著者
欠畑 誠治 寺田 小百合 伊藤 吏 天野 彰子 杉山 元康 窪田 俊憲 小泉 優
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

ROCK阻害薬の蝸牛神経障害に対する再生効果をin vivoの実験系で検討することが目的である。蝸牛神経障害モデルの評価には正常群と障害群の比較評価、治療効果判定には障害群(生食投与コントロール)と治療群(ROCK阻害薬局所投与、ROCK阻害薬全身投与) の比較検討を行う。蝸牛神経障害モデルの作製、ROCK阻害薬の投与方法の検討、蝸牛神経障害およびROCK阻害薬作用の機能的・形態学的解析を行う。
著者
天野 郁夫
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.172-184, 2009-06-30 (Released:2017-11-28)

高等教育システムはいま、世界的な変動期を迎えている。日本もその例外ではない。そのシステム変動の基本的な構造と方向性を分析する上で、最も説得的な理論とされているのは、アメリカの社会学者マーチン・トロウの「歴史・構造理論」である。「エリートからマス、ユニバーサルへ」の段階移行で知られるこの理論は、ヨーロッパ、それにアメリカ高等教育の発展の歴史的な経験をもとに、一般化されたものである。本論文の目的は、日本の経験を事例に、その比較高等教育システム論としてのトロウ理論の妥当性を検証することにある。日本を、ヨーロッパ・アメリカと対比させた本論文での分析は、この移行理論の基本的な妥当性を裏付けるものである。しかし同時に、その移行過程の分析は、「エリートからマス、そしてユニバーサルへ」の段階移行に、単一の道を想定することの妥当性に疑問を提示するものである。移行の過程について、アメリカ、ヨーロッパ、そして日本に代表される東アジアという、3つの道を想定することによって、この理論はさらに説得性を増し、実り多いものになるはずである。
著者
天野 真将 Masayuki Amano
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.137-150, 2007-12-10
著者
天野 恵
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.56, pp.42-70, 2006-10-21

Il colophon de Le cose volgari di Messer Francesco Petrarcha, l'edizione aldina del 1501, dice che il testo sia stato ≪tolto con sommissima diligenza dallo scritto di mano medesima del Poeta, hauuto da M. Piero Bembo≫, ma, come e risaputo, intorno a questa dichiarazione ci sono sempre stati dubbi, non solo nel '500, ma anche nell'epoca moderna, in particolare dopo il ritrovamento dell'autografb di Petrarca, il Vaticano Latino 3195, per mano di De Nolhac. I dubbi da parte dei contemporanei dipendevano dal fatto che nessuno poteva esaminare liberamente l'autografo in questione, se non lo stesso Bembo, dopo averlo acquistato nel 1544. Le perplessita dei filologi moderni, che potevano confrontare il testo aldino e l'autografo vaticano, invece, erano di tutt'altro genere. Furono trovate migliaia di differenze fra i due testi al punto che alcuni hanno negato la paternita del primo al secondo. Altri invece, hanno sostenuto che come base del testo aldino ci fosse stato effettivamente il codice vaticano, ma hanno ipotizzato che il Bembo avesse "corretto" l'autografo, seguendo la cosidetta "norma" bembesca. Recentemente Sandra Giarin, Petrarca e Bembo: l'edizione aldina del ≪Canzoniere≫, in Studi di Filologia Italiana Vol.LXII (2004), attraverso analisi meticolose della copia bembina, il Vaticano Latino 3197, che servi come testo per l'edizione aldina, e riuscita a dimostrare che lo sforzo del Bembo fosse concentrato a riprodurre fedelmente non il Vaticano Latino 3195, ma un testo riportato da un ignoto codice (z), creduto dal Bembo autografo, ponendo in certo senso la fine alia discussione durata per ben 5 secoli. Dunque dovremmo concludere che l'autografo a cui si riferiscono il colophon e il famoso fascicolo B, non fosse il codice vaticano, ma che fosse questo "z"? Secondo la testimonianza lasciata in una relazione di Lorenzo da Pavia a Isabella d'Este su "l'autografo" di cui si sarebbero serviti il Bembo e Aldo, sembra invece probabile che esso fosse proprio il codice vaticano. Allora come si potrebbe spiegare la presenza di tutte quelle differenze fra due testi? Nel presente articolo, partendo da una riflessione sull'uso estremamente ambiguo del verbo "avere" nell'espressione che si vede sia nel colophon che nel fascicolo B, ≪hauuto da M. Piero Bembo≫, ho cercato di proporre una soluzione all'enigma. L'ipotesi avanzata da me e la seguente: il Bembo ebbe opportunita di prendere in mano il codice vaticano solo nell'ultimissimo momento del suo lavoro, e pur riconoscendo immediatamente l'autenticita, dovette rinunciare ad effettuare la collazione basandosi su di esso. D'altra parte, la campagna pubblicitaria per nuova edizione di Petrarca aldina aveva gia diffuse grandi aspettative per la correttezza del suo testo preparato dal Bembo stesso. A questo punto ne Aldo ne il Bembo potevano piu tirarsi indietro senza rovinarsi la fama. L'espressione ambigua del colophon, ≪hauuto da M. Piero Bembo≫, sarebbe stata il frutto di questa situazione "difficile": insomma Aldo "ha avuto" l'autografo dal Bembo, o il codice e stato "avuto" dal Bembo? Se fosse giusta la seconda interpretazione, l'autografo sarebbe stato "posseduto" dal Bembo, oppure semplicemente "tenuto in mano" da lui? Noi sappiamo benissimo che in quel momento il Bembo non lo possedeva, ma la maggior parte dei contemporanei dall'espressione del colophon sarebbero stati indotti a credere che il Bembo possedesse l'autografo, e infatti si sa che il Dolce per esempio colse proprio quel significato. Questo tentative di far credere ai lettori che il Bembo fosse il possessore dell'autografo petrarchesco, a mio avviso, e evidente pure in un certo passo del fascicolo B. Ma perche tutto questo sforzo da parte di Aldo? Ecco, se Bembo fosse stato il possessore del codice in questione, avrebbe potuto collazionare liberamente il testo con bell'agio, e sarebbe stato assurdo mettere in discussione se l'edizione aldina dipendesse o no dall'autografo. E con questa mia ipotesi si pud dare una spiagazione plausibile anche a un'altra testimonianza enigmatica lasciata dal Vellutello nel suo Trattato de l'ordine de' Sonetti et Canzoni del Petrarca mutato (1525), che dice ≪... messer Pietro Bembo, col quale sopra di tal cosa ho alcuna volta parlato, dice non dall'originale del poeta (come Aldo vuole), ma d'alcuni antichi testi, & spetialmente i sonetti et canzoni da uno il quale noi habbiamo veduto, & anchora hoggi e in Padova appresso Messer Danielle da Santa Sophia, havere questa opera cavata,...≫ E non sarebbe strano neanche il fatto che i versi petrarcheschi citati dal Bembo nelle Prose in vari punti si differenziano dall'edizione aldina curata 24 anni prima da lui stesso.
著者
川平 敏文 合山 林太郎 高山 大毅 山本 嘉孝 天野 聡一 岩崎 義則 吉田 宰
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

「近世随筆」とは、17~19世紀の日本において、学者や文筆家が、事物の由来・人物の評判・市井の噂話など、種々雑多な内容を書き留めた書物群を指す。従来の「近世随筆」研究は、文学・思想史・歴史の研究者が、それぞれの分野的関心や研究ディシプリンに沿うかたちで行ってきた。しかし、本ジャンルのもつ内容的な広がりに着目するならば、それら三つの研究領域を横断的に貫く視点も重要ではなかろうか。このような考えのもと、本研究では、文学・思想史・歴史の研究者が一堂に会して、「近世随筆」の成立・展開・終焉などの諸問題について領域横断的に議論する。そして最終的には、その成果を資料翻刻と研究論集という形で、世に公表する。
著者
新開 省二 藤田 幸司 藤原 佳典 熊谷 修 天野 秀紀 吉田 裕人 竇 貴旺
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.627-638, 2005 (Released:2014-08-06)
参考文献数
25
被引用文献数
10

目的 地域高齢者におけるタイプ別閉じこもりの予後と,それぞれの閉じこもりが予後に及ぼす独立した影響を明らかにする。方法 新潟県与板町の65歳以上の地域高齢者1,673人を対象とした初回調査(2000年11月実施)に応答した1,544人(応答率92.2%)を 2 年間追跡し(追跡調査は2002年10月実施),初回調査の総合的移動能力とふだんの外出頻度から定義したタイプ 1(総合的移動能力がレベル 3 以下かつ外出頻度が週 1 回程度以下)およびタイプ 2(同レベルが 1 または 2 かつ外出頻度が週 1 回程度以下)の閉じこもりの予後を,それぞれの対照群(総合的移動能力が同レベルであるが,外出頻度が 2,3 日に 1 回程度以上である非閉じこもり)との間で比較した。予後指標は,追跡期間中の死亡,追跡調査時の入院・入所および活動能力水準(歩行能力,手段的 ADL,基本的 ADL,認知機能),あるいは活動能力障害の新規発生とした。閉じこもりの独立した影響は,重回帰分析あるいは多重ロジスティックモデルを用いて,交絡要因(性,年齢,慢性疾患,初回調査時の活動能力水準や心理・社会的変数)を調整して検討した。成績 初回調査に応答し,閉じこもりの有無とタイプが判定できた1,520人の内訳は,レベル 1,2 非閉じこもり1,322人(87.0%),タイプ 2 閉じこもり81人(5.3%),レベル 3 以下非閉じこもり39人(2.6%),タイプ 1 閉じこもり78人(5.1%)であった。タイプ 2 は対照群に比べ,2 年後の活動能力が低下しやすく,交絡要因を調整しても活動能力低下の独立したリスク要因であった。2 年後活動能力障害が新規に発生するタイプ 2 の相対危険度(オッズ比とその95%信頼区間)は,一部の交絡要因を調整したモデルでは,歩行障害3.20(1.60-6.38),手段的 ADL 障害2.85(1.20-6.82),基本的 ADL 障害1.52(0.61-3.75),認知機能障害3.05(1.06-8.78)であり,すべての交絡要因を調整したモデルではそれぞれ2.49(1.20-5.17),2.25(0.90-5.63),1.46(0.54-3.94),2.41(0.71-8.17)であった。一方,タイプ 1 は対照群に比べ,追跡期間中の死亡率は高かった(33.3% vs. 5.1%)が,入院・入所の割合は低く(9.0% vs. 25.6%),それらの合計に対してはタイプ 1 の独立した影響は認められなかった(調整済オッズ比は2.05[0.54-7.75])。結論 タイプ 2 閉じこもりは移動能力が高い高齢者における活動能力低下の独立したリスク要因であるが,タイプ 1 閉じこもりは移動能力が低い高齢者の予後を左右する独立したリスク要因とはいいがたい。
著者
天野 光三 西田 一彦 渡辺 武 玉野 富雄 中村 博司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集
巻号頁・発行日
vol.2000, no.660, pp.101-110, 2000
被引用文献数
1

近世の城郭における石垣構造の技術的頂点に位置するものとして徳川期初期での大坂城石垣がある. 石垣形状での2次元的曲線および3次元的曲面にみられる構造美や構造形式としての力学的合理性からみて, 城郭石垣は世界的に他に例をみない極めて優れたものである. 本研究では, 歴史遺産としての徳川期大坂城城郭石垣をその構造に着目して土木史的研究を行った. まず, 現場調査と文献調査により過去の崩壊事例を明らかにした. 次に, これらの歴史データの分析をもとに抽出した石垣構造形式の力学的合理性に関して, 平面および断面形状に着目した実証的研究を行った. その中で, 石垣構造の安定性評価法として, 石垣構造比および石垣はらみ出し指数といった工学指標について提案した.
著者
前川 要 天野 哲也 酒井 英男 千田 嘉博 斉藤 利男 玉井 哲雄 深澤 百合子 辻 誠一郎 MORRIS Martin
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2001

本研究では、ロシア連邦サハリン州を中心として、北東日本海域における古代から中世の交流の実態を考古学的に明らかにすることを目的とした。そのために中世陶器の流通の問題、北東アジアにおける在地土器生産の問題、北海道の中世チャシや東北北部の防御性集落、ロシア沿海州の土城について考古学的な調査を進めた。また関連分野では、建築史学、植生史、言語学、文献史学、炭素同位体年代測定法の各研究者をそろえ、学際的な研究組織を構成した。そして年2回の研究会議を開催し、研究成果の発表と検討を行った。2001年度より3年間にわたって、サハリン白主土城の測量調査および発掘調査を行った。初年度は測量調査を中心に行い、2・3年目に本格的な発掘調査を行った。その結果、土塁と堀に関して、版築を行っていること、金後半から元にかけて使われた1尺=31.6cmの基準尺度が使用されていたことが判明した。これは、在地勢力によって構築されたとは考え難く、大陸からの土木・設計技術である可能性が高いことが明らかとなった。また土城内部から出土したパクロフカ陶器片から成立時期を9〜11世紀頃の年代が想定できるが、版築技術などからは、土城内部の利用時期と土塁・堀の構築時期には、時間差があると考えられた。調査研究の成果を公表するために、最終年度に2月26・27日に北海道大学学術交流会館において北東アジア国際シンポジウムを開催した。シンポジウムは、1・白主土城の諸問題、2・北東アジアの古代から中世の土器様相、3・北東アジアの流通の諸様相の三部構成で、北東アジアにおける古代から中世にかけての交流の実態について発表が行われた。考古学だけではなく、文献史学・建築史学・自然科学など関連諸分野の研究報告が行われ、また国外からも7名の研究者を招聘した。白主土城の歴史的な位置づけのほか、北東アジアにおける土器様相、交易の様相について検討された。
著者
相川 慎也 芦原 貴司 天野 晃 有末 伊織 安藤 譲二 伊井 仁志 出江 紳一 伊東 保志 稲田 慎 井上 雅仁 今井 健 岩下 篤司 上村 和紀 内野 詠一郎 宇野 友貴 江村 拓人 大内田 研宙 大城 理 太田 淳 太田 岳 大谷 智仁 大家 渓 岡 崇史 岡崎 哲三 岡本 和也 岡山 慶太 小倉 正恒 小山 大介 海住 太郎 片山 統裕 勝田 稔三 加藤 雄樹 加納 慎一郎 鎌倉 令 亀田 成司 河添 悦昌 河野 喬仁 紀ノ定 保臣 木村 映善 木村 真之 粂 直人 藏富 壮留 黒田 知宏 小島 諒介 小西 有人 此内 緑 小林 哲生 坂田 泰史 朔 啓太 篠原 一彦 白記 達也 代田 悠一郎 杉山 治 鈴木 隆文 鈴木 英夫 外海 洋平 高橋 宏和 田代 洋行 田村 寛 寺澤 靖雄 飛松 省三 戸伏 倫之 中沢 一雄 中村 大輔 西川 拓也 西本 伸志 野村 泰伸 羽山 陽介 原口 亮 日比野 浩 平木 秀輔 平野 諒司 深山 理 稲岡 秀検 堀江 亮太 松村 泰志 松本 繁巳 溝手 勇 向井 正和 牟田口 淳 門司 恵介 百瀬 桂子 八木 哲也 柳原 一照 山口 陽平 山田 直生 山本 希美子 湯本 真人 横田 慎一郎 吉原 博幸 江藤 正俊 大城 理 岡山 慶太 川田 徹 紀ノ岡 正博 黒田 知宏 坂田 泰史 杉町 勝 中沢 一雄 中島 一樹 成瀬 恵治 橋爪 誠 原口 亮 平田 雅之 福岡 豊 不二門 尚 村田 正治 守本 祐司 横澤 宏一 吉田 正樹 和田 成生
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Dictionary.1, pp.1-603, 2022 (Released:2022-03-31)
著者
天野 宏司
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

埼玉県秩父市では,アニメーションを積極的に活用し旅客誘致をはかるため秩父アニメツーリズム実行委員会を組織している。2010年には『銀河鉄道999』を,2011年には『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』を活用し,誘客に効果を上げた。本報告は,この実行委員会の一員として知り得た事情を含め,コンテンツツーリズムの成果と課題を報告する。
著者
小松 信彦 長岡 弘司 福留 厚 李 材木 天野 洋 南雲 昇 雨宮 功治 加藤 桃代
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.549-557, 1975

我々は前報1~3) において, 担子菌多糖Schizophyllan (略称: SPG) が諸種の急性の実験的細菌感染症に対して非特異的に感染防御効果を発揮するばかりでなく, 慢性感染症であるマウスの実験的結核症にも治療効果を示し, SPGによる網内系細胞の賦活化が抗結核作用と深い関連性があること, および Ethambutol (EB)と併用したばあい, EBの抗菌作用が加わり, よりよい治療効果をあげ得ると推察される組織像がみられたことを報告した。また前報2) において, Streptomycin (SM)とRifampicin (RFP)の単独およびそれらとSPGとの併用療法の延命効果について報告したが, 今回はそれらの病理組織学的検索の結果について述べる。
著者
高橋 一正 宇田川 毅 草葉 義夫 村松 岳彦 天野 壮泰 谷岡 慎一 市野 富雄 中野 清志 村上 一方 畔 和夫 奈良部 幸夫 今井 昭生 小西 優介 天田 巌
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.9, pp.1571-1575, 1989-09-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
4

波長可変レーザー装置を用いてcis-ビタミンK2(cis-VK2)→trans-ビタミンK2(trans-VK2)の光異性化反応を試みた。cis-VK2またはtrans-VK2の溶液に紫外から可視領域のレーザー光を照射し,それぞれの異性化量を測定した。その結果,cis-5-VK2→trans-VK2の異性化に有効な波長は280~460nmであり,とくに435と355nmが高い異性化率を示した。trans-VK2→cis-VK2の異性化反亦も同時に進行するがその速度は遅く,光平衡組成はtrans-VK2/cis-VK27/3となった。また異性化反応は溶媒の影響を受け極性溶媒よりも無極性溶媒が有効であった。cis-VK2→trans-VK2の異性化はテトラプレニル側鎖中のナフトキノン骨格にもっとも近い二重結合で起こり,他の二重結合部では起こらず選択的反応である。窒素雰囲気下でのおもな副生成物はメナクロメノロ一ルであった。これらの結果から異性化反応過程を推定した。
著者
天野 学 比知屋 寛之 安 智美 清原 義史 座間味 義人 瀬戸 衛 井上 徹雄 田中 一穂 倉田 なおみ 駒田 富佐夫
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.43-47, 2013-12-10 (Released:2015-06-26)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

In cancer chemotherapy, it is very important to take into account the patient’s background. In recent years, a simple suspension method has attracted increased attention as a method that prevents changes in the stability and safety of various drugs. However, of 135 oral anticancer drugs, only 28 have been examined using this method, as of April 2013. In this study, we carefully investigated whether 53 oral anticancer drugs could be adapted to the simple suspension method, except for the 28 drugs that had already been previously reported. The results showed that most of these oral anticancer drugs could be adapted to the simple suspension method. Of seven drugs that were not adapted, six were generic drugs. In addition, it was clear that the evaluation of bicalutamide tablets was significantly different from our expected results. In conclusion, we were able to qualitatively assess all 53 oral anticancer drugs. This is equivalent to half of 107 untested drugs. These results provide useful information to cancer patients using oral anticancer drugs prepared using the simple suspension method.