著者
濱住 啓之 今村 浩一郎 神原 浩平 安田 明広 渋谷 一彦 阿良田 洋雄 佐伯 暖 吉田 和幸 佐々木 誠
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.13-16, 2002
参考文献数
4
被引用文献数
19

地上デジタル放送のチャンネルプランでは、中継局も親局と同じ周波数を使って放送する単一周波数ネットワーク(SFN: Single Frequency Network)の導入が検討されている。SFNを構成する放送波中継局では、中継局の送信アンテナから放射された電波が親局波を受信するアンテナに回り込んで生ずる妨害波(回り込み波)を抑制しなければならない。本報告では、回り込み波の遅延広がりが大きい姫路中継局で確認した回り込みキャンセラの動作と、姫路局を二段目とした放送波中継の従属接続の確認実験について述べる。
著者
木村 映善 大寺 祥佑 佐々木 香織 黒田 知宏
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.47-80, 2020-09-30 (Released:2020-12-10)
参考文献数
80
被引用文献数
1

我が国は超高齢化社会に伴う医療費の拡大を控え,政策に資するエビデンスを導出するために,外的妥当性が高いと期待されるReal World Dataを用いた研究に注目しつつある.次世代医療基盤法の認定事業者は2019年末に第1号が認定されたばかりであり,管理,匿名加工,データ提供の方法論を模索中である.一方包括的かつ悉皆的な医療情報の収集体制を制度的に実現したフィンランドは,オプトアウト方式で全国の医療機関から個人番号つきで患者情報を収集し,様々なデータソースから個人番号を用いた個人単位のデータ連結を行い,二次利用用途に匿名化したデータを提供している.まさに認定事業者が担わんとしている役割を先行的に実現しているところであり,同国の現状を知ることは 我が国における今後の医療情報に関する政策の方向性を検討する上で,有意義であると推察される.渡航及び文献調査にもとづいて,フィンランドの健康医療情報に関するレジスタ,制度環境,匿名加工に関するガイドラインならびに最近の動向を紹介する.
著者
佐々木 香織 大寺 祥佑 木村 映善
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.81-108, 2020-09-30 (Released:2020-12-10)
参考文献数
40

わが国では診療情報の二次利用を促進する「次世代医療基盤法」が2018年5月11日より施行された.この法律により「認定事業者」なる機関が,日本全国の施設から診療記録を収集・保管し,更に膨大なデータから医療統計を用いた研究を行う専門家に対して「認定事業者」が匿名加工を施したデータを供与することが可能となった.イギリスのEnglandでは我が国に先んじて,Care dot Data(2013–6)という医療データの二次利用を促進させる政策を実行したが,市民からの信頼を得られず逆に不信感をつのらせ,2015年に一時中断し2016年には正式に廃止する結果となった.ところが2015–6年よりNHS Digitalを中心として,新たな制度と基盤を構築し始めたところ,その政策は成功を収める結果となった.そこで本稿はEnglandにおいて政策的失敗後に,如何にしてより包括的でより正確な医療統計を可能とするような医療情報の二次利用の基盤や社会システムを整備し,政策的成功へと導いたかを議論する.その目的はEnglandの経験や知恵が日本にどのように活かすことができるかを考察し,我が国により良い制度が構築できるよう提言することである.なお本稿における論考は専門家と専門知が如何に現代社会を支えているかを論じたルーマン(1990),ギデンズ(1993),ベック(1998)に依拠し,医療統計をはじめとした様々な統計の社会的な役割を含め,専門家と専門知に支えられた今日の社会秩序の構築と,それらに対する市民からの「信頼」に関する課題を視野に入れて進められる.
著者
渡邉 保奈美 小野寺 康 佐藤 魁星 川田 将平 佐々木 信也
出版者
一般社団法人 日本トライボロジー学会
雑誌
トライボロジスト (ISSN:09151168)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.191-200, 2022-03-15 (Released:2022-03-15)
参考文献数
20

Ionic liquids containing halogens have good lubricity, however, they are reported to cause corrosive wear. In contrast, halogen-free ionic liquids do not cause such corrosive wear, but they do not have good lubricity comparable to the halogen-containing counterparts. In this study, we focused on specific halogen-free boron-containing ionic liquids that exhibited low friction performance. The performance was mainly due to its boron-containing anions, because it was realized with both phosphonium-based and ammonium-based cations. Surface analysis and scratch test with atomic force microscope (AFM) were conducted with phosphonium-based cations to clarify the low friction mechanism. The boron-containing ionic liquid, [BOB][P66614], showed lower friction of around 0.01, which was much lower than MoDTC-containing engine oils did. The cause of the ultra-low friction with [BOB] [P66614] is thought to be due to the fact that the reaction film formed by friction has a very smooth surface and suppresses contact between metals. On the other hand, another boron-containing ionic liquid [BMB] [P66614], which did not form a smooth surface, showed relatively high friction compared to [BOB] [P66614]. Scratch tests with AFM indicated that the softer reaction film derived from [BOB] [P66614] led to the formation of a smooth sliding surface.
著者
小川 恭孝 徳田 英 佐々木 正巳 大宮 学 伊藤 精彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.503-508, 1985
被引用文献数
1 2

スポラディックE層伝搬による外国電波の混信などのように, テレビ信号を受信する際には, 混信による受信障害が発生することがある.本研究は, LMSアダプティブアレイアンテナを用いてテレビ信号の混信波を抑圧することを目的としたものである.アダプティブアレイアンテナは, 混信波の到来方向にアレイ指向性のヌルを自動的に形成し, 混信波を抑圧するものである.本研究では, 2素子のLMSアダプティブアレイアンテナのシミュレータを作製し, 実験的に混信波抑圧効果を明らかにした.実験においては, 所望波として第1チャンネルのテレビ信号, また, 混信波としては, 帯域の中心である93MHzの無変調正弦波を, それぞれ用いた.混信波抑圧効果は, シミュレータ出力のDU比と画面の主観評価試験結果を用いて評価した.その結果, パラメータの値によって良好な混信波抑圧効果が得られることが明らかになった.
著者
甲斐 俊文 佐々木 良一
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.1136-1143, 2011-03-15

ボットネットの被害が増大してきており,ボットマスタ(ハーダ)まで追跡することが重要な課題となっている.ボットネットごとに通信経路は異なるが,経路上に防弾業者や一般ユーザの端末がある場合には追跡は困難になる.そこで我々は防弾業者や一般ユーザの端末を使用しているボットネットの割合を推定するために,統計調査を実施した.その結果,ユーザ端末を使用しているボットネットの割合は1割から3割程度,防弾業者サーバ端末については少なくとも2割以上,専門のサーバ管理者に管理されている端末は4割から5割程度と見積もられることを示す.また,ボットネットに使用されている端末の国別の傾向について調査した結果も示し,これらの調査に基づいてボットネット追跡の方針を検討する.The damage of botnet is increasing, and it is an important problem to track bot masters. We analyzed tracing paths of botnet and classified these under 5 patterns. And if there are terminals of bulletproof providers or end users on a path, tracing on the path is difficult. Now we are examining a ratio of botnet using a terminal of bulletproof providers and end users. We have examined a ratio of botnet using a terminal of bulletproof providers and end users. As a result, we estimated the ratio of the botnet which used terminals of end users at around 30% from 10%, bulletproof providers at least 20%, and normal server managers at around 50% from 40%. And we argue about a policy of botnet traceback.
著者
志和 資朗 松田 俊 佐々木 高伸
出版者
日本バイオフィードバック学会
雑誌
バイオフィードバック研究 (ISSN:03861856)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.38-42, 1999-03-31 (Released:2017-05-23)

本研究では, 広場恐怖を伴う慢性のパニック障害患者に対して, その症状の軽減を目的として, マルチフィードバック療法の適用を試みた.患者自身の日常生活における不安階層表に基づき, 患者は段階的に恐怖場面に曝露された(現実的脱感作).同時に, マルチフィードバック訓練により, 複数の生理反応の自己コントロールが試みられた.その結果, この患者は自分自身の生理反応のコントロールが可能となり, さらにそのような進歩を患者自身が確認できたことにより, 抵抗なくより高次の不安場面への曝露が可能となった.3ケ月にわたる組合せ療法により, 広場恐怖が解消し, 復職が可能となった.この症例にみられる結果は, 従来の方法ではその解消が困難な場合が多々ある広場恐怖の治療において, 現実的脱感作とマルチフィードバック療法の組合せが有効であることを示唆するものである.今後さらに症例を重ねて検討していきたい.
著者
田中 皓介 稲垣 具志 岩田 圭佑 大西 正光 神田 佑亮 紀伊 雅敦 栗原 剛 小池 淳司 佐々木 邦明 佐々木 葉 Schmöcker Jan-Dirk 白水 靖郎 泊 尚志 兵藤 哲朗 藤井 聡 藤原 章正 松田 曜子 松永 千晶 松本 浩和 吉田 樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.129-140, 2021 (Released:2021-06-20)
参考文献数
20
被引用文献数
2

本稿ではCOVID-19の蔓延および政府からの社会経済活動自粛要請に伴う,人々の意識行動への影響を把握することを目的にWebアンケート調査を行った.その結果,感染・死亡リスクを,現実の数倍~数千倍過大に評価している様子が明らかとなった.また,接触感染対策として効果的な「目鼻口を触らない」の徹底度合いが他の対策に比べて低く,周知活動の問題点を指摘した.さらに,緊急事態宣言に対する65%以上の支持率や,「家にいる」ことについて,「ストレス」を感じる以上に「楽しい」と感じる人が多いこと,行動決定のために参考にするのはキャスターや評論家や政治家よりも「専門家の意見」の影響が大きいことなどが明らかとなった.
著者
佐々木 朝香
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.7, pp.59-60, 2008

てるてる坊主を題材にした映像作品.日本人は古くより, 様々な想いからてるてる坊主を作る. しかし,願いは一つ. それは雨がやみ,空が晴れる事. 人形達は,それぞれに雨を止めようと奮闘する. あるてるてる坊主は雨音で声が雲へ届かない.別のてるてる坊主は雨で溶け, さらに別のてるてる坊主には顔がなかった. 溶けて消えた人形は空へ昇る.しかし,何故空を目指すのか覚えていない. その内, 日照りを願う声を聞く. また, 人形が作られる幻を見る. てるてる坊主は快晴を願う子供と, 自分の姿を見つけ, 雨雲の中へ姿を消す. 翌朝, 子供達は人形にお神酒を供える. 消えたてるてる坊主の持ち主はよく晴れた空をみて, お神酒を空へふりまいた.
著者
佐々木 拓良 石坂 正大 金子 純一朗 梅田 啓
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.855-859, 2020 (Released:2020-12-19)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

〔目的〕本研究は,運動療法が下肢末梢の経皮的酸素分圧(PtcO2)に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕循環器疾患を有さない健常成人20名を対象とした.レジスタンス運動(RE条件),有酸素運動(AE条件)の2条件に分けて運動療法を行い,各条件での経皮的酸素分圧の変動をモニタリングした.〔結果〕AE条件はRE条件に比べて運動時のPtcO2が有意に低下し,両条件において下肢のPtcO2とSpO2の変動に有意相関は得られなかった.〔結論〕単関節運動を伴うレジスタンス運動は,多関節運動を伴う有酸素運動と比較して,PtcO2の大きな低下をきたすことなく実施可能であった.
著者
佐々木 陽子 ササキ ヨウコ Yoko Sasaki
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-14, 2013-07

本稿は、義親の介護を担う「介護嫁」の孕む問題を、以下の二点に焦点をあて論じる。一つは、厚生労働省などの公的データーに依拠し、「誰に介護を希望するか」の期待値と「誰が実際には介護を担っているか」の現実値のギャップが「嫁」についてはいかに大きいかを捉え、それを介護労働の無償性との関連で考察する。いま一つは、相対的に高齢な「介護嫁」は夫に代わって義親を介護する事を自明視する心性を内面化しながらも、親身にまた長きにわたり介護者となっても、法定相続人にはなれないとの法の孕む問題を考える。法律レベルでは、「嫁」の介護労働の無償性に対し、いくつかの救済の道が用意されている。例えば、遺言や生前贈与あるいは養子縁組をし法定相続人になることで、嫁の介護に対する財産的保障を担保したり、また「嫁」に介護を丸投げしてきた義理の兄弟姉妹に遺産相続がなされる場合、彼らに不当利得返還請求を行う事などがあげられる。だが、法律が想定する人間類型は、明確な権利主体として自己決定しうる自立した人間を前提としている。権利を行使しないのは、その人間の自立心のなさゆえであるとの見方を「介護嫁」にあてはめることの過酷さを考えたい。
著者
佐々木 かをり
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン = Nikkei personal computing (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.796, pp.95-98, 2018-06-25

最近の傾向として、欧米では名刺の代わりにSNSでのつながりを持つケースが増えてきた。最終回は、通常のメールではなくSNSメッセージでのやり取りを中心にお伝えしたい。なぜなら最近はビジネスでも、ビジネス以外でも、海外ではSNSでのメッセージのやり取りが大変増えてきているからだ。相手を"Mr.""Ms."と硬い表現で呼ぶのではなく、"Dear Marco,""Dear Olivier,"などと下の名前で呼ぶことや、会ったら、握手、あるいは、ハグ、キス、という文化にも慣れていく必要があるだろう。
著者
飯島 茂子 小城 一見 髙山 典子 沼田 充 佐々木 和実
出版者
一般社団法人 日本皮膚免疫アレルギー学会
雑誌
日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌 (ISSN:24337846)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.342-348, 2020-04-20 (Released:2020-11-24)
参考文献数
10

52歳女,プラスチック製メガネの先セルによるアレルギー性接触皮膚炎(ACD)の1例を報告した。患者はメガネを半年間使用した後,両耳介上部に掻痒を自覚した。初診時同部に落屑性浸潤性紅斑を認めた。先セルの削り屑のパッチテストを施行したところ陽性であったが,C.I. Solvent Orange 60などの油溶性染料はパッチテスト陰性であった。メガネフレームを分解したところ,金属芯が腐食していた。金属成分の分析を蛍光X線分析法を用いて行ったところ,金属芯および先セル樹脂内にニッケル(Ni)が主要成分として検出された。金属成分のパッチテストではNiが強陽性を示した。以上より,汗・皮脂等により金属芯が腐食し,その結果,Niが先セル樹脂内に拡散,浸透したため発症したNiアレルギーに伴うACDである,と最終診断した。(日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌,3(2):342-348,2020)
著者
佐々木 宏樹
出版者
農林水産省農林水産政策研究所
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究では,行動経済学の知見に基づく新たな政策手法である「ナッジ(Nudge)」が,野菜の消費拡大に与える効果を「ランダム化比較実験(RCT)」により検証する。個人の野菜への支出額を把握する際は,日本が世界に先行するレシート買い取りアプリを用いた個人レベルの日々の購買データを利用する。レシートデータは店舗横断的に把握が可能である。このため,購買場所,時間帯などのより詳細なデータを把握できるうえ,モバイルアプリを通じて個人に対するナッジが可能となる。今回の実験を通じて,消費者の野菜の購買パターンを精細に分析しかつ健康な食の選択を促すために有効なフード・ナッジを検証することが可能となる。
著者
近藤 知 掛川 一幸 佐々木 義典
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.7, pp.753-758, 1990-07-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
13
被引用文献数
4

チタン,ジルコニウム,鉛の混合硝酸塩溶液の凍結乾燥によりPb(Zr, Ti)03(PZT)を合成した(全凍結乾燥法)。またチタン,ジルコニウムの混合硝酸塩溶液の凍結乾燥生成物を熱分解したものとPbOとの固体間反応によってもPZTを合成した(組み合わせ法)。これらの合成法,および一般に行われている固相法について反応性,均一性などを比較検討した。ゑ全凍結乾燥法により得られた粉体の反応牲は最も良好で中間生成物なしにPZTが生じ,約600℃ で単一相のPZTが得られた。組み合わせ法でも中間生成物は生じず,単一相のPZTは900℃ で得られた。固相法では中間生成物としてPbTiO3が生じ,単一相のPZTが得られる温度は1000℃ であった。固相法により合成されたPZTには大きな組成変動(組成不均一性)が認められた。全凍結乾燥法と組み合わせ法により合成されたPZTの組成変動は検出精度内では認められなかった。誘電率の温度特性を調べた結果,全凍結乾燥法および組み合わせ法を用いて得られたPZTの誘電率の最大値はともに,乾式法によるPZTの2倍程度の値をもっていた。
著者
菅野 英二 伊藤 恵造 篠原 弘亮 佐々木 正剛
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.53, pp.137-140, 2002-11-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
5

福島県で1994年および2000年に多発生したモモ急性枯死症状の発生実態を調査し, その原因を解明するため, 2000年に発症樹から細菌を分離し, 接種による症状の再現を試みe. その結果, 本症状の発生時期は9~10月であること, 発症から枯死までの期間が5日程度であること, 結果樹から収穫した果実は正常であったこと, 5年生前後の若木で発症が多いこと, 品種間差は明確ではないこと等が明らかになった. 一方, 発症樹から分離された細菌をモモ休眠枝に接種したところ原症状が再現されたことから, 本症状の病原が細菌である可能性が示唆された.
著者
細見 修 佐々木 啓
出版者
順天堂大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

ヒト骨髄性慢性白血病細胞の増殖を強く抑制する二糖(MelNH2, Galα1-6GlcNH2)の開発や、その臨床応用に向けた研究を進めてきた。MelNH2が通常の抗がん剤のような副作用のない安全なものとなれば、広く社会に貢献できる。がん細胞がMelNH2を取り込む機序の解明は残っているが、がん細胞のクロマチン凝集や小胞体からのカルシウムイオンの放出を招き、アポトーシスを誘導すると思われる。又メタロチオネインの異常発現から、がん細胞はMelNH2を排除するためメタロチオネインを総動員させると推測された。リボ核タンパク質がMelNH2と反応し、そのスプライシング機能を阻害することも推測された。