著者
矢澤 正好 高橋 一成 内田 秀和 長谷川 有貴
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン部門誌) (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.139, no.9, pp.289-295, 2019-09-01 (Released:2019-09-01)
参考文献数
32

In general, beer degradation is evaluated by sensory test, however it depends on the subjectivity of an inspector. Therefore, it is highly required that an objective evaluation method is developed. It has been clarified that the degradation degree of beer proceeds mainly by oxidation of components derived from malt and formation of non-electrolyte trans-2-nonenal. In this study, we developed LB film taste sensor using metal complex for evaluating the degradation degree of beer with trans-2-nonenal concentrations. In addition, the physical properties of three metal electrodes and sensing film surface were evaluated with AFM and FT-IR, and these results and the sensor response characteristics were compared and discussed for improving the sensitivity as a sensor for beer degradation evaluation.
著者
長谷川 哲也 内田 良
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.255-267, 2016 (Released:2017-01-08)
参考文献数
27

本研究の目的は,公立大学図書館の図書館資料費に関して,格差の実態を検討することである。図書館資料の電子化と価格高騰が同時並行で進行するなかで,大学図書館の格差はどのように変容しているのだろうか。公立大学は各自治体が個別に運営しているため,全体から相互の格差を明らかにするという営みからは漏れてしまっている。本研究では,図書館資料費の大学間および大学階層間という2 つの視点から格差の推移を検討する。分析には『日本の図書館』の個票データを用いた。図書費,雑誌費,EJ 費に関して,各費の図書館間,および大学階層間の格差を分析した。主な知見は次のとおりである。第一に,図書費と雑誌費の大学間格差および大学階層間格差は,大学本体の格差と同程度である。第二に,EJ 費の大学間格差および大学階層間格差は,大学本体の格差よりも大きい。公立大学図書館の格差の実像をより明確にするため,今後いっそう詳細な研究が必要である。
著者
平林 泰 長谷川 旭 長谷川 聡
出版者
学校法人滝川学園 名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.57-64, 2007-03-31 (Released:2019-07-01)

安全で安心な大学を目指すうえで,大学キャンパス内の災害時・緊急時の避難経路に関する情報が,学生や教職員に十分に周知されることが不可欠である.本稿では,名古屋文理大学のWebサイトで携帯電話向けのキャンパス避難経路情報を提供するための,アニメーションによるビジュアルな避難経路情報コンテンツについて報告し,あわせて,災害・防災情報の携帯電話での提供の可能性と問題点について検討する.
著者
長谷川 隆則 森松 文毅 川本 恵子 日高 智
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.343-350, 2015-08-25 (Released:2015-09-30)
参考文献数
28
被引用文献数
1

自給飼料活用の更なる推進のため,北海道ではイアコーンサイレージ(ECS)の利用検討が行なわれている.本研究では,ECS給与が肥育豚の産肉性に及ぼす影響を検討した.肥育豚(平均65.4kg)を6頭ずつ3区分し,市販配合飼料を給与した対照区,配合飼料80%+ECS 20%の混合飼料を給与したECS区,配合飼料60%+ECS 20%+デンプン粕主体エコフィードサイレージ(EFS)20%の混合飼料を給与したECEFS区を設け,平均117.9kgまで肥育した.飼料(乾物)要求率は,対照区とECS区では同等で,ECEFS区では全期間平均で有意に高かった(P < 0.05).各試験区の肉質は,背部皮下脂肪中のスカトール含量が,対照区と比較してECS区,ECEFS区で有意に低かった(P < 0.05).以上から,20%量のECSを配合飼料と置換しても生産性に影響なく,産肉の不快臭を減少させる可能性が示唆された.
著者
長谷川 順二
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.14, pp.7-31, 2016-03-01

『水経注』は、北魏当時の河川位置が詳細に記されている地理書である。特に変動著しい黄河においては北魏期および前代の前漢黄河の2 本の河道が記されているため、黄河変遷研究における最も重要な文献とされる。この時期を含む後漢から唐代にかけての黄河は800 年間に渡って大規模な変動が発生せず、黄河の「安流期」とされてきた。しかし近年は文献記述や環境史に基づく考察から、この時期においても黄河は氾濫や決壊を繰り返してきたという説が登場し、「安流期」の有無を巡って多くの専門家による議論が行われている。本稿では後漢から南北朝を経て唐宋に至る各時期の正史や『元和郡県志』などの地理書をはじめとした文献記述に加えてRS データおよび現地調査の成果を活用して、『水経注』に多く見られる記述の錯綜箇所を整理した上での北魏期黄河の河道復元を目指し、その第一歩として河南省濮陽市から山東省高唐県にかけての古河道復元を試みる。In the current changes in research on the course of the Yellow River, there is a theory thathas gained a lot of support over the years that there was no big change in the Yellow River for over 800 years from the time of the Eastern Han (後漢) dynasty to the Tang (唐) Dynasty. In recent years, however, this has been refuted, as it appears that, at that time, the Yellow River had experienced repeated flooding and collapse. Many experts have discussed this subject, but no definitive conclusions have been found.Using the results of remote sensing data analysis and field surveys, I reconstructed the course of the Yellow River during the Western Han (前漢) period. In this paper, which presents research not only based on the conventional literature, it is possible to re-consider the subject by taking into account new information, such as analysis of remote sensing data and the results of field surveys, to reveal the actual situation of the Yellow River during the Northern Wei (北魏) period. As a first step, I reconstruct the river channel of the Yellow River course in the Northern Wei (北魏) period from Henan Puyang City (河南省濮陽市) to Shandong Gao-Tang County (山東省高唐県), based on the description found in “Shui-jing-zhu” (水経注).
著者
山田 貴之 寺田 光宏 長谷川 敦司 稲田 結美 小林 辰至
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.219-229, 2014-07-08 (Released:2014-08-22)
参考文献数
18
被引用文献数
2

本研究の目的は, 児童自らに変数の同定と仮説設定を行わせる指導が, 燃焼の仕組みに関する科学的知識の理解と, 燃焼現象を科学的に説明する能力の育成に与える効果について明らかにすることである。この目的を達成するために, 第6学年「ものの燃え方と空気」において, “The Four Question Strategy”に基づく「仮説設定シート」(4QS)を用いた実験群37人と, 用いなかった統制群37人を対象とした授業実践及び学習前後の質問紙調査の分析を行った。その結果, 実験群の方が, 燃焼の仕組みに関する科学的知識を高い水準で理解し維持できることが明らかとなった。また, 燃焼現象を科学的に説明する能力の育成にも有効であることが示唆された。
著者
川田 志浦 門間 智子 梶山 由紀 長谷川 幸子 君崎 文代
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第56回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.341, 2007 (Released:2007-12-01)

【はじめに】プレパレーションは、心理的準備段階と言われ、患児に正しい知識を提供することで、自らの治療や検査に対する不安や恐怖心を緩和し、患児が納得して検査を受けようとする対処能力を引き出すのに有効とされている。 今回、採血前と採血中、採血後に紙芝居や採血人形、おもちゃ等を使って、プレパレーションを行い評価をしたので、その報告をする。 【研究目的】採血前、中、後のプレパレーションの効果を年齢別に検証する。 【対象】3歳から6歳の発達障害のない患児20名とその母親20名 【方法】採血前の紙芝居や、採血方法を体験できる人形を作成し、それらを用いてプレパレーションを実施した。また、採血中は、ボタンを押すと光と音の出るおもちゃ等で患児の気を紛らわした。そして採血後は、アンパンマンのメダルを渡した。これらの過程を観察し、終了後患児と母親にインタビューし、結果をまとめた。 【倫理的配慮】研究対象の児の母親に、研究の趣旨やプライバシ−の保護等について、文章と口答で説明し、同意を得て施行した。 【結果】採血前からの様子を年齢別にまとめてみると、3歳(2名)は、紙芝居を見て、「アンパンマンだ」と言って喜んでいたが、採血人形で注射針の説明をした時点で恐怖心を抱き、泣き出す患児がいた。4歳(8名)は、紙芝居を見て、自ら処置室に歩いて行く姿が見られ、採血も泣かずにできた。5歳(4名)は、「アンパンマンが、がんばれと言っていたからがんばる」と言って泣かずに出来た患児もいた反面、紙芝居は理解して「がんばる」と言っても、実際に針を見ると「泣いてもいい?」と大きな声で泣いた患児もいた。6歳(6名)は、人形を使って実際に採血を体験したいと言う患児が多く、シリンジを引いた時に中から赤い液体が出てくるのを見て、笑顔が見られ「ミッキーの採血をやって、自分の採血も楽しかった」という感想が得られた。また、採血中は、ストローの抱きつき人形を見て、声を出して笑っているうちに採血が終わってしまった患児もいた。母親からは、「何をするのか、きちんと説明があって良かった」「おもちゃを用意してもらって良かった」という意見が得られた。 【考察】紙芝居は、患児が好きなキャラクターを登場させたことで、親しみやすく、アンパンマンとともにがんばろうという意欲が見られた。また年齢が上がるにつれて、紙芝居の理解度は高く、採血人形を使う患児は多く見られたが、理解度と、納得したかということは、比例するものではなく、年齢別に見てもそれ程差はなかった。むしろ、それぞれ「泣く」という行為には様々な理由があり、納得できなくて泣く患児と、理解し、納得しても泣いてしまう患児がいることが明確になった。 大野ら1)が「プレパレーションとは、手術や検査を受ける子どもの心理過程をくり返し丹念に追っていく活動であり、子どもに医療知識を授けることや、検査や手術で泣かないための理解促進ではなかった」と述べているように、保育士は、プレパレ−ションやディストラクションをして行く中で、患児の奥深い気持ちを受け止めることが重要なことだと考える。それには、採血終了後の励ましや、遊びを通して患児に接することで、次の遊びを展開するきっかけとなるよう援助していくことが大切である。 【引用文献】 1)大野尚子:プレパレ−ションの理論と実際、保育士の立場から、小児看護29(5)P572、2006
著者
中野 詔彦 長谷川 澄子
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.42, no.480, pp.1032-1038, 1993-09-15 (Released:2009-06-03)
参考文献数
3

The structures of giant fullerenes have been considered from the topological view point. As the fullerenes are formed of the pentagonal rings and hexagonal rings, Euler's theorem in the topology shows that 12 pentagonal rings are neccessary though the number of hexagonal ones is arbitrary for the formation of the closed polyhedron. This restraint predicts that symmetric giant fullerenes have the following shapes: the icosahedral-shaped, the tetrahedral-shaped, the pentagonal prism-shaped and the hexagonal prism-shaped ones. We have classified the icosahedral-shaped and the tetrahedral-shaped ones into three systems, respectively, and the pentagonal prism-shaped and the hexagonal prism-shaped ones into two systems, respectively, thus totaling ten systems. We have formulated the equations for calculating the number of atoms n in the giant fullerenes Cn. The results indicate that the forming of the round-shaped giant fullerenes requires the sets of heptagonal and pentagonal rings while keeping (the number of pentagonal rings)-(the number of heptagonal rings)=12.
著者
鈴木 克彦 佐藤 英樹 遠藤 哲 長谷川 裕子 望月 充邦 中路 重之 菅原 和夫 戸塚 学 佐藤 光毅
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.451-460, 1996-08-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
42
被引用文献数
2 1

スポーツ選手を対象として, 最大運動負荷に伴う白血球分画と好中球活性酸素産生能の変動を検討したところ, 以下の知見が得られた.1.運動直後に総白血球数が一過性に2倍程度上昇したが, これはリンパ球, 好中球および単球の数的増加によるものであった.好中球数は運動終了1時間後でも上昇した状態にあったが, 核左方移動は認められず, かつ分葉核好中球数の変動と相関が強かったため, 壁在プール由来の好中球動員であったと考えられる.2.リンパ球のなかでLGL (NK細胞) は運動直後に6倍も上昇しており, 終了1時間後には半減した.このようなリンパ球の数的・構成的変動が各リンパ球の機能を測定する上で誤差要因とならないように注意する必要がある.3.ルミノール依存性化学発光法を用いて単離好中球の活性酸素産生能を検討したところ, 刺激物質として貪食粒子のOZを用いた場合のみならず可溶性のPMAを用いた場合にも運動負荷に伴い有意に上昇し, かつ両者の変動には正相関が認められたことから, 単一機序で発光が増強したものと推察される.ルミノール依存性化学発光の反応機構から, 好中球の刺激に伴う脱顆粒能亢進によってMPOを介して強力な活性酸素種 (HOCl) が効率的に産生されやすくなることが示唆された.短時間の運動であっても極端に強度が高い場合には, 毒性の高い活性酸素種を生成しやすい好中球が血中に増加し, リンパ球の機能抑制や筋の炎症等の組織傷害作用を発現する可能性があり, 今後その体内動態をめぐっては, さらに踏み込んだ検討が必要である.
著者
山本 真嗣 長谷川 恭子 仲田 晋 田中 覚
雑誌
じんもんこん2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.8, pp.243-248, 2011-12-03

本研究は,祇園祭の山鉾の一つである船鉾を対象に3次元モデルの構築を行い,そのモデルの利用と可能性に関して検討を行う.船鉾は,普段は部材に分解されて船鉾収納蔵などに保存されており,毎年の祇園祭の際に組み立てられる.部材の組み合わせ方やその工程は一つの文化であり,それをデジタルアーカイブとして残すことには大きな意味がある.したがって,本3 次元モデルは,各部材ごとに内部まで精密にモデリングし,そのモデルを利用して,制作工程や内部構造をデジタル化することを目的とおいている.また,船鉾のような複雑な形状の文化財は,死角となる部分も多く,祇園祭の際でしか完成形の姿にならないため,各視野から観測できる3 次元モデルはとても有益と言える.
著者
吉田 康夫 吉村 文信 永野 恵司 長谷川 義明
出版者
愛知学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

インドールなどの代謝産物は、細菌のバイオフィルムの形成に影響を与える。本研究課題では、歯周病細菌のインドール産生酵素であるトリプトファン分解酵素についての研究を行った。まず、歯周病細菌の一種であるPrevotella intermediaのトリプトファン分解酵素を精製して、その酵素学的な性質を明らかにした。また、22種のPrevotella種のインドール産生能および関連遺伝子の有無にについて検討を行った。次年度以降は、環状ジヌクレオチドである、Cyclic-di-GMPの合成タンパク質と分解タンパク質に着眼して、それらの酵素を精製し、その機能について検討を行った。
著者
平野 敦之 伊藤 恵介 川井 祐輔 山本 俊勇 濱野 真吾 長谷川 千尋 水野 芳樹 柴田 康行 小川 久美子 中村 誠 城 卓志
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.1533-1540, 2010 (Released:2011-11-07)
参考文献数
33
被引用文献数
1

症例は57歳男性.上部消化管内視鏡検査にて頸部食道に異所性胃粘膜に連続する0-I+IIc病変を認めた.同部からの生検により腺癌と診断し,頸部胸部食道切除+遊離空腸移植術を施行した.切除標本の病理組織的検索にて異所性胃粘膜より発生した食道腺癌,深達度sm3と診断し,さらにMUC5AC,MUC6,MUC2,Cdx2の免疫染色により腸上皮化生を伴った異所性胃粘膜より発生した胃腸混合型の腺癌と診断した.
著者
美才治 隆 安田 恵三 荒井 智昭 鈴木 健太郎 赤谷 桂一 長谷川 匡
出版者
一般社団法人 日本画像学会
雑誌
日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.207-215, 2007

本稿にて「製品における環境配慮技術の実際」に関する,<br>・定着システムの省エネ技術<br>・コメットサークルをコンセプトとした循環型社会に向けての再利用,再使用技術の解説を,リコーでの実例を用いて述べる.その概要は以下の通りである.<br>1) 「IEA-DSM Program」対応から開発されたQSU技術は,キャパシタ技術との融合によるHYBRID QSU技術を経て,IH加熱を導入したカラーQSU技術へ発展している.<br>2) コメットサークルは,循環型社会を実現する姿を現したもので,品質工学,可視化,品質予測による循環技術開発により「複写機製品」,「製品梱包」,「サプライ製品」にて具現化されている.