著者
臼田 滋 内山 靖 原田 和宏 松葉 好子 青山 誠 永冨 史子 半田 一登
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【目的】日本理学療法士協会は平成24年度厚生労働省老人保健健康増進等国庫補助金事業として「病期・職種を問わず使用できるリハビリテーション評価指標作成事業」を実施した。本演題では,本事業のデルファイ法を用いた評価指標項目の精選と試作したリハビリテーション評価指標を報告する。【活動報告】病期・職種・疾患の違いに関わらず,患者・利用者の状態像を縦断的に評価するために必要な評価指標項目を精選するために,3回の調査で構成されるデルファイ法を用いた。対象は,臨床経験年数が10~20年の理学療法士120名,作業療法士60名,言語聴覚療法士20名の計200名で,関与する病期と勤務地域に偏りが生じないように配慮した。round1では事前に提示した評価指標120項目に対する必要度(5段階Likert scale)と追加項目を調査した。round2とround3では前回の調査結果を提示した上で,必要度を調査した。それぞれ対象の70%,80%以上が必要と回答した項目を精選した。3回の有効回答率は91.5%,84.5%,81.0%であった。round1にて92項目が追加され,round2で50項目,round3で最終的に22項目が精選された。10分以内に評価でき,結果を多職種で共有できること目指し,最終的に活動・参加の8項目(実行状況と能力),心身機能の7項目の計15項目から構成される評価指標を試作した。各項目について0~4点の5段階評定を採用した。【考察】評価指標項目を科学的な手続きを経て精選し,評価指標を試作することができた。多角的な検証を踏まえ,簡便に患者・利用者の状態像を把握でき,病期や疾患を問わず多職種間で共有しやすい指標となった。今後は,病期別,疾患別の検証や,縦断的な検証が必要である。【結論】デルファイ法を用いて病期・職種を問わず使用できるリハビリテーション評価指標を試作した。
著者
吉田 一正 武田 賢一 河崎 雄司 西田 陽二 近藤 清彦 原田 智也 山口 耕介 山崎 章 井岸 正 清水 英治
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.204-207, 2012-10-31 (Released:2016-04-25)
参考文献数
7

慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者のリハビリテーションでは下肢の活動量についての検討はされてきたが,上肢の活動量についての検討は十分とはいえず,COPD患者で上肢活動量の評価方法は確立されていない.COPD患者(17人)の上肢の活動量,動作の障害程度をActiwatch 2 とPFSDQ-Mで評価し,呼吸機能,呼吸筋力,6-minute pegboard and ring test(6-minute PBRT)で測定される上肢運動能等との関係を調べた.6-minute PBRTでのリング数とActiwatch 2 のカウント数との間に正の相関(r=0.53, p<0.05)を認めた.6-minute PBRTは上肢の活動量のサロゲートマーカーとなり,呼吸リハビリテーションを考えるうえで,上肢活動量の推測とリハビリテーションの効果判定に有用である可能性がある.
著者
間瀬 清美 原田 妙子 小町谷 寿子 石原 久代
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.219-228, 2003

超高齢化社会に向かおうとしている今, 若年から高齢に至る男性の衣服着用の実態や習慣を理解しておくことは, 重要であると考える.男性の快適な衣生活に向けた基礎資料を得るため, 男性の衣服着用の現状についてアンケート調査を13歳~94歳の男性1,165名に対して実施し, 以下の結果を得た.<BR>(1) 着用衣服として下着類は, どの年代においてもブリーフよりトランクスを着用する人が多かったが, 若年層程トランクスの着用率が高かった.<BR>(2) 就寝時の服種は, 若年層はTシャツの着用が多いのに対して, 40~60歳以上では大半がパジャマの着用をしている.なお, 60歳以上では寝巻きを好む人も増え, 年層による差が大きい事が判明した.<BR>(3) 着用日数については, シャツ, ブリーフ, トランクス, ソックス類は, 夏季は殆どの人が1日, 冬季でも1日~2日で替えていたのに対し, パジャマの日数は, 1~3日の人が夏で83.2%を占め, 冬で64.4%と多く, 4日~1週間着用する人もかなり出現した.パジャマは1日の着用時間が比較的長いにも関わらず, 着用日数は長いことが判明した.<BR>(4) 衣服に対する意見として, 上着類は色, 柄, 形, ブランドなど人から見られるイメージを重視する意見が多かったのに対し, 下着類や就寝時の着衣に対しては, 着心地に対するこだわりが多かった.<BR>(5) 衣服選択については, 上着類は67.5%の人が自分で購入するのに対し, 下着類の購入は妻, あるいは女性の家族に任せる傾向が強かった.下着のコーディネートについても, 外出着, 普段着と比較して女性に任せる傾向があり, 年齢が上がるとともに多くなっている。また, 衣服の購入時に, 若年層は色・柄を重視し, 高齢者では, 着心地, 素材を重視していた.<BR>(6) トランクス着用者は上着類選びについて, 色・柄を最も重視するのに対して, ブリーフ着用者はサイズを最も重視している.また, 下着類はどちらもサイズを最も重視するが, その他の項目としてはブリーフ着用者が着心地, 素材と着装感を重視するのに対してトランクス着用者は色・柄を重視していることが判明した.
著者
原田 禎顕 Yoshiaki Harada 西日本フグ研究会 Nishinihon Society for the Study of Pufferfish Kazurugaoka
出版者
The Japanese Society of Fisheries Science
雑誌
日本水産学会誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.1054-1061, 1999-11-15
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

1994年から97年の間に福岡空港に輸入された中国産養殖フグを調べた。供試した70尾の, 外部形質, 骨学的諸形質を, 天然フグのそれと比較した。臀ひれの色調は, トラフグ及びナメラダマシと大差なかった。胸ひれ後方の大黒紋の後方に1ないし数個の黒斑が一部に認められたが, トラフグ様の不規則黒斑がなく, 額骨縦走隆起線の内湾が強くカラスにも似るが, 頭蓋骨のプロポーション, 腹椎骨数, 臀ひれの色調がカラスとは異なるので, ナメラダマシと同定された。Seventy specimens of the cultured pufferfish Takifugu pseudommus imported from China to Fukuoka Airport between 1994 to 1997 were studied. The external and osteological characters were examined. The colour of the anal fin of the specimens was almost the same as that of T. rubripes and T. pseudommus. Although no irregular black spots similar to T. rubripes were observed on the body in accord with T. pseudommus, in some specimens (ca. 26%), one or a few black spots behind the ocellated humeral blotch were observed in concordance with the specimen ((59) 1099) collected by the author of the scientific name. According to the key to members of genus Takifugu, the specimen is identified as T. pseudommus. On the other hand, judging from the external appearance of the cranium and the degree of incurvation of the longitudinal ridge of the frontal, the specimens seem to be both or either T. pseudommus and T. chinensis. But, because the colour of the anal fin, cranial proportion, and number of abdominal vertebrae (8) were different from those of T. chinensis, the specimen was concluded to be T. pseudommus. In addition, the theory that both T. pseudommus and T. chinensis belong to one and the same species was proved to be incorrect. Furthermore, the pufferfish which had been taken for"Nameradamasi"in recent times in Japan is different from T. pseudommus.
著者
山田 洋次 原田 亮介
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1184, pp.128-131, 2003-03-24

問 「たそがれ清兵衛」は中高年層を中心に共感を呼んでいます。主人公は、不器用だけれども誠実で誇りを持った下級藩士です。山田監督は、主人公、清兵衛の姿を造形するに当たっては、今の世相をかなり織り込もうと考えましたか。 答 それはあります。江戸時代の下級武士がどんなふうに1日を暮らしていたのかは実はよく分かっていません。
著者
原田 慶子 齋藤 貴子 Keiko HARADA Takako SAITO 看護学科 看護学科
出版者
日本赤十字秋田短期大学紀要編集委員会
雑誌
日本赤十字秋田短期大学紀要 = Bulletin of the Japanese Red Cross Junior College of Akita (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.7, pp.69-74, 2003-03-15

本研究の目的は、教員2人が同じ方向で関わるためのあり方について考察することである。卒業研究における学生への関わりの過程をふり返ることによって、以下のことが明らかになった。1.学習目標や関わり方の方向性、お互いの役割の確認を早い時期に行う。確認後も途中で教員間に考え方の相違がある時は、2人で話し合う場をもち調整する。2.新人教員が窓口となるスーパービジョンですすめ、要所で2人の教員が参加するゼミナール形式の話し合いをする。3.話し合いの場では、学生の反応や話し合いの流れをみて、お互いに補い合う。The purpose of this research is to consider the way how to cooperate two teachers for the same direction. By looking back upon the process of graduation research, the following things became clear. 1. A study target, and the method of relation and each other role should be checked early. When a difference of a view exists among teachers on the way, it should be discusses and adjusts by two persons. 2. It is the Supervision from which a newcomer teacher becomes a window, and discusses a seminar at the key point. 3. Two teachers should support each other based on a student's reaction or the flow of talks.
著者
河井 康孝 須甲 憲明 福元 伸一 竹内 裕 大泉 聡史 原田 真雄
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.227-233, 2013 (Released:2013-09-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1 3

背景.原発性肺癌の自然退縮は非常に稀な現象である.症例.55歳,男性.右頚部腫瘤を自覚し,前医にて頚部リンパ節生検を施行されたが壊死が強く確定診断はできなかった.右肺尖腫瘤もあり,当科にて経気管支肺生検を行ったところ,組織像は瘢痕像のみでやはり確定診断は得られなかった.その後,肺腫瘤および頚部リンパ節はともに無治療で縮小を続けたが,8か月後に別の右頚部リンパ節腫大が新たに出現し生検にて分化度の低い癌細胞を認めた.さらに右肺上葉切除術を施行した結果,肺大細胞癌と確定診断された.肺原発巣および頚部リンパ節ともにHLA class Iの強い発現とCD8リンパ球浸潤を認めた.また経過中,病状悪化時には白血球数および血清G-CSFも高値であり,腫瘍細胞も免疫組織学的にG-CSF陽性であったため,G-CSF産生腫瘍と考えた.結論.悪性腫瘍の自然退縮はいまだその機序は解明されていないが,HLA class I発現やCD8リンパ球浸潤など腫瘍免疫が深く関与していると考えられる.本症例はG-CSF産生肺大細胞癌が自然退縮を示したと推察される興味深い症例と考え報告した.
著者
松永 美希 中村 菜々子 三浦 正江 原田 ゆきの
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.88.15223, (Released:2017-05-10)
参考文献数
30
被引用文献数
4

“Reality shock” is defined as the discrepancy between an individual’s expectations established prior to joining to an organization and their perceptions after becoming a member of the organization. The purpose of this study was to develop a scale to measure factors leading to reality shock in first-year teachers, and to confirm its reliability and validity. A scale was developed based on factors leading to realty shock, and a survey was conducted on 219 first-year teachers (90 men, 129 women, mean age 25.18 years). Structure analysis based on factor analysis revealed that this scale consisted of four factors; “inter-personal relations in the workplace”, “lack of experience”, “relationship with students or parents”, and “pressure at work”. Given that high scores of the scale were associated with negative changes in perceptions of work, we showed that the scale was concurrently valid. Multiple regression analysis showed that realty shock significantly influenced stress responses, and that it had particular positive effects on anxiety and depression. Future studies will need to elucidate factors that buffer the effects of reality shock, and develop interventions to prevent worsening mental health in first-year teachers.
著者
小嶋 秀夫 多和田 昌弘 下山 宏 原田 匡也 加藤 剛
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.357-366, 1999 (Released:2012-09-24)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

通常の光学顕微鏡にはない特徴を備えた顕微鏡として,レーザ光を用いた新しい顕微鏡が各方面で注目されるようになってきた.本論文では,共焦点走査型レーザ顕微鏡走査型近接場光学顕微鏡光音響顕微鏡にっいて,それぞれの顕微鏡の動作原理,特徴ならびにいくっかの応用例を紹介する.同一試料を異なる測定法により同時に計測し,多方面から分析可能な複合装置の開発が,今後重要になるであろう.
著者
安藤 史高 Ando Fumitaka 中西 良太 Nakanishi Yoshifumi 小平 英志 Kodaira Hideshi 江崎 真理 Esaki Mari 原田 一郎 Harada Ichiro 川井 加奈 子 Kawai Kanako 小川 一美 Ogawa Kazumi 崎濱 秀行 Sakihama Hideyuki
出版者
名古屋大学大学院教育発達科学研究科
雑誌
名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要 (ISSN:13461729)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.237-245, 2000-12 (Released:2006-01-05)

The purpose of this study is to construct the Multidimensional Optimism Assessment Inventory (MOAI) and to examine its reliability and validity. Prior to the investigation, three subconcepts of optimism (optimistic expectancy, optimistic evaluation, and easy switching) were hypothesized and 46 items (optimistic expectancy; 24 items, optimistic evaluation; 16 items and easy switching; 6 items) were selected. Four hundred and sixty undergraduates were administrated MOAI and other scales. Exploratory factor analysis yielded 6 factors, so 6 subscales were constructed (optimistic evaluation for ability, easy switching, optimistic expectancy for external resources, optimistic expectancy for luck, groundless optimism and optimistic expectancy for future). Except for groundless optimism subscale (α=.56), Cronbach's alpha coefficients of five subscales were moderately high (they were greater than .65). The correlations between the score of MOAI and other scales supported hypothesized relations. Taken together, the result confirmed the reliability and validity of MOAI, at least partially.
著者
原田 慈久
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.15, no.8, pp.8_62-8_66, 2010-08-01 (Released:2010-09-17)
参考文献数
4
著者
原田 久志 太田 誠 林 泰宏
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.8, pp.1229-1231, 1988-08-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
12

A methanol fuel cell combined with a photocatalytic reaction apparatus is proposed. This new type cell works as a methanol fuel cell in the dark and as a hydrogen-oxygen fuel cell under illumination. Methanol is reformed into hydrogen by the photocatalytic reaction using Pt/TiO2, and evolved hydrogen is provided for the anode of the fuel cell. The performa nce of this cell under illumination is better than that of the methanol fuel cell.
著者
蕪木 友則 須崎 紳一郎 勝見 敦 原田 尚重 原 俊輔 伊藤 宏保 安田 英人
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.207-212, 2013

経動脈的塞栓術が有効であった穿通性腹部臓器損傷症例を経験したので報告する。症例1は35歳の女性。路上歩行中に果物ナイフで数箇所を刺され受傷した。そのうちの右前胸部の刺創は,胸腔から腹腔内に達していた。来院時血圧は維持されており,腹部造影CT上,肝右葉に損傷を認め,造影剤の血管外漏出所見,腹腔内出血を認めた。主要な損傷は肝損傷のみで,損傷部からの持続出血を認めたが,肝動脈塞栓術で出血のコントロール可能と考えて,経動脈的塞栓術を施行した。塞栓術により,出血はコントロールできた。症例2は63歳の男性。妻と口論の末,果物ナイフで右背部を刺され受傷した。来院時血圧は76/43mmHgであったが,輸液負荷により上昇し,腹部造影CT上,造影剤の血管外漏出所見を伴う右腎損傷を認めた。腎動脈の分枝からの出血と判断し,腎動脈塞栓術にて出血のコントロール可能と考えて経動脈的塞栓術を施行した。塞栓術により,出血はコントロールされた。穿通性腹部臓器損傷に対する止血法として,循環が維持され,CT検査が施行できる症例に関しては,経動脈的塞栓術も選択肢の一つになると思われる。