著者
若倉 正英 清水 芳忠 荻原 瑠 三宅 淳巳
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物学会誌 = WASTE MANAGEMENT RESEARCH (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.382-391, 2007-11-30
参考文献数
9

一般廃棄物処理施設における労働災害の発生状況を, 日本廃棄物処理施設技術管理者協議会が継続的に実施しているアンケート結果に基づいて解析した。廃棄物処理工程での労働災害発生率は全産業平均の7倍以上であり, 安全化の推進は緊急の課題である。廃棄物処理施設別に事故の起因となった設備機器, 作業, 発生原因を, 事故の種類や負傷者の重篤度により分類し, 非定常作業での安全上の問題点, 施設や設備機器ごとの潜在危険性を整理した。また, 労災事故多発の背景にある組織要因や管理運営要因などを明らかにするため, 廃棄物の取り扱いでの典型的な死亡事例について, 根本原因分析を行った。その結果, 廃棄物処理工程では安全の基礎である管理者, 作業者の安全意識の不足が, 事故の根本的な要因であることなどが明らかになった。また, 一般廃棄物処理での労働安全活動が産業廃棄物処理業に比べて, 低調であるなどの問題点も示唆された。
著者
高田 敏弘 青柳 滋己 栗原 聡 光来 健一 清水 奨 廣津 登志夫 福田 健介 菅原 俊治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.115, pp.169-176, 2002-11-28
参考文献数
18
被引用文献数
2

本論文は,入出力機構を持ち現実空間に遍在する実体を基本構成要素とするシステム・プラットフォーム,Organic Entia について述べる.本システムは,実空間中の物体に起因する情報を主な対象としたアプリケーションの構築と,その際の自律構成を第一の目標に置く。更に本システムを基盤として,実空間中の環境データと人とを結ぶHuman-Environment Interface を確立することを目指している.本稿の後半では,Organic Entia の実現の基盤となるロケーションモデル,cell-proximity model を紹介する.In this paper, we propose Organic Entia, an open architecture for real-space com-puting.It focuses on objects in real-space rather than information in digital (cyber) space. The key requirements for this system are ability to handle location infor-mation without pre-configuration and to implement interfaces between real-space objects and people. We also introduce a novel location model based on cells and proximity measure.
著者
中村 哲 佐々木 裕 菊井 玄一郎 清水 徹
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.345-350, 2005-08-01 (Released:2017-05-25)

音声翻訳は, 日本語を喋ると英語やその他の外国語に翻訳して喋ってくれる, あるいは外国語を喋ると日本語に翻訳して喋ってくれるという技術である。音声翻訳を実際の生活のあらゆる場面で使えるものにするためにはまだ多くの課題が山積している。個別の技術で言えば, 音声認識, 翻訳, 音声合成といった要素技術を, 話し言葉を対象にいかにしてロバストで高精度にするか, そして, それらをいかに効果的に統合するかという音声翻訳特有の課題の解決が不可欠である。そこで, 本稿では, ATRが現在研究開発を進めている旅行会話を対象とした音声翻訳システムの解説を中心に, 音声翻訳研究の現状を紹介する。
著者
清水 直樹 石井 紀彦 木下 延博 室井 哲彦 上條 晃司
出版者
一般社団法人 レーザー学会
雑誌
レーザー研究 (ISSN:03870200)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.343-348, 2010-05-15 (Released:2015-08-08)
参考文献数
14

Holographic data storage systems are feasible for next generation optical storage. However, their
著者
清水 善久 根岸 七洋 吉川 洋一 小金丸 健一
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.6, pp.91-95, 1996-11

都市ガス事業者は、地震発災後に、二次災害を防止するためのガス供給停止について、迅速かつ速切な判断を下す必要がある。東京ガスのSIGNAL(地震時導管網警報システム)はその判断を支援することを目的に開発され、331ヶのSIセンサー、20ヶの液状化センサー、5ヶの基盤地震計の情報を地震発災直後に高信頼性の無線網により収集する地震動モニタリングシステムの展開、また地盤条件、埋設管、建物、液状化危険度、地震時埋設管被官事等の豊富なデータベースの構築、及び被害推定システムの整備を実施し、1994年6月より実稼働している。また、別途開発した復旧基本計画策定システムと連動させ、地震発災直後に復旧に関する手立てが即時実行可能となったため、結果的に早期復旧が図れることとなる。さらに、1996年9月より、震度3相当以上の大きさの地震が発生した際は、SIGNALの331ヶ所の最大SI値及び最大加速度について、インターネットの東京ガスホームページを通じて一般公開を始めた。このデータの公開により、地震情報・データベースの共有化の促進と、それらの地震防災などの研究への活用が期待される。
著者
福田 将義 大坪 倫代 徳山 理恵 山田 透子 村野 竜朗 加藤 知爾 井上 大 清水 寛路 小田柿 智之 岡宮 聡 村田 直樹 小倉 祐紀 竹縄 寛 芝 祐信
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.44-47, 2009-12-10 (Released:2013-07-29)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

内視鏡的大腸ポリープ切除術について,後出血の危険因子および後出血予防処置としてのクリッピングの有効性について検討を行った。2004年から2007年の4年間に,当院にて施行した1049病変について解析を行った。出血例は26病変に認められ,出血率は2.5%であった。病変部位,病変の大きさ,病変形態,切除方法,組織型,クリップ施行の有無について検討を行った。後出血の要因として,病変部位としては左側結腸,大きさは15mm以上,病変形態は広基性または10mm以上の有茎性,切除方法は分割切除,組織型は腺癌であった。クリッピングの有効性については,施行例・非施行例での背景が異なっており,有効性を示すためには施行規準を設けた前向き研究が必要と考えられた。
著者
吉田 一正 武田 賢一 河崎 雄司 西田 陽二 近藤 清彦 原田 智也 山口 耕介 山崎 章 井岸 正 清水 英治
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.204-207, 2012-10-31 (Released:2016-04-25)
参考文献数
7

慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者のリハビリテーションでは下肢の活動量についての検討はされてきたが,上肢の活動量についての検討は十分とはいえず,COPD患者で上肢活動量の評価方法は確立されていない.COPD患者(17人)の上肢の活動量,動作の障害程度をActiwatch 2 とPFSDQ-Mで評価し,呼吸機能,呼吸筋力,6-minute pegboard and ring test(6-minute PBRT)で測定される上肢運動能等との関係を調べた.6-minute PBRTでのリング数とActiwatch 2 のカウント数との間に正の相関(r=0.53, p<0.05)を認めた.6-minute PBRTは上肢の活動量のサロゲートマーカーとなり,呼吸リハビリテーションを考えるうえで,上肢活動量の推測とリハビリテーションの効果判定に有用である可能性がある.
著者
野田 勉 清水 充
出版者
(社)大阪生活衛生協会
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.13-19, 2000-01-30 (Released:2010-03-11)
参考文献数
20
被引用文献数
5

An antimicrobial agent, hiba oil, was examined for contact allergenicity in a modified guinea pig maximization test. Hiba oil produced weak contact allergenicity by intradermal injection dose at ≥5, 000ppm and challenge doses at 5, 000ppm. Even at the highest intradermal dose of hiba oil (50, 000ppm), only half of the animals showed a positive skin reaction to the challenge patch of hiba oil at 5, 000ppm. Two antimicrobial components of hiba oil, hinokitiol and carvacrol, were not the critical substances of allergenicity, as these chemicals failed to cause positive skin reaction in a cross-sensitization test.
著者
清水 孝一 山本 潮 小野里 好邦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.56, pp.59-64, 1999-07-15
参考文献数
2
被引用文献数
2

近年のインターネットの普及により,仮想空間をネットワーク上に展開することによって,人々のコミュニケーションの場として様々なサービスに発展してきている.しかし,参加者の増加に伴いサーバに対する負荷が懸念されており,多くのユーザをサポートするための研究が盛んに行なわれている.そこで,多くのユーザを仮想空間内に投影させる方式の一つとして,サーバを複数用意し,一つのサーバが管理する領域を分割し,多くのユーザをサポートすることが可能な方式が考えられ実装されている.しかし,任意の管理領域にクライアントが集中した場合,この空間分割方式では効果をあげることができない.最悪の場合,一つの空間に全てのクライアントが集中してしまう恐れもある.本稿では,この分割管理されているサーバ管理領域を動的に変化させ,サーバの負荷を分散させるための方式を提案する.また,本方式を用いてプロトタイプを作成したので,従来の方式と比較し考察する.Recently, according to increasing Internet users, various services have been developed. One of such services is providing virtual environments where the users communicate with each other. However, by the number of users increases, much reearch effort has been devoted to support large number of users. One of such methods is that a virtual space is devided into some blocks and each block is managed by each server. However, each server manages each fixed virtual space and take care of users in its managing region, and such approach is not effective, in case that many users concentrate in some part of virtual space. In the worst case, all of the users concentrates in one block of virtual space. In this paper, we propose the multi server-managed virtual space model in which the load of managing virtual space is well-balanced to servers by dynamically changing managed regions. We demonstrate a prototype system, as a result of comparing our prototype system with multiple server system without dynamic change of managed system.
著者
清水 龍瑩
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.101-136, 1996-12-25

今回のサーベイは,以下のような環境の下で行われた。1月から8月までの8カ月間,住専問題処理を中心に政治は動いた。住専処理は,金融不安を避けるためという口実の下で,6千8百億の税金が処理費として投入されることになった。いわゆる母体行も,農林系金融機関も最後まで責任を負わなかった。住専からの大口債務者は,あれだけの担保土地の下落が突然起れば,どんな経営者でも破産してしまうと,大蔵,日銀などの金融担当者の責任を叫んだが,大蔵・日銀の責任は追及されなかった。一般国民の大蔵省,日銀に対する信頼感は薄らぎ,特にグローバル化及び高齢化社会への政府の対応能力の不足に,はっきり危惧の念をいだくようになった。為替レートが大きく変動すれば,少々の国民の努力,企業努力は無意味になってしまうからである。そこで今回は,為替レートは,一般の経済学で言われるように,はたして経常収支によって動くのか,日本政府の国際対応は的確なものであるのか,また一方,この政府の無策に対して日本企業はどのように変身して対応しているのか,さらに高齢化社会に日本政府は対応できるのかの視点からサーベイを行った。<政治関係>[国際協力事業団]教育,健康こそが新しい安全保障の条件である。南の途上国の安定がなければ北の安定はない。JAICAは直接的に技術援助はしない。派遣される日本人,および現地の人の研修に力を入れ,技術者と現地の要望とをマッチングさせるのが本来の仕事である。[日経ワシントン支局]日米間では今後,政治と安保が問題になる。アメリカは日本を対等な,民主主義の国とは考えていないふしがある。これを修正するためには,日米経済の安定成長と,政治におけるはっきりした行動基準を示す必要がある。[大蔵省元財務官]日米間の経常収支の動きで為替レートが動くわけではない。アメリカの政治による部分が多い。クリントンはそれまで円高カードをちらつかせて,気楽に円高をひっぱっていたが,'95年7月から,いわゆるトリプル安がおき,長期金利の上昇・景気停滞が危惧されると,'96年の大統領選挙をにらんで,途端に円安誘導に向った。[国際金融情報センター]為替レートの決定要因は,結果としての経常収支の累積額ではなく,日米の経済成長の差,金利の差である。今後の国際金融問題は,電子マネーとデリヴァティヴとであり,特に電子決済がすすむと,いままでの通貨主権がなくなってしまう可能性がある。<企業関係>[三菱地所]バブル後,未だかつてない賃貸料,不動産価格の値下りがおきた。百年来つづけてきた方針を変えて値下げ,売却を決断した。これからはディベロッパーマインドヘの意識改革が必要であり,従業員1人ひとりが自ら考える独立自尊の意識が必要である。[信越化学]生産拠点を積極的に海外展開させることによって,為替リスクを分散する。海外拠点設置の基準は,人件費,原材料の安さではなく,カントリーリスクの少ないところ。装置産業であるが,従来の考え方を変え,償却年数以上の使用,旧設備の改良,増設などで需要変動に対応する。[リョービ]変身は漸進的に行う。ダイカストから印刷機械に進むまでの技術関連多角化は漸進的な地続き作戦であり,また人事評価も穏健で漸進的な目標管理制度である。そこでは「仕事の成果」ばかりでなく「指導育成」などの日本的経営の評価項目も残している。[朝日ソーラー]企業家精神が横溢している企業。社長が自分の夢,思いのたけを強調して従業員をひっぱっていく。失敗すると社長は気絶するほど叱るが,ふだんは機会をみて従業員と酒をくみかわし,従業員の話をきく。"自然にやさしい"とか"環境との共生"などは一切口にしない。[リクルート]役員の選出は,各事業部から推薦し,その被推薦者を取締役会で記名投票で3人にしぼり,その中から社長がえらぶ。一般社員は自己申告制度があり,ほとんど希望通りに自分の好きな仕事をえらべる。これらが,リクルートの組織の柔らかさの原因である。[東陶]高齢化社会に対応するため,専門技術の結集,コミュニケーションの向上による需要増,高齢者が必要に応じて働けるという新しいテクノ・エイド構想をすすめている。無限に変わる人々の欲求に合わせていけば,需要はつねに創造される。[青梅慶友病院]子供が親をみるという遺伝子は生物の本能の中にない。超高齢化社会になっても子供は親に金を出したがらない。従来の病院は検査,投薬づけにしなければ金が入らない。老人地獄。自分の親だったらこうしたい,自分がこういう所へ入ったらこう取扱ってもらいたいの視点で,老人介護病院を経営している。
著者
大岡 照二 児島 淳之介 清水 達夫 志水 洋二 高岡 愛明 門奈 丈之 山本 祐夫
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化機病學會雜誌. 乙 (ISSN:13497693)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.54-62, 1980

慢性活動性肝炎に対して副腎皮質ステロイド(CS)が有効か否かを確定するため,臨床的• 機能検査的,また形態学的にも類似した症例を選び,26例にCSを投与し,37例を非投与として両群を対比検討した.これらの患者は著者らの共同研究下に2ヵ月から9年の経過中2回以上の腹腔鏡下肝生検を施行すると共に,月に1回の肝機能検査をし検討した.CSはPrednisoloneで30mgを初回1日投与量とし1週毎に10~5mgずつ減量し,毎日又は隔日5mgを維持量とした.CS群は肝機能上改善し(0.05>p>0.02),組織像では炎症反応を抑制し(p<0.01),線維化の進展を防止した(0.05>p>0.02).小量とはいえ長期連用による副作用が心配されたが,臨床的に副作用は少なく,また肝細胞内への脂肪浸潤の増加も軽度であつた.HBs抗原陰性例では,陽性例に比べその効果はやや良好であつた.
著者
森 健太郎 松村 純 藤井 亮介 清水 砂希 宮地 諒 西 祐生 中野 希亮 米倉 佐恵 出口 美由樹 荒木 茂
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【はじめに,目的】我々は石川県で活動しているスポーツ選手を対象に身体機能チェック,セルフエクササイズの指導を平成25年4月より行っている。今年度からはGrayCookが考案したFunctional Movement Screen(以下FMS)を用い,評価した。FMSとは7つの動作パターンをスクリーニングすることにより,動きの制限や非対称性を特定し,ランク付けが可能となるもので,トレーニングを行う選手の障害リスクを予測するための指標となると提唱している。今回そのFMSで得られた結果について報告する。【方法】対象は,石川県で活動している実業団や高校部活動などの現役選手74名(平均19.5±6.5歳。男性47名,女性27名)であった。競技種目別人数はレスリング14名,ハンドボール11名,卓球7名,アルペンスキー7名,テニス6名,ソフトテニス6名,自転車競技6名,ソフトボール5名,フットサル3名,人力飛行機2名,その他水泳,バスケットボール,バレーボール,スキージャンプ,ダンス,マラソン,バドミントンが1名ずつであった。選手の運動パターンの質を評価するためFMSを実施した。FMSは選手に7つの動作をしてもらい,それぞれ0から3点で点数化する。採点基準として3点はFMSのテスト基準に沿った正しい動作パターンを行うことができる場合。2点は動作パターンを行うことができるが,代償や誤ったフォーム,アライメント不良が認められる場合。1点は動作パターンが不完全でFMSの基準に沿った動作ができない場合。ただし痛みがある場合はすべて0点となる。Gray Cookは不良なパターンがみられる1点以下の被験者は障害のリスクが高い可能性があると述べており,今回は3点と2点をリスク無し群,1点と0点をリスクあり群とした。7つの動作は,基礎的な動作パターンとして主に可動性を評価するショルダーモビリティリーチング,アクティブストレートレッグレイズの2種目,主に安定性を評価するトランクスタビリティプッシュアップ,ロータリースタビリティの2種目の計4種目を挙げており,さらに応用的動作パターンとしてディープスクワット,ハードルステップ,インラインランジの3種目を挙げている。【結果】結果①:7つの動作テストを通してリスクあり群は63名(85.1%)であり,そのうち痛みがあった選手は22名(29.7%)であった。結果②:7つの動作テストの内訳をみると,リスクあり群が最も多かったテストは,トランクスタビリティプッシュアップで40.5%。2番目はロータリースタビリティで37.8%。3番目はディープスクワットで31.1%。以下ショルダーモビリティリーチングは27.0%。ハードルステップは16.2%。アクティブストレートレッグレイズは12.2%。インラインランジは5.4%。の順であった。結果③:リスクあり群を動作テスト項目ごとにみていくと,基礎的な動作パターンの可動性の項目,安定性の項目,応用的動作パターンの項目の中では安定性の項目が62.2%で最も多かった。可動性の項目の中では,ショルダーモビリティリーチングでリスクあり群が最も多かった。結果④:基礎的な動作パターンの中ではアクティブストレートレッグレイズが応用動作パターンの中ではインラインランジで最もリスクなし群が多かった。【考察】結果①より,現在は診断名がついておらず,医療的介入を受けていないにもかかわらず,動作テストによって痛みが出る選手が29.7%おり,現役の選手でも痛みのある中,トレーニングを続けていることがわかった。さらに現在,痛みはないが将来的に障害を起こす可能性のある選手が55.4%いることがわかった。この選手たちはパフォーマンスに関しての指導は受けていたが動作の質への意識や,基本的な運動に関しては指導を受けていないため,理学療法士の個別の介入の必要性があると考えられる。結果②,③,④から体幹やコアの反射的な安定性が低下した選手が多かったことが考えられる。近年,コアエクササイズがよく推奨されているが,今回のスクリーニングでは点数が低かったテストでは肩甲帯の安定性も必要となるため肩甲帯,コア,骨盤を反射的に安定させながら動作を行う能力の低下も問題に繋がると考えられる。【理学療法学研究としての意義】スポーツ現場では筋力やスピードなどパフォーマンスの量的評価が重要視されているが,FMSは運動パターンの質を評価することにより障害のリスクを予測するものである。動作をスクリーニングすることにより,将来の障害のリスクの可能性がある選手を発見するための標準化されたテストとして有用であると考え,予防を目的とした理学療法を実施するための一助となり得るのではないかと思われる。
著者
清水 康敬 堀田 龍也 中川 一史 森本 容介 山本 朋弘
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.115-123, 2010
参考文献数
13
被引用文献数
2

教員のICT活用指導力を向上させる教員研修Web統合システム(TRAIN)を開発した.このTRAINでは,教員のICT活用指導力の向上や校内でのICT活用の普及促進に役立つことを意図した短時間のビデオ・モジュール218本をストリーミング視聴ができるようにした.また,全ビデオ・モジュールのタイトルと内容説明,画面の一部,説明者名をA4版半ページ程度で分類整理したハンドブックを作成し,これを参考に視聴することができるようにした.さらに,TRAINを利用した自己研修,校内研修,神合研修への支援を強化するために,ビデオ・モジュールの中から50の実践事例を選んで,アドバイス付き事例を作成した.これらと関連した指導場面,実践事例とともにTRAINから提供した.教員のICT活用指導力に関する234件のFAQを提供し,このFAQを利用した学習も可能とした.このTRAINに関する教育委員会対象の評価を実施した.
著者
瀬野 悟史 柴山 将之 有方 雅彦 戸嶋 一郎 小河 孝夫 星 参 藤田 文香 花満 雅一 清水 猛史
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.99, no.11, pp.967-977, 2006-11-01 (Released:2011-10-07)
参考文献数
11

We evaluated the efficacy of early treatment by ramatroban and antihistamine in patients with Japanese cedar pollinosis by comparing treatment before the start of the pollen season and treatment after the pollen had been dispersed. A pollinosis diary and Japanese allergic rhinitis standard QOL questionnaire (JRQLQ No. 1 and No. 2) were used to evaluate the effectiveness.Huge amounts of Japanese cedar pollen and Japanese cypress pollen were disseminated in Shiga prefecture in 2005. The nasal symptom score, medication score, and symptom medication score showed better outcomes in the early treatment group not only during the Japanese cedar pollen season but also the Japanese cypress pollen compared to the other group. The early treatment group also showed better results in every category of JRQLQ No. 1 and No. 2 compared with the late treatment group. No harmful side effects were observed through the course of this study.We concluded that early treatment by ramatroban in combination with antihistamine in patients with Japanese cedar pollinosis was useful not only for improving symptoms but also retaining the quality of life during such a heavy pollen-producing year.