著者
多田 稔 高木 馨 川久保 和道 白田 龍之介 石垣 和祥 武田 剛志 藤原 弘明 梅舟 仰胤 齋藤 圭 斎藤 友隆 渡邉 健雄 秋山 大 内野 里枝 岸川 孝弘 高原 楠昊 高橋 良太 山本 恵介 濱田 毅 水野 卓 宮林 弘至 毛利 大 松原 三郎 木暮 宏史 中井 陽介 山本 夏代 佐々木 隆 笹平 直樹 平野 賢二 伊地知 秀明 立石 敬介 伊佐山 浩通 小池 和彦
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.112, no.8, pp.1474-1478, 2015-08-05 (Released:2015-08-05)
参考文献数
15

IPMN,膵嚢胞は,膵癌高危険群の中で最も効率のよい指標である.IPMNは進行が緩徐で比較的予後のよいIPMN由来浸潤癌がよく知られているが,予後不良の通常型膵癌の発生もともなう.最適な経過観察方法は定まっていないが,EUSがいずれの発癌形態にも最も感度のよい検査方法である.ただし,スクリーニングのための最適な検査方法については検討事項である.
著者
萩原 弘一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.6, pp.1036-1041, 2006-06-10 (Released:2009-03-27)
参考文献数
6

我々は, 効率的な疾患遺伝子同定法であるホモ接合指紋法 (homozygosity fingerprinting法) により, 肺胞微石症責任遺伝子を同定した. 責任遺伝子 (SLC34A2) はII型肺胞上皮細胞に発現するリンの運搬蛋白をコードしていた. 肺胞の表面は, リン脂質を主成分とする表面活性物質に覆われている. 古い表面活性物質は, 肺胞マクロファージによる消化後, II型肺胞上皮細胞上のSLC34A2により肺胞腔から除去される. 肺胞微石症では, SLC34A2機能喪失により, 肺胞腔内のリンイオン除去が障害された結果, 微石が生じると考えられる.
著者
上原 弘三
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部紀要 (ISSN:00756431)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.141-147, 1997-03
被引用文献数
1

日本の家屋におけるアレルギー性ダニの最近の分布状況を明らかにするため. 61戸のダニアレルギー患者(主として喘息患者)家屋と比較対照のために11戸の健常人家屋から屋内塵を採取し,コナヒョウヒダニDermatophagoides farinae HughesとヤケヒョウヒダニDermatophagoides pteronyssinus (Trouessart)の抗原レベルを比較した。掛け布団と枕においては,対照家屋より患者家屋の方が高い抗原レベルを示したが,敷き布団,カーペット,畳および板間については差がなかった。年間で見ると春から秋の期間(4〜10月)が他の時期に比べて材料の表面1m^2当たり10μg以上の抗原レベルを示したサンプルが多く,年間を通じて観察された掛け布団とまくらにおける患者家屋と対照家屋との差異が, この期間においても確認された。患者家屋の掛け布団,敷き布団,枕,カーペットおよび畳において木造家屋の方がコンクリート家屋より高い抗原レベルを示した。患者家屋の環境要因とダニ汚染の関連について考察した。
著者
光原 弘幸 眞鍋 圭人 獅々堀 正幹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.441, pp.69-74, 2015-01-24

本研究では,インタラクティブなデジタルサイネージとして,Interactive Niche-Learning (INL)システムを開発してきた.INLシステムは,Kinectセンサを導入することにより,視聴者をクイズ教材に合成表示するとともに,視聴者の立ち位置でクイズに解答することを可能にしている.INLシステムを防災学習に適用する中で,Kinectセンサの特長を活かしたインタラクティブ化が課題として挙げられた.そこで,(1)視聴者がクイズに集中して解答できるようにするために,クイズ正解視聴者を視覚的効果で称賛するとともに,(2)動作や行動を伴う防災学習を実現するために,ジェスチャ認識によりクイズの正誤判定をする機能を実装した.防災教育施設での試用実験において簡易的なアンケート調査を実施し,視覚的効果の有効性を検証した.
著者
吉田 圭吾 高山 泰一 福原 弘太郎 内田 敦 関根 秀真 鹿志村 修
出版者
社団法人 日本リモートセンシング学会
雑誌
日本リモートセンシング学会誌 (ISSN:02897911)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.287-299, 2012-11-20 (Released:2013-08-24)
参考文献数
53

This paper presents a monitoring method for paddy fields with hyperspectral remote sensing images in West Java, Indonesia. The statistical modeling method called sparse reguralization is introduced in two forms, that is, LASSO regression for the rice yield estimation and sparse discriminant analysis for the growth stage classification of rice plants, in order to take advantages of the detailed reflectance spectrum measured by numerous bands and to overcome the difficulties in hyperspectral image analysis such as model overfitting. Results of the experiment with airborne hyperspectral images measured by HyMap indicate that sparse regularization can predict paddy conditions with higher degree of accuracy than several estimation methods commonly used in remote sensing applications, such as normalized difference spectral index, partial least squares, or support vector machines. Besides, the prediction models have a limited number of bands which are expected to be informative to figure out the rice growth situation. The overall error between predicted rice yield of the target area and agricultural statistics is 6.40 %, showing the potential effectiveness of methods described in this paper.
著者
我原 弘昭 間辺 本文 瀬戸口 喜祥 吉村 直孝 佐保 哲康 幸 聖二
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海洋開発論文集 (ISSN:09127348)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1125-1130, 2005 (Released:2011-06-27)
参考文献数
5

At the Nagasu fishing port of Oita Prefecture, the field survey on environmental-impact-assessment was carried out before and after dumping dredged sand into the shallow sea area. As comparing both field survey results, influence on fishing ground environment by dumping dredged sand into the shallow area was examined and evaluated. As a result of measuring the number of species and individuals and the amount of wet-weight of macro benthos in both bottom material, it showed that the condition of macro benthos of bottom material after dumping was almost similar to that before dumping. Therefore, it is considered that the influence of dumping dredged sand into shallow sea area around Nagasu Fishing Port would be temporary and little impact. In addition, planning the time of dumping dredged sand in this area, the consideration of avoiding the time of larva and juvenile of Marbled sole (Pleuronectes yokohamae) and the time of cultivate laver would be required.
著者
宗原 弘幸 Paul Judy M. Paul Augustus J.
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:18847374)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.73-75, 1994

アラスカ湾北部, 氷河フィヨルド地帯, リザレクション湾において, 春季のカサゴ目仔稚魚の出現状況を調査した.標本採集はNIOTトロールを用い, 湾内3地点において1991年4月2日から7月9日まで, ほぼ毎週行なった.42回の曳網でカジカ科10, トクビレ科1, クサウオ科1, およびギンダラ, 合計13タイプ75個体のカサゴ目仔稚魚が採集された.これらのうち, ギンダラを除く12種は, 沈性粘着卵を産むこと, および湾内の流速などから判断して, 湾内で繁殖しているものと考えられた.調査期間中の各タイプの平均分布密度0.28-8.96/1000m<SUP>3</SUP>は, 同様の方法で同時期に採集されるスケトウダラおよびニシンの数値と比べて極端に低く, カサゴ目仔稚魚は本調査海域における春季のプランクトン消費者としての役割は小さいとみなされた.しかし, 氷河の影響がないアラスカ湾南東部のオーク湾およびアラスカ湾西部のコディアック島周辺では, カサゴ目魚類, 特にカジカ科魚類は主要な出現仔稚魚となっており, これらのことから, 低温低塩分濃度, 大量にシルトを含んでいることなどで特徴づけられる氷河フィヨルド地帯は, 北太平洋東岸に生息するカサゴ目魚類にとって, 好適な棲み場ではないことが示唆された.
著者
植松 夏子 柴原 弘明 岡本 妙子 木下 早苗 眞野 香 青山 昌広 西村 大作 伊藤 哲 吉田 厚志
出版者
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.764-769, 2012

直腸癌術後仙骨転移による坐骨神経痛に対し緩和ケアチームが介入した。娘の結婚式を控え,早急な疼痛緩和と,レスキューの人工肛門からの投与経路変更が必要であった。投与していたフェンタニル貼付剤25.2mg/72hrを16.8mg/72hrへ減量し,モルヒネ注射薬3.6mg/hrを新たに併用した部分的オピオイドローテーションと,患者自己調節鎮痛ポンプによる経静脈的経路へのレスキュー投与経路の変更により,患者は疼痛なく,家族も安心して結婚式に参加することができた。今回行なった部分的オピオイドローテーションは,①比較的短時間に行なえる,②異なるオピオイドを新たに加えるため鎮痛が期待できる,③オピオイド変更による副作用が全量オピオイドローテーションより少ない,といった利点がある。癌患者の疼痛緩和での薬剤調整は,患者と家族の視点で立案することが肝要である。
著者
藤代 史 石﨑 梓 新井 宏受 長田 直之 石井 慶造 菅原 弘治 松根 寿
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

福島第一原子力発電所事故により、福島県内で稲作の作付規制が行われている。水田土壌は耕起が年単位で行われないと稲作のための土壌としての役割を果たせなくなるため、一刻も早い放射能除染が望まれている。本研究では、耕起する土壌の深さを変えて試験作付を行い、未除染土壌での稲への放射能移行を調査した。
著者
西川 潤 宮嵜 孝子 鈴木 庸弘 板谷 優子 山脇 秀元 三原 弘 蓮本 祐史 藤浪 斗 小川 浩平 細川 歩 工藤 俊彦 杉山 敏郎
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.108, no.9, pp.1535-1539, 2011 (Released:2011-09-05)
参考文献数
24

infliximab投与により薬剤誘発性ループスを発症した潰瘍性大腸炎の1例を経験した.ステロイド依存性潰瘍性大腸炎患者に対し,寛解導入ならびに寛解維持目的でinfliximab投与を施行した.第5回目のinfliximab投与後に多関節痛,リンパ球減少,抗二本鎖DNA抗体陽性,抗核抗体陽性を呈し薬剤誘発性ループスと診断した.保存的治療とinfliximab投与中止により症状の改善が得られた.
著者
朝位 孝二 古賀 将太 榊原 弘之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.30-40, 2011 (Released:2011-05-20)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

近年水害経験のある流域に配布されたハザードマップの公開効果を把握と流域住民の効果的な防災意識向上の方法を探索することを目的として,山口県岩国市の錦川中流部(美川地域,錦地域)住民にアンケート調査を行った.アンケート調査はハザードマップ配布前後の2回行った.調査の結果,水害対策行動に至る心理段階として「知識」が,規定因として「愛着感」「危機感」が主要な要因であることが分かった.水害対策行動の実施確率からハザードマップの配布効果があることが示唆された.さらに,「知識」「台風14号の被災経験」「危機感」「有効感」「負担感」「ハザードマップの分かりやすさ」が防災意識向上の鍵となることが分かった.
著者
長曽我部 まどか 武吉 弘樹 榊原 弘之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_69-I_80, 2015 (Released:2015-12-21)
参考文献数
50

市民や地域住民自らがコミュニティに存在する問題を解決するためには,コミュニティの問題認識を明確化する必要がある.本研究では,コミュニティの中で市民や住民自らが主体的に問題解決を図る仕組みをコミュニティ・ガバナンス,コミュニティ全体の認識を「社会的文脈」と呼ぶ.社会的文脈は,時系列的に遷移するものと考えられる.そこで,近年の自転車交通問題を例として,コミュニティ・ガバナンスにおける社会的文脈の遷移過程を明らかにした.新聞記事テキストの内容分析を行い,ある特定の語と共起する語群より社会的文脈を特定した.さらに共起語の時系列的な変化より,社会的文脈の遷移過程を明らかにした.近年の自転車交通問題では,自転車の放置問題から,道路空間上での自転車走行のあり方へと社会的文脈が遷移したことを示した.
著者
森貞 晃 小林 孝之 蓬原 弘一
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.163-179, 2004-04-01
被引用文献数
6

本論文では機械安全に関する国際規格上での人間/機械安全作業シテムの扱いをインタロック構造として定式化する。まず人間と機械が協調して作業を行うシステムで人間側と機械可動部側の作業状態を各々3通りに分けて、その結果として生じる人間/機械間の組み合わせ状態での安全確保論理をインタロック構造として定式化する。本論文で示すインタロックシステムは機械側の作業状態に対して再起動防止制御の機能をもつ。このため、機械側の作業実行状態において人間側が確実に安全状態に固定されるようなインタロックシステムと人間側が必ずしも安全状態に固定されないままで機械側は作業実行中とみなされる状態を継続するようなインタロックシステムを考えることができる。前者を相互インタロックシステム、後者を自己確認型インタロックシステムと呼んで両者の各々を定式化して示す。
著者
浦野 聡 師尾 晶子 太記 祐一 草生 久嗣 中谷 功治 小笠原 弘幸 深津 行徳 益田 朋幸 村田 光司 田中 咲子 松崎 哲也 奈良澤 由美 KORKUT Taner
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

古代から中世にかけての地中海世界における聖域空間と社会の関係の変動を具体的に調査するため、リキア地方(トルコ南西部)のトロス遺跡の司教座聖堂に焦点を定め、発掘調査を行った。この聖堂は、古代の都市の主聖域に建造されており、それ以前の神殿や聖域との関係で重要な知見を得られることが期待されたが、キリスト教の国教化から50年ほど経った五世紀の半ばには完成し、その後、11世紀に至るまで、隣接する旧都市の主神殿クロノス神殿までの空間に教会付属の工房区域が形成され、都市の手工業の中心となったことが明らかにされた。
著者
前川 佳代 大矢 邦宣 宮崎 良美 島原 弘征
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、世界遺産となった平泉における都市造営の思想読解のために、地理情報システムであるGISを利用して、発掘調査で検出された遺構のデータベースの作成と、その個々のデータ間の地理的関係を分析し、それらを基に周囲の地理的環境からマクロ的視点で都市造営の思想を読み解くものである。遺構データベースを作成し、平泉の都市構造を復元した。平泉を取り巻く地理的環境からは、諸施設と山稜の関係や太陽運行の関係を考察した。GISソフトで遺構情報を管理し、データを集積していくことは、平泉における今後の継続的な調査と資料の集積と、それらの分析に有効だと思われる。
著者
和田 匡史 渡邊 敦之 井原 弘貴 池田 昌絵 戸田 洋伸 山中 俊明 橋本 克史 寺坂 律子 中濱 一 山田 信行
出版者
Japan Heart Foundation
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.S2_173-S2_179, 2010

症例は51歳, 女性. うつ病に対して抗精神薬を5剤内服し治療中であった. 2009年6月21日, 2階のベランダから転落後の状況を発見されて前医に救急搬送となった. 画像検索で骨盤・眼窩底・上顎骨骨折が判明し骨盤骨折に対して緊急手術の予定となったものの, 術前心電図で著明なST変化を認め当院紹介搬送された. 当院来院時はショック状態で, 心電図・心エコー所見から急性心筋梗塞の疑いで緊急冠動脈造影を施行した. 造影の結果, 左冠動脈主幹部で完全閉塞しており, 外傷後ではあったが救命目的に引き続きIABP挿入下にPCIを行った. 左冠動脈主幹部入口部から大量血栓を認め, 冠血流改善に難渋した. 主幹部入口部に残存する解離様陰影に対してBMSを留置し, PCI終了とした.<BR>文献上では胸部外傷後に急性心筋梗塞を発症することが報告されているが, 本症例のように多発外傷後に左冠動脈主幹部閉塞をきたした症例は非常に稀である. 外傷による冠損傷・血栓形成の機序についての考察を交えて報告する.