著者
藤岡 穣 古谷 優子 森實 久美子 鈴木 雅子 三田 覚之 山口 隆介
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

日本の仏教美術に関する研究は、従来、絵画や彫刻といったジャンル別の研究が主流であった。本研究は、それに対して、異なるジャンル間の相互の影響関係、ジャンルによる表現の異同の様相などを明らかにしながら、ジャンルの枠を超えた総合的な研究を目指すものである。こうした研究は、短期間のうちに容易に達成されるものではなく、本研究ではまさにその端緒に着いたばかりであるが、今後も引き続きジャンルごとの研究成果の共有化をはかり、より総合的な研究を目指していきたい。
著者
圓堂 稔 土井 章
出版者
岡山理科大学
雑誌
岡山理科大学紀要 (ISSN:02856646)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.85-91, 1971

"The thermal decomposition of nickel hydroxide was investigated. The decomposition of binary metal hydroxides of the brucite type is usually represented by the equation M (OH)_2=MO+H_2O. The decomposition of nickel hydroxide followed this equation. The effects of the kinetics of reactions, the type solid→solid+gas, on the corresponding differential thermal analysis pattern were explored. The activation energy of nickel hydroxide by differential thermal measurement was 59 Kcal/mole, and the reaction order was 0.9."
著者
井上 哲夫 森 篤史 柳谷 伸一郎 鈴木 良尚
出版者
徳島大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

平成18年度はPbS(赤外線検出素子)、ZnS(発光材料)、CuCl(シンチレーター)、タンパク質をゲル成長させ、磁場の影響について研究した。ゲル成長を行う場合、そのプロセスは大きく二つに分けられる。一つは成長の場となるゲルの作成段階(プロセス1)、もう一つはゲルの中で実際に結晶を育成する段階(プロセス2)である。そこで磁場の印加時期も、プロセス1においてのみ(Case 1)とプロセス2のみ(Case 2)、およびプロセス1と2の全プロセスに亘って印加する場合(Case 3)の3種類を試みた。また磁場下でゲルを作成したとき磁場がゲル構造に及ぼす効果を計算機シミュレーションにより研究した。得られた結果は以下のようである。1.PbS:無磁場下では正8面体であったのが、磁場印加(Case 1)すると、八方に角の生えた形状(骸晶)になった。またCase2の場合には球晶となった。2.ZnS:磁場の有無にかかわらず、球晶が成長した。しかし球晶のサイズは磁場印加(Case 3)により大きくなった。透過電子顕微鏡(TEM)によると、球晶は5nm位のナノ球晶から構成されていることがわかった。これらの球晶の光吸収スペクトルの短波長端はバルク結晶よりも短波長側へシフトしており、サイズ効果が観察された、3.CuCl:無磁場下では正四面体であったのが、磁場印加(Case3)すると、長い針状結晶へと変化した。4.タンパク質(リゾチーム):リゾチームの配行に磁場が影響することがわかった。無磁場下ではランダムに配向するが、磁場下ではc軸が磁場に平行に配行する傾向があった。しかし、この傾向はリゾチームの濃度が高くなるにつれ弱くなった。また磁場効果として核精製頻度や成長速度を抑制することが分かった。5.計算機シミュレーション:磁場が強くなるにつれ、ゲルネットワークは平行方向に長く伸びる(セルの形状が細長くなる)傾向があった。
著者
小林 圭 山田 啓文 桑島 修一郎
出版者
京都大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

本年度は、カンチレバーを用いた周波数検出型バイオセンサーにおいて、その最小検出質量を決定する周波数ノイズを定量的に予測するモデルを考案し、また実際にノイズ評価を行うことで、その妥当性を評価した。従来、カンチレバーの共振周波数を検出する周波数検出型のバイオセンサーでは、その変位を検出する変位検出系のノイズによって周波数ノイズが決定されると考えられてきた。つまり、周波数変調(FM)通信と同様に取り扱われてきたのである。しかしながら、実際にバイオセンサーで用いられるカンチレバーの機械的Q値は非常に低く、しばしば10以下となるため、そうした取り扱いが妥当であるかについては疑問視されてきた。我々は、変位検出系のノイズが自励発振ループ内で発生することを考慮に入れた、カンチレバーの周波数ノイズを定量的に予測するモデルを考案した。これにより、低Q値のカンチレバーの周波数ノイズも正確に予測することができるようになった。また、この妥当性を実際に液中で自励発振させたカンチレバーの周波数ノイズを計測することにより確認した。一方、カンチレバーの変位検出系の低ノイズ化対策をさらに進め、10fm/√Hz以下を達成した。また、このように十分に変位検出系を用いた場合、カンチレバーの変位をセンサー出力とする変位検出型のバイオセンサーにおいて、本研究課題で提案した多重反射方式のカンチレバーセンサーは平行レーザ光を用いれば、感度の向上に大きく寄与できることを示すことができた。
著者
黒野 弘靖 菊地 成朋 伊藤 裕久
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

日本の伝統的な街路や水路沿いの景観である、上越市高田の「雁木通」、柳川市の「掘割水路」、国分寺市の新田村「並木道」を対象とし、その景観を、住まいと公的空間との間で利用と所有の関係が調整された結果もたらされたものと捉え、それが現在まで持続してきた住み手の側の論理を把握した。屋敷地の利用、建物や樹木の配置に、住居と共用空間の相補関係が表れている。
著者
小松 和彦
出版者
大阪大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

今回の調査研究の目的は、高知県香美郡物部村に伝承されている陰陽道の末流「いざなぎ流」の宗教者たちの諸儀礼とくに村野年中行事としての性格をもつ儀礼およびかれらの日常生活を調査するとともに、その様子を映像に記録することであった。「いざなぎ流」の宗教者たちは調査されることを嫌うという傾向が強かったが、その態度が、この数年大きく変わり、積極的に調査を期待するようになってきていた。今回の調査は、これに応える形で計画されたものであった。宗教者たちの協力もあって、当初から予定していた「七夕まつり」と「盆行事」については、その一部始終をビデオに収録することができ、また、宗教者たちの日常生活についても、同様の成果を上げることができた。さらに、「七夕の祭文」など多くの祭文や年中行事についての聞き取り調査も、十分に行うことができ、その様子もビデオに収録した。しかしながら、調査を予定していた村内の高坂山の「峰入り」行事や旧家で行われるとされていた「家祈祷」については、残念ながら、目的を達成することができなかった。いずれも祭りが行われなかったことがその理由であるが、前者について言えば、昭和天皇の病気による自粛として一昨年の祭りが中止となったあと、諸般の事情で祭りの廃絶に至ったからであった。この背景には高度成長以後始まった過疎化がいまや最末期の状況を迎えて、集落の消滅や高年齢化したという事情がある。いざなぎ流の宗教者たちが調査に協力的になったのも、「いざなぎ流」が近いうちに消滅することを感じ取っているからである。「いざなぎ流」の諸儀礼が行われる機会は、ますます減るであろう。その消滅を目前にして、諸儀礼の映像記録の作成は、急務の課題であろう。ここしばらく、引き続き調査・研究を行っていくつもりである。なお、これまでの調査で集積した映像記録は、編集のうえ、来年度の映像民族学の会の年会で、発表する予定である。
著者
藪田 文子 愛宕 知子
出版者
和歌山信愛女子短期大学
雑誌
信愛紀要 (ISSN:03893855)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.34_a-25_a, 1978-02

以上の結果を要約すると次のようになる。1)形式については,ブラウス,ワン・ピース・ドレスの製作比率はほぼ2 : 1であった。学生の衣服に対する必要度のほかに,長時間にわたる面倒な実習を避けて,比較的簡単に完成させようとする,現代の学生気質が一部作用しているとみることもできる。2)材質については,製作時期の影響もあり木綿が圧倒的に多い。機能性において優れ,美しさの面においても欠くべからざる素材であり,化学繊維,混紡よりはるかに多く使用されていることがわかった。3)色の系統では,地色に白,ベージュの使用が多く,配色にアクセント・カラーとして明るい暖色を用いる傾向が指適できる。ROHRER,意識区分ともB段階に黄色を好む者が多くあらわれ,配色ではE段階に紫の使用が若干みられた。全体として,膨張色の暖色,収縮色の寒色を,体格に適応させながら使用していることが推察される。4)柄については,模様の使用が圧倒的に多く,ROHRER,意識区分共に有意差は認められなかったが,模様,縞,無地,格子の順位で使用されていた。模様ではクラシックな小花柄が多く,極めて常識的な選び方をしている。5)衿については,シャーツ・カラーのような,スポーティな形が多く製作されているのが特徴である。ROHRER,意識区分ともB・E段階に台衿付きシャーツ・カラーの製作者が皆無であることに興味深い。6)袖については,半袖が圧倒的に多く,これは製作時期からみて,季節的影響はやむを得ない。袖付けは,いずれの段階ともセットイン・スリーブが多く,次いで意識区分のB段階にギャザーの製作が多い。袖口は基本型に集中して高率を示し,次いで折返しカフスもかなり高く,ROHRER,意識区分ともB段階にパフ・スリーブの製作率が高い。5分袖丈,ドロップ・ショルダー,あるいは太い袖口などは,直線裁断の平面的なシルエットと深いかかわりを示したもので,総合的なバランスを考慮し,デザインされていることが推察される。7)明きの位置,ステッチについては,デザイン的にスポーティでカジュアルな感覚が好まれているため,明きの位置が前面中心で明いたもの,短冊明きになったものが多く,また,ステッチのきかせたデザインが選ばれることも当然であるとうなづける。8)ROHRER,意識区分共に有意差の認められる項目は少なかったが,柄の配色,袖口,デザイン・ポイント,アクセサリーなどの段階間に危険率5%で有意差がみられた。流行の新しい素材,新しい形式などの製作は極めて少なく,大部分の学生は数字にあらわれた通り,基本型からあまり飛躍しない着実な考え方のもとに,各自の体格に対する意識を,デザインに適応させた製作の実態をうかがい得たと思える。
著者
杉浦 隆
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

酸化チタンは、光触媒などの光機能材料として様々に応用されている。以前の研究において焼結体や単結晶の酸化チタン電極にフォトエッチング処理を行うことで結晶配向に依存した特徴的なエッチングパターンが形成されることを見出している。しかしその場合、表面処理の効果は数百マイクロメートルの厚さの電極の表面のみに限られ、薄膜電極をフォトエッチング処理できれば、光触媒などへも応用も可能となると考えられる。そこで本研究では、酸化チタン薄膜を作製する方法としてチタン板を熱酸化する方法を試み、薄膜の評価を行った。さらに作製した酸化チタン薄膜電極にフォトエッチング処理を行い、その表面構造や光誘起親水特性を評価することで酸化チタン薄膜の作製条件が及ぼすこれらの特性への影響についての検討を行った。フォトエッチング処理をした電極の表面SEM像から、薄膜電極の場合においても酸化チタンの結晶配向に依存したエッチングパターンが形成可能であることを見出した。フォトエッチング処理前後の電極の光誘起親水特性評価を行ったところ、ブラックライト照射下でフォトエッチング処理前の試料は2500分間の照射で限界接触角が70°であったのに対し、処理後の試料は120分間の照射で0°と超親水性を示し、短い照射時間で限界接触角が大きく減少したことがわかった。これはフォトエッチング処理により光誘起親水化しやすい酸化チタンの(100)面が選択的に露出したためであると考えられた。
著者
中村 修一 河野 博之 松延 彰友 久保田 浩三 庄野 庸雄 冨永 和宏 牧 憲司 椎葉 俊司 小野 堅太郎 岡部 幸子 森本 泰宏
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州歯科学会雑誌 (ISSN:03686833)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.178-186, 2004
参考文献数
13

The aim of this study was to elucidate the significance and problems of Kyushu Dental College Hospital as a key hospital for neighborhood dental offices. We sent out questionnaires to 322 dentists in neighboring dental offices. Within 2 weeks, we received the questionnaires by mail, and analyzed them. A total of 128 questionnaires were returned (response rate, 40%). Of the respondents, 89% had attended dental-related lectures within the previous year. A total of 95% of respondents had at least one patient a year for whom they could not carry out the care alone. The majority of these patients received care related to oral surgery, and 67% of these patients were transported to Kyushu Dental College Hospital. The major reason for choosing Kyushu Dental College Hospital was that the dentists working there had good skills and also had personal communication with the referring dentists. Systematic improvement and skill preparedness in all departments, and in particular, oral surgery, and establishment of personal communication between our hospital's dentists and dentists in neighborhood dental offices should lead to success for our hospital and for neighborhood dental offices.
著者
子安 潤 久保田 貢
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学教育実践総合センター紀要 (ISSN:13442597)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.9-16, 2000-03-29

1950年代末より積極的に展開された「主権者教育論」は,その初期の頃,「国家の一員」におしとどめようとする教育内容が,「国家の教育権」のもとに強制されようとしていたことに抗し,「国民」を「主権者」と位置付け,次代の主権者を育てようと提起した点で,意義は大きい。しかし,「国民」に限定した点や,子ども自身が権利行使主体としてどのような行動ができ,あるいはその行動能力を育むのか,といった考察が乏しかった点など,問題点も残されていた。
著者
内田 吉昭 足利 正 鳥巣 伊知郎
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

1.内田は(1)三次組み紐と三橋結び目上分岐する三次元球面分岐被覆空間を結び目のダイアグラムを利用しで決定ずる方法を発見した。そしてそれらの空間がそれぞれレンズ空間L(n,1)とL(n,m)となる事を示した.(2)三次元球面内のトーラス結び目上分岐する分岐被覆空間の研究で次の結果を得た.非正規三重分岐被覆空間を持つトーラス結び目はT(2x,3y)(x,yは互いに素な整数)の型であり、その被覆空間はザイフエルトファイバー空間になる.そして、2xβ_2+3yβ_1=±1となる整数β_1とβ_2に対して M(β_1/2x,β_1/x, β_2/y) となるザイフェルトレファイバー空間が被覆空間となる事を示した.また、トーラス結び目T(2,x)、T(3,x)の族に対しては結び目のダイアグラムだけを使用する証明方法でM(β_1/2x,β_1/x,β_2/y)となる事を示した.2.足利は(1)リーマン面の退化族の局所不変量、位相モノドロミー、分裂族やLefschetz fibrationの大域的性質に関する進展についての概説を論文にまとめた.(2)退化代数曲線束のファイバー芽に対するエータ不変量を経由する局所符号数に対しては、その安定還元芽め持つ同種の符号数との比較公式を与えだ.(3)負型連分数を用いてDedekind和を明示する新公式を提示し、これからDedekind相互律が導かれることを示した.3.鳥巣は(1)Howards-Lueckの定理を絡み目に拡張した. また、二橋絡み目のstrong trivialityについて研究を行い、(自明でない)すべての二橋絡み目はn≧1に対してstrongly n-trivialとならないことを示した. (2) strongly 1-trivial Montesinos結び目の族を与え、もし、有名なSeifert surgery予想が有効ならば、この族はすべてのstrongly n-trivial Montesinos結び目を含む事を示した.また、(3)Legendrian twist knotの分類、写像類群とcontact open bookなどの研究を行った.
著者
蒲生 重男
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学理科紀要. 第二類, 生物学・地学 (ISSN:05135613)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.1-18, 1983-10-30
被引用文献数
1

1981年の夏に,白鳳丸(東京大学海洋研究所の研究船)によって行なわれた東北沖の日本海溝および附近海域の生物学ならびに海底地震調査に関する研究航海(1981年7月6日〜8月4日:KH-81-4)の折に,金華山の遙か東方沖の日本海溝の東側斜面のSt.11(KH-81-4),38°33.9'N.145°15.7'E-38°35.5'N,145°15.1'E,水深5350-5370mとSt.12(KH-81-4),38°33.3'N,144°19.4'E-38°35.4'N,144°20.3'E,水深6380-6450mにて4mビーム・トロールによって採集された資料中に,次に示す甲殻綱,等脚目,ミズムシ亜目に属する7種があった。Janirella(Janirella)aculeata sp. nov., J.(Parajanirella)sedecimtuberculata sp. nov.とAryballurops japonica gen. et sp. nev.の2新種,1新属・新種が認められ,他は次の4既知種J.(J.)tuberculata BIRSTEIN,1963,J.(J.)rotundifrons GAMO,1982,J.(P.)verrucosa BIRSTEIN,1971およびMesosignum latum BIRSTEIN,1970に同定された。これ等および極く近い関係にあると思われるものを含めた11種の分布はFig.1の様である。
著者
土井 健司 宍戸 栄徳 柴田 久
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、成果論文「都市基盤整備におけるコンフリクト予防のための計画プロセスの手続的信頼性に関する研究」において、先ほど最高裁判決の出された小田急線高架化事業取消請求事件を事例検証している。さらに都市基盤整備を巡る訴訟判例の経年的整理よりコンフリクトを巡る問題の構図が明らかにされている。特に小田急線問題に象徴される環境アセス手続主体間の独立性を巡る課題やコンフリクトの象徴を明らかにし、長い計画期間を有する都市基盤整備が留意すべき公益性とリスク評価の捉え方を提示している。結論として、実体関係に基づく手続審査とソーシャルキャピタル論からの手続的信頼性の意義を再考し、アセスメント手法などの改善の必要性を示している。これに基づき成果論文「イギリスの政策評価におけるQoLインディケータの役割と我が国への示唆」において、コンフリクト予防のための政策アセスの取り組みについて先進事例を紹介している。またコンフリクト予防に対する実践的研究として、成果論文「QoL概念に基づく都市インフラ整備の多元的評価手法の開発」を行い、生活の質(QoL)の向上という長期的な目標設定と、市民の価値観の多元性を組み込んだQoL評価(総合アセスメント)の仕組みについて、その重要性が示唆されている。ここでのQoL評価は、総合アセスの骨格に過ぎないものの、相互の価値観の違いをQoL要素の重みの違いと理解したうえで、共通利益としての公益を探ることこそが市民相互の互酬性を育み、ソーシャルキャピタルの醸成、さらに結果として都市基盤整備をめぐるコンフリクト予防に繋がるという論証結果が一連の研究成果として示されている。なおこれらの研究活動は、土木計画学研究委員会 政策重点課題プロジェクトの研究成果として位置づけられるものである。