著者
松本 伊智朗 湯澤 直美 関 あゆみ 蓑輪 明子 永野 咲 加藤 弘通 長瀬 正子 丸山 里美 大谷 和大 岩田 美香 大澤 亜里 鳥山 まどか 佐々木 宏 杉田 真衣 山野 良一 田中 智子 上山 浩次郎 藤原 千沙 吉中 季子 福間 麻紀 大澤 真平 藤原 里佐 川田 学 谷口 由希子 中澤 香織 伊部 恭子 山内 太郎 新藤 こずえ 小西 祐馬 加藤 佳代
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は、子どもの貧困の現代的特質を明らかにすると同時に、政策的介入と支援のあり方を検討することである。そのために、大規模な子ども・家族を対象とした生活調査(3万人対象)を北海道で行った。あわせて、女性の貧困に関する理論的検討、社会的養護経験者に対する調査を行った。それらを通して、経済的問題、時間の確保、追加的ケアへの対応、ジェンダー平等の重要性、子どもの活動と経験、社会的ケアと社会保障制度の問題について検討を行った。
著者
福森 信隆 小縣 昭夫 安藤 弘 久保 喜一 湯澤 勝廣 長澤 明道 高橋 博 矢野 範男 不破 達 大橋 則雄
出版者
特定非営利活動法人 化学生物総合管理学会
雑誌
化学生物総合管理
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.58-65, 2010

東京都によるいわゆる脱法ドラッグ条例の制定と国による追随の結果、未規制薬物市場においては化学系違法ドラッグが減少する代わりに、植物系ドラッグが増加している。今回、リゼルグ酸アルカロイドの含有が疑われる市販品のハワイアンウッドローズ種子からの抽出液をマウスに経口投与して、行動及び神経症状に対する影響について我々が開発したスクリーニング試験法を用いて調べた。高用量群で、首振り運動や鎮静作用、音に対する外界反応の亢進、痛反応及び払いのけ反射の増強等がみられた。これらの変化には、脳内セロトニンの消長が関与するものと示唆された。
著者
中島 直人 永野 真義 杉崎 和久 中野 卓 園田 聡 高野 哲矢 長谷川 隆三 湯澤 晶子
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.26, no.63, pp.713-718, 2020-06-20 (Released:2020-06-20)
参考文献数
4
被引用文献数
1 2

Urbanism Places Exhibition 2018 was held at 55HIROBA of the Shinjuku Mitsui Building in September 2018. The central concept raised by the exhibition on urban-planning-based public spaces was “planning heritage as real place”. The exhibition consisted of 4 thematic programs, which had a common principle not to disturb day-to-day activities in the planning heritage place. On the other hand, the exhibition itself was expected to derive public space functions and possibilities. The visitors’ evaluation made clear challenges on the balance between the conceptual pursuit and the visitors’ satisfaction as well as the differences of the evaluation between experts and non-experts.
著者
長谷川 みどり 湯澤 由紀夫 外山 宏 市原 隆 小出 滋久
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

ダイナミックCT撮影による有効腎血漿流量(CT-ERPF)および糸球体濾過量(CT-GFR)の測定法を確立した。腎移植ドナーでは腎皮質深層CT-ERPF2.61±0.87mL/min/cm2 、CT-GFR0.63±0.15mL/min/cm2、表層CT-ERPF2.61±0.88mL/min/cm2 、CT-GFR0.66±0.14であり、敗血症では深層ERPF0.615mL/min/cm2、GFR0.452mL/min/cm2、表層ERPF0.650mL/min/cm2、GFR0.461mL/min/cm2であった。今回の検討では敗血症症例においても皮質表層と深層で差異を認めなかった。
著者
古瀬 由佳 塚本 博之 湯澤 芳貴
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.236_1, 2017

<p> バレーボールで勝利するためには、相手より多く得点を得ることであるが、それ以上に重要なのは、連続得点を与えないことである。そのためには、レセプションからのサイドアウト率を高めることが必要である。通常は守備の要であるリベロを中心に、2人~4人でレセプションすることが多い。小・中学生などのバレーボール初級者は、セッター以外の5名でレセプションすることが多く、経験やレベルが上がると、より少ない人数でフォーメーションを組む傾向が強い。トップレベルでは2人でコートの全面をカバーしている例もある。そこで本研究は、関東大学女子1部の試合を例にとり、それぞれのレセプションフォーメションシステムとリベロ以外のどのポジションの選手が何人でレセプションに参加したのか、その目的や内容を明らかにすることで今後の指導の一助とすることとした。対象は、平成29年春季関東大学バレーボールリーグ戦全45試合とした。データは公益財団法人日本バレーボール協会JVIMS及びDATA VOLLEY 2007から算出されたものを参考とし、さらに実際の試合映像から分析を試みた。詳細については当日発表する。</p>
著者
湯澤(下谷内) 奈緒
出版者
一般財団法人 日本国際政治学会
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.171, pp.171_58-171_71, 2013

Building on a growing body of literature in international and comparative politics on transitional justice, this article examines the debate as to whether international criminal justice contributes to peace. The establishment of the International Criminal Court (ICC) has often been hailed as the culmination of international human rights standards that have been developed and advanced as norms following World War II. Yet the ICC's prosecution activities have been criticized by those who argue that the threat of punishment causes dictators to cling to power, resulting in delaying the end of conflicts or a smooth transition to democracy.<br>This article demonstrates how the "peace vs. justice" debate is rooted in opposing ideas for fostering international peace, both premised on the decentralized nature of international society, and how the tenets for their arguments are being shaken when faced with the reality of international human rights protection. Advocates for international criminal prosecution believe that strengthening centralized law enforcement authority beyond sovereign states will deter future atrocities. Given that a victor's justice is no longer tolerated on one hand and that there is no world government in sight on the other, however, efforts to make credible the threat of prosecution would remain incomplete. Meanwhile those who criticize the ICC as an idealistic endeavor find the basis of international order in bargaining that occurs within sovereign states, but their logic is difficult to sustain because the ICC is making the promise of amnesty, considered crucial to strike a compromise, less credible.<br>The article argues that international criminal prosecution should be understood as part of the international community's efforts to intervene in and improve internal governance of weak, failing or collapsed states. The limits of the ICC lie not just in weak enforcement but in the very act of questioning the legitimacy of leaders who are caught in conflict. International human rights norms encourage democratized states to address past human rights violations committed under previous regimes; however, they do not solve the problem of how to deal with perpetrators who are currently engaged in violence during times of democratization and peace negotiations. To make international criminal prosecution a viable force for the prevention of future atrocities, it must be coupled with assistance to domestic civil society, which has to bear the consequences of these ultimate decisions.
著者
湯澤 美紀 湯澤 正通
出版者
一般社団法人 日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.36-46, 2010-08-30 (Released:2017-08-04)

本研究では,信頼関係のある保育者に支えられたアスペルガー症候群の男児の活動を観察し,アスペルガー症候群の男児とクラスの子どもたちが共に成長するための体験を明らかにした。保育者の働きかけは,アスペルガー症候群の男児を含めて成員一人ひとりがもてる特性を認め合うという保育の文脈を生成した。アスペルガー症候群の男児の体験は,他の子どもに共有され,また,アスペルガー症候群の男児に関わる問題を一緒に考え,解決した体験は,自身の問題解決へと生かされた。アスペルガー症候群の子どもの特性を生かした保育の重要性が示唆された。
著者
長田 典子 北村 紗衣 湯澤 優美 斉藤 賢爾 門林 岳史 折田 明子 横山 太郎 木下 知威 森山 至貴 松田 英子
出版者
北村紗衣
巻号頁・発行日
2012-04-12

表象文化論学会第4回大会パネル「共感覚の地平 : 共感覚は『共有』できるか?」, 2009年7月5日, 京都造形大学, 京都
著者
庄司 洋子 菅沼 隆 河野 哲也 河東田 博 野呂 芳明 湯澤 直美 田中 聡一郎 百瀬 優 深田 耕一郎 酒本 知美
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

「自立とソーシャルワークの学際的研究」と題し、自立についての規範的意味とソーシャルワークという実践との関連を包括的に検討した。その中で、社会福祉の領域で、中心的な議論であった経済的自立だけではなく、様々なフィールドで展開されている社会的な自立とソーシャルワークの重要性について明らかにした。
著者
湯澤 正通
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.166-179, 2014 (Released:2014-12-24)
参考文献数
76

1970年代以降,ピアジェの領域普遍的な発達理論が批判され,認知心理学研究の発展に伴い,問題解決における領域固有な知識の重要性が認識されるようになった。そのような中,概念変化は,領域固有な理論の発達に依存すると考えられるようになった。さらに,社会文化的理論の進展により,概念変化は,その概念が使用される文脈に参加できるようになったり,その文脈や対話の仕方が変化したりすることであるという見方も提案されている。そのような中,概念変化を目指した実験研究の多くは,個別の領域での発達や問題解決を丁寧に記述するというアプローチをとっている。他方で,近年,メタ認知,アーギュメントスキル,ワーキングメモリといった領域普遍的なスキルが,新しい概念を学び,生成するソースとして注目されている。中でもワーキングメモリは,発達障がいや学習遅滞と密接にかかわることが明らかになっており,膨大な実験的研究や脳科学的研究の蓄積のうえに立った教育への応用が期待されている。発達障がいを抱える子どもの発達特性を踏まえた学習への参加の支援が成功しつつある現在,ワーキングメモリ理論は,その次のステップである理解や習得への糸口としてその研究の進展が期待される。
著者
則武良英 武井裕子# 寺崎正治# 門田昌子# 竹内いつ子# 湯澤正通
出版者
日本教育心理学会
雑誌
日本教育心理学会第60回総会
巻号頁・発行日
2018-08-31

問題と目的 プレッシャーとは課題遂行者の遂行成績の重要性を高める要因であり (Baumeister, 1984),ワーキングメモリ (以下WM) の働きを阻害することで,課題成績低下を引き起こす (則武他,2017)。そのためプレッシャーの影響を緩和する介入が求められる。Ramirez & Beilock (2011) は,筆記開示を短期的に使用し,高プレッシャー状況下での算数課題成績低下の緩和効果があることを示した。その緩和効果の背景として,認知的再体制化によってネガティブな情動が低減され,WMへの影響が緩和されたとされている。しかし,実際にWMへの影響が緩和されたのかどうかについては未解明である。そこで本研究の第1の目的は,プレッシャーにより引き起こされたWM課題成績低下に対する筆記開示の効果を調べることである。 他方で,筆記開示には情動を一時的にネガティブにさせる可能性が指摘されている (King & Minner, 2000)。そこで本研究では,ポジティブな感情を扱い,明示的に認知的再体制化を促進する利益焦点化筆記開示(Benefit-Focused writing: 以下BFW) (Facchin et al., 2013)の効果を調べることを第2の目的とする。BFWと区別するために,通常の筆記開示を情動暴露筆記開示(Emotional disclosure writing;以下EDW)と呼称する。方 法実験参加者: 大学生61名(EDW群20名,BFW群21名,統制群20名)を対象とした。課題:言語性WM課題として,図形の計数を記名・再生するCounting span(Conway et al., 2005)を使用した。視空間性WM課題として,反転・回転したアルファベットの方向を記名・再生するSpatial span (Shah & Miyake, 1999)を使用した。質問紙:主観的プレッシャーの程度を測定するために,大学生用日本語版The State-Trait Anxiety Inventoryの状態不安指標(清水・今栄, 1981)と,主観的プレッシャー指標(DeCaro et al. (2010)を使用した。筆記開示:EDW群は高プレッシャー状況下で課題に取り組むこと関する思考や感情を自由に筆記した。BFW群は高プレッシャー状況下で課題に取り組むことに関するポジティブな側面だけを筆記した。統制群は実験後の予定を,感情を交えずに筆記した。 手続き:全ての実験参加者は,プレ条件で言語・視空間性WM課題の遂行と,各WM課題の遂行前に状態不安指標,遂行後に主観的プレッシャー指標に回答した。プレ条件終了後に,プレッシャーシナリオ (DeCaro et al., 2010) ((1)プレ条件と比較して,ポスト条件の課題成績が20%以上向上した場合のみ報酬が得られる。(2)ペアが設定されており,自分とペアの両方が(1)の条件を達成すると追加報酬が得られ,ペアは既に(1)を達成している。(3)遂行の様子をビデオカメラで撮影し映像は分析される)が提示された。その後,実験参加者は各群の筆記開示を7分間行った。ポスト条件ではプレ条件と同様に,WM課題の遂行と質問紙の回答をした。結 果 言語性WM課題得点を従属変数として,ブロック (プレ・ポスト)×グループ (EDW群・BFW群・統制群) の2要因の分散分析を実施した結果,交互作用が有意であった (F (2, 58) = 7.49, p < .01)。単純主効果検定の結果,EDW群 (F (1, 58) = 4.42, p < .05) とBFW群 (F (1, 58) = 27.49, p < .01) でブロックの単純主効果が有意であった。統制群では統計的に有意な差は示されなかった。視空間性WM課題得点を従属変数として,ブロック×グループの2要因の分散分析を実施した結果,交互作用が有意であった (F (2, 58) = 18.82, p < .01)。単純主効果検定の結果,EDW群(F (1, 58) = 13.86, p < .01)とBFW群 (F (1, 58) = 8.27, p < .01) と統制群(F (1, 58) = 17.54, p < .01)でブロックの単純主効果が有意であった。 状態不安指標得点と主観的プレッシャー指標得点を従属変数とするブロック×グループの2要因の分散分析を実施した結果,有意な交互作用はみられなかった。考 察 EDWとBFWはプレッシャーが引き起こすWM課題成績低下の影響を緩和することが示された。今後の課題として,主観的プレッシャーの測定方法の改善,認知的再体制化の程度の測定が挙げられる。
著者
馬場 卓也 梅枝 覚 野地 みどり 山本 隆行 湯澤 浩之 中山 茂樹
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.813-816, 2015 (Released:2015-10-30)
参考文献数
11
被引用文献数
2

症例は46歳,女性.検診で上部消化管造影検査を施行した.翌日,腹痛を主訴に当院を受診された.腹部単純X線とCTにてS状結腸に多量のバリウム貯留像を認めた.明らかな腹水,free airなどの所見は認めなかった.緊急下部消化管内視鏡検査を施行,S状結腸まで到達するもバリウム塊は陥頓していた.腹痛が増強し腸管穿孔も懸念されたため緊急手術を行った.S状結腸でバリウム塊が露出していたため,これを摘出すると3cmの穿孔を認めた.Hartmann手術と腹腔内洗浄・ドレナージ術を施行した.術後ストマ近傍に感染性血腫を発症し経皮的ドレナージを要したが,DICなど大腸穿孔に見られる重篤な全身状態には至らなかった.大腸穿孔は憩室や腫瘍など既存の疾患が関与する場合が多く,バリウムにより穿孔する報告例は少ない.集団検診時の上部消化管造影検査におけるバリウムの停滞で大腸穿孔を発症した症例を経験したので報告する.
著者
林 智幸 湯澤 正通
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.554-559, 2006-02-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

This study investigated what dimensions young children's trait concepts have for real peers at their nursery school. Teachers of nursery school rated children's personality characteristics in terms of each dimension of the Big Five, and children were selected who showed different behavioral characteristics in those the five dimensions. Five- and six-year-old children (26 participants: 14 boys and 12 girls) evaluated those selected peers' personality. It was found that young children made different evaluations between extroversion and the other four traits (agreeableness, conscientiousness, emotional stability, and intellect), and between agreeableness and intellect. The results suggested that young children's trait concepts have a dimension of extroversion, in addition to a general dimension of goodness-badness.
著者
牧 亮太 海田 梨香子 湯澤 正通
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.10, pp.71-80, 2010

本研究では, 内閣府(2010)のひきこもり実態調査で用いられた質問項目を使用し, 一般大学生を, ひきこもりに対して肯定的態度を示す者(ひきこもり親和性高群)とそうでない者(ひきこもり親和性低群)に分け, ひきこもり親和性高群における心理的特徴(友人関係, 不快情動回避傾向, 早期完了特徴)について検討した。その結果, ひきこもり親和性高群には, 友人関係における自己閉鎖的な傾向が見られること, 男性に限っては友人に対して積極的な関与を回避する傾向にあることが示された。また, 不快情動の回避傾向, および早期完了特徴にはひきこもり親和性の高低による違いは見られなかった。これらの結果より, ひきこもり親和性の高い大学生が, 必ずしもひきこもりに陥りやすいというわけではなく, むしろ友人関係に困難を抱えながらも, 不快な情動と向き合いつつ, 社会に適応している可能性が示された。深刻なひきこもり状態を回避iする要因を探るうえで, ひきこもりに肯定的な態度を示す人たちに注目することの重要性が示唆された。
著者
湯澤 泉 川野 信之 鈴木 祥生 藤井 清孝 伊藤 洋一
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.5, pp.364-369, 2000-05-20 (Released:2017-06-02)
参考文献数
29
被引用文献数
2 2

東南アジアなどに渡航歴を有する46歳男性が, 渡航先にて脳腫瘍を指摘されたため, 帰国後, 当院を受診した.主訴は頭重感であり, 神経学的には異常を認めなかった.CTとMRIでは左側頭葉皮質下に孤発性の小嚢胞を認めた.外科的に摘出された嚢胞は有鉤嚢尾虫の特徴を備えていた.近年, 本邦においては孤立性の脳有鉤嚢尾虫症が増加しており, 日常診療において孤立性嚢胞性病変を認めた場合, 本疾患を念頭において鑑別診断する必要がある.