著者
宮下 規久朗
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究は、1600年前後に初期キリスト教文化がいかに再評価されたかをあきらかにし、それが聖堂装飾をはじめとする当時のローマの美術活動に主題上・様式上いかに反映されたか、そしてそれが聖年における教皇庁や宗教団体の教義や政策、プロパガンダとどう関係したかを考察し、主要な画家の動向を追いながら、新たなバロック美術の誕生を促したメカニズムを総合的に解明しようとするものである。こうした調査によって、後期マニエリスムから初期バロックにいたる、イタリア美術史上もっともダイナミックな転換点の美術に、従来と異なる角度から光を当てることができ、また筆者が継続して行ってきたカラヴァッジョ研究にも、裏付けと深みを与えることができた。平成14年度は主として教皇庁における反宗教改革期の美術政策について研究を行った。反宗教改革期には、教皇庁の美術が当時の公的な美術様式と認定され、各教団の美術政策や個人の美術嗜好に強く影響していたからである。具体的には、16世紀から17世紀にかけての教皇権が、当時の欧米の歴史情勢の中でどのような政治的・社会的位置をしめていたのか、またそれが公的な聖庁であるヴァチカン宮殿と一族の居城であるパラッツォの美術装飾にどのように反映しているかについて調査した。平成15年度は、反宗教改革の国際的広がりという視点から、イタリア以外に普及した反宗教改革期の美術様式に注目した。また、わが国の禁教下から今日にいたるまでのいわゆる「隠れキリシタン」の美術については、その聖像(イコン)が存在するにもかかわらず、美術史上の研究対象となったことはほとんどなかった。しかし、キリスト教主題を持つ原図が閉ざされた社会でいかに変容し、異種の図像にいたるかというきわめて興味深い問題を提示しており、長崎県生月島で今も信仰されている聖画(納戸神・御前様)について若干の調査研究を行い、小論文を執筆した。平成16年度は著書『カラヴァッジョ 聖性とヴィジョン』をまとめるため、今までに書いた諸論文を点検して書き直す作業に従事した。とくに第二章「1600年前後のローマ画壇とカラヴァッジョ」は、かつて書いた論文をほぼ全画的に書き直し、大幅に加筆してほとんど新しい論文にしてしまった。このように、1600年前後の混沌とした美術の状況と、反宗教改革とキリスト教考古学の流行に鼓舞されて起こった新たな潮流を、カラヴァッジョの革新という座標軸を設定することであきらかにすることができた。
著者
杉山 三郎 佐藤 悦夫 植田 信太郎 谷口 智子 渡部 森哉 伊藤 信幸 嘉幡 茂
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は新大陸の古代都市の成立とその変容・盛衰の諸問題を、斬新な技術や方法論を用いながら学際的視点から考察することを目的とする3年計画のプロジェクトである。最初の2年間は古代モニュメントと表象に関する資料を収集し、考古学、歴史学、民族史学、宗教学、人類学また生物化学的視点を織り交ぜ、コンピューター解析、空間分析、統計処理を行った。特にメキシコ政府研究所とテオティワカン「太陽のピラミッド」の発掘調査を行い、貴重な都市形成期の資料を得た。
著者
宗田 聡
出版者
新潟大学
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.117, no.7, pp.359-366, 2003-07-10

Angiotensin-I変換酵素遺伝子(以下ACE遺伝子と略す)のintron 16における欠失Deletion/挿入Insertion多型(以下D/I多型と略す)については,これまで虚血性心疾患,糖尿病性腎症との関連が報告されて来たが,近年2型糖尿病との関連が報告された.しかしその機序については不明であり,インスリン抵抗性との関連については一定の見解が得られておらず,またインスリン分泌能との関連についても報告がない.そこで今回我々は,2型糖尿病患者63名(男性45名,女性18名)を対象として,ミニマルモデル解析を施行し,ACE遺伝子D/I多型とインスリン抵抗性およびインスリン分泌能との関係を検討した.II,ID,DD型3群間において年齢,BMI,推定糖尿病罹病期間,合併症頻度,平均血圧,HbA1c,空腹時血糖,空腹時インスリン,総コレステロール,中性脂肪,HDL-C,LDL-Cに有意差は認められなかった.インスリン感受性はII群(1.6±1.4×10^<-4>・min^<-1>・μU^<-1>・ml^<-1>),ID群(1.0±0.8×10^<-4>・min^<-1>・μU^<-1>・ml^<-1>),DD群(0.4±0.7×10^<-4>・min^<-1>・μU^<-1>・ml^<-1>)と低下した(p<0.05).一方インスリン分泌能はII群(45.4±91.4μ1/ml)vs DD群(16.7±16.7μ1/ml)(p<0.002)およびID群vs DD群(p<0.001)でDD群が低価であった.DD型は他の遺伝子型より約2倍のACE活性を持つとされ,アンギオテンシン-IIの増加およびブラジキニンの不活性化によって末梢組織血流の低下,ひいてはインスリン抵抗性の増悪に関与すると考えられる.また,アンギオテンシンIIは膵臓の血流を減少させ,ブドウ糖に対するインスリン分泌を遅延させることが知られていることから,DD型においてはアンギオテンシンIIの増加により膵血流量の低下,ひいてはインスリン分泌能の低下をもたらしている事も推測された.
著者
尼岡 邦夫 矢部 衛
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

南半球のダルマガレイ科魚類の種の多様性とその分散の経路を明らかにする目的で、サンゴ海、オーストラリアやニュージーランド周辺海域から集められた約3,000個体の本科魚類を雌雄差、老幼差などを考慮して、コンピューターで分析し、分類学的研究を行い、次のような結果を得た。本海域には本科魚類はイトヒキガンゾウビラメTaeniopsetta属1種、ミツメダルマガレイGrammatobothus属1種、ホシダルマガレイBothus属2種、コウベダルマガレイGrossorhombus属1種、ヤリガレイLaeops属1種、ヒナダルマガレイJaponolaeops属1種、ヤツメダルマガレイTosarhombus属3種、ダルマガレイEngyprosopon属10種、イイジマダルマガレイPsettina属3種、ナガダルマガレイArnoglossus属10種、スミレガレイParabothus属3種およびセイテンビラメAsterorhombus属3種の12属39種分布している。そのうち、14種が未記載種であり、次の10種、Engyprosopon bellonaensis, E.septempes,E.rostratum,E.longipterum,E.raoulensis,Tosarhombus necaledonicus,T.longimanus,T.brevis,Parabothus filipesおよびArnoglossus micrommatusは新種として記載し公表された。他の未記載種は投稿中または投稿準備中である。Arnoglossus bleekeriおよびPsettina variegatusは原記載以後初めて記録され、T.ocellata,Bothus myriaster, C.kanekonis,L.kitaharae,J.dentatus,E.grandisquamus,E.xystrias,E.maldivensis,E.hureaui,Parabothus kiensis,P.coactatus,Psettina iijimae, P.variegatus,Arnoglossus macrolophusおよびA.tenuisの15種は南半球から初記録である。本研究で南半球の本科魚類相を初めて明らかにしたが、属レベルでは北半球のものと100%、種レベルでは約50%が共通し、本科魚類に関しては両半球間に明瞭な障壁は認められない。本科魚類は底生魚であるが、浮遊性仔魚によって分散することと関係している。
著者
亀谷 乃里
出版者
女子栄養大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

バルバラの生涯と未発見作品並びに彼に関する批評の発堀作業の結果報告。1.Soci【e!´】t【e!´】 des gens de lettres所有の古文書から(1)1846年12月8日付、協会長宛のバルバラの手紙(入会願い)(2)1847年1月6日付、バルバラの入会確認書、(3)1872年12月2日付、墓石商未亡人の協会宛の手紙(バルバラの基地使用期限切れの件)(4)1882年12月2日付、バルバラの弟、ジョルジュの協会長宛の手紙(シャルル・バルバラの遺児のため奨学金依頼の件)、以上を発見。(1)にはそれまでに発表されたバルバラの作品リスト及び寄稿したp【e!´】riodiguesの記載があり、中には未発見作品も含まれp【e!´】riodiguesに実際当って次の作品と事実が発見、判明した。・"Un Chiffonnier,"Almanach populaire de la France,Paris,1845,pp.95-100;・"O【u!`】est le drame? O【u!`】est la farce? Un Paillasse",Le Tam-Tam,11 sept,1836;・Le Conteur Orl【e!´】anais(recueil),Orl【e!´】ans,1845に寄稿;・Le Corsaire,Le Corsaire Satanに寄稿し始めた年が1845年又は1846年と判明。・1846年にバルバラがN゜2 M.le Princeに居住した事実が判り、シャンフルリの『回想』の中で語られている諸事件の年代が判り、以後の調査のための大きな手懸りを得た。(2)よりバルバラの文芸家協会入会年月日が判明。2.バルバラの友人ナダールの寄稿を手懸りに、・"Le Tems la Vie et la Nourriture 【d!´】unHomme,Le Commerce,24nov.1843を発見。3.バルバラの二児の出生証明書を発見しその名前と出生年月日が判明、(Marie Charles Eug【e!`】ne Antoine,1862年10月22日;Pierre Gabriel,1864年12月3日)、4.義母とGabrielの死亡証明書を発見し、バルバラとその妻、息子の一人、義母が5日間で相次いで死亡したことが判明。5.Arthur Pouginによるバルバラの記事、"Charles Barbara",La France musicale,7 oct.1866を発見。この中で未だ知られていないバルバラの作品の題"Organiste"があげられていて、以後の作品発見の手懸りを得た。
著者
櫻井 俊彰 多田 雅彦 石井 英章 野原 哲男 星野 裕昭 高橋 邦弘
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集. A編 = Transactions of the Japan Society of Mechanical Engineers. A (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.73, no.726, pp.195-200, 2007-02-25
参考文献数
4
被引用文献数
2 3

The concept of the parameter U* has been introduced by the authors to express load transfer in structures. In this paper, an extended definition of U* is introduced for structures under multiple loadings. The new expression of U* with the matrix formulation of internal stiffness can effectively be applied to an efficient calculation of U* distribution. Examples of U* calculation for an actual truck cab structure under multiple loading are demonstrated. Calculation results of U* for cases under multiple loading condition and single loading condition are compared, and the applicability of St. Venant's principle concerning U* distribution is discussed.
著者
佐伯 聰夫 仲澤 眞 矢島 ますみ 鈴木 守 間宮 聰夫
出版者
筑波大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

競技スポーツ大会の開催には、地域経済への波及効果を含め、地域住民のアイデンティティやロイヤリティ醸成等の地域活性化に対する効果が期待されている。しかし、一次的な競技大会の開催では、その効果も一過的なものに過ぎない。そこで本研究は、継続的・定期的な開催によって地域社会における社会制度にまで発展した競技スポーツ大会が、当該地域のコミュニティ形成にどのような意味を持ち、どのような機能を果たしているかを競技大会と地域社会の関連分析から調査した。具体的には、それぞれの競技大会開催地域に赴き、大会運営機構、関連組織、地域行政、地域住民組織、一般市民、学識経験者等にインタビユー調査を、また、合わせて関連資料の収集と分析を行うことによって明らかにしようとした。平成8年度調査は、単一種目の競技大会では至高の権威を有するウインブルドン・ローンテニスチャンピオンシップスとオーガスタ・マスターズトーナメントを事例に調査した。平成9年度調査では、伝統や歴史を担う民族文化的性格を持つ競技大会として、中世サッカーを再興させているフィレンツェ・カルチョストリコとバスク・ルーラルスポーツを事例として調査した。平成10年度調査は、グローナリゼーションの中にある地域形成の問題を焦点にして、英国スカイ島のハイランドゲームズとドイツ・バイヤー04レーバークーゼンのブンデスリーガ・ホームゲームを事例に調査した。こうした調査で得られたデータ分析の結果、競技大会が地域社会における社会制度として発展し、豊かなコミュニティ形成の機能を発揮するためには、競技大会が当該地域住民のコミュニティ・アイデンティティやローカル・ロイヤリティのシンボルとなることが重要であり、そのシンボル化作用は、長い開催の歴史に支えられた競技大会の権威、伝統文化やエスニシティと関わる文化的固有性、そして住民の生活と密着しながら社会変化に対応する柔軟な運営システムが必要なことが分析された。
著者
富田 昌平
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.230-240, 2004-08-20

本研究の目的は,空想と現実に対する区別認識の違いによって,箱の中に想像した生き物に対する幼児の現実性判断はどのように異なるのかについて検討することであった。幼稚園年中児48名に対して空想/現実の区別課題と空箱課題を行った。まず,空想/現実の区別課題の成績をもとに,幼児を統合型,混同型,否定型,肯定型の4つに分類し,次に,空箱課題における行動や主張を類型ごとに比較した。統合型は空想と現実を適切に区別できた者,混同型は空想と現実を正反対に区別した者,否定型は空想と現実の両方を否定した者,肯定型は空想と現実の両方を肯定した者である。主な結果は次の通りである。第1に,否定型の幼児は他の類型の幼児よりも,空箱課題において箱への探索行動を示すことが多く,加えて,彼らの多くは後の質問において「空っぽだ」と主張することが多かった。第2に,肯定型の幼児は,箱への探索行動をほとんど示さなかったが,その一方で「いるかもしれない」と主張することが他の類型の幼児よりも多かった。第3に,統合型の幼児は他の類型の幼児よりも,願いごとや魔法によって想像が現実になる可能性について判断するときに,単純に"可能か不可能か"で答えるのではなく,条件つきで回答したり,判断を保留したりすることが多かった。以上の結果は,幼児における主張面と行動面での心の揺らぎやすさという点から議論された。
著者
沢田 知子 丸茂 みゆき 曽根 里子 谷口 久美子 渡邊 裕子 山下 哲郎 南 一誠 高井 宏之 西野 亜希子
出版者
工学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008-04-08

本研究は、近年の長寿命住宅への要請を踏まえ、官民の供給事例を対象に、体系的・経年的調査を実施し、「長寿命住宅(ハード)に対応する住まい方像(ソフト)」を明らかにすることを目的とした。調査(3種)として、「フリープラン賃貸住宅」の居住過程調査、「公的賃貸住宅(KSI含む)のライフスタイル調査、「住まいのリフォームコンクール」入賞作に関する調査を実施。その成果物として、日本建築学会査読論文3編、「長寿命住宅に対応する住まい方事例集」報告書等を作成した。また、100年超を視野に入れた長寿命化を図る「リフォーム計画論」として、現存住宅の所有者更新に力点をおいた「計画技術」を蓄積する必要性を示唆した。
著者
高橋 徹 武田 英明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.1244-1255, 2001-08-01
参考文献数
9
被引用文献数
12

本論文では, 非同期型コミュニティシステムのインタフェースとしてアニメーションエージェント(avatar-likeエージェント)を用いることの効果を述べるとともに, 我々の実装したシステムTelMeAの説明と, そのテスト運用の結果を述べる. 心理実験の結果, エージェントは単に発話者を代弁するだけではなく, 複数の発話者の識別に対して効果をもつことがわかった. そのためエージェントを用いることでコミュニティ内の人間関係等の状況を会話内容から把握しやすくなり, 会話文脈へのアウェアネスが高まるものと考えられる. 更にエージェントはアニメーションや画面上の移動により, 表情, ジェスチャー, 接近, 指差しといった非言語表現を行うことができる. TelMeAは, Webページ上に表示させた各々のエージェントに, 前記のような表現のマルチモーダルな振舞いを記述するスクリプトを交換することで, 複数人数による非同期会話を行うためのシステムである. TelMeAを9日間試験運用した結果, 全発言の中には17%の非言語表現が見られ, アンケートの結果からは, TelMeAの機能が利用者に高く評価されたことがわかった.
著者
丸本 浩
出版者
広島大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

研究目的:平成22年度の先行研究に続いて,「たたら製鉄法(けら押し法)」の基礎的な実験データの積み重ねを行い,(1)「たたら製鉄法」の操作方法の改善と収率の向上,(2)「たたら製鉄法」によって作った「けら(鋼)」の加工方法の開発と工夫,(3)「鉄」や「鋼」に関する情報収集および教材開発の3つの柱を立てて研究に取り組んだ。研究方法:(1),(2)は,実際に「たたら」を操業して,さまざまなデータを計測し,得られた「けら(鋼)」の中に含まれる不純物を「電気炉」を用いて加熱・加工して取り除く実験を行った。(3)は,「たたら製鉄法」や「鉄」に関する博物館等へ行き、資料や情報を収集して教材開発を行った。研究成果:(1)平成22年度の先行研究で得られた成果をさらに発展・充実させ、鋼の収率の改善や操作時間の短縮,炭の種類の違いによる影響を緩和する操作方法の開発,収率の向上などの成果を得ることができた。(2)「たたら製鉄法」によって得られた「けら(鋼)」に含まれる不純物を,電気炉を用いて加熱・除去する操作は非常に困難な作業で,何度か試みたが納得のいくような加工ができているとはいいがたい。今後,さらに研究を継続し,教材として完成させたい。(3)「たたら製鉄法」を中心にして「鉄」や「鋼」を題材とした授業を構築するめどをたてることができた。今後、授業実践を行い,教材の完成度を高める取り組みを継続していきたい。
著者
鮎京 正訓 宇田川 幸則 姜 東局
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

「郷約(きょうやく。村のおきて)」とは、中国に起源をもち、朝鮮半島、ベトナムに伝播した、村落共同体における冠婚葬祭、近隣紛争、軽微な犯罪の処罰などに関する成文化された規範を指します。本研究は、1980年代末以降のベトナムにおける郷約(きょうやく。村のおきて)の復活という現象に注目し、それを、東アジア、特に中国と韓国との比較によって、法治と村のおきて(郷約)という二元化状況を視野の中心に据え、アジアにおける伝統法の再生のプロセスを明らかにすることを目標としました。
著者
工藤 天志 正野 隆文 棟安 実治 花田 良子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CST, コンカレント工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.284, pp.37-40, 2010-11-11
被引用文献数
1

携帯電話を用いた印刷画像からの情報検出が注目されている.本稿では,携帯電話で画像を撮影する際に起こるレンズ歪みの補正法の改善について述べる.従来手法では,あらかじめ決められた範囲の離散値を歪み係数の候補として,各値に対する回帰直線の誤差を求めて歪み係数を決定していたが,多数の候補点について探索を行うため処理に時間がかかっていた.そこで,歪み係数の推定に黄金分割による直接探査法を用いることで,処理速度の向上を図る.また,歪み係数の推定を高速化できたため,より歪み係数の推定精度を向上するため,補正に利用する辺を従来手法の上辺,左辺のみから,すべての辺を考慮する手法を提案する.
著者
五十嵐 洋介 福井 和広
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.7, pp.1125-1134, 2011-07-01

時系列画像において抽出・追跡された特徴点集合の座標情報から因子分解法によって得られる形状空間は,特徴点集合の三次元的な幾何関係を表現しており,視点や対象物の動きに対して不変である.本論文ではこの形状空間の特性に着目し,形状空間同士の構造的な類似度に基づく物体認識のフレームワークを提案する.形状空間は特徴点数を次元とするベクトル空間中の三次元部分空間として得られるので,二つの形状空間の構造的な類似度は両者のなす正準角によって測ることができる.しかしながら,この類似度が意味をもって定義されるためには,二つの特徴点集合同士で特徴点が対応づけられている必要がある.この問題に対して,形状空間に付随して得られる直交射影行列を並べ換えることで対応付けを行う方法を提案する.提案する物体認識のフレームワーク及び対応付け法の有効性は,合成データを用いた性能評価,及びホクロなどの微小特徴に基づく顔認識実験により確認する.
著者
森 建資
出版者
東京大学経済学会
雑誌
経済学論集 (ISSN:00229768)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.22-91, 2011-01