released:2023-09-29)
参考文献数
128

特定の人物の選出が目的にもかかわらず,多くの独裁者は競争的選挙を実施する。しかし選挙は不確実であり,目的達成には操作が必要となる。とはいえ過度な操作は選挙だけでなく体制の正当性を低下させる。つまり独裁者は,操作による目的達成と正当性維持のあいだでジレンマに直面する。本稿はラオスの村長選挙を事例に,ラオス人民革命党が選挙を巧妙に操作することで目的を達成する一方,候補者選出過程に有権者の声を反映させるなど「民主的」選挙の外形を頑なに守り,ジレンマ解消に努めていることを明らかにする。選挙は茶番かもしれないが,党にとっては「民主主義」を演出する重要な舞台であり,体制が「民主主義」の価値を国民と共有しているとの認識を創り出す場となっている。本稿からは,「民主主義」へのコミットメントを示すことが,選挙ジレンマの解消だけでなく,独裁体制の正当化にとっても重要であることが示唆される。
著者
望月 桂
雑誌
第21回日本救急看護学会学術集会
巻号頁・発行日
2019-09-03

【はじめに】救急外来を受診する小児患者の最も多い症候は発熱であり、稀に致死的な疾患が隠れている。発熱に伴う潜在的リスクが後々小児患者を重篤化させることもある。トリアージ看護師がこれらを的確に評価し、早期の医療介入に繋げることにより小児患者の生命予後や機能予後の改善を図ることができると考える。【目的】発熱を呈し来院した乳児患者に対する院内トリアージについて検討する。【対象および方法】発熱を呈し来院した生後5ヶ月の男児(以下、児)に対する院内トリアージの結果から、意図的な問診やフィジカルアセスメントについて、文献的考察を加えて検討する。【倫理的配慮】個人情報の保護に充分配慮し、データ管理はロック付USBを使用した。【結果】児を観察した結果、発熱による不感蒸泄量の上昇に伴う脱水の潜在性を認めた。さらに乳幼児の発熱における一般的な疾患と致死的な疾患を考慮し、問診やフィジカルアセスメントを行い、致死的な疾患を積極的に疑うような所見は認めなかった。児は、何らかの一般的な感染性疾患、もしくは前日に受けていた予防接種後の副反応を呈している可能性が考えられた。以上のアセスメントから、児の緊急度をJTAS 3と判断した。【考察】McCarthyらが開発した急性疾患観察尺度(最良6点、最悪30点)は発熱児における重篤な疾患を特定する際に信頼性が高く、有効とされる。尺度のスコアが10点以上の発熱児に対して、菌血症を予測するための感度は87.9%、特異度は83.8%、陽性尤度比は5.4であったと報告される。児に当てはめるとスコアは最良の6点となり、第一印象から高い確率で菌血症を除外することができる。一見、明らかな重症感のない発熱児も、急性疾患観察尺度の中等度障害項目を2つ以上有することにより菌血症の可能性が高まり、緊急度を上げた早期の対応が必要である。 小児は相対的に不感蒸泄量が多く、体温が1℃上がるごとに10~15%増えるとされる。Steinerらは小児における5%超の脱水を予測する徴候として、「CRT遷延」は感度65%、特異度85%、陽性尤度比4.1、「ツルゴール低下」は58%、76%、2.5、「呼吸異常」は43%、79%、2.0であり、脱水を鑑別する所見として有用であったと報告している。児には、これらの徴候は認められず脱水の顕在化は否定的であった。脱水の3 徴候を統合した評価と共に、体液喪失についての病歴聴取が適切な緊急度判定に有用であると考える。同じ症候であっても予測される疾患や病態に応じて緊急度は変化するため、トリアージ看護師は、患者の健康問題について大まかな仮説を立てる。しかし小児が示す症候は特定の疾患との結びつきが弱く、乳児においては疾患に特徴的な症候が見られないこともある。Vanらは、臨床的には軽症に見える小児患者に対して、医師が深刻な疾患を診断するにあたり、「何かよくない」という第六感が感度61.9%、特異度97.2%の確率で有用であり、両親の「いつもと何かが違う」という発言がその第六感に寄与していたと報告している。保護者が感じる小児患者の違和感は、緊急性の高い疾患の想起に繋がる重要な情報であると考える。 Crocettiらの報告によると、保護者の56%は発熱が子どもに与える潜在的リスクについて心配し、94%は発熱が何らかの有害な影響を引き起こす可能性があると考えていた。トリアージ看護師は、保護者との関係構築に努め、待機時や帰宅後の注意点や対応を指導することにより、長期的視点に立った健全育成への支援に繋げることができるのではないか考える。

35 0 0 0 OA 雅俗山荘漫筆

著者
小林一三 [著]
出版者
小林一三
巻号頁・発行日
vol.第3, 1933
著者
長澤 実佳
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.662-668, 2019-11-15 (Released:2019-12-17)
参考文献数
15
被引用文献数
1

微小血管手術を予定された54歳の女性イスラム教徒患者の周術期管理を経験した.イスラム教の宗教上の理由から,麻酔管理では生物由来製品(ブタ),アルコールは使用できないなど使用薬剤に制限があり,患者に確認を行う必要があった.イスラム教徒の周術期管理には,麻酔管理以外にも通訳の問題,ハラール食の提供,未婚の女性では男性医師の診察に制限がある,生活習慣の違いを理解する,などの配慮が必要となることがある.当院で経験した症例から学んだ,イスラム教の概要と,使用に制限のある生物由来製品を提示し,イスラム教徒患者の周術期管理における注意点を考察する.
著者
足立 達
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.77-82, 1987-01-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
9
著者
石幡 浩志 庄司 茂 島内 英俊
出版者
東北大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

本研究の目的は齲蝕等の病変および補綴学的要求により、歯科学的術式によって歯の歯髄が除去された状態、すなわち失活歯の内部に生ずる歯髄腔内に、微小な無線通信媒体を設置し、これに内蔵したセンサーによって生体内情報を計測する基本的手法を確立することである。今年度は動物(犬)を用い、実際に歯内に無線通信媒体(RFID)を埋設し、埋設した装置と実際の通信が可能であるかどうかを検証した上、その耐久性と生体に対する安全性を評価し、さらにこれらの手法を実際の生体計測に利用するための具体例を提示した。まず、生体内に設置した無線ICタグ通信媒体との通信を想定し、制御を実施するために用いる電波として、硬組織および軟組織を同時に透過しうる短波領域を用いた。この帯域をカバーするRFIDチップ(ISO/IEC15693 chip 13.56MHz : SRF55V10S, Infineon Technologies)をもとに無線ICタグを顕微鏡下にて製作した。ビーグル犬の右側犬歯を抜髄、根管充填を実施したのち、試作ICタグを根管内に埋設した。リーダー(FPRH100, 500mW, Feig, Weilburg, Germany)と試作ICタグとの通信距離は口腔内への設置前で30mm、設置後はおよそ25mmであり、短波領域では、軟組織、硬組織を通じて生体が著明なバリアーとはならなかったことが示された。一方で、埋設された通信媒体は一両日後には機能を停止した。口腔内にRFID等の無線通信媒体を設置する手法は確立したと思われるが、これを長期にわたって運用するには埋設する無線通信媒体に高度の耐久性を備える必要があると思われる。口腔内に設置した無線通信媒体を用いた生体計測として、温度、pH、圧力等を利用することが挙げられる。本研究では、歯周外科治療の歯周組織の治癒および組織再生を促すための術後におけるリハビリテーションを効果的に行うために、これら無線ICタグを生体内に設置する方法が有意義であると考え、実際に生体にレーザー照射による物理的刺激を加えた際の生体反応をシミュレーションし、生体内に設置した計測システムの利用法を模索した。その結果、生体に可視短波長領域(緑色)レーザー照射実施すると、抗アポトーシス効果が生ずることが明らかとなった。すなわち、歯周治療における組織の細胞死を抑止する手法としてのレーザー照射が有用であり、その際、歯周組織生体に対するレーザー光の照射量を正確に計測する方法およびその後の組織反応を経時的に把握するため、無線通信媒体を歯周組織内に設置する手法が有用であると思われた。
著者
宮田 靖志
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.124-132, 2014 (Released:2014-06-27)
参考文献数
31
被引用文献数
2 2

臨床実践の現場には不確実性・複雑性が溢れており, 特にプライマリ・ケア医は診療の現場で日常的にこれらに遭遇する. 不確実性・複雑性への対処はプライマリ・ケア医に求められる特徴的な能力のひとつであり, プロフェッショナリズムの要素のひとつにも挙げられる. 不確実性・複雑性への対処は貴重な学習機会であり, 自己の成長につながる. クネビン・フレームワーク, 意思決定を共有する患者との良好なコミュニケーションにより, 不確実性・複雑性に対応するのが有用である.
著者
新藤 哲也 牛山 博文 観 公子 安田 和男
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.29-35_1, 1999-02-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
19
被引用文献数
3 3

市販及び野生キノコ合計54種85検体のシアン含有量を調査した結果, 18種44検体からシアンが検出された. 市販キノコではニオウシメジが最も多く86~283μg/g (n=11) のシアンが検出された. 次いでマイタケで1.8~46μg/g (n=6) 及びシロアワビタケで1.1~26μg/g (n=7) と高い値であった. 採取した野生のキノコでは1.0μg/g以上のシアンを検出したものはみられなかった. また, キノコ中のシアンは遊離型で存在していると推察した. ニオウシメジを網焼きした場合, やや焼きすぎの6分間加熱でも加熱前の65%のシアンが残存した. また, 水煮した場合でも, キノコ中に27%が残存し, 煮汁に19%が溶出した.
著者
高橋 康貴 下平 陽介 吉田 樹 田近 宗彦 髙橋 壮 渡邊 健太 福田 翔 小泉 重仁 松橋 保 飯島 克則
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.120, no.4, pp.325-329, 2023-04-10 (Released:2023-04-10)
参考文献数
15

64歳女性.SARS-CoV-2 mRNAワクチン(3回目)の接種翌日から排便回数増加,血便,腹痛,発熱を認めた.下部消化管内視鏡検査にて全大腸に深掘れ潰瘍を認め,潰瘍性大腸炎と類似する炎症性腸疾患としてステロイド,インフリキシマブを導入し軽快した.mRNAワクチン接種を契機に発症した潰瘍性大腸炎に類似する炎症性腸疾患を経験した.
著者
山本 淳一
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.128-143, 2021-03-25 (Released:2022-03-25)
参考文献数
73
被引用文献数
1

応用行動分析学は、行動の科学であり、徹底的行動主義は、応用行動分析学の哲学である。応用行動分析学は、社会的に重要な行動とその制御変数の関係に焦点を当て、徹底的行動主義に徹底している。徹底的行動主義は普遍性をもつ概念の体系であり、その特徴は包括性にある。応用行動分析学は、徹底的行動主義の包括性からの必然的な帰結として、関連領域の多様なヒューマンサービスの科学と実践の成果を、その体系に統合しながら、新たなヒューマンサービス領域を打ち立てている。同時に、応用行動分析学の研究者、実践者であるならば、徹底的行動主義の哲学を、日々のヒューマンサービスに関する行動に徹底的に活用しているはずである。本論文は、これまで個別的に討議されてきた応用行動分析学内での重要な論点、関連領域との接点を明示し、徹底的行動主義の観点から、それらを応用行動分析学の体系に統合し、さらなる包括的な体系を日常のヒューマンサービスの実践と研究に活用するための方法を提供することを目的とする。
著者
岡本 仁宏
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.1_11-1_48, 2011 (Released:2016-02-24)

The word “国民”, ‘kokumin’, is used too much without a close examination and this word should be abandoned in many contexts, even not all.   The use of “国民” is almost pervasive in Japanese political and legal discourses. “国” means the state or the country, and “民” means the people. Usually “国民” can be translated to “the people” or “the nation”.   Historically “国民主権”, national sovereignty, was used for substitute of the popular sovereignty to make obscure which has sovereign, the Emperor or the people. In the Constitution of Japan, “We, the Japanese people,” is translated to “日本国民”, which can mean Japanese nationals or Japanese nation. It is not easy to change the constitution, however, the ambiguous “国民” should not be used as much as possible or at least should be interpreted as the people “人民” and as including all the people who live long enough under Japanese sovereignty.   As EU conceptualized EU citizenship, many countries have been forced to redefine each concept of nationality and citizenship. Japan has a large number of non-citizens residents, which include Koreans who lost Japanese nationality in 1952. Recently voting rights of those people in local elections has become one of the big political issues. We argue that separation of citizenship and nationality is necessary for not only living with those people but also constructing multi-layer political units with each level of citizenship. “国民”, the national people, as the subject of the sovereign should be transformed to “人民”, the people, constituted with “市民”, citizens, of course, who do not mean exclusively the national citizens.   国民, and maybe “nation” also, is the concept of the modern, the historical stage dominated by sovereign nation-states. We should scrutinize necessity of these words carefully for the emerging next stage.
著者
廣田 龍平
出版者
一般社団法人 日本民俗学会
雑誌
日本民俗学 (ISSN:04288653)
巻号頁・発行日
vol.308, pp.39-55, 2021-11-30 (Released:2023-08-02)
参考文献数
76

This article examines the ontological function of a body technique called matanozoki, which is found sporadically in the Japanese archipelago in modern times. Matanozoki is a posture of bending oneʼs body and looking backward from between the legs, corresponding to what is labeled in the Motif-Index of Folk-Literature as D1821.3.3.: “magic sight by looking under oneʼs legs.” This article also takes another magical posture called sodenozoki (D1821.3.1., “magic sight by looking under arm”) as having the same ontological function since there is structural isomorphism with matanozoki. Through matanozoki or sodenozoki, one can discover that ships or human beings could actually be a host of ghosts of the drowned or mysterious foxes or other yōkai (mysterious nonhuman beings), or that yōkai that trying to hide their actual bodies with magic could be there. Furthermore, there is a modern folk belief that an infant doing matanozoki is a sign of its motherʼs pregnancy, indicating that matanozoki enables infants to see the near future. Quite similar beliefs that demons and future spouses can be glimpsed between the legs can also be found in Europe, Asia, the Americas, and Africa.   Tsunemitsu Toru claims that what one sees by matanozoki is the other world. However, a closer look at the cases collected by Tsunemitsu and others shows that in some cases, matanozoki enables a person to restore his/her normal sight. These cases imply that the person involved had already been transformed into an abnormal being by mischievous yōkai with their mysterious power. Adopting the anthropological theory of perspectivism, this article proposes a hypothesis that many peoples consider matanozoki (D1821.3.3.) as a switch between normal human sight and mysterious nonhuman sight. Assuming that matanozoki reverses the ontological relationship between the world and the human body, this hypothesis can possibly provide a consistent explanation to various cases of matanozoki, including similar cases in other countries.