著者
堀内 一徳
出版者
奈良大学史学会
雑誌
奈良史学 (ISSN:02894874)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.112-126, 1992-12

マルク・ブロックによると、西欧ではカロリソグ時代以降、甲冑、槍、楯、剣で武装し騎馬で戦うエリートの戦士が存在し、十世紀頃に鐙が使用されると、長い槍がそれまでの短い槍に代り、また鼻当のちに面頬が加わり、さらに鎖帷子は皮か織物の綴合せの上に鉄の環や板を縫い合せて精巧となるが、このような武装は高価であり、富裕な人々のみが購うことができた。十二世紀には、騎士階級はその伝統をもたない家門の子弟を次第に排除し、以後社会の下層の者に対して門戸を閉し、十三世紀中頃から貴族身分を形成していったという。今日、騎士の起源が八世紀に遡るとか、また騎士が中世の貴族の起源であるという説は、大方のコソセソサスを得られない。しかしカロリソグ時代から十二世紀にかけての西欧の軍事技術の著しい進歩が、騎士階級ないしは身分の形成を促したことは間違いない。以下においてカロリソグ時代から一〇六六年のへースティソグズの戦までの期間に騎士が参加した主要な戦いにおけるかれらの戦術および武装について述べてみたい。
著者
堀日亨著
出版者
興門資料刊行会
巻号頁・発行日
2002
著者
山口 雄仁 鈴木 昌和 川根 深 駒田 智彦 金堀 利洋
出版者
日本大学短期大学部
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

印刷ないしPDFの理数系文書をアクセシブルな電子書籍形式であるDAISYに変換するOCR技術の改良,理数系DAISY編集・閲覧ソフトウェアの開発,日本語理数系教材をきちんと取り扱えるようにDAISY形式を拡張・改良する研究などを行った。その結果,全盲・重度弱視・発達性読字障害など様々な形で視覚に障害を持つ生徒が,インクルーシブな教育環境で晴眼者と同じ科学教材を共有するための基礎が確立できた。
著者
山口 雄仁 藤芳 明生 渡辺 哲也 鈴木 昌和 相澤 彰子 川根 深 駒田 智彦 金堀 利洋
出版者
日本大学短期大学部
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では,全盲・重度弱視・発達性読字障害など様々な形で視覚に障害を持つ児童・生徒が,インクルーシブな教育環境でデジタル教科書を容易に利用できるようにするため,電子書籍の国際標準規格EPUB3(DAISY4)に準拠するアクセシブルなデジタル教科書の標準モデルを確立した。それに基づいて既存のデジタル教科書に含まれる数式・化学式や図・グラフ・表・地図など特殊表記・2次元情報を,バリアフリー化するためのコンテンツ制作・編集システムと,多言語でそうしたコンテンツを利用するための閲覧システムなどを開発するとともに,わかりやすい触読図製作ツール,理数系文書理解支援技術などを研究した。
著者
永岡 慶三 赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.199-206, 1997-03-20
被引用文献数
7

本報告は,過去10年間における教育工学研究における「教育評価」に関する研究動向をまとめたものである.教育評価はすべての研究分野にかかわるものであり,この意味において対象とする研究分野は幅広い.そこで,筆者らは,測定方法,評価手法,授業評価,映像・ソフトの評価などのいくつかのカテゴリーに分類して,その動向をまとめた.全体的な傾向として,コンピュータの普及による影響が大きいこと,初期のCAI,CMI等の評価研究から,実際の教育を目指したより使いやすく実用的な手法の開発などに移行していったことが挙げられる.また授業評価やメディア等の評価研究は,地道ではあるが継続して研究されてきた.さらに,今後の方向として,従来型の教育評価はある意味では下火の傾向にあるが,コミュニケーション端末としてのコンピュータ利用が本格化するにしたがって,質的評価法などの新しい評価法が注目されるであろう.現在は将来に向けての変革の途上にあるといえよう.
著者
柘植 覚 獅々堀正幹 北 研二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.20, pp.1-6, 2001-03-05
被引用文献数
4

ベクトル空間モデル(Vector Space Model; VSM)は情報検索における代表的な検索モデルであり,検索対象文書および検索質問を多次元ベクトルで表現するという特徴を持っている.しかし,これらのベクトルは一般にスパースかつ高次元であるため,計算機のメモリによる制限や検索時間の増大などの問題が生じる.また,次元が増加するに連れ,文書中に含まれる不必要な単語がノイズ的な影響を及ぼし検索精度を低下させてしまうという現象も起こってくる.本稿では,Non-negative Matrix Factorization(NMF)を用いたベクトル空間モデルの次元圧縮手法を提案する.NMFは非負行列を2つの非負行列の積に分解する手法であり,分解された非負の2行列は基底行列とその基底のもとでの座標値から成る行列とみなすことができる.基底行列のランクを元の行列のランクより小さくすることにより,次元圧縮が可能となる.NMFは,主成分分析や特異値分解などと異なり,非負制約条件で行列分解を行うため,元の行列を減算を伴わない加算のみの線形結合で表現することができる.これは部分から全体を構成するという我々の直観を反映している.また,NMFは単純な繰り返し演算のみで実行可能であるため,大規模な行列に対して,計算コストや記憶容量の点で他の次元削減手法よりも優れている.MEDLINEコレクションを用いた検索実験を行い,NMFは通常のベクトル空間モデルよりも高い検索性能を示すことができた.The Vector Space Model(VSM) is a conventional information retrieval model, which represents a document collection by a term-by-document matrix. Since term-by-document matrices are usually high-dimensional and sparse, they are susceptible to noise and are also difficult to capture the underlying semantic structure. Additionally, the storage and processing of such matrices places great demands on computing resources. Dimensionality reduction is a way to overcome these problems. Principal Component Analysis(PCA) and Singular Value Decomposition(SVD) are popular techniques for dimensionality reduction based on matrix decomposition, but they contain both positive and negative values in the decomposed matrices. In the work described here, we use non-negative matrix factorization(NMF) for dimensionality reduction of the vector space model. Since decomposed matrices by NMF only contain non-negative values, the original data is represented by only additive, not subtractive, combinations of the basis vectors. This characteristic of parts-based representation is appealing because it reflects the intuitive notion of combining parts to form a whole. Also NMF computation is based on the simple iterative algorithm, it is therefore advantageous for applications involving large matrices. Using MEDLINE collection, we experimentally showed that NMF offers great improvement over the vector space model.
著者
小林潤平 関口隆 新堀英二 川嶋稔夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.37-39, 2013-03-06

読書中の眼球運動は,停留とサッカードの繰り返しであることが知られている。停留中には,中心視野において文字認識すると同時に,周辺視野において次の停留先の選定が行われるため,中心視野と周辺視野の両方の処理を向上させることが,読み効率の向上につながる。しかし,求心性視野狭窄など中心視野は見えるが周辺視野が見えなくなる症例では,周辺視野の処理が強く制限されるために,読み効率が著しく減少する。中心視野のみで読み進めることができる文書呈示手法としてはRapid Serial Visual Presentation(RSPV)が挙げられるが,RSVPは読み損ねた場合に再び戻って読み返す行為が非常に困難であるために読む際に極度の集中を要求し,快適な読書体験を実現することが難しい。そこで本研究では,中心視野のみに視野が制限された状態でも,読者への負担が少なくかつ効率よく読むことが可能な,文章を短く折り返す呈示とともにタッチパネルによるユーザ操作を取り込む読書インタフェースを提案し,その効果を検証する。
著者
本間 香貴 中川 博視 堀江 武 大西 宏明 金 漢龍 大西 政夫
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.137-145, 1999-03-05
参考文献数
27
被引用文献数
4

地球環境変化に対する作物応答を明らかにするために, 高温・高CO_2濃度環境がイネ群落の蒸散とガス拡散抵抗に与える影響を調査した. CO_2濃度をそれぞれ365と700μL L^<-1>に設定した2棟の温度傾斜型CO_2濃度制御チャンバー(TGC)の各々に3温度区(実験期間内平均気温29.8, 30.4, 32.5℃)を設け, 水稲品種アキヒカリとIR36を栽培し, 実験に供試した. 各温度・CO_2濃度処理区で8月2日(幼穂形成期)から8月22日(出穂期)まで, 乾湿球温度, 群落表面温度(T_c)と純放射量を測定し, また, ミクロライシメータ法を利用して蒸発散量(E)も測定した. Eの測定値と微気象データをもとに得られた水蒸気と熱輸送に対する空気力学的拡散抵抗(r_a)は, 全処理区, 全計測期間を通じてほぼ一定値の11.7sm^<-1>で推移した. このr_a値とT_cおよび微気象データを熱収支式に代入し, Eおよび群落拡散抵抗(r_c)を求めたところ, Eの推定値とライシメータ法による実測値は, 両品種とも非常によく一致した. 両品種のr_cは全ての温度・CO_2濃度処理区において, 全天日射量が500W m^<-2>以上で最小値(r_<c,min>)に達した. 最も低い温度区では, 高CO_2濃度によって, 自然CO_2濃度環境下よりもr_<c,min>が40〜49%, T_cが1.4〜1.6℃増加し, Eが14〜16%減少した. しかし, この高CO_2濃度の影響は生育温度の上昇につれて減少した. このようなr_<c,min>の温度とCO_2濃度に対する反応は, イネのこれらの環境に対する長期の適応現象によるものと思われた。以上より, 地球の温暖化は, CO_2濃度の上昇によるイネの水利用効率の向上効果を減少させることが示唆された.
著者
金子 拓 黒嶋 敏 堀 新 黒嶋 敏 堀 新 岡田 正人 桐野 作人 杉崎 友美 矢部 健太郎 和田 裕弘
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、織田信長の家臣太田牛一が著述した『信長記』(別称「信長公記」「原本信長記」「安土記」など)自筆本・写本の史料学的検討を目的とした。国内各所蔵機関に伝来している『信長記』を調査し、その一覧表を作成するとともに、史料編纂所において未撮影の写真による撮影・紙焼写真購入を進め、それらをもとに内容を検討し書写伝来の系統を明らかにした。これらの成果は、研究代表者金子の単著『織田信長という歴史』、連携研究者堀新が編者となり、研究協力者桐野作人・矢部健太郎・和田裕弘が寄稿した『信長公記を読む』、研究協力者杉崎友美の論文「「信長記」の筆跡論」などとして公表した。
著者
堀田 香織
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.73-84, 2012 (Released:2013-01-16)
参考文献数
66

本稿では, 2010年7月からの1年間に発表された臨床心理学領域の論文を概観し, 今後の課題を探索した。まず, 2011年3月東日本大震災が人々の心身に甚大な傷を残したことを受けて, 被災体験, 喪失体験, 心的外傷に関する心理学的研究を概観した。今後, 被災者支援のために長期に渡る実践と研究が必要である。次に, 様々な精神症状・心理的不適応の心理治療・援助に関する論文を概観した。子どもに関しては, 不登校, いじめ, 攻撃行動に関する論文が数多く掲載された一方, 虐待は我が国の喫緊の課題であるにもかかわらず, 論文数が少なかった。今後の研究が期待される。また抑うつや社会不安・無気力の心理的症状が低年齢化し, 小中学生を対象にした研究も見られる。より早期の治療援助, 予防が必要だろう。青年期では人格障害・摂食障害など困難な事例の治療に関する研究が多かった。一般学生を対象にした質問紙調査では, 不安, 抑うつ, 攻撃, アパシー, ひきこもりなどが取り上げられた。また, 実践研究, 面接調査の質的分析による研究は, 臨床領域ではまだまだ数が少なく, 今後より一層の発展が期待される。
著者
岩堀 健治 山下 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.478-483, 2001-07-01
被引用文献数
2

現在ナノメートルサイズの機能構造体が注目されているが, 生物界では既にナノメートルオーダの生体分子が自己集合することでナノ機能構造体が実現されている。そこでこの生物における自己集合能を模倣した, 生体分子を用いたナノ機能構造作製プロセス"バイオナノプロセス"を提案する。この手法の有効性を示すため, 金属化合物を担特できるフェリチン分子の二次元結晶をシリコン基板上に作製し, そのタンパク質殻を熱処理により除去して導電性ナノドット配列の作製を試み, 成功した。現在更に発展形の実験を実施中である。
著者
梅田 弘子 梅田 貴士 堀田 実愛 光盛 友美 長沼 貴美 寺重 隆視
出版者
広島国際大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

近年の男性(父親)の家事・育児参加の意義・必要性を踏まえて、将来、父親・母親になる可能性をもった大学生の男女に、男女が親としてともに仕事・家事・子育てをすることが当然であるという考え方を醸成することを目的として、学生主導型「ひろしま未来の育MENプロジェクト」を設立し活動した。大学生を対象とした未来の育メン育成プログラムとして、①知識の獲得、②実体験に基づく学習、③大学生個々の結婚や育児への受容性の確認と具体的なキャリア設計、④ピア学習、の四点が挙げられた。
著者
堀口 純子
出版者
筑波大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

1.データベース作成について(1)日本語の話しことばおよび中級日本語ビデオ教材のシナリオのデータベースを作成した。(2)日本語教科書の会話部分および日本語学習者の対話と聴き取りのデータベースを作成した。2.データベースの作成について(1)上記のデータベースを利用して、次のような分析を進めた。(1)縮約形のデータベースを作成し、それを分析して縮約形の練習のためのCAI教材を作成した。(2)相づちと予測のデータベースを作成し、聞き手のコミュニケーションストラテジーを明らかにした。(3)方言桃太郎の「ドンブラコ・ドンブラコト」の部分のデータベースを作成し、それをデータとして方言における清音と濁音および促音、撥音、長音の日本語学習者による聴き取りについて分析した。(4)方言桃太郎における文末のデータベースを作成し、日本語学習者による文末の聴き取りについて分析した。(2)上記のデータベースを利用して、次のような分析が進行中である。(1)話の切り出し、話順獲得、話順促し、言い淀み、などを分析することによって、会話のストラテジーを明らかにしようとする。(2)「ああ」「ええ」「まあ」「いや」「だから」「だって」「なんか」「ちょっと」「けど」「〜て」「〜し」「〜じゃない」などを分析することによって、言語形態の会話におけるストラテジーとしての機能を明らかにする。(3)初級日本語教科書に見られる縮約形のデータベースを作成し、それの類似型と数量的分析が進行中である。
著者
重田 眞義 高田 公理 堀 忠雄 豊田 由貴夫 福田 一彦 藤本 憲一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

これまで科学的側面に偏っていた人間の睡眠行動に関する研究を、人間の文化的行動=「睡眠文化」として考究する新しい学問的な視座の確立と普及につとめた。医学、心理学などの分野でおこなわれてきた最新の睡眠科学研究の成果をふまえながら、アジア、アフリカにおける睡眠文化の多様性とその地域間比較をおこなった。また、現代社会において、睡眠をめぐるさまざまな現象が人間の健全な生活に対する「障害」としてのみ問題化されている現実をふまえ、生物医療的観点に偏りがちな睡眠科学による知見を文化の観点から相対化してとらえなおす作用を備えた「睡眠文化」という視点を導入した。
著者
武藤 史弥 吉田 麻里 堀江 匠 早川 正士 PARROT Michel
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.210, pp.13-18, 2007-08-30

近年地震にともなって電離層が擾乱を受けることが明らかになってきている.本報告では仏国の地震電磁気専用衛星DEMETER上での送信局VLF/LF電波の強度測定に基づき,地震に伴う前兆的電離層擾乱の検出を目指す.2005年の日本国内での比較的大きな(マグニチュード5.5以上)地震(特に,8月16日の宮城県沖地震を中心に)に伴う前兆的電離層擾乱を日本の標準電波JJY局(40kHz)電波の受信により明らかにした.地震の一週間前後前より信号強度が顕著な減少を示している.これはLF電波のホイスラモードでの擾乱電離層(特にD層での異常)透過に伴う吸収増加として説明できる.
著者
服部 良久 青谷 秀紀 朝治 啓三 小林 功 小山 啓子 櫻井 康人 渋谷 聡 図師 宣忠 高田 京比子 田中 俊之 轟木 広太郎 中村 敦子 中堀 博司 西岡 健司 根津 由喜夫 藤井 真生 皆川 卓 山田 雅彦 山辺 規子 渡邊 伸 高田 良太
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

23人の研究分担者が国内外の研究協力者と共に、中・近世ヨーロッパのほぼ全域にわたり、帝国、王国、領邦、都市と都市国家、地方(農村)共同体、教会組織における、紛争と紛争解決を重要な局面とするコミュニケーションのプロセスを、そうした領域・組織・政治体の統合・秩序と不可分の、あるいは相互関係にある事象として比較しつつ明らかにした。ここで扱ったコミュニケーションとは、紛争当事者の和解交渉から、君主宮廷や都市空間における儀礼的、象徴的な行為による合意形成やアイデンティティ形成など、様々なメディアを用いたインタラクティヴな行為を包括している。
著者
高橋 博巳 安藤 隆穂 玉田 敦子 鷲見 洋一 伊東 貴之 川島 慶子 長尾 伸一 逸見 竜生 寺田 元一 渡辺 浩 堀田 誠三 渡辺 浩
出版者
金城学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

当プロジェクトは、18世紀の公共知の東西比較を中心に、内外の研究者と共同研究を行ってきた。とくに朝鮮通信使を介しての日朝比較には、韓国の研究者と知見を共有し、当時の文芸共和国的な側面を解明することによって、これまで国ごとに分断されていた文学や思想の研究に新生面を開くことができた。これに比べると、清朝の文人や思想家とのより広範な知的交流の解明はなお道半ばと言わざるを得ず、より一層の深い解明が期待される。個別には伊東は『心身/身心と環境の哲学』、寺田・逸見らは『百科全書の時空 典拠・生成・時空』、長尾は『複数世界の思想史』において、従来の視点を大きく転換したり深化させて、新生面を開いている。