著者
二橋 亮
出版者
国立研究開発法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

トンボは、基本的に視覚で相手を認識するため、体色や斑紋に著しい多様性が見られる。申請者らは、色覚に関わるオプシン遺伝子がトンボで極端に多様化していること、オプシン遺伝子の発現は幼虫と成虫で大きく異なることを見出した。また、アカトンボの体色変化は色素の酸化還元反応が原因であること、シオカラトンボの体色変化はUV反射Waxの産生によることを発見した。これらの知見により「トンボの幼虫と成虫で色覚はどのように変化するのだろうか?」「トンボの体色変化には、どのような遺伝子が関与するのだろうか?」などの素朴な疑問が浮かび上がった。これらの疑問の解明に向けて、申請者らはトンボの遺伝子機能解析系と実験室内飼育系を確立することに成功した。本研究課題では、申請者らが構築した一連の実験系を用いてトンボの色覚と体色形成の分子基盤を深いレベルで解明することを目指す。2020年度は、トンボの機能解析系の改良を行うために、RNAiに最適な条件の検討を行った。その結果、さまざまなトンボで終齢幼虫は外部形態から3つのステージに区別可能で、第1ステージにRNAiを行うことで、成虫の体色に関する遺伝子機能解析を高い効率で行うことが可能になり、論文発表を行った。また、トンボの色素の同定を行うとともに、色素合成に関わる遺伝子の網羅的な機能解析を行った。さらに模様特異的に発現する遺伝子を探索して機能解析を行い、体色に関わる新規遺伝子を複数同定することに成功した。
著者
横溝 紳一郎 田尻 悟郎 久保野 雅史 柳瀬 陽介
出版者
西南女学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

(1) 第一次調査を受けての理論化、(2) 理論化を受けての第二次調査、(3)第二次調査を受けての再度の理論化という段階を経て、査読付きの学術論文として公刊できるまでの具体的かつ理論的な解明を行う。また日本の実践知を国際的に発信するため国際学会での発表を予定している。
著者
直江 眞一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は「制限君主制論」あるいは「混合政体論」の基礎を提供する理論として注目されている15世紀イングランドの法律家サー・ジョン・フォーテスキューの国制論の歴史的位置を明らかにする試みである。そのために、フォーテスキューの主要な3作品である『自然法論』、『イングランド法の礼賛について』、『イングランドの統治』の写本および刊本を可能な限り調査した。また、フォーテスキューの蔵書であったと考えられるオクスフォード大学ボドリ図書館蔵のRawlinson, C 398写本も検討した。その結果、「政治権力かつ王権に基づく支配」という概念はフォーテスキューに独自のものである可能性が高いことが判明した。
著者
篠田 英朗
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究では、パートナーシップ平和活動という国連と地域・準地域組織の間の国際平和活動における協力関係の高まりを意味する最近の現象が内包する性格を探求した。現代世界におけるパートナーシップ平和活動の全体像を整理する作業を行いつつ、この現象が国際平和活動の最近の傾向を反映したものであることを、国際立憲主義や安全保障の観点から、明らかにした。その過程で、パートナーシップ平和活動が、既存の国際秩序から逸脱するものではなく、むしろ国連憲章が標榜する国際安全保障システムの発展の一形態だと考えるべきものであることを示した。研究対象としてはパートナーシップ平和活動の主要な展開地域であるアフリカに焦点をあてた。
著者
小澤 政之
出版者
鹿児島大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1998

カドヘリンの機能(細胞間の接着活性)がいかなる機構で制御されているのかを明らかにする目的で、カドヘリンのみにその細胞間接着性が依存している細胞のモデルシステムを確立した。即ち、ヒト白血病細胞の一つ、K562細胞は、カドヘリンを含む細胞間の接着分子を全く発現いていない。そこで、この細胞にE-カドヘリンの発現ベクターを導入し、E-カドヘリン発現細胞(EK細胞)を得た。EK細胞はE-カドヘリン依存性の細胞間接着性を示し、細胞の凝集塊を形成する。EK細胞の凝集塊を過バナジン酸処理して細胞内タンパク質のチロシンリン酸化レベルを上昇させるとカドヘリンの活性低下が起こり、細胞が解離した。本研究では、過バナジン酸処理によりカドヘリン・カテニン複合体にいかなる変化が起こりカドヘリンの接着活性の低下へとつながったのかを明らかにしようとした。その結果、1)EK細胞を過バナジン酸処理すると、β-およびγ-カテニンのチロシンリン酸化のレベルが上昇し、カドヘリンによる細胞間の接着性が低下すること、2)β-およびγ-カテニンのチロシンリン酸化は両分子のコンフォメーション変化を示し、α-カテニンが複合体から解離すること、3)β-カテニン上のあるチロシン残基を、フェニルアラニン残基に置換した変異β-カテニンをEK細胞で発現させると、過バナジン酸処理により細胞のチロシンリン酸化のレベルを上昇させても、細胞はバラバラになりにくいことが判明した。さらに、この変異β-カテニンからのα-カテニンの解離も著しく抑さえられることが判明した。
著者
金 惠淑
出版者
岡山大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

クロロキンをはじめとする既存抗マラリア薬に対する耐性熱帯熱マラリア原虫が出現し、既存の抗マラリア薬では治療できない状況になりつつある。そのために新しい抗マラリア薬の開発研究はマラリアに関する最優先研究事項である。私は、薬用天然資源の中から薬剤耐性マラリアを克服できる新規マラリア治療薬を開発し、マラリア制圧に寄与することを研究目的として本研究を進める。本研究では今までの研究で得られた新規構造を有する天然生薬成分、及び天然薬用資源中の薬効成分をリード化合物とし、熱帯熱マラリア原虫における抗マラリア薬候補の最適化、薬効を示す分子標的の同定、及び、その遺伝子機能を解析する。また、アフィニティ法とプロテオミクスを用い、高い確率で抗マラリア薬のターゲットになりうる分子標的を選抜する。さらに、薬剤耐性のメカニズム解析を行い、薬剤耐性を克服するための基盤研究を行う。平成17年度の研究成果を下記に示す。1.メフロキン高度耐性熱帯熱原虫(R/24株)を用い、pfmdr-1遺伝子の変異ヵ所が実際のマラリア流行地の患者でも見られるかどうか、マラリア流行地の血液サンプルを用いて解析した。タイのマラリア患者、及びタンザニアの患者由来のサンプルを用いてR/24株で見られる変異ヵ所を調べた結果、変異ヵ所は見られなかった。今後、メフロキン耐性が流行する地域の患者サンプルを増やして検討する。また、プロテオミックスとトランスクリプトームを駆使してメフロキン耐性メカニズムの解析を開始した。2.生薬天然資源由来の租抽出分画由来のサンプルを用いて校マラリア活性を検討した結果、6種類の天然資源由来より強い抗マラリア活性が見られた(EC_<50>=<1μg/ml)。現在これらサンプルを更に分画して活性化合物を見出す研究を進めている。3.生薬アルテミシニン誘導体の研究を行い、10^<-8>M程度で強い抗マラリア活性を示す種々の抗マラリア活性を示す誘導体を得たので、構造-活性の関連性を検討している。
著者
許 淑娟
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2004

本研究は国際法秩序の基盤をなす法的枠組として「領域権原概念」を問い直すものである。その研究課題に対して本年度は、第1に、昨年度(17年度)に着手した学説史および外交史における領域権原概念の理論的整理作業を引き続き行った。具体的には、19世紀末のベルリン議定書の領域法的意義を外交資料および外交史文献から精査し、従来の国際法学における位置づけとを比較検討した。占有の実効性を定めた先例として国際法学では評価されているが、その本質的意義は「無主地」を「発明」したことにあることを示した。第2に、20世紀初頭から半ばまでの数百に亘る領域帰属をめぐる仲裁裁判を読み解き、その分析を行った。そのほとんどが「様式論」に依拠することなく、条約や承認ならびに「占有」の有無を問題として、それを根拠に判断を行っていたことが明らかになった。第3に、領域法の起源とされるローマ財産法および占有法における「占有」概念について検討し、そこから比較法的および理論的探求作業を行った。すなわち、国際法における領域法を分析するに際して、<領城規律形式>とその<基盤>という異なる次元を設定し、さらに、その基盤を<権原の物的基盤>と<正当化(型)基盤>を分節化するという理論枠組の構築を試みたのである。第4に、16年度に行った領域帰属をめぐる現代国際判例の分析を併せ、「新世界」発見以来、領域関係を規律する法体系として提示された<教皇の勅書と「発見」>、<原始取得の法理>、<様式論>、<「主権の表示」アプローチ>、<ウティ・ポシデティス原則>への遷移を、上記の理論枠組から分析した。その分析の結果を「領域権原論再考-領域支配の実効性と正当性-」という論文にまとめ、博士論文として提出した。
著者
井上 厚史
出版者
島根県立国際短期大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1994

韓国性理学および日本朱子学の特徴について、新しく入手した資料をもとに基礎的研究を行い、以下のような成果を得た。1、李退溪の思想は、従来の「朱子哲学の限界を超えた」という観点から評価するよりも、朱子学の一つのヴァリエーションと考えるべきである。そして、その特徴は存養と省察の間に「格物」という過程がそっくり脱落しているところに端的に表れている。つまり存養省察の体認体察がそのまま窮理になるといってよく、この点で、朱子学の格物窮理はその対象を「心身」に限定することになった。2、李退溪の思想の影響を強く受けた日本の朱子学者-林羅山や山崎闇斎-も同様に、「心身」への強い関心が見られるが、韓国性理学の場合とは異なり、「理」は実体的に認識される傾向が非常に強い。その背景には、実体的な「心」の概念を提唱していた神道-たとえば『古事記』に見られる具象的なイメージ-との習合が強く関与していると考えられる。したがって、日本の朱子学を考察する場合、神道との比較考察を抜きにすることはできない。3、韓国性理学のもう一つの著しい特徴として、「正心誠意」と「天下国家の事」とが緊密に連結している点があげられる。有名な李退溪により「敬」の重視も、この強い国家意識を抜きにして語ることは難しい。彼が「心」や「善一辺純粋性情の定立」などを問題としながらも、単なる空想的な道徳論に陥らなかったのは、この強い政治意識が介在していたためだと思われる。4、以上の考察により今後問題となるのは、(1)日本朱子学における国家意識の継承、(2)日本朱子学と儒家神道との関係、(3)山崎闇斎に引き継がれた「敬義内外」説の政治的な観点からの分析、の三点である。日韓儒学の比較研究は「理気」論に限定されて考察される傾向が強かったが、今後が認識論レベルにおける比較や言語論からのアプローチを試みる必要があるだろう。
著者
上参郷 祐康 大貫 紀子 野川 美穂子
出版者
東京芸術大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

名古屋の箏曲地歌演奏家団体のひとつである財団法人国風音楽会は、1893年に全国的組織の国風音楽講習所の名古屋支部として発足した。当初の会員は多くは江戸時代の盲人音楽家の組織である当道に所属していたので、国風音楽講習所では、多くの当道の制度や行事をとりいれた。これらのうちのあるものは、今日でもなお国風音楽会に伝えられ、また当道音楽のレパートリーの中でも、平曲や一部の胡弓曲のように、他には伝わらないものもある。本研究は、この国風音楽会の活動状況や活動内容を調査・記録し、その結果を、江戸時代以降の当道資料や音楽資料などと照らし合わせ、近世音楽史の重要な部分を担ってきた盲人音楽の実態を立体的に解明する事を目的としたものであり、その成果は主に以下の3点にまとめることができる。1.国風音楽会の年中行事について-年間約15種の行事を行うが、このうち室町時代に起源を持つ人康祭を含む重要な7種の行事については録音・撮影等による記録を作成し、調査検討を進めている。2.国風音楽会の教習制度について-盲人男子、盲人女子の場合、晴眼者の場合にわけて、教習上の曲の進度と弟子の側の資格取得(免状、許し等)との対応関係、盲人音楽家の資格の種類、およびその実態について戦前と戦後の変化にも留意しながら調査した。3.国風音楽会独自の伝承レパートリーについて-国風音楽会で伝承する、箏曲・地歌・胡弓曲・平曲について調査記録するとともに、国風音楽会所蔵の曲集の調査や名古屋で出版された曲集の収集も合わせて行った。
著者
中嶋 秀 手嶋 紀雄 東海林 敦
出版者
東京都立大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2021-07-09

本研究では,研究代表者がこれまでに開発してきた持ち運び可能な小型の表面プラズモン共鳴(SPR)センサーと研究分担者が見出したエクソソームと人工生体膜の膜融合現象を利用して,呼気中に含まれるエクソソームの膜タンパク質を高感度かつ網羅的に計測することが可能な新規分析法を開発する。また,マスフローコントローラーを備えた呼気凝縮液サンプラーと内在物質を用いた呼気凝縮液の希釈度補正法を開発する。
著者
竹村 泰司 山田 努
出版者
横浜国立大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

外径11 mmのカプセル内視鏡にはボタン電池が装着されており、それにより体内を照らすLEDやCCDカメラ、集積回路などを駆動している。血管内で駆動させることが可能な1 mm径サイズのマイクロ・ロボットが実用化すれば、診断や治療に有用であるが、電池を入れることが困難である。この課題をワイヤレス給電で解決することを目指す。具体的には電磁誘導方式を採用し、体内には電圧を誘導する1 mm径の受電コイルを用いる。そのコイルのコア(鉄心)にパルス電圧を誘起する特殊な磁性線を使用することが本研究の特徴である。
著者
山影 進 田中 明彦 鈴木 一敏 阪本 拓人 山本 和也 保城 広至 服部 正太 木村 香代子 森 俊勝 光辻 克馬
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

国際関係論の重要分野である秩序変動の研究を、近年世界的に注目を集めているマルチエージェント技法を用いて行った。理論的観念的なレベルにとどまらず、政府内、住民集団間、国家間等さまざまなレベルの国際関係の事例についての実証研究に用いるためにモデル構築をおこなった。構築したモデルは、具体的な事象について高い再現性を示すことに成功し、それらの成果を書籍や論文のかたちで公表できた。
著者
原田 忠 西沢 理
出版者
秋田大学
雑誌
試験研究
巻号頁・発行日
1985

形状記憶合金ニテノールを使用した新しい人工尿道括約筋およびpenileprosthesisを試作した。人工尿道括約筋の構造は、馬蹄状にした一方向記憶ワイヤーあるいは二方向板バネの周囲に加温用ニクロム線を巻きつけ、これをシリコンゴムで包埋したものである。またpenile prosthesisは一方向記憶合金を束ね、その周囲に加温用ニクロム線を巻きシリコンゴムでシリンダ一状に包埋したものである。これらのprosthesisは直流電源あるいはバッテリーによって加温されると、あらかじめ記憶させた形状に変態動作し、目的を達するよう工夫されたものである。加温電力,変態時間,応用,表面温度を基礎的に検討したが、いずれも問題なく、またpenile prosthesisは適度な擬弾性が認められ臨床的使用に耐え得るものと考えられた。また犬を用いた人工尿道括約筋埋め込み実験からは、排尿,蓄尿という二つの作用が本デバイスによってコントロールされることが確認された。
著者
松本 光太郎 岡田 美智男 麻生 武 小嶋 秀樹 浜田 寿美男 塩瀬 隆之 塚田 彌生
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

当研究プロジェクトでは、ロボットが人間の実生活に入り込んできたときに生まれる行為を中心に、ロボット研究者および心理学者を中心とした学際研究を行った。成果として、(1)当メンバーが編集・執筆を担当した書籍1冊『ロボットの悲しみ:人とロボットの生態学にむけて』(新曜社、印刷中)、(2)学会シンポジウム主催2件(日本発達心理学会、日本質的心理学会)、(3)学会個人発表2件(EDRA、日本発達心理学会)が確定している。また、これまでの成果をまとめた論文を査読付雑誌に投稿することを計画している。
著者
前島 正義 小鹿 一
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

マラリアは、マラリア病原虫プラスモディウム属がハマダラカを媒体として伝染し、ヒトの肝細胞・赤血球に寄生することによる疾患である。本研究は、マラリア原虫がもつH^+輸送性ピロホスファーターゼ(H^+-PPase)に焦点をあて、この酵素に対する特異的阻害剤の探索を通して、抗マラリア特効薬を見出し開発することを目的とした。1.阻害剤に関する研究成果(新規阻害剤の発見)沖縄の海洋に生息する生物のうち,軟サンゴから得られた成分がもっとも強い阻害活性示した。その成分の化学構造を決定したところ分岐したアシル基をもつアシルスペルミジン類縁化合物であることが判明した。基質加水分解・プロトン輸送活性を強く阻害した(50%阻害濃度1μM)。さらに生きた植物細胞においてもH^+-PPaseを阻害し,その生理機能を強く抑制することが証明された。2.H+-PPaseに闘する研究成果・新知見(1)植物H^+-PPaseの遺伝子破壊株の解析により遺伝子欠損は生育の著しい抑制をもたらすこと,すなわち本酵素が植物体の正常な生育に不可欠であることを明らかにした。(2)ヤエナリH^+-PPaseの構造・機能協関の解析により,少なくとも2つの細胞質側親水性ループが基質結合・触媒部位を形成し,その中の保存性の高いアミノ酸残基が基質加水分解を司っていることを明らかにした。(3)変異導入とそれに引き続く機能検定のやりやすい大腸菌発現系の確立を目的に,放線菌H^+-PPaseを対象に解析を進めた。実験系の確立に成功し,放線菌H^+-PPaseの固有の性質を明らかにした。(4)H^+-PPase機能の直接測定のためのパッチクランプ法を世界に先駆けて開発し,H^+-PPaseの特質,分子活性をもっとも精度の高い方法で明らかにした。
著者
中下 留美子
出版者
国立研究開発法人森林研究・整備機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

近年,野生動物と人との軋轢が顕在化し,農林水産被害や人身被害等が頻発し,多数の個体が捕獲されている.しかし,駆除個体の詳細な加害実態は把握されておらず,根本的な被害対策は遅れている.そこで,本研究では捕獲個体の加害実態履歴を明らかにするために,野生動物の一生の食性履歴を明らかにする手法を開発した.ツキノワグマについて,代謝速度の早い組織(血液,肝臓,体毛など)と遅い組織(骨,歯)を組み合わせることで,個体毎に亜成獣~捕獲前までの食性が推定可能となった.本研究は,入手可能な様々な組織を組み合わせて個体レベルの詳細な食性履歴と加害実態を明らかにし,科学的根拠に基づく保護管理策に貢献する.
著者
山口 倫
出版者
久留米大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

乳癌は、組織学的見地の他、現在サブタイプという概念が浸透している。我々は、乳癌が早期から浸潤癌までどのように進展、発育するかをサブタイプ (基本的にルミナル、Her2陽性、トリプルネガティブ群に大別) の概念から、特に免疫応答の観点も加え、検診における過剰診断や過剰治療にも言及できるよう検討を行った。早期乳癌において、Her2陽性上皮内癌はコメド壊死を有する高異型度癌が多く、腫瘍リンパ球浸潤免疫応答によって浸潤する経路があり、他サブタイプとは異なることが明らかになった。また、浸潤性Her2陽性乳癌ではER陽性と陰性群で病理・形態学的・免疫応答の点において大きく二分されることが明らかとなった。
著者
遠藤 陽子 清水 章 遠田 悦子 中村 元信
出版者
日本医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

糖尿病による腎障害では線維化・尿細管萎縮(IFTA)が起こり、腎不全に至ります。IFTAが進行する原因の一つとして、血液中のマクロファージが腎臓へ浸潤し、腎臓線維化の促進に働くことが挙げられています。そこで、私たちはマクロファージの活性に関連するFROUNTと、FROUNTを抑制する処方薬のDSFに着目しました。DSFがマクロファージを抑制することで、糖尿病でのIFTAを抑制、腎不全への進行を止められると考えています。糖尿病モデル動物をDSF投与群と非投与群とに分け、その腎臓や血液・尿を検査し、マクロファージ抑制、IFTA抑制、腎機能保持が出来るのかを明らかとします。
著者
二見 史生 相馬 正宜
出版者
玉川大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

暗号学の基本的な限界であるシャノン限界を超越可能な物理暗号は,暗号鍵の利用効率を高められるので,情報通信量が飛躍的に増大している今日,その実現が期待されている。本研究では,その実現を目指し周波数分解して位相変調する方式の物理暗号の原理検証実験を実施した。波長1.5μm帯,データ10Gb/sの信号光の暗号・復号実験に成功し,更に,暗号信号光の光ファイバ120km伝送にも成功した。本成果により,暗号学のシャノン限界を超越する物理暗号の実現に向け大きく前進した。
著者
村上 龍文 砂田 芳秀
出版者
川崎医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

糖尿病性多発神経炎(DPN)の血管内皮増殖因子(VEGF)遺伝子治療での改善機序を解明するため、この治療が著効するSTZ糖尿病マウスのDPNについて検討した。その結果このマウスでは糖尿病初期から無髄線維が選択的に萎縮しており、有髄線維は成長・発達障害があることが明らかとなった。また坐骨神経ではVEGFシグナル系の遺伝子発現が亢進し、PGE2含量の低下が認められた。ラットと異なりマウスではVEGFの逆向性軸索輸送は認められなかった。