著者
山崎 明日香 YAMAZAKI Asuka
出版者
三重大学人文学部文化学科
雑誌
人文論叢 : 三重大学人文学部文化学科研究紀要 (ISSN:02897253)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.85-93, 2015-03-30

本稿は19世紀のなかばに活躍した演劇評論家ハインリヒ・テオドール・レッチャー(HeinrichTheodorR・tscher,1803-1871)の著書『劇的演技術(DieKunstderdramatischenDarstellung)』(1841-46)において提唱された俳優のための音声論を、18世紀以降のドイツの標準語形成運動と俳優の語り言葉についての問題に関連づけて考察するものである。レッチャーは、同時代の演劇界で広範な影響力を及ぼした著名な人物であり、1844年以降プロイセン政府の委託を受けて公的に演劇評論活動を行った。本稿で取り扱うレッチャーの『劇的演技術』は、演劇、俳優、そして演技術全般について包括的に論じた理論書であり、国民の道徳機関としての劇場機能の強化も併せて説いている。本稿の第一章は、18世紀以降のドイツの標準語形成運動と、それに並行して議論されてきた俳優の語り言葉に関する問題を取り扱った。その際に、レッチャーの音声論が、ドイツの標準語形成運動において、俳優の語り言葉の統一化と純粋言語への模範化に際して理論的な後ろ盾となったことを指摘した。そして第二章は、レッチャーの標準語と方言をめぐる考察をいくつか抜粋し、それを言語ナショナリズムに関連付けて論じた。レッチャーの音声論は、ドイツの標準語形成運動におけるナショナルかつ言語教育的な芸術言語の認知の流れを強めた一つの理論書であった。
著者
金森 絵里 兵藤 友博 小久保 みどり 中瀬 哲史 佐野 正博 山崎 文徳 慈道 裕治 横田 陽子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では福島第一原発事故がなぜ起こってしまったのかを領域横断的に分析し,以下の点を明らかにした。1.被爆国日本が原子力を社会的に受容したのは夢のエネルギーだという考え方が浸透していたからである。2.原子力政策は日本学術会議などの議論を十分に反映しなかった。3.大型化・連続化による経済性追求が安全性軽視につながった。4.歴史的に形成された「国家との戦い」「企業を護る」という意識と経営行動が事故につながった。5.緊急時における組織的対応が不十分だった。6.原発は総括原価方式のもとで電力会社経営を安定化したが,事故やバックエンドのコスト議論は自主的自律的におこなわれなかった。
著者
奥田 稔 高坂 知節 三宅 浩郷 原田 康夫 石川 哮 犬山 征夫 間口 四郎 新川 秀一 池野 敬一 松原 篤 稲村 直樹 中林 成一郎 後藤 了 小野寺 亮 遠藤 里見 亀井 民雄 室井 昌彦 馬場 廣太郎 島田 均 舩坂 宗太郎 大橋 伸也 鄭 正舟 小澤 実佳 八木 聰明 大久保 公裕 後藤 穣 服部 康夫 上野 則之 柏戸 泉 大塚 博邦 山口 潤 佃 守 池間 陽子 坂井 真 新川 敦 小林 良弘 佐藤 むつみ 山崎 充代 藤井 一省 福里 博 寺田 多恵 小川 裕 加賀 達美 渡辺 行雄 中川 肇 島 岳彦 齋藤 等 森 繁人 村上 嘉彦 久松 建一 岩田 重信 井畑 克朗 坂倉 康夫 鵜飼 幸太郎 竹内 万彦 増田 佐和子 村上 泰 竹中 洋 松永 喬 上田 隆志 天津 睦郎 石田 春彦 生駒 尚秋 鈴木 健男 涌谷 忠雄 宮國 泰明 夜陣 紘治 森 直樹 田頭 宣治 宮脇 浩紀 青木 正則 小林 優子 高橋 正紘 沖中 芳彦 遠藤 史郎 池田 卓生 関谷 透 奥園 達也 進 武幹 前山 忠嗣 恒冨 今日子 増山 敬祐 浅井 栄敏 土生 健二郎 中崎 孝志 吹上 忠祐 角田 憲昭 渡辺 隆 野口 聡 隈上 秀伯 吉見 龍一郎 茂木 五郎 鈴木 正志 大橋 和史
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.633-658, 1996-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
21

通年性アレルギー性鼻炎患者211例を対象に, KW-467910mg/日 (KW群) の有効性, 安全性および有用性をoxatomide 60mg/日 (OX群) を対照薬として多施設二重盲検群間比較試験により検討した.最終全般改善度の「改善」以上は, KW群61-6%, OX群57.6%で, 両群間に有意差は認められなかつたが, 同等性の検証を行った結果, KW群はOX群と比較して同等ないしそれ以上と考えられた. 概括安全度の「安全性に問題なし」と評価された症例は, KW群68.0%, OX群61.4%で, 両群間に有意差は認められなかった. 主な副作用症状は両群とも眠気であった. 有用度の「有用」以上は, KW群54.9%, OX群50.5%であり両群間に有意差はなかったが, KW群の方がやや有用率が高かった.以上の成績より, KW-4679は通年性アレルギー性鼻炎に対して, 臨床的に有用性の高い薬剤であると考えられた.

1 0 0 0 OA 戦争と増税

著者
山崎源太郎 著
出版者
橘書店
巻号頁・発行日
1937
著者
伊藤 竜生 山崎 宏樹 船水 尚行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
環境工学研究論文集 (ISSN:13415115)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.481-486, 2008

製造、運転コストの小さいコンポスト型トイレの試作行い、その運転性能およびコストについての検討を行った。トイレの仕様として、水分負荷を小さくできるし尿分離型で、動力を必要としない手動撹拌とした。その結果次のことがわかった。糞便の総投入量の増大につれておが屑マトリックスの重量が増大したが、約50%の有機物が分解した。含水率は約55%で安定した。条機酸の生成は反応初期に見られたが、開始後約2週間で条機酸の生成は認められなくなった。4人家族が使用することを想定した糞便の負荷でも好気的なコンポスト化が行われた。大腸菌数や大腸菌群数はこれまでの加温型のトイレに比べ高かったため、何らかの不活化処理が必要と考えられる。撹拌に要する力は使用期間が長くなるにつれて大きくなったが、減速器の使用などにより必要な力を小さくすることが可能である。しかしながら、撹拌の回転数やスクリューの強度についての検討が必要である。このスクリューにおける撹拌に必要な力は、撹拌されるマトリックスの重量の増加およびスクリューと反応槽の壁面との距離の減少に伴い増加した。材料のコストは約22万円であったが、その大部分はスクリューであった。インドネシアでは約Rp.10, 000, 000 (約100, 000円) であり、トイレの総建設費用を上回った。また、材料費は反応槽用の壁面用塩ビがコストの66%を占めた。
著者
宮倉 崇 大越 加奈恵 水上 潤哉 室 繭子 山本 真実 荒井 佳恵 永井 彩子 入澤 亮吉 山崎 正視 坪井 良治
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.118, no.2, pp.213-219, 2008-02-20 (Released:2014-12-03)

2005年末のフィナステリド(プロペシア®)の発売以来,東京医科大学病院皮膚科では2006年11月までに449名の患者が内服治療を受けている.初診時に男性型脱毛症の病型分類と患者の体毛の濃さを診察し,あわせて家族歴,環境因子,現在までの治療,内服薬への期待などについてアンケート調査を行った.また,6カ月以上内服した症例については,使用前の臨床写真と比較して有効性を判定した.これらの調査の結果,受診患者のNorwood-Hamilton分類は軽症のII型が43%,III型が17%と両者で約半数を占め,重症のVI型,VII型は10%以下であった.有効性の判定では,「やや改善」以上は内服半年後で66%であった.髭,胸毛,四肢など体毛同士の比較では,その他の体毛と比べて髭,下肢が濃い傾向が認められた.家族歴では患者の父親に男性型脱毛症があるのが68%で,祖父は44%であった.また,内服脱落例は全体の17%であり,受診時年齢,家族歴,飲酒の有無が脱落症例と関連が認められた.内服経過中に重大な副作用を生じた症例はなく,服用中止は1例であった.
著者
山崎 慎也
出版者
長野県工業技術総合センター
雑誌
長野県工業技術総合センター研究報告 (ISSN:18813119)
巻号頁・発行日
no.8, pp.115-117, 2013

野沢菜漬け製品を製造する際に発生する葉や株といった未利用部位の有効利用を目的として,酵素処理を併用したペースト化を試みた。使用する酵素の選抜として3種類の酵素によって処理を行い,ボールミルで湿式粉砕を行ったところ,スクラーゼCで処理したものの平均粒径が最も小さくなった。そこでスクラーゼCで処理した野沢菜の葉を家庭用ミキサーで粉砕しペースト化を試みたところ,ボールミルを使用したもの程ではないが滑らかなペーストができた。この野沢菜ペーストをおやきの生地に配合して,おやきを作製したところ,酵素を用いずにペースト化したものに比べて均一で,きれいな野沢莱の緑色となり,野沢菜らしい香りも残っていた。これにより,野沢菜未利用部位を,おやきやうどん等に配合して使用する野沢菜ぺーストとして利用できる可能性が示唆された。
著者
山崎 友資
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus (Journal of the Malacological Society of Japan) (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1-2, pp.41-52, 2008-08-31 (Released:2016-05-31)
参考文献数
32

津軽海峡より採集されたシャクシガイ科の新種を記載する。ホロタイプは2003年に津軽海峡北海道側大陸斜面から採取され,その後,2006年に北海道大学水産学部練習船うしお丸がおこなった津軽海峡本州側大陸斜面の底生生物群集の調査からも確認した。本種はAllen & Morgan (1981) の分類に従って,シャクシガイ属 Cuspidaria の Rhinoclama 亜属に分類される。しかし,最近の研究では Rhinoclama 亜属を属として扱う傾向があること(Krylova, 1994; Coan et al., 2000; Marshall, 2002; J. Poutiers, pers. comm.,2007),さらに Rhinoclama 亜属の嘴部形態を比較・検討したところ3グループに分類できることから,著者は Rhinoclama を属として扱った。以下に,3グループの特徴と所属する種を記述する。1) brevirostris species-group (= Austroneaera 亜属):嘴部の発達は微か。所属する種は abrupta, aupouria, brevirostris, brooki, dorsirecta, finlayi, raoulensis, similis, tangaroa。2) alta species-group (= Rhinoclama 亜属の1部分):嘴部は直線的に発達する。所属する種は alta, dubia, halimera, semistrigosa, testai。3) adamsi species-group (= Rhinoclama 亜属の1部分):嘴部は上を向く。所属する種はadamsi, benthedii, filatovae, nitens, notabilis, rugata, simulans, teres, tsugaruensis n. sp., valdiviae。現在,以下の3種については,分類学的位置づけが不明確なため,これら3グループには含めない; imbricata, semipellucida, trailli。土田・黒住(1996)によって岩手県大槌湾中央部から Rhinoclama sp. として無図版で報告された種類(CMB-ZM 114012)は,本種と同一種であることが判明したので,この標本もパラタイプに指定した。ウシオシャクシガイ(新種・新称)Rhinoclama (Rhinoclama) tsugaruensis n. sp.貝殻は本属としては小型,殻長は 5.87 mm,球形,膨らむ,滑らか,白褐色。嘴部は短く,上を向き,新鮮な標本では,淡い黄色の殻皮をかぶる。成長線は共心円状で弱く,嘴部に向かうにつれて強くなる。殻頂は中心より外れ,後ろに傾く。原殻1はおおよそ 200 μm,楕円型で滑らか。原殻2はおおよそ10 μm,滑らか。前縁は丸く,滑らかに縁取られる。前腹縁は弱く膨らむ。嘴状部には2つの稜角があり,背稜角はたいてい背縁と平行で,腹稜角は殻頂から腹縁の後部境界へ斜めに走る。背稜角はたいてい不明瞭であるが,明瞭となるものもある。右殻には明瞭な前鉸歯と背鉸歯があり,内部の腹縁は,左殻の狭い腹縁と一致して重なる。左殻には前鉸歯も背鉸歯もない。内部の外套痕は広く湾曲し,深く凹み,深い部分でさらに凹むことで特徴付けられる。貝殻は膨らみ,後部は平坦で両殻の境界は,腹縁の共心円状の成長線によって区別できる。和名のウシオは,北海道大学水産学部練習船うしお丸に由来する。学名の tsugaruensis は,採集地の津軽海峡に由来する。タイプ産地 : 津軽海峡北海道側斜面水深 25 m。分布 : 津軽海峡北海道側斜面水深 25 m ~本州側斜面 80 m ~200 m。岩手県大槌湾中央部水深 52 m ~55 m。

1 0 0 0 OA 刃物の切味

著者
古川 徹 山崎 栄一 小島 洋一
出版者
社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会会報 (ISSN:00214426)
巻号頁・発行日
vol.27, no.9, pp.703-708, 1988-09-20 (Released:2011-08-10)
参考文献数
10
著者
坪田 亘記 小川 徹 山崎 俊彦 相澤 清晴
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本研究では個別の漫画でのキャラクターの分類を目的とする.キャラクターの顔とコマのバウンディングボックスが与えられているという条件で,深層距離学習によって個別の漫画への適応した特徴量を作成してクラスタリングを行う手法を提案する.深層距離学習に必要な正ペアと負ペアを,漫画特有の性質である同じキャラクターは近くのページやコマに登場しやすく,同一のコマに現れるキャラクターはほぼ異なるという性質を考慮して推測する.個別の漫画に適応したことによりクラスタリングが改善した.
著者
斉藤 匡昭 宮川 孝子 佐々木 こず恵 山崎 とみ子 高橋 明美 小野 文徳 秋山 博実 小野地 章一
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.331, 2007

〈緒言〉<BR>平成19年4月よりがん対策基本法が施行され、がん疼痛における対策が明文化された。当院では、平成18年7月に緩和ケアチームが発足した。それに伴い、薬剤科でも、緩和ケアにおける取り組みを行ってきた。当院は平成19年1月にがん診療連携拠点病院に指定された。<BR>これまでの当院の緩和ケアチームの活動と緩和ケアにおける薬剤科の取り組みについて報告する。<BR>〈概要〉<BR>1)緩和ケアチームの業務は、依頼された患者の緩和ケア実施計画書の作成と主治医への助言・協力、退院後の緩和ケア体制の調整、月2回の病棟回診およびチームカンファレンスである。 構成員はチーム本体が医師2名、薬剤師2名、看護師4名。チーム活動に協力する支援ナースが病棟看護師12名と外来看護師1名となっている。<BR>2)薬剤科での取り組みは全職員対象の緩和ケア勉強会では薬剤師が今まで2回に渡って講演を行った。<BR> 月に1度、支援ナース単独の勉強会では薬剤師が薬剤について解説している。勉強会後に補足が必要な場合は院内LANで資料を配布している。平成19年4月に疼痛治療マニュアルを作成し各病棟に配布した。また医師が携帯出来るような縮小版も作成した。原案は薬剤科で検討した。その他、オピオイドの薬物動態表や換算表をポケット携帯版にしてチームメンバーに配布した。<BR>〈症例〉<BR>主病名は胃がん、すい臓がん。<BR>心窩部痛にて近医を受診し胃カメラ検査を受けたところ精査が必要と言われ、総合病院を紹介され、胃がん、膵がん、癌性腹膜炎、肝転移と診断され予後は1~2ヶ月と告知された。その後、本人が希望して当院を受診、疼痛緩和を目的に入院となった。<BR>痛みへの不安と告知による精神的な落ち込みが強いためチームでは在宅へ向けた精神的ケアと十分な鎮痛を緩和ケアの目標とした。<BR>疼痛は腹部が著名であった。依頼時はデュロテップパッチ2.5mgを貼付されていたが鎮痛不十分で、モルヒネ筋注によるレスキューをしばしば使用、他、嘔気を伴っていた。そこで、チームではデュロテップパッチの5mgへの増量と嘔気予防としてノバミンの内服、レスキューとしてオプソ内服液の使用を助言した。<BR> その後、疼痛コントロールは良好となり、嘔気も消失した。入院当初は「家に帰ることは考えられない」と話していたが、徐々に精神的動揺も減り、年末年始には自宅に外泊も可能となった。<BR>〈今後の課題〉<BR>緩和ケアチームとしては、主治医との連携を強化し、医師会、薬剤師会等に働きかけ、在宅緩和ケアに向けた地域医療連携体制を構築できるよう努めていきたい。<BR>薬剤科としては、病棟薬剤師とチーム薬剤師間で患者情報の共有を図り、連携の強化や医師の処方に積極的に支援できるよう個々のレベルを上げていきたいと思う。<BR>
著者
藤田 光宏 秋山 哲男 山崎 秀夫
出版者
東京都立大学都市研究センター
雑誌
総合都市研究 (ISSN:03863506)
巻号頁・発行日
no.69, pp.171-185, 1999-09

自家用車を用いて家族や知人により送迎される自然発生的な未組織の交通サービスを「自動車同乗」と定義する。公共交通が不使な人口低密度地域に居住する高齢者のモピリテイ確保は、この「自動車同乗」に強く依存し、また相手の都合により外出行動が決定されるという、極めて不安定な状況におかれている。わが国では英国のようにボランテイア等による「自動車同乗」の制度が全くなく、今後どの様な政策的な方向を求めるべきかはこれからである。本研究では、この「自動車同乗」の基礎的研究として、高齢者とその家族を対象としたアンケート調査により「自動車問乗」の実態把握とその構造を把握することを目的とした。その結果、①「自動車同乗」の8割が家族間で行われていること、またその多くが子供に依存していることが分かった。②「自動車同乗」の成立する条件をドライパーである供給側と利用側の関係から分類すると便乗型、当然型、調整型に分けることができ、家族のつながりが強い場合は当然型や調整型で自分の目的地に合わせてもらう空間が一致しない傾向が著しいこと。しかし、知人の場合は相手の目的地に合わせた空間が一致する便乗型が強いことが分かった。以上から、自動車同乗については家族依存型が強く相手に会わせるという時間的・空間的制約の中での外出行動のため、極めて不安定な供給形態であり必ずしも十分ではなく、今後新しい送迎サービスなどの、補完的仕組みも合わせて必要であることが改めて重要であると認識された。Co-ride Personal Car is defined as the unorganized transportation service offered spontaneously by family or acquaintance. Securing the mobility of the elderly, who live in the sparse populated area with poor transit service, depend entirely upon this Co-ride Personal Car. It is means that they have been in the unstable conditions where their going-out action is controlled by driver's reasons. We have not Co-ride Personal Car system by volunteers in Japan, as seen in the England. Now we ought to decide our future political direction. The purpose of this study is to grasp the actual condition and its structure of Co-ride Personal Car, by the questionnaire done for the elderly using and their family. The result is as follows. 1) Eighty percents of Co-ride Personal Car is done by family, especially their children in many cases. 2) From the point of relationship between the driver and the user, the condition of driver and user can be classified into three types: depending upon driver' s trip, depending upon user's trip and negotiate between driver and user's trip. In case that family ties are strong, the destination of their family tends to be different from the one of the elderly, as seen in depending upon user's trip and negotiate between driver and user's trip. But in the case of acquaintance, the destination tends to be consistent with the elderly, as seen in depending upon driver's trip. From the above it was made clear that Co-ride Personal Car is quite unstable from supply mobility for the elderly, because it is restricted by both time and space, strongly depending upon family. In addition to Co-ride Personal Car, supplementary system such as new transport service will be needed in the future