著者
重森 雅嘉
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第10回大会
巻号頁・発行日
pp.61, 2012 (Released:2012-07-20)

ヒューマンエラーを事故が起こる前に発見するためダブルチェックを複数回行うことがある。しかし、複数人が作業に関与すると、単独で行うよりも個々のパフォーマンスが落ちること(社会的手抜き)が知られている。したがって、ダブルチェックにおける社会的手抜きの可能性を検討した。大学生を対象に、2つの誤字を含む文章校正課題を単独で行う条件(単独条件13名)と複数人で行う条件(複数条件、1回目:31名、2回目:29名、3回目:28名)で実施し、各回の平均誤字検出数を比較した。その結果、単独条件の検出数が複数条件の各回よりも多かった。また複数条件の各回の検出数には違いがなかった。これらの結果から、既にチェック済みのものを再度チェックする場合とこれからチェックするものがその後他者にチェックされる場合の社会的手抜きについて検討した。
著者
五條 理保 森本 雄矢 竹内 昌治
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.038-041, 2010 (Released:2010-01-25)
参考文献数
12
被引用文献数
3 2
著者
大森 義幸
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.82, no.9, pp.803-806, 2016-09-05 (Released:2016-09-05)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
山口 昌樹 金森 貴裕 金丸 正史 水野 康文 吉田 博
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
医用電子と生体工学 (ISSN:00213292)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.234-239, 2001 (Released:2011-10-14)
参考文献数
15
被引用文献数
17

It is more than a half-century since Dr. Hans Selye proposed that the reaction to an external stimulus to a human be called a “stress.” However, an index that can quantitatively evaluate the stress has not yet been established. We have focused on the change of α-amylase activity in saliva (salivary amylase) and carried out an in vivo evaluation in six normal subjects to define the levels of mental stress through amylase activity. In this evaluation, the Kraepelin Psychodiagnostic Test was used as a mental stressor for the subjects. In normal subjects, a comparatively quick response was observed by the experiment for stress load, which verified a correlation between mental stress and salivary amylase activity. The sign of gradient calculated from the salivary amylase activity was negative or positive, depending on whether the stress reaction is comfortable. Furthermore, when the salivary amylase activity and salivary total protein were measured, the effect of the salivary flow rate could be estimated. The change of salivary amylase activity was confirmed as being originated from stress. These results suggest that the monitoring of salivary amylase could be used as a noninvasive indicator of stress reaction.
著者
森 直也
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.72-80, 2021-09-30 (Released:2021-09-30)
参考文献数
37

企業が実施するセールス・プロモーションとして,確定インセンティブおよび不確定インセンティブは共に頻繁に用いられている。一方の確定インセンティブとは,消費者がポイントなどの報酬を必ず獲得できる形態のインセンティブであり,他方の不確定インセンティブとは,消費者がポイントなどの報酬を抽選によって獲得できる形態のインセンティブである。これまで,インセンティブに関する研究の大半は,消費者のリスク回避性に着目し,必ずしも望ましい報酬を獲得できるとは限らないというリスクと結びついている不確定インセンティブは,確定インセンティブほど選好されないと主張してきた。しかしながら,近年では,不確定インセンティブに対して肯定的な研究が増加しており,注目を集めている。インセンティブに対する実務的および学術的な関心が高まっている状況に鑑みると,これまでのインセンティブに関する研究知見を整理し,残された課題を明確化することは,有意義な試みであると言いうるであろう。そこで本論は,確定インセンティブおよび不確定インセンティブに対して肯定的な既存研究を概観する。そして,今後の研究には,新たな研究潮流の形成が求められるということを指摘する。
著者
森岡 真史
出版者
経済理論学会
雑誌
季刊経済理論 (ISSN:18825184)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.60-72, 2014-01-20 (Released:2017-04-25)

Nobuo Okishio (1927-2003) and Michio Morishima (1923-2004) belonged to the same generation. Both of them started their study of economics through Hicks's Value and Capital. Because of Okishio's conversion from Hicksian to Marxian economics, their academic path once separated in the mid-1950s. However, since the late-1960s Morishima undertook a reformulation of Marxian value theory. In the 1970s He also accepted Keynes's principle of effective demand as the proper description of contemporary capitalism where the Say's Law does not hold true anymore. The purpose of this paper is to overview Okishio's and Morishima's economics and highlight some important characteristics common to them. Since the author has already made a detailed argument on Okishio in a previous essay, this paper puts focus on Morishima's economics. Morishima regarded theories as a set of tools which should be selected depending on features of the economy to be investigated. Thus his economics has no universal "principle". While making substantial contributions to the elaboration of the general equilibrium theory, he was well aware that adherence to strict generality would be theoretically barren. In his view the scope of analysis based on optimization is limited also by the fact that "sociological factors" play crucial roles in labor market. He showed keen interest in concrete processes of market transactions and emphasized the necessity to analyze the movement of temporary equilibrium prices over periods. Morishima's theoretical transition in late 1960's was twofold. In terms of analytical method he adopted von Neumann's framework. More importantly, in terms of the basic understanding of capitalism, he embraced Keynes. Morishima indicated that equalization of the return rates of durable goods is incompatible with full employment of factors unless the Say's Law is assumed. In connection with this, he sought to construct a price theory which could explain both prices determined by auction and prices set by firms based on the full-cost principle. In Capital and Credit Morishima tried to incorporate into his theory the roles of entrepreneurs and bankers as co-creators of "production possibility set". Okishio and Morishima were outstanding internal critics of the theories upon which they themselves had relied. Okishio's reformulation of Marx's economics contains fundamental criticism against it. Morishima's early works include pertinent insight into the limits of Walrasian-Hicksian approach. hey saw economy as a time-consuming circular process accompanied with complicated interrelations between its various agents and sectors. One of the reasons why they were not impressed with Sraffa might be that they had already established circulation-based view of economy. On Marxian value and exploitation theory, there were no substantial disagreement between them. Rejecting the Say's Law clearly, Okishio and Morishima built their theory on the principle of effective demand. They regard the movement of capital stocks as one of basic factors determining the dynamics of capitalist economy. However, advocacy of Keynes brought disharmony into their theoretical systems. Okishio's Keynesian short-term theory is not consistently connected with Marxian longterm theory. There remained a large gap between Morishima's vision of "the anti-Say's Law system" and his formalized Neumann-type model. Clarification of these common features would be significant as a preparation for more comprehensive comparison of their economics.
著者
森内 裕香 市川 豊 橘高 雷太 大瀬 俊之 吉澤 健一 宮川 修
出版者
公益社団法人 日本水道協会
雑誌
水道協会雑誌 (ISSN:03710785)
巻号頁・発行日
vol.89, no.6, pp.11-17, 2020-06-01 (Released:2021-06-01)
参考文献数
7

東京都水道局では、水道水の臭気異常への対応力強化を目的として、臭い嗅ぎ機能付きガスクロマトグラフ質量分析計を導入し、臭気原因物質の特定手法の開発を目指している。手法開発の手始めとして、当局において過去に甚大な被害を受けた玉ねぎ腐敗臭の原因物質をターゲットとして、分析条件の検討、MS スペクトルによる構造解析を踏まえ、原因物質の特定に至る手法を明らかにした。
著者
正本 博士 織田 貴雪 森田 健太郎 重松 幹二 松藤 康司 柳瀬 龍二
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集 第19回廃棄物学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.234, 2008 (Released:2008-11-25)

2006年以降廃石膏ボードの処分方法の変更に伴い管理型最終処分場への埋立量が増加している。管理型最終処分場内では有機物が共存することにより硫化水素の発生が懸念されその対策が急務となっている。本研究では、廃石膏ボードと他の廃棄物を混合埋立することにより硫化水素の発生を抑制することを試みた。また、準好気性、嫌気性での埋立構造の違いについても検討した。その結果次の3点の内一つ以上が実現できれば硫化水素は発生しなかった。(1)浸出水のpHが9以上の強アルカリ性。(2)浸出水のTOCが30mg/l以下。(3)埋立構造を嫌気的にしない。更にこれらの条件が満たされなくても(4)廃石膏ボードと焼却残渣を混合埋立することで硫化水素の発生を抑制することが可能であった。そのメカニズムについて考察したところ、浸出水のpHと廃棄物中に含まれる鉄分が硫化水素発生抑制に貢献していることが分かった。
著者
清水 岑夫 和田 修治 林 利光 有澤 宗久 池ヶ谷 賢次郎 大角 誠治 矢野 三郎 森田 直賢
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.108, no.10, pp.964-970, 1988-10-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
12
被引用文献数
4 25

Hypoglycemic activity of several kinds of Japanese tea was examined and bancha was found to have potential hypoglycemic activity in streptozotocin-induced hyperglycemic and normal rats. One of the active principles was purified by chromatograph on Toyopearl HW-50F and diethylaminoethyl-cellulose and determined to be heteropolysaccharide (T-b) consisting of arabinose, D-ribose and D-glucose (5.1 : 4.7 : 1.7), which gave a molecular weight of approximately 4×104.
著者
森 晃爾 永田 智久 梶木 繁之 日野  義之 永田 昌子
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.145-153, 2013 (Released:2013-10-23)
参考文献数
12
被引用文献数
1

目的:昨今,企業全体で整合性の取れた産業保健活動の展開が必要になってきており,そのためには,活動方針の明確化,活動基準の策定,産業保健スタッフの配置や意思疎通を企業全体で行っていく必要がある.その際,産業保健分野の高度な専門性を有し,統括産業医や総括産業医等(以下,統括産業医)の名称を与えられ,企業全体の産業保健活動をリードする産業医が任命されるようになってきた.しかし,これまで国内において,統括産業医の実態や機能に関する実態調査やそれに基づく検討はまったく行われていない.そこで我々は,統括産業医の機能と企業内での位置づけについての実態を明らかにすることを目的として,実際に大企業において統括産業医として任命されている産業医に対するインタビュー調査を行った.対象と方法:従業員数5,000名以上で,「複数の事業場と複数の産業医が存在する企業において,企業単位での産業保健活動の方針や活動の管理の役割を果たす産業医」を調査対象とし,条件を満たす統括産業医14名にインタビューを行った.インタビューのスクリプトをコード化し,統括産業医として果たしている具体的な機能と企業内での対象者の位置づけについて分析を行った.結果:分析の結果,5つの事項が示唆された.機能としては,1) 統括産業医は産業保健に関する全社的な方針,基準,計画の策定に主体的に貢献していること,2) 産業保健に関する全社方針や基準等は,その実行性を確保するために,事業拠点を統括する本社の事業部門等から出されるとともに,統括産業医が事業拠点の産業医や産業保健スタッフに対して指導や情報提供をしていること,3) 労働安全衛生マネジメントの内部監査や業務監査の一環で実行状況の評価が行われている企業があり,統括産業医が専門的に貢献していること,4) 産業医や産業保健スタッフの会議を主宰するなどの方法で意思疎通を行ったり,基準の技術的事項などについて全社的な研修を行う努力をしていることが示唆された.また,5) 総括産業医が役割を果たすためには,意思決定者である人事担当役員等の職位の経営層に直接または間接的に提案できるような位置づけや関与が重要であることが示唆された.考察:企業全体での整合性が取れた産業保健活動を推進している企業では,企業活動の意思決定や指揮命令等の機能を用いるとともに,統括産業医のもつ産業保健に関する専門的な知識を活用していると考えられた.また統括産業医が,産業保健専門職の確保や意思疎通に大きな役割を果たしていることが考えられた.今後,統括産業医業務の事例収集,統括産業医のコンピテンシーの明確化などを行った上で,研修プログラムの開発と提供が必要と考えらえる.
著者
田中 宏典 古森 哲 富田 一誠 瀧川 宗一郎 稲垣 克記
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.509-513, 2012 (Released:2013-03-14)
参考文献数
7

症例は5日前からの左下肢痛を主訴に当科を初診した67歳の男性である.合併疾患として直腸癌があり,2回の手術を受け,その後の抗癌剤治療が進行中であった.初診時所見で左第4腰椎神経根領域に疼痛を認め,腰部脊柱管狭窄症など念頭に精査,治療を開始した.初診から5日経過後に疼痛の増悪と共に左第4,5腰椎神経根領域に水疱を伴う皮疹を認めた.下肢帯状疱疹と診断し抗ウィルス薬の点滴と軟膏による治療を開始した.治療開始から1か月後に下肢痛も軽快し水泡も痂皮化した.本症例では,当初腰椎疾患を疑ったが,下肢痛の出現から10日後に皮疹が出現して初めて診断が可能となった例である.腰椎疾患が多い高齢者では下肢痛の病因としての帯状疱疹は初診時の診断が難しい.免疫能低下が考えられる高齢者の下肢痛では,帯状疱疹も念頭に置いて注意深く診察する必要があると思われた.
著者
石坂 正大 久保 晃 金子 純一朗 野村 高弘 堀本 ゆかり 韓 憲受 貞清 香織 黒澤 和生 大村 優慈 森田 正治 江口 雅彦
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.531-536, 2017 (Released:2017-08-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

〔目的〕円滑な就職活動の支援に向けて,理学療法(以下,PT)学生における就職決定要因を検討することとした.〔対象と方法〕対象は平成27年度PT学科学部4学年とし,アンケートの協力が得られた144名であった.〔結果〕就職決定因子のうち重要性の高いのは,PTの上司の理解,役職者のリハビリに対する理解,臨床での技術指導の充実であった.主成分分析の結果,5つの主成分が抽出され,人的地域的親和性,待遇,卒後教育環境,立地,自己実現に関する項目であると解釈できた.〔結語〕就職決定因子として,上司の理解による人間関係,および病院・施設での研修制度の充実が重要である.
著者
高島 弘幸 黄金 勲矢 竹林 庸雄 押切 勉 森田 智慶 吉本 三徳 寺島 嘉紀 山下 敏彦
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.11, no.6, pp.897-901, 2020-06-20 (Released:2020-06-20)
参考文献数
15

慢性腰痛患者では,多裂筋の筋細胞内脂肪(intramyocellular lipids:IMCL)が上昇していることが報告されている.本研究では,慢性腰痛患者における多裂筋のIMCLが腰痛の経過とともにどのように変化するかを縦断的に解析した.腰痛VASの改善率とIMCLの変化率の間には,正の相関(r = 0.818,p < 0.001)が認められ,腰痛の改善とともにIMCLが低下する傾向であった.多裂筋のIMCLは,慢性腰痛と深い関連があることが示唆された.
著者
泉 千尋 藤森 一真 金森 貴洋 桑原 洋平 西谷 彰紘 鈴木 学 菅原 誠一 太田 真之 佐藤 宏行 林 健太郎
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.173-182, 2021-12-23 (Released:2021-12-24)
参考文献数
11

心房性頻脈性不整脈(AT/AF)のburdenを減少させる機能として,第2世代心房抗頻拍ペーシング(A-ATP)の有用性が報告されているが,導入後に治療が有効となる症例の特徴は明らかでない.そこでわれわれは,A-ATP(Reactive ATP, メドトロニック社製)作動症例22名の患者背景,心内心電図,12誘導心電図,エコー所見,BNPから治療が有効となる因子を検討した.AT/AF burdenの50%以上減少をA-ATP有効と定義し, AT/AF burden<5%の症例とAT/AFのエピソードが1件のみの症例は治療有効性の判断が困難なため,10名を除外した.有効群(5名)は無効群(7名)と比較して,心内AT/AF average tachycardia cycle length(AvCL)>300ms(28.6% vs 5.2%,p<0.05)および規則的なAT/AF(71.9% vs 48.5%,p<0.05)が多く,AT/AFに対するカテーテルアブレーション(CA)またはMaze手術既往が多かった(80% vs 14%,p<0.02).また,12誘導心電図において有効群はf波のCLが無効群より延長していた(220.5ms vs 141.4ms,p<0.05).A-ATPは延長したAT/AF AvCL,または規則的なAT/AF症例で有効であり,CAやMaze手術の既往,12誘導心電図のf波CL延長が植込み前に観察可能な有効性の予測因子として有用な可能性がある.