著者
細井 卓司 山田 高成 森崎 浩 浦上 研一 楠原 正俊 玉井 直
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.407-417, 2017-07-15 (Released:2017-08-26)
参考文献数
54
被引用文献数
1 2

術後悪心・嘔吐は,麻酔関連合併症の中で最も頻度が高く,また重篤な病態を惹起する危険性がある.その原因はさまざまな要因が指摘され,また嘔吐に関わる伝達経路も複数存在している.世界的にはこれらのさまざまな伝達経路に対処可能な制吐薬あるいは嘔吐予防薬が開発されているものの,わが国においては保険適用が限定され,高額な制吐薬を術後悪心・嘔吐には処方できない状況にある.今後は術後悪心・嘔吐を併発しやすい患者群をより精度の高い評価法や非侵襲的指標により把握し,効率的に予防することが望まれる.
著者
岡本 百合 三宅 典恵 香川 芙美 吉原 正治
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.423-428, 2019 (Released:2019-07-01)
参考文献数
12

近年, 受診する成人の背景に自閉症スペクトラム障害 (autism spectrum disorder : ASD) をもつ例が多いことがいわれている. 大学の中にも, 自閉症スペクトラム (autism spectrum : AS) 特性を背景として, 併存症や不適応問題を抱えて来談・受診する学生が増加している. 保健管理センターに来談・受診する学生に, 厳密にASD診断がつく者は一定割合はいるものの, 多くはグレイゾーンの学生たちである. 今回は, 広い意味でAS特性をもつ大学生の臨床像について報告した. 障害学生支援については, 2016年 (平成28年) 4月に障害者差別解消法の合理的配慮規定などが施行され, 修学上の支援は充実されつつある. しかしながら, 修学上の問題以外の不適応問題に取り組む必要がある. また, 大学生活への適応だけでなく, 卒業後の方向性もふまえて支援していくことが重要と思われた.
著者
若原 正己
出版者
日本組織培養学会
雑誌
組織培養研究 (ISSN:09123636)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.47-52, 1991-11-20 (Released:2012-11-13)
参考文献数
19

アフリカツメガエル受精卵を第1卵割前に短時間斜めに傾けて放置すると将来の背腹軸が逆転するので、背腹軸の形成には重力依存の機構があることが分かる。このことは受精卵を第1卵割前に軽く遠心する実験でも確かめられる。適当な遠心条件を選べば、遠心卵から大量の双軸胚が得られる。受精卵を正常状態(1g)、過重力(3g)、模擬無重力(μg)下で飼育し、卵割パターン、原ロ陥入の様子、形態形成などを比較した。その結果、重力は第3卵割面の位置に大きな影響を与えることが分かった。3g胚では、第3卵割面は極端に動物極側に生じ、μg胚では赤道付近に生じる。その後の形態形成について特徴点を述べた。また、重力は卵割パターンを変更させることにより始原生殖細胞の発生にも影響を及ぼす。
著者
管原 正志
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.1-2, 2015 (Released:2015-01-25)
被引用文献数
1
著者
松原 正樹 諏訪 正樹 斎藤 博昭
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.281-295, 2012 (Released:2012-09-26)
参考文献数
50
被引用文献数
2

This paper describes an interactive learning-aid system for analytical comprehension of music by highlighting orchestral score in colors, and classifies and evaluates the learning process on the system. An orchestral music is composed to integrate many instrumental parts, and musicians have to be proficient in reading the score analytically in order to understand its multifaceted structure. However, many people often face difficulty in comprehending its musical structure: Some intermediate performers can read and perform their own part, but cannot understand the role of each part in the assembled whole. In order to solve this problem, our conventional paper proposes an interactive supportive system called ScoreIlluminator that enables musicians (and non-musicians) to easily represent how he or she recognizes an orchestral music, e.g. the differentiation of melody parts from the others, and the similarity across instrumental parts. ScoreIlluminator clusters the parts from an orchestral score according to their roles in the whole, and displays the clusters on the score by assigning a color to each cluster. The users can manipulate the clustering parameters with the user interface of the system. The system employs two major design concepts. One is ``colored notation'' and the other is ``directability''. The ``colored notation'' visualizes the roles and the relations between parts, which are estimated by the system. The estimation is based on the similarity metric of four musical features: rhythmic activity, sonic richness, melodic activity and consonance activity. Using these metrics, clustering phase is conducted using an unsupervised learning algorithm (k-means algorithm). Our system provides the ``directability'' with an interactive interface in which subjects can freely manipulate parameter settings and see the change in score-highliting in real-time. In this process, users learn the role of parts and the relationship between parts and explore multifaceted interpretations of the music. To verify the effectiveness of the system, we conducted a user-experience experiment with four intermediate musicians. The musicians showed various kinds of progress in interpreting the score. With the episodes from the experiment, we discuss how the system encouraged subject's analytic skill in orchestral-score reading and music listening.
著者
川上 新一郎 松野 陽一 入口 敦志 齋藤 希史 原 正一郎 和田 恭幸 堀川 貴司
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館報 (ISSN:03864790)
巻号頁・発行日
no.56, pp.1-20, 2001-03-01

初雁文庫管見平成13年度講演会・古典連続公演予告書物文化の視点からの研究事業(一)中国東北地方の日本古典籍について新しい器ばあくれいざっきⅡ(これがエージェント?)新収和古書抄 平成12年新収資料紹介46:阿弥陀胸割平成12年度古典連続講演報告第6回シンポジウム・コンピュータ国文学報告第24回国際日本文学研究集会報告特別共同利用研究員の受入れについて・夏季セミナー受講生の募集彙報・人事異動・平成13年度共同研究文庫紹介34:名古屋市蓬左文庫平成13年度春・夏季学会
著者
中原 正樹
出版者
京都産業大学
雑誌
高等教育フォーラム (ISSN:21862907)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.79-85, 2018-03-31

京都産業大学法学部(以下、「法学部」という。)では、新入生の理解度向上のため、2017 年度より新入生オリエンテーションを一方向型の情報伝達式から、事前学習やアクティブラーニング等の要素を取り込んだ新入生参加型オリエンテーションへと転換を図った。 具体的には、(ア)入学前に導入オリエンテーションを実施し、後の履修オリエンテーションにつながる事前学習を義務付けたこと、(イ)入学後に実施するオリエンテーションでスマートフォンを活用した疑似反転授業を実施したこと、(ウ)学生履修アドバイザーを活用し、新入生の理解度に応じたきめ細かな対応に取り組んだこと等である。 法学部では、これらの取り組みによって、その後の学生からの質問がオリエンテーション内容の再説明を要するものから、説明をふまえたうえでの質問へと質的に変化したことを感じることができた。 本稿では、法学部でのこれらの取り組みを、大人数を対象とした授業やガイダンスにおける学生の集中力や理解度向上のための転用可能な実践事例として報告する。
著者
小口 太一 大西 真理 近川 幸恵 児玉 貴志 鈴木 えみり 笠原 正輝 穐山 浩 手島 玲子 布藤 聡 日野 明寛 古井 聡 橘田 和美
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.41-46, 2009-02-25 (Released:2009-03-26)
参考文献数
5
被引用文献数
2 14

食品・飼料としての利用を目的とした遺伝子組換えテンサイ品種が開発されている.本研究では,テンサイを原料とした加工食品を遺伝子組換え食品の検査の対象にすべきか評価するため,テンサイ糖製品におけるDNA残存の有無を調査した.複数のテンサイ内在性遺伝子配列を標的としたPCR分析の結果,テンサイに含まれるDNAは製糖過程の早い段階で分解され,テンサイ糖製品中から分析可能な質および量のDNAは回収できなかった.
著者
石原 正仁 藤吉 康志 田畑 明 榊原 均 赤枝 健冶 岡村 博文
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.139-163, 1995-04-25
参考文献数
42
被引用文献数
19

「集中豪雨のメカニズムと予測に関する研究」の一環として1988年の梅雨期に九州北部を中心として実施された特別観測期間中に、梅雨前線に沿ってメソスケール降雨帯が発生し、最大総降水量178mmの大雨が発生した。2台のドップラーレーダーによる観測結果をもとに、この降雨帯のレーダーエコーと循環の3次元構造を解析し、その構造と維持過程を中心に議論する。降雨帯は1988年7月17日に発生し、7時間維持された。発生環境を見ると、大気下層の水平温度傾度が大きくはなく、熱力学的不安定度は熱帯と中緯度の中間であった。降雨帯の長さは170kmに達し、内部は対流性領域と層状性領域から構成されていた。降雨帯の走向は北西-南東であり、大気中層と下層の間の風の鉛直シヤーとほぼ平行であった。対流性領域にある既存の対流セルは降雨帯の走向に沿って移動し、周囲の南西風が入り込む降雨帯の南西端に新しい対流セルが次々と発生した。降雨帯の中には次のような特徴的な流れが確認された。:1)降雨帯の前部にある対流規模上昇流、2)降雨が最も強い領域にある対流性下降流、3)後部中層のエコーのノッチ(切れ目)からの乾燥空気の流入、4)この後部流入に接続するメソ下降流、5)対流規模下降流の下の大気最下層の前方と後方に進む発散流。これら最下層の発散流は周囲より4℃程度低温の寒気プールを作り、この寒気プールと降雨帯前方の暖湿な南西流との間にガストフロントが作られた。降雨帯後方にあった中層の総観規模の乾燥域は、最下層の暖湿気流とともに、降雨帯を維持するために重要な役割を果たした。高層データによると、雨滴の蒸発冷却によると思われる低温域が対流規模下降流とメソ下降流の中に存在した。後部流入にともなう乾燥空気は対流性領域の最下層まで達していた。こうした熱力学特徴は、ドップラーレーダー解析から得られた運動学的構造とよく適合した。降雨帯は中緯度の前線帯に発生したとはいえ、対流圏下層に限れば降雨帯の前後の熱力学的条件の差異は非常に小さかった。この降雨帯は、西ヨーロッパや北米太平洋岸の寒帯前線にともなって観測されるメソ対流システムよりも、熱帯や中緯度のスコールラインのような「自立型対流システム」に属するであろう。
著者
川原 正隆 金井 敦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICSS, 情報通信システムセキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.499, pp.1-6, 2013-03-18

ブログやSNSなどの普及により個人が手軽に情報を発信する機会が増えたことで,無意識に個人情報が書かれていることが多い.個人情報の中でも誕生日は重要な情報でありながら多く書かれている.ブログから個人情報が漏れているか自動判別するためには個人情報が書かれているか判別する必要がある.そこでブログ本文に作者の誕生日が書かれているかについてベイジアンフィルタを用いて判別する方法を提案し,その評価を行った.その結果,ブログ本文に本人の誕生日が書かれていた場合に本人の誕生日が書かれていると判別することができ,提案した方式に妥当性があると確認できた.
著者
山口 惠三 大野 章 石井 良和 舘田 一博 岩田 守弘 神田 誠 辻尾 芳子 木元 宏弥 方山 揚誠 西村 正治 秋沢 宏次 保嶋 実 葛西 猛 木村 正彦 松田 啓子 林 右 三木 誠 中野渡 進 富永 眞琴 賀来 満夫 金光 敬二 國島 広之 中川 卓夫 櫻井 雅紀 塩谷 譲司 豊嶋 俊光 岡田 淳 杉田 暁大 伊藤 辰美 米山 彰子 諏訪部 章 山端 久美子 熊坂 一成 貝森 光大 中村 敏彦 川村 千鶴子 小池 和彦 木南 英紀 山田 俊幸 小栗 豊子 伊東 紘一 渡邊 清明 小林 芳夫 大竹 皓子 内田 幹 戸塚 恭一 村上 正巳 四方田 幸恵 高橋 綾子 岡本 英行 犬塚 和久 山崎 堅一郎 権田 秀雄 山下 峻徳 山口 育男 岡田 基 五十里 博美 黒澤 直美 藤本 佳則 石郷 潮美 浅野 裕子 森 三樹雄 叶 一乃 永野 栄子 影山 二三男 釋 悦子 菅野 治重 相原 雅典 源馬 均 上村 桂一 前崎 繁文 橋北 義一 堀井 俊伸 宮島 栄治 吉村 平 平岡 稔 住友 みどり 和田 英夫 山根 伸夫 馬場 尚志 家入 蒼生夫 一山 智 藤田 信一 岡 三喜男 二木 芳人 岡部 英俊 立脇 憲一 茂龍 邦彦 草野 展周 三原 栄一郎 能勢 資子 吉田 治義 山下 政宣 桑原 正雄 藤上 良寛 伏脇 猛司 日野田 裕治 田中 伸明 清水 章 田窪 孝行 日下部 正 岡崎 俊朗 高橋 伯夫 平城 均 益田 順一 浅井 浩次 河原 邦光 田港 朝彦 根ケ山 清 佐野 麗子 杉浦 哲朗 松尾 収二 小松 方 村瀬 光春 湯月 洋介 池田 紀男 山根 誠久 仲宗根 勇 相馬 正幸 山本 剛 相澤 久道 本田 順一 木下 承晧 河野 誠司 岡山 昭彦 影岡 武士 本郷 俊治 青木 洋介 宮之原 弘晃 濱崎 直孝 平松 和史 小野 順子 平潟 洋一 河野 茂 岡田 薫
出版者
日本抗生物質学術協議会
雑誌
The Japanese journal of antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.428-451, 2006-12-25
参考文献数
17
被引用文献数
37
著者
大宮 卓 小野 智子 菅原 正和 OMIYA Takushi ONO Chieko SUGAWARA Masakazu
出版者
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13472216)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.99-109, 2012-03-31

茶道の歴史は長く、古くは奈良時代にまでさかのぼる。茶ははじめ、薬用として用いられたが、時代が変わると、茶を飲用だけに使うのではなく、作法と茶の精神を合わせた「茶の湯」となった。これが現代で言う茶道である。茶道の精神は「和敬清寂」にあらわされ、和して敬い合い、清らかな心を持ち、不動の精神と心を持つことによって、何事にも動じない、どんなことにもゆとりを持つだけの心の広さが生じることを指向する。そして、日常の喧騒と雑事から一時離れ、ささやかな、いっぷくのお茶をとおして"well-being"たらんとする。本研究の目的は長年茶道をたしなんできた人々(SV)と、茶道部学生(GS)、一般学生(CS)のSWB 並びにその下位6因子の相違を探求することにより、茶道が有するSWB(Subjective Wellbeing)への影響を明らかにしようとすることであった。分析の結果、SWB に影響を与える要因は加齢と茶道歴の双方であり、加齢と茶道歴のどちらか片方のみでは、SWB に影響を与えることがないことが明らかとなった。
著者
菅原 正義
出版者
長岡工業高等専門学校
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1998

動物の消化管に常在している細菌は、宿主に有害・有益な代謝を行い宿主の健康に大きな影響を及ぼすことが知られている。本研究では、脂質代謝や発ガンへの影響が示唆されている二次胆汁酸を一次胆汁酸から生成させる腸内細菌由来の酵素7α-デヒドロキシラーゼに関する知見の収集とその代謝制御を目的として研究を行った。これまで本酵素生産菌としてEubacterium sp. strain VPI 12708などが知られ、比較的菌数の低い強い酵素活性を有する菌が主として生産していると考えられてきた。我々は、これまで胆汁酸分析に一般に用いられてきたTLC、HPLC、GPCより感度が高いELISA法を用いて本酵素生産菌の探索を行った結果、総菌数の1〜10パーセント程度の多くの菌株が低い本酵素生産能を有することを確認した。その中でもEubactrium spと考えられる比較的酵素生産能の高い数菌株を用いて酵素精製を試みたが、継代培養を繰り返すにしたがって生産性が低下し精製することができなかった。本酵素活性の食品成分による制御を目的として酒粕粉末をラットに投与した結果、胆汁酸排泄量が有意に増加、二次胆汁酸の排泄が減少した。また、コレステロール吸収に重要なコール酸及びデオキシコール酸の排出が増加した。さらにパスタに難消化性澱粉素材である湿熱処理ハイアミロースコーンスターチを添加してヒトヘ投与した結果、胆汁酸排泄の増加とコール酸とケノデオキシコール酸の増加、デオキシコール酸とリトコール酸の減少を示し、食品成分によって胆汁酸排泄と7α-デヒドロキシル化を制御できることがわかった。
著者
藤原 正仁
出版者
日本アニメーション学会
雑誌
アニメーション研究 (ISSN:1347300X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.15-32, 2016-09-07 (Released:2023-02-18)
参考文献数
76

本研究の目的は、今 敏のライフストーリーの観点から、今 敏監督の人間像、今 敏監督作品の創造過程、そして、今 敏監督と今 敏監督作品との連関について明らかにすることである。本研究では、アニメーション作品、絵コンテ、日記、ブログ、ウェブサイト、エッセイ、音声解説、記事などの資料調査に基づく質的研究の方法論を採用した。その結果、今 敏は、仕事と仲間とともに、アニメーション監督という職業を通して、アイデンティティを確立させながら、自らを表現しようとしていることが明らかにされた。今 敏監督は、絵を描くことによって、想像力を拡張し、創造性に富んだ新しいアニメーションの表現に挑戦し続けた。彼のアイディアは、現実と対峙し、予期しない出来事や偶然の出会いが源泉となっている。とくに、平沢進の音楽と筒井康隆の小説の影響を受けており、これらの世界観は、今 敏監督のアニメーション作品に活かされている。さらに、今 敏監督は、日常生活の中での想像力を作品に反映している。本研究の結論として、今 敏は、自らの人生の意味を探求しながら、アニメーション作品の中に、彼自身の人生のテーマを表現し続けたことが明らかにされた。
著者
黒田 貴子 原 正一 松田 秋彦
出版者
公益社団法人 日本船舶海洋工学会
雑誌
日本船舶海洋工学会論文集 (ISSN:18803717)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.339-345, 2007 (Released:2008-03-18)
参考文献数
8

In order to make a plan of ship towing, it is necessary to investigate the towing performance of the tow ship, status of the towed ship, external force acting on the towed ship and sea conditions. The factors of the towing performance are derived from the towing gear and main engine power, which are evaluated by the bollard pull test in the case of the tugboat. When the general ship instead of the tugboat makes a towing operation, the towing performance with the main engine power is crucial. It is important to know the towing performance of the tow ship and tow force depending on the size of towed ships in several sea states in the emergency towing by the general ship.The bollard pull test and towing test in calm and rough seas have been carried out to investigate the tow force and tow power, critical tow force and the condition of safe towing. The towing safety factor is defined by the critical tow force divided by the maximum towline tension during towing. The factor less than 1 indicates the disability of towing. The critical condition is shown by the value between 1 and 2. Lastly its value larger than 2 indicates the safe towing. The towline tension is calculated by the Optimum Towing Support System developed by the National Maritime Research Institute. In this calculation, the patrol vessel as tow ship tows 5kinds of ships in several sea states. By using the ratio of critical tow force and calculated towline tension, the towing safety factor is estimated and the chart for the critical towing performance in several sea states using the displacement ratio between tow and towed ship has been shown. Even the operator of the general ship will be able to know the possibility of the safe emergency towing using the displacement of the towed ship in certain weather condition in this chart.