著者
犬丸 杏里 玉木 朋子 横井 弓枝 藤井 誠 辻川 真弓
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.59-66, 2021 (Released:2021-02-16)
参考文献数
17

【目的】単一施設(A大学)で評価を行ってきた終末期ケアシミュレーションを,異なる教育環境(B大学)の看護大学生に実施し,振返りを通して評価する.【方法】終末期ケアシミュレーション実施後,参加者に振返り用紙への自由な回答を求め,内容分析を行った.【結果】参加者は12名であった.振返り内容は,13個のカテゴリー:看護に関する自己の理解,看護に関する自己の肯定的見通しの実感,コミュニケーションに関する知の獲得,終末期に関する知の獲得,学習機会の取得,デブリーフィングによる効果の実感,看護に関する自己の肯定的変化,看護の知の獲得,リアリティの実感,教員の関わりに対する評価,実施方法への評価,場の雰囲気に対する評価,経験への評価に集約された.【考察・結論】終末期ケアシミュレーション参加者は,教育環境にかかわらず,同様の学習経験を得ることが期待できる.
著者
谷口 良一 辻本 忠 宮丸 広幸 伊藤 憲男 小嶋 崇夫
出版者
大阪府立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

半減期が1000億年の超長寿命の天然ベータ崩壊核種La-138の放射線照射を行った。長寿命ベータ崩壊核種は核を励起すれば、寿命が劇的に短縮されるという可能性が指摘されており、Cs-137の除染を念頭に、短寿命化の可能性を検討した。実験ではLa試料をガンマ線とX線で数百kGy程度照射した。その結果、照射線量に対応した数%程度の減少が観測された。ただし減少が観測されたものはLa金属に限られ、酸化ランタンでは確認されていない。
著者
長谷川 慎 久保田 敏子 野川 美穂子 芦垣 美穂 浅野 陸夫 今井 伸治 梅辻 理恵 岡村 慎太郎 菊央 雄司 菊聖 公一 菊珠 三奈子 小池 典子 戸波 有香子 飛山 百合子 中澤 眞佐 村澤 丈児
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

京都・柳川流地歌三味線についての研究。京都における地歌箏曲の系統は伝統的に柳川流であり、一部の実演家が使用する三味線は細棹よりも細い棹・小型胴の三味線である「柳川三味線」が用いられる。本研究は、①これまでに行われた柳川三味線について研究の再整理をし、②楽器としてみた柳川三味線、③他の地歌三味線との演奏表現の違いについての基礎研究を行い、④京都上派における地歌伝承の現況調査、⑤「水張り」による三味線の楽器調整(皮張り)の状況、⑥楽譜・音源のアーカイブを行なった。
著者
辻善之助 編
出版者
三教書院
巻号頁・発行日
vol.第11巻 尋尊大僧正記 163-188, 1936
著者
秦 祐也 永井 修平 大屋 裕二 辻 美奈子 内田 孝紀 烏谷 隆
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.257-262, 2010

ポーラス状の外側部をもつ円柱のポーラス部の透過率Ctを変化させ、流れ場について数値計算(2D-DNS)を用いて詳細に検討した.透過率を変えることで流れ場の構造に3つのレジームが現れ、それぞれのレジームの流れ場は以下のようになった.レジームI(Ct< 1.0): 内部の円柱からKarman渦列が形成され、それとポーラス外縁から生じる2つの剥離せん断層が干渉する.レジームII(1.5 < Ct <10): 内部の円柱から渦列は発生せず、ポーラス外縁から生じる剥離せん断層が遠くの下流位置で渦形成を行う.レジームIII(15 < Ct ): ポーラス外縁から生じる剥離せん断層が物体背後に近づいてKarman渦列を形成する.
著者
森田 栄伸 高橋 仁 金子 栄 千貫 祐子 東儀 君子 髙垣 謙二 辻野 佳雄 三原 祐子 石飛 朋子 福代 新治 山田 義貴
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.607-615, 2014-12-01 (Released:2015-04-16)
参考文献数
11

島根県下 5 医療施設を受診した慢性蕁麻疹患者のうち,フェキソフェナジン塩酸塩の通常量 (120 mg/day) の服用にて効果不十分であった 24 例の患者を対象に,フェキソフェナジン塩酸塩の増量 (240 mg/day) 群 (フェキソフェナジン増量群:12 例) あるいはオロパタジン塩酸塩の通常量 (10 mg/day) への変更群 (オロパタジン変更群:12 例) の 2 群に無作為に割付,その後 4 週間の臨床症状を蕁麻疹重症度スコア,蕁麻疹活動性スコア,改変した蕁麻疹活動性スコア (modified Urticaria Activity Score : mUAS) により解析した。蕁麻疹重症度スコアは,フェキソフェナジン増量群では最終評価時に有意なスコア低下を認め,オロパタジン変更群では割付 4 週後および最終評価時に有意な低下を認めた。mUAS は,フェキソフェナジン増量群で 0∼1 週,2∼3 週,3∼4 週,最終評価時において有意な低下を認め,オロパタジン変更群で 1∼2 週においてのみ有意な低下を認めた。以上の結果からフェキソフェナジン通常量投与で効果不十分な慢性蕁麻疹に対してフェキソフェナジン倍量の増量投与は症状の改善に有効であり,さらにオロパタジン通常量への変更も効果はやや劣るものの有効であると結論した。フェキソフェナジンの倍量投与に要する費用の観点からは,抗ヒスタミン作用の高いオロパタジンへの変更も選択肢となり得ることが示唆される。(本論文は第 76巻4号〔2014年8月号〕p.p.372-380 に掲載されたものを一部訂正し,再掲載したものである。訂正箇所は下線にて表示している。)
著者
小島 佑太 辻 智美 伊藤 陸 早田 荘 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.133-138, 2017 (Released:2017-12-29)
参考文献数
1

We administered physical therapy for a patient who presented with right hemiplegia after cerebral infarction. When lowering clothing with the left hand for toileting, the patient risked falling posteriorly to the right. Therefore, therapy focused on enabling the removal of underclothing. Healthy subjects remove underclothing with the use of left elbow extension and left lateral bending of the trunk, while moving the pelvis in a right lateral direction. However, this patient was unable to adequately bend the trunk to the left and could not lower underclothing on the left side. In addition to not being able to control right lateral movement of the pelvis, she had rearward displacement of the right buttock, and risked falling posteriorly to the right. Physical examination and observation of motion revealed decreased tone of the right external abdominal oblique and the posterior fibers of the gluteus medius; the lower fibers of the gluteus maximus were considered the main problem. Physical therapy enabled the patient to undress for self-toileting by focusing on the impaired muscles.
著者
中辻 享
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.688-709, 2005-10-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
29
被引用文献数
3 3

ラオス北部の山岳地域では現在も焼畑による自給向けの陸稲栽培が盛んに営まれているが,その一方で焼畑民による現金収入を目的とした仕事も活発化している.その結果,世帯間で異なる生計活動がみられる.本稿はこの生計活動の世帯差とそれが生ずる要因を,集落移転政策によって成立した一行政村,10番村を事例として,各世帯の稲作規模やコメ収支,現金収入の分析を通じ考察した.その結果,10番村では市場経済の浸透後,経済格差を生む新たな要因が生じ,貧富の差とそれに伴う生計活動の世帯差が明瞭にみられること,10番村における貧富の差は民族間の経済格差の問題を含んでおり,焼畑民の貧困問題をこの問題抜きに論じられないこと,幹線道路沿いの領域では土地に対する人口圧が高まり,焼畑の継続が困難になり始めているのに対し,山間僻地領域では人口圧が低く,焼畑が今なお継続しやすくなっていることを明らかにした.
著者
西村 拓生 岡本 哲雄 吉田 敦彦 山内 清郎 井谷 信彦 辻 敦子 神戸 和佳子 山田 真由美
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

教育における宗教性は、教育という営みの根底を考える際に非常に重要な契機である。この問題を考える際に思想史的に注目すべきなのが、京都学派の哲学に源流をもつ教育哲学の系譜である。この研究では、京都学派教育哲学の諸思想を分析し、その中に、「生命性と超越」を鍵概念とする系譜、「臨床性から公共性」という志向をもつ系譜、そして「言語の限界と可能性」をめぐる系譜を見出した。さらに、その分析を基盤として、教育における宗教性・超越性に関する多様な思想史的・人間学的研究を行ない、包括的・体系的な研究への足掛かりを構築した。
著者
小林功介 辻本拓也 安本匡佑 羽田久一 太田高志
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.207-208, 2013-03-06

2012年10月の就職内定率が6割を切り、就職難と叫ばれて久しい。多くの就職活動生(以下就活生)は、いくつもの企業の選考を受けてもなお内定を獲得することができず、その代わりに数多の「不採用通知メール(通称 お祈りメール)」を受け取っている。 本研究では、お祈りメールが就活生に与える虚しさに着目し、これを題材にしたインタラクティブコンテンツを開発することで、就職難という昨今の世相の皮肉的な表現を試みている。神社の参拝を模したお祈りのジェスチャーに反応して、映像と音楽に併せて加工したお祈りメールの文面を提示する作品である。 なお、このコンテンツは今年10月30日から1週間に渡って開催された東京デザイナーズウィーク2012に出展され、閲覧者の好意的な反応を多数得た。
著者
吉村 孝一 荒 勝俊 林 克己 川瀬 次朗 辻 和郎
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.204-212, 1984-07-30 (Released:2010-11-22)
参考文献数
19
被引用文献数
7 13

River Die-Away tests of linear alkylbenzene sulfonates (LAS) and soap were carried out. At 10 mg El-1 of surfactant in river water, dissolved organic carbon (DOC) due to soap decreased slightly faster than that due to LAS, while no significant difference was observed in the change of particulate organic carbon (POC) of either surfactant. As the result of River Die-Away test of soap at 30 mg El-1, POC level increased in the course of biodegradation of soap (till about day 15 of test period). The increase of POC level was inferred to be due to bacterial floc partially containing unsoluble soap (fatty acid salts). Fatty acids in the course of biodegradation of soap were analyzed by a pre-labelling HPLC method. The extent of biodegradation of fatty acids decreased in the following order : C12>C10≅C8>C14≅C18 : 2>C18 : 1>C16>C18 LAS was degraded according to Swisher's “Distance Principle” that the longer the alkyl carbon chain length, and the longer the distance between the far end of alkyl chain and the phenyl group, the faster the biodegradability becomes. Optimum temperature for LAS biodegradation was about 25°C. Although soap was degraded at both 10 and 40°C, LAS was not degraded at those temperatures. However, after incubation of river water containing LAS at 20°C, LAS was degraded even at 10°C.
著者
内野 昌孝 山岸 亨 辻井 良政 高野 克巳
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 = Food preservation science (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.47-50, 2003-01-31
被引用文献数
3 2

平成7年の新食糧法施行による規制緩和に伴い、輸入米の増加や国内の米流通の多様化が進む中、消費者の美食指向ともあいまって、銘柄米の品質、食味が一層重視されるようになった。その中で、農林水産省は精米の品種、産地、産年の表示を義務づけ、流通体系についても食糧管理法に定めている。しかし、精米の粒形は品種間で類似するため、うるち米ともち米、ジャポニカ種(短粒)とインディカ種(長粒)など大まかな区別はつくものの、近縁の米同士の品種を外観で見分けることは困難である。そのため、流通過程における異品種混入の事故に当たっては、混入したと思われる個体や次世代の草姿、形態的特徴から品種判別が行われている。しかし、これらの判別法は多大な労力と時間が必要になるにもかかわらず決定的な判別根拠とはなっていない。したがって、精米からの簡易で正確な品種判別法の開発が求められている。米は様々な物質から構成されるが、その主要な成分では、品種の差が見られない。一方、DNAは乾燥、酸化や熱に対して安定で、様々な情報を持ち、微量で実験を行える利点がある。その利点を利用して、うるち米では品種判別が進められているが、もち米では少ない。そこでDNAを利用したもち精米の品種判別を検討した。
著者
若井 明彦 佐藤 真吾 三辻 和弥 森 友宏 風間 基樹 古関 潤一
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.79-90, 2012 (Released:2012-03-28)
参考文献数
9
被引用文献数
5 7

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震,およびそれに伴う余震によって,東北地方は甚大な被害を受けた。本稿では,宮城県仙台市周辺の丘陵地におけるいくつかの造成宅地の被害状況について,JGS東北支部・関東支部合同第一次調査団が実施した調査結果をまとめる。まず,これまで仙台市内に造成されてきた宅地群の分布や造成年代を俯瞰し,既往の地震での被害有無との相関性や現象把握の留意点を整理する。続いて,今回の地震で深刻な被害を受けた4つの造成宅地の被災事例を順に報告する。一連の事例紹介に先立ち,1978年宮城県沖地震による同様な宅地被害の後に復旧および地すべり対策工のなされた仙台市太白区緑ヶ丘3丁目地区を取り上げ,同対策工特に地すべり抑止杭の存在と今回の被害箇所との関係について検討するとともに,今後の造成宅地の耐震性向上のための技術上の教訓を取りまとめる。
著者
黒田 美保 浜田 恵 辻井 正次 稲田 尚子 井澗 知美
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

2018年度は,心理士を中心にカルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で開発された自閉スペクトラム症幼児療育方法であるJASPER日本版を実施し,効果検証を行った。(方法)参加者:介入群は病院や療育施設より紹介を受けた8名で,対象群は1つの療育施設に通う8名。手続き:介入群は,中京地区と関東地区の3施設で実施した。実施回数は週1回で20回,1回のセッションは,UCLAと同じく40~45分とした。対象群は,関東地区の施設で,従来からやっている構造化による療育を週1回20回行った。実施前に,子ども自身に,新版K式発達検査,ADOS-2(自閉症観察検査第2版)を実施。効果検証としては,子どもには,SPACE(Short Play and Communication Evaluation)および「心の理論課題」中のアイトラッキング(視線移動計測)を行った。SPACEは介入前後及び中間点で行う。新版K式発達検査とアイトラッキングは介入前後のみである。保護者には,Vineland-II適応行動尺度およびマッカーサー言語発達検査を介入前後で実施し,これらの変化を比較する。現在は,データを蓄積している段階であるが,JASPERを実施した介入群では,現在までに,要求行動・共同注意行動の改善と遊びの水準の向上が見られた。また,視線移動計測による自閉スペクトラム幼児の「心の理論」の理解については,両群を合わせた初期データを解析した。その結果,自閉スペクトラム児でも近親化課題では全員正解することができたが,「心の理論」課題では正答率は低下し個人差が大きくなった。同時に,SPACEの妥当性を調べるために,定型発達児10名についてSPACEとADOS-2を行い,現在解析中である。また,心理士のJASPERの実施スキルの向上のための勉強会を月1回実施した。
著者
奥松 功基 辻本 健彦 若葉 京良 関 晶南 固武 利奈 山内 照夫 平山 智志 小林 裕幸 坂東 裕子 山内 英子 田中 喜代次
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.169-176, 2018-04-01 (Released:2018-03-16)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

It has been reported that physical fitness of breast cancer patients is relatively lower due to the cancer treatment such as surgery, chemotherapy, or endocrine therapy. Previous studies have revealed that not only cardiorespiratory fitness but also muscle strength is lower among breast cancer patients than no disease women and these symptoms may aggravate the health-related quality of life. However, there is no study which has focused the physical fitness level in Japanese breast cancer survivors. The purpose of this study was to investigate the physical fitness level and the relationship between exercise habituation and physical fitness level in Japanese breast cancer survivors. Fifty breast cancer survivors participated in this study. Participants were assigned to either exercise habituation group (n=25) or non-exercise group (n=25). We evaluated exercise habituation using an original questionnaire and examined various physical fitness level. Body weight, body mass index, and percent body fat were significantly lower in the exercise habituation group than non-exercise group. T-score of cardiorespiratory fitness was significantly higher in the exercise habituation group than average Japanese women. These results suggested that exercise habituation is relative to body weight and cardiorespiratory fitness level in Japanese breast cancer survivors.