著者
岩井 大 宇都宮 啓太 小西 将矢 安藤 奈央美 宇都宮 敏生 藤澤 琢郎 馬場 奨 友田 幸一
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.235-241, 2014 (Released:2015-02-11)
参考文献数
13

甲状腺全摘後の甲状腺分化癌高リスク症例に対するI-131の外来内用療法が認可され,われわれの施設でも本法の適応と考えられた22例中19例で実施できた。当初,東日本大震災の福島原発放射能汚染事故に関連し,本法に躊躇される例があった。甲状腺ホルモン休薬法に比しrhTSH(Recombinant human thyroid stimulation hormone,ヒト遺伝子組み換え甲状腺刺激ホルモン)法では合併症が少なかった。19例中3例に局所再発と1例に遠隔転移が認められた。これらの症例はいずれも頸部再発歴があり,再手術のあとにI-131内用療法を受けた症例であった。したがって,今回のI-131内用療法は,甲状腺癌再発症例の再々発予防に対する効果は十分でない印象であったが,さらに十分な症例数と観察期間をもって判断すべきと思われた。
著者
藤澤 康弘 藤本 学
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.189-194, 2015 (Released:2015-02-04)
参考文献数
5
被引用文献数
1 11

2005年から2013年までに日本皮膚悪性腫瘍学会皮膚がん予後統計調査委員会で収集した2978症例の悪性黒色腫症例について解析した。平均追跡期間は32.0ヵ月,平均年齢は63.6歳,性別は男性1392例,女性が1583例であった。TNM分類はTisが17%,病期1が20%,病期2が24%,病期3が22%,病期4が11%,分類不能が7%であった。疾患特異的5年生存率はTisが99%,病期1aが96%,病期1bが92%,病期2aが85%,病期2bが80%,病期2cが61%,病期3aが74%,病期3bが58%,病期3cが39%,病期4が21%であった。再発転移形式で最も多かったのは遠隔転移の51%,次いでリンパ節の29%,In-transit転移の13%,局所再発の7%と続いた。また,再発転移までの期間はその半数が12ヵ月以内に起きていた。また,病期が低いほど再発転移までの期間が長い傾向があった。
著者
藤澤 道郎
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.32, pp.1-15, 1983-03-10

Si sa bene che il D'Annunzio si proponeva una marcia su Roma prima dei fascisti. In realta, egli non vi riuscisse nonostante della sua posizione abbastanza favorevole e, quando Mussolini e le squadre fasciste realizzarono la marcia sull'Urbe, egli non poteva Che rimanerne fuori come spettatore impotente. Cosa lo spinse a tale parte, e cosa fece vincere Mussolini nel gioco? L'Autore vuol chiarirne gli ambienti politico-sociali, analizzando le azioni politiche del D'Annunzio dall'agosto all'ottobre del1922, delle quali gli spunti piu distinti sono:(1)il suo discorso a Milano del 3 agosto, poco dopo il fallimento del sciopero "legalitario";(2)il mancato incontro D'Annunzio-Mussolini-Nitti e la sua "caduta misteriosa" dalla finestra;(3)la preparazione di una grande assemblea romana dei combattenti(una sorta di "contro-marcia")in programma per il 4 novembre e il patto Mussolini-Giulietti-D'Annunzio dei 16 ottobre. Si puo, pare, concludere che il D'Annunzio non comprendeva il vero scopo di Mussolini per la marcia su Roma, e questa incomprensione gli impediva delle azioni adeguate nel giusto tempo.
著者
笛木 賢治 大久保 力廣 谷田部 優 荒川 一郎 有田 正博 井野 智 金森 敏和 河相 安彦 川良 美佐雄 小見山 道 鈴木 哲也 永田 和裕 細木 真紀 鱒見 進一 山内 六男 會田 英紀 小野 高裕 近藤 尚知 玉置 勝司 松香 芳三 塚崎 弘明 藤澤 政紀 馬場 一美 古谷野 潔
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.387-408, 2013 (Released:2013-11-14)
参考文献数
66
被引用文献数
4 6

本ポジションペーパーは,義歯床用の熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯の呼称と定義を提案し,臨床適用への指針を示すことを目的とした.(公社)日本補綴歯科学会会員から,熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯の臨床経験を有するエキスパートパネル14名を選出した.パネル会議で検討した結果,「義歯の維持部を義歯床用の樹脂を用いて製作したパーシャルデンチャーの総称」をノンメタルクラスプデンチャー(non-metal clasp denture)と呼称することとした.ノンメタルクラスプデンチャーは,樹脂と人工歯のみで構成される剛性のない義歯と,金属構造を有する剛性のある義歯とに区分される.剛性のないノンメタルクラスプデンチャーは,金属アレルギー症例などの特別な症例を除き,現在の補綴臨床の原則に照らし合わせ最終義歯として推奨できない.剛性のあるノンメタルクラスプデンチャーは,審美領域にメタルクラスプが走行することを患者が受け入れられない場合に推奨できる.ノンメタルクラスプデンチャーの設計は,原則的にメタルクラスプを用いた部分床義歯の設計に則したものでなければならない.熱可塑性樹脂の物性は材料によって大きく異なるため,各材料の特性を考慮して臨床適用する必要がある.全般的な特徴としては,アクリルレジンよりも変色,面荒れしやすく,材料によっては破折しやすい.現時点では,樹脂の理工学的性質と義歯の治療効果と術後経過に関する研究が不十分であり,今後これらの知見が集積され本ポジションペーパーの改訂とガイドラインの策定が望まれる.
著者
藤澤 茂義
出版者
金原一郎記念医学医療振興財団
巻号頁・発行日
pp.36-39, 2020-02-15

海馬はエピソード記憶や空間記憶などをつかさどる脳部位である。睡眠はその記憶形成や固定化などに重要な役割を果たしていると考えられているが,その神経回路メカニズムについては不明な点が多い。神経生理学的にみると,動物が覚醒し活動的な状態と,睡眠中や安静にしている状態とでは,神経細胞の活動パターンは大きく異なる(図1)。海馬では,覚醒活動時ではシータ波(4-10Hz)と呼ばれる脳波が強く観察され,神経細胞はこの周波数で同期して活動している1)。一方,安静時や徐波睡眠時では,リップル波(ripple oscillation)と呼ばれる150-250Hzの脳波が観測される2)。リップル波は,鋭波(sharp wave)と呼ばれる1Hz程度の大きな振幅を持つ脳波に重畳されて発生するため,鋭波リップル(sharp wave-ripple;SWR)と呼ばれることもある。安静時・徐波睡眠時でも,やはり神経細胞はこのリップル波に強く同期して活動することが知られている。 このように,海馬ネットワークは大きく分けて2種類の全く異なる周波数帯域の活動パターンを持つため,それぞれの活動状態によって異なった情報処理がなされているのではないかと考えられてきた(海馬2ステージモデル)3)。本稿では,この安静時や睡眠時に特徴的なリップル波の活動が,記憶の形成や固定化においてどのような役割を果たしているかについて考察していきたい。
著者
藤澤 隆史 細川 豊治 長田 典子 片寄 晴弘
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.73-82, 2010-07-31 (Released:2011-09-01)
参考文献数
29
被引用文献数
1

In this study, we investigated brain activity under social pressure using Solomon Asch's experimental paradigm. We replicated the group situation using the MORI technique and recorded the brain activity using functional near-infrared spectroscopy (fNIRS). Eight Japanese healthy males in groups of four participated in this study. The Asch experiment can be replicated without using confederates using MORI technique. The subject assessed with fNIRS was seated in a fixed position and assigned to answer third. A multichannel fNIRS system was used to measure the changes in the concentrations of oxy-hemoglobin (oxy-Hb) and deoxy-hemoglobin (deoxy-Hb). Nine optodes consisting of 12 channels were placed over the prefrontal cortex (PFC) of each hemisphere. In the behavioral data, the error rate (%) for the judgment tasks increased to 39.7% under the group pressure conditions, while it was 3.2% under the control conditions. Comparing the group pressure and control conditions in the fNIRS data, a difference in the increasing rate of oxy-Hb in the frontal pole (ch02, 05, 13 & 15) was observed. Therefore, we found that the frontal pole was activated when the subject felt social pressure under group situations.
著者
藤澤 忠盛 清水 淳史
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第68回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.142, 2021 (Released:2022-02-23)

カンボジアの首都プノンペンでは、植民地時代からシハヌーク政権時代にかけて行われた街区の形成や開発プロジェクト、当時の建築が現在でも都市全体の性格を規定している。一方で、クメール・ルージュ政権の後、首都に人口が戻り始めた1980年代を堺に、それまであった民族ごとの棲み分けは解体された。そして、1993年に再び独立を果たすと、国際NGOや観光客が増えたことで海外との交流が盛んになり、徐々に地区ごとの特性が現れるようになった。2000年代以降、歴史的な建築物の用途変更が各地で行われているが、その目的や方法は多様であり、総合的な都市計画を欠いたまま都市が無秩序に拡張していくことで、価値のある建築物の解体や、スラムの形成が加速することが危惧される。本研究では、地区ごとの歴史性や現状を調査・分析することで、地域地区の形成や景観の保存という観点も考慮した都市計画が必要であることが明らかになった。
著者
中室 牧子 藤澤 啓子 グリフェン アンドリュウ 澤田 康幸 真野 裕吉 佐々木 みゆき 樋口 裕城 奥村 高明
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2020-04-01

厳密な政策評価の方法を用いた効果検証はほとんど行われて来なかった。そこで本研究では、政策評価の専門家で構成される研究者グループが、文部科学省・埼玉県教育委員会・埼玉県和光市・兵庫県尼崎市、アジア開発銀行と協力し、政策主体が実際に実施している下記の5つの教育政策の効果測定を実施し、「エビデンスに基づく教育政策」の先行事例をつくり、その定着に貢献することを目的とする。
著者
秋定 直樹 石原 久司 藤澤 郁 竹内 彩子 赤木 成子 山口 麻里 妹尾 明美
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.122, no.5, pp.770-776, 2019-05-20 (Released:2019-06-12)
参考文献数
16

梅毒は Treponema pallidum によって引き起こされる性感染症である. 口腔咽頭領域の梅毒病変は特徴的であり, 医療者側に知識があれば比較的容易に鑑別できるとされている. しかし, 中には典型的な所見を欠く症例も存在する. 特に, 抗菌薬が既に投与されている場合には診断に至らず無症候梅毒に移行し, 感染拡大の要因となることが懸念されている. 今回われわれは頸部腫瘤を主訴に受診した2例の梅毒を経験した. 2例とも典型的な粘膜病変を欠いていた. 本邦では2013年以降梅毒患者が急増しており, 梅毒は決して過去の疾患ではない. われわれ耳鼻咽喉科医は頸部腫瘤の鑑別に梅毒性リンパ節炎を挙げる必要がある.
著者
白岩 史 飛谷 謙介 下斗米 貴之 猪目 博也 藤澤 隆史 饗庭 絵里子 長田 典子 北村 泰彦
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.1159-1164, 2013-11-05 (Released:2014-01-05)
参考文献数
25

Recently, the number of emergency vehicles equipped with light-emitting diode (LED) warning lights has increased. Unlike traditional beanie lights, LED warning lights can display various flickering patterns because these patterns are controlled by computers. The purpose of this study was to develop flickering patterns that had a high level of visibility. Lighting time (ON time), no-lighting time (OFF time), light intensity and rising time (UP time) were controlled by a microcomputer. Further, the visibility of each LED flickering pattern was evaluated quantitatively. Specifically, the visibility of the flickering patterns using the psychophysical measure of “conspicuity (easy to stand out)” from Bradley-Terry paired comparison model was identified. Results showed that OFF time had a significantly greater influence on visibility than ON time. Moreover, the flickering pattern with 66 msec of OFF time provided optimal visibility, regardless of the ON time, by making the visibility map, which represented the degree of visibility between ON time and OFF time. Therefore, the ideal combination between ON time and OFF time was determined.
著者
緒方 正名 藤澤 邦康
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.84-94, 1999 (Released:2013-02-19)
参考文献数
33

1) 石油成分の生物モニタリング: 水生生物への移行を調べる生物暴露モニタリング (生物移行モニタリング) と, 石油成分の生物体内での作用を調べる影響モニタリングがある. 生物へ移行する石油成分は, 単環芳香族化合物, 有機硫黄化合物などの石油に特異的に含まれる物質を対象に生物試料による環境モニタリングに適した指標生物を用いて石油の汚染状況をモーするべきである.2) 油臭魚: その発生は, 瀬戸内海等の石油コンビナート付近海域で見られた. 油臭を引き起こす石油成分は, 単環芳香族炭化水素, オレフィン等があげられ, 水島海域では, トルエンを同定している.3) 水生生物影響: 石油流出事故での影響は, 潮間帯の水生生物を中心にみられ, 油が海岸を被覆することよる貝類, 藻類の被害が多く, 次いで甲殻類, その他に鳥類, 哺乳類の被害例が多かった. 影響には, 物理学的影響, 生化学的影響, 病理組織生物学的影響として表れる.4) 毒性と感受性: 石油の種類による毒性は, A重油>原油>廃油>C重油の順に有毒性が高い. 一方, 油に対する生物種の感受性は, 卵・稚仔>甲殻類底生無脊椎動物>魚類>腹足類>二枚貝の順に高い.5) 油処理剤: 現在の乳化分散剤はエステル型であり, 旧型のエーテル型に比べて毒性は低い. 油処理剤混合油の毒性は, 石油単独より強くなる場合がある. 油処理剤の使用は, 現場の状況を適切に判断してから使用するべきである.6) 水島重油流出事故: この事故では, 東部の瀬戸内海を重油で汚染した. 漁業生物への影響は, 養殖ノリ, ワカメ, 養殖ハマチ等のへい死, その他の水生生物は, 珪藻の大増殖, タマキビ等潮間帯生物のへい死が認められた. 魚介類着臭は, 岡山, 香川県下でカレイ等から検出された. 重油除去作業者の健康調査によると, 作業直後に呼吸器症状, 皮膚症状がみられた. また, 精密検査を要する結膜炎, 咽頭炎患者が診断され, 高血圧の者も見いだされた.7) ナホトカ号重油流出事故: この事故では, 船首部分が福井県三国町海岸に漂流座礁した. 漂流重油は, 富山県を除く秋田県より島根県に至る日本海沿岸府県を汚染し, 沿岸の潮間帯生物, 水鳥のへい死が報告された. ナホトカ号から流出した流出油と日本海沿岸各地に漂着した漂着油との比較の結果, 揮発性成分及び低分子の多環芳香族炭化水素類が減少している傾向がみられ, 低分子多環芳香族炭化水素類の蒸発・揮散による減少, 海水中に溶解することによっても減少する事が示唆された. また, 重油除去作業者に健康障害が起こっている事から, 重油除去作業者に対する診療, 同時に健康調査,環境調査が行なわれた. これらに基づき, 安全な回収作業の提言, 健康障害の予防対策の検討を行ない, 医療対策指針を作成した.
著者
藤澤 隆史 ノーマン D クック
出版者
関西大学総合情報学部
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.35-51, 2006-07-12

和音(harmony) は,メロディ(melody). リズム(rhythm) とともに音楽を形作る重要な要素である.音楽の物理的な音響的特徴とその心理的な印象や感性との関連性について定量的に評価するために,和音性についての評価モデルを構築した.和音性は. (1)協和度(心地よいーわるい,澄んだー濁った).(2)緊張度(緊張したー落ちついた).さらに長調か短調かといった性質を決定する. (3)モダリティ(明るい一暗い,うれしいー悲しい)から構成される.本資料では. Cook & Fujisawa (2006) において議論されている和音性知覚モデルの詳細について補足的な説明を行う.具体的には,それぞれの和音性曲線(不協和度,緊張度,モダリティ)を得るための心理数理モデルの詳細と,実際に曲線を描くための計算プログラム(C言語・MATLAB)について解説する.
著者
大国 千尋 清水 祥子 木村 紘美 藤澤 義久 堀江 稔 宮平 良満 九嶋 亮治
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.679-684, 2016-05-25 (Released:2017-01-10)
参考文献数
12

アンダーセン・タウィル症候群(Andersen-Tawil syndrome; ATS)は,(1)U波を伴う心室性不整脈,(2)周期性四肢麻痺,(3)外表小奇形を3徴とするまれな遺伝性疾患である。内向き整流性カリウムチャネルであるKir2.1蛋白をコードしているKCNJ2遺伝子の変異が原因で発症する。心電図所見としてQU延長を伴う著明なU波と頻発する心室期外収縮(PVC),2方向性心室頻拍を認め,治療にはIc群抗不整脈薬であるフレカイニドの有用性が報告されている。症例は50代女性,ATSの3徴全てを満たし,QU延長(723 msec)を伴う著明なU波,PVC頻発を認め,遺伝子検索にてKCNJ2遺伝子変異陽性であった。ホルター心電図では総心拍の24%のPVC,2方向性心室頻拍を認め,フレカイニドの導入により9%までPVCが減少,動悸症状も改善した。ATSでは,増高したU波や2方向性心室頻拍が重要な所見となるため,心電図検査,ホルター心電図の解析では,QU時間,U波高,U波幅,PVCの極性などの情報にも着目する必要がある。
著者
上川 峻典 猪目 博也 下斗米 貴之 藤澤 隆史 饗庭 絵里子 長田 典子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第10回大会
巻号頁・発行日
pp.145, 2012 (Released:2012-07-20)

近年,緊急車両等の警光灯に回転灯ではなくLEDを用いたものが増えてきている.LEDは回転灯と異なり,光の点滅具合すなわち点滅パターンを自由に設計出来る利点がある.そこで接触事故を減らし,出来るだけ早く視認出来る点滅パターンの設計が求められている.本研究では点灯時間,滅灯時間,波形の立ち上がり時間,LEDの輝度を様々に変化させたLEDの点滅パターンを作成し,Bradely-Terryの一対比較モデルによって視認性(誘目性)に対する各条件の影響を評価した.その結果,特定の滅灯時間にピークを持つ視認性の高い領域が存在することが明らかになった.また,視認性に対して滅灯時間の主効果と点灯時間と滅灯時間の交互作用が確認され,点灯時間と滅灯時間に関する視認性マップを作成し,その構造を明らかにした.これは光強度との交互作用が出ていないことから,光強度に依存しない現象であると推測される.
著者
乾 あやの 小松 陽樹 日衛嶋 栄太郎 十河 剛 永井 敏郎 藤澤 知雄
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.457-459, 2010 (Released:2010-09-02)
参考文献数
5
被引用文献数
1

Since the national program of immunoprophylaxis against perinatal transmission of hepatitis B virus (HBV) was started in 1986, the HBV carrier rate in children was dramatically decreased. However, the cases of failure of the prevention still exist. In this study, we retrospectively analyzed the reasons of 56 cases of the failure of the prevention after the initiation of national program. Seventeen (31%) were not received the immunoprophylaxis of the national program by mistake. Seven (12%) were received the inappropriate doses of schedule. Our national program is relatively complicated compared to the method adopted by almost all other countries. Because of the universal vaccination program is easy to finish the schedule, we should consider converting our prevention schedule to the universal vaccination program.