著者
辻 裕 森川 敬信 上地 哲男 川崎 裕仁 関口 信樹
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.48, no.434, pp.1901-1909, 1982-10-25
被引用文献数
2

ペデスタル成分とドップラ成分の両方に敷居値を設定することによって気流と粒子の信号分離が満足になされることを示した. この測定法を用いて気流および粒子の平均速度, 変動速度, 確立密度分布さらに気流乱れのスペクトルを求めた. その結果, 気流の乱れは粒子によって著しく減少すること, また粒子によって気流乱れの高周波成分は相対的に増加し, 低周波成分が減少することなどを明らかにした.
著者
尾関 周二
出版者
The Philosophical Association of Japan
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
no.48, pp.54-68, 1997

J. D. Bolter considers the transformation of "writing space" in the Computer age, and finds the essence of the electronic book which the print book does not have to the character of "Hypertext", which also corresponds to the direction of "Network culture" of the society. On the other hand, Bolter considers the image of man (and the mind) in the informationalized society to be "Turing's Man (i.e. information processor/semiosis)." From such viewpoints he criticizes the Cartesian view on man at the West modern ages. However, I doubt that "Turing's Man" is only a reflection of the tendency of systematization and "Versachlichung" which becomes strong more and more in society from modern ages to present age. Therefore, I think that we should understand the meaning of the informationalized society for man not only from the perspective of "writing space" like Bolter, but also the perspective of new "Oral culture" on which W. J. Ong insists. And, I related Ong's thought of the revival of the community with electronic media to Marx's community thought. In addition, I attempted to mediate them by the thought of communicative subject of Habermas and referred the "Mode of information" of M. Poster critically. Finally, I pointed out the importance of the introduction of the viewpoint of the environmental problem into the community problem because of "virtual reality"
著者
関 和広 上原 邦昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.42, pp.1-6, 2010-05-13

ブログやマイクロブログ(Twitterなど)といったソーシャルメディアの利用者の増加に従い,これら新しいメディアからの情報の抽出・利用についての研究が盛んに行われている.本研究では,ソーシャルメディアを実世界のオブジェクトのメタデータと捉え,これが従来の情報検索に及ぼす影響について議論する.特に本稿では,ソーシャルブックマークに注目し,熟練者による従来の統制語彙に基づく索引との比較を通して,情報検索におけるその有用性を検証する.より具体的には,生物医学分野の文献を題材とし,各論文に付与されたMeSH索引語(統制語彙に基づく索引)とソーシャルブックマークサービスの1つであるCiteULikeを利用して付与されたソーシャルタグを比較し,その特徴と有用性を様々な観点から実験的に調査する.実験の結果,情報検索においてソーシャルタグはMeSHと相補的に機能し,ソーシャルタグの網羅性が高まるほど検索精度が向上することが示された.
著者
中村 亮一 村垣 善浩 伊関 洋
出版者
日本医療機器学会
雑誌
医科器械学 (ISSN:0385440X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.248-255, 2005-05-01
被引用文献数
2

はじめに -術中情報の可視化- 精密かつ安全な手術を遂行する上で最も重要な事項の一つは, 患者, 病変に関しての質の高い情報をいかに確保するかということである. 「敵を知り己を知れば百戦殆(あやう)からず」とは孫子の言葉であるが, 手術においてもまさしくこの言葉が当てはまる. すなわち, 対象となる病変の情報を多く獲得し, かつ自分が手術という一連のプロトコルの中で現在どういう状態にあり, これから何をするべきかを決断するための情報を獲得することが, よりよい手術結果を獲得するために必要なことである. 肉眼で確認できない患者体内の病変についてのより質の高い情報を獲得するための試みが古くより多くの医学者, 科学者によりなされてきた. Roentgenが1895年11月8日にX線を発見し12月22日に夫人の手指骨の透過写真を撮影したのが, 非侵襲的な(切開等の直接的侵襲を伴わない)体内情報の画像化の最初である. その後, HounsfieldによるX線CTの開発(1968), 和賀井敏夫らによる超音波診断装置の開発, そしてLauterbur, Mansfieldらにより開発された核磁気共鳴画像(MRI)(1971)の登場により, 体内の多品質, 高品質な画像情報の獲得が可能となった.
著者
上野 照剛 伊良皆 啓治 関野 正樹
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2005

神経電磁気現象に関する脳機能情報を解析して,脳機能の動的機構の解明に迫るため,MRIによる神経電気活動の電流分布イメージングや細胞膜の水透過率を解析する手法を提案した.また,経頭蓋磁気刺激と脳波の同時計測により高時間分解能,高空間分解能を有する新しい脳機能ダイナミックスイメージング法を開発した.さらに,アミロイド沈着をMRIで観測するため,鉄の貯蔵蛋白質であるフェリチンに着目し,これに交流磁場を印加することで,鉄イオンのフェリチンへの取り込みとフェリチンからの放出に関する磁場の作用を調べた.
著者
関川 靖
出版者
名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.47-55, 2003-04-01

家計貯蓄行動を決定する要因は,所得(相対所得,恒常所得,生涯所得,資産所得など)であるが,現実の家計の貯蓄行動は経済動向・金融構造・利子率・所得・貯蓄水準・慣習など複雑な要因が重層的な影響をおよぼして決定される.我国家計の特徴と言える「貯蓄優先」行動を金融構造面,特に公的金融と家計の貯蓄行動との係わりを検証することは,家計貯蓄の決定要因分析に不可欠であると考えられる.何故ならば,我国の公的金融制度は他の諸国と比較して特異な面を持ち,先進国になった現在でも民間金融機関に匹敵するシェアを占めているためである.よって本論文の目的は,発展途上であった高度成長時代からバブル経済・バブル経済の崩壊の90年代末に至るまで,公的金融制度の役割変化と家計貯蓄動向の変化とを時系列でもって比較分析することで,公的金融制度の家計貯蓄へ影響を検証することである.
著者
門間 敏幸 梅本 雅 関野 幸二 磯島 昭代 後藤 一寿 安江 紘幸 吉永 貴大
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

農家が主体となって開発された農業技術を,技術特性・経営効果・普及可能性の3つの視点から総合的に評価した。具体的な成果は,次の通りである。1)篤農技術のデータベースの開発2)篤農技術の調査方法の開発3)農業技術の暗黙知の探索方法の開発4)経営管理能力,水稲代かき技術,大豆収穫技術,りんご剪定技術,知的財産管理技術,篤農技術の普及方法,新品種の普及ノウハウの整理。
著者
関 直臣 ジャオ レイ 小島 悠 池淵 大輔 長谷川 揚平 大久保 直昭 武田 晴大 香嶋 俊裕 白井 利明 宇佐美 公良 砂田 徹也 金井 遵 並木 美太郎 近藤 正章 中村 宏 天野 英晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.920-930, 2010-06-01

本論文はパワーゲーティング(PG)を使った演算器レベルでの動的スリープ制御による消費電力削減機構の実装及び評価を行う.MIPS R3000のALUからシフタ,乗算器,除算器を分離し,それぞれを動的にパワーゲーティングを行う.省電力化を施したR3000コアと16kByteのL1キャッシュ,TLBを合わせて,ASPLA 90nmで試作チップGeyser-0としてテープアウトした.Geyser-0の性能,電力と面積をポストレイアウト後のシミュレーションにより評価した.この結果,4種類のアプリケーションについてリーク電力は平均約47%減らすことができた.一方,スリープ制御の実装によって生じたエリアオーバヘッドは41%であった.
著者
光安 保 関口 卓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MR, 磁気記録
巻号頁・発行日
vol.94, no.356, pp.53-60, 1994-11-19
被引用文献数
1

近年、ハイビジョンなど情報量の増大に伴い、VTRに於いては、高密度記録化が進められている。磁気テープの高密度化にはテープの薄型化と表面の平滑化が必要である。テープ表面が非常に平滑になると、テープとドラム部分での摩擦が増加し、テープがドラムに貼り付くなど、テープの走行性に悪影響を及ぼす、今回、ドラム表面を超音波周波数で微少振動させて、見かけ上テープとドラムの接触面積を減少させ、テープとドラム間の摩擦を低減する超音波振動ドラム(USVドラム)を開発し、テープ走行系に実際に組み込み、記録・再生実験を行なった。その結果、摩擦係数が1, 3以下に軽減し、テープの安定走行に効果があることを確認した。
著者
尾関 雅則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.p493-497, 1986-05-15
被引用文献数
2
著者
古川 善博 関根 利守 大庭 雅寛 掛川 武 中沢 弘基
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.226-237, 2009-12-25
被引用文献数
1

生命の構成物質である,アミノ酸や核酸塩基,糖などの生物有機分子が生命誕生前の地球にどのように誕生したのかということは,生命起源解明の根幹を成す課題である.本稿では初期地球における隕石の海洋衝突による生物有機分子の生成について解説する.地球外物質の初期海洋への重爆撃は,後期重爆撃と呼ばれる38-40億年前に起きたと考えられている.著者らはこの現象を実験室で再現し,鉄,ニッケル,アモルファス炭素,水,窒素から有機物が生成するかどうかを明らかにするための衝突回収実験を行った.実験の結果,多種のカルボン酸,アミンおよびグリシンが生成することが明らかになった.この結果と衝突実験条件および有機物生成過程から隕石の後期重爆撃による生物有機分子の生成という,生命起源物質の新たな生成過程を示唆することとなった.
著者
関根 孝道
出版者
関西学院大学
雑誌
総合政策研究 (ISSN:1341996X)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.117-156, 2005-09-20

The Amami lawsuit for "the rights of nature" was filed in 1995 at Kagoshima District Court. Since Amami's black rabbit population and other 3 birds' species were named as co-plaintiffs together with humanbeings, the case was so well-publicized that the notion of rights of nature has come to attract a wide range of public attention. In societies where the proposition that nature should have its own rights is often seriously advocated, co-existence between humanbeings and nature is more vigorously sought for the sake of nature. Although the part of complaint in which the animals' species are designated as co-plaintiffs was ordered to delete and the case itself was dismissed for the lack of standing, the court decision implied the defect of the modern civil law's dichotomy that only humanbeings were allowed to enjoy the status of right-holders. Also the court shared the view that such a legal system as enabled those who were acquainted with the nature and motivated for its protection to file a lawsuit for the environment need to be contemplated given the seriousness of environmental destruction in this century. This article points out the court decision's significance together with its limitations as well. First, the case's factual settings are introduced and analyzed. Secondly, the plaintiff's assertions are examined according to the decision's summary of assertions in contrast with the complaint and other legal briefs submitted. Then the court' judgement are explained and commented with the emphasis on environmental standing issues. Finally, this article raises the queries with regard to the right of nature and pinpoints the unsolved legal issues that the decision left for us as a homework.
著者
新井 健司 石井 久夫 伊藤 孝 内田 克 遠藤輝 岡部孝次 熊井 久雄 小菅 範昭 近藤 洋一 郷原 保真 酒井 潤一 斎藤 義則 塩野 敏昭 島田 安太郎 下野 正博 隅田 耕治 角谷 邦明 関口 尚志 田中 俊廣 趙 哲済 中西 一裕 中島 豊志 中村 由克 林田 守生 松本 俊幸 三谷 豊 柳沢 文孝 山本 裕之 吉野 博厚
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.14, pp.93-102, 1977-02-21
被引用文献数
11

A wide-spread lake assumed to be larger than the recent Matsumoto Basin had existed in Early Pleistocene, and the Enrei Formation and its equivalent formations had been deposited in the lake. An extensively even erosion surface formed on the sediments in the latest Early Pleistocene is called the Ohmine geomorphologic surface. After the formation of the Ohmine surface, the recent mountainous areas such as the Northern Japan Alps, Mt. Hachibuse, Mt. Utsukushigahara and so on had been upheaved, while the Matsumoto Basin area had been depressed and the Nashinoki Gravel Formation, the upper Middle Pleistocene, had been deposited. The base of the Enrei Formation is 1,800 m above sea level in Mt. Hachibuse, while 700 m above sea level in the southern part of the Basin. The amount of upheaval of the mountainous areas can be estimated to be more than 1,000 m. The Matsumoto Basin area had been depressed again in the middle part of the Upper Pleistocene (about 40,000 years B. P.) and the Hata Gravel Formation had been deposited. The amount of depression may be estimated to be about 150 m in the eastern periphery of the middle part of the Basin.
著者
三上 正男 長田 和雄 石塚 正秀 清水 厚 田中 泰宙 関山 剛 山田 豊 原 由香里 眞木 貴史
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

ダストの気候インパクトの定量的評価を高精度に行うことが出来るダストモデルの開発を、(1)発生過程の観測解析、(2)ダスト輸送途上の解析、(3)ダスト沈着量の観測解析と(4)ダストモデルの高度化のための技術開発により行った。(1)では、粒径別鉛直ダスト輸送量の評価法を確立し、ダスト発生モデルの検証を行い、スキームの最適化を行った。また(2)衛星及び地上ライダーの解析から、アジア域ダストがサハラ等に較べて高高度・長距離にわたって輸送される実態や、輸送中のダストでは粒径分布変化よりも内部混合の進行による形状変化が重要であることを明らかにした。さらに(3)乾性・湿性沈着観測ネットワークによる沈着フラックスの観測データを用いて、全球ダストモデルMASINGARの粒径分布とモデルのダスト発生過程の改良を行うと共に(4)高精度データ同化システムと衛星ライダー観測値を組み合わせ、全球ダスト分布の客観解析値を作成し、東アジアのダスト発生量のモデル誤差推定を行なった。また同同化システムにより、モデルの再現性を大幅に向上することが可能となった。これらにより、発生・輸送・沈着各過程を寄り現実的に再現できるモデルを開発することが出来た。
著者
関口 章
出版者
筑波大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

アセチレンのsp炭素をケイ素原子に置き換えたケイ素-ケイ素三重結合化合物「ジシリン」を世界に先駆けて安定に合成することに成功し、その分子構造を決定している。炭素-炭素三重結合化合物アセチレンが直線構造を持つのとは対照的にジシリンはトランス折れ曲がり構造を持ち、三重結合を形成する二つのπ結合は非等価であり、そのπ軌道準位はアセチレンのそれと比較すると著しく高いなどの特徴を有する。今回、ジシリンの物性、及び反応性を明らかにすると共にそれらに対する置換基の電子的、立体的効果を評価した。特に、今回、ジシリンと炭素-窒素三重結合を有するニトリル類との反応性を検討したところ、炭素パイ電子系と全く異なる反応性を示すことを明らかにした。1. 三重結合ケイ素化合物ジシリンに対して過剰量のトリメチルシリルシアニドを無溶媒条件下、室温で加えると、溶液の色は赤褐色へと変化した。ベンゼン中から再結晶することでジシリンービス(シリルイソシアニド)錯体の紫色結晶が得られた。一方、ジシリンのヘキサン溶液に対して2当量のトリメチルシリルシアニドを加えた場合、微量のビス(シリルイソシアニド)錯体とともに1, 4-ジアザ-2, 3-ジシラベンゼン類縁体が主生成物として得られた。2. ポリアセチレンの化学ドーピングによるソリトンやポーラロンの発生などの諸物性との関連から、ケイ素-ケイ素三重結合化合物、ジシリンのアルカリ金属による-電子還元反応を検討した。その結果、カリウムグラファイト、^tBuLiとの反応で容易に電子移動を起こし、安定なジシリンアニオンラジカルを生成することを明らかにした。これらのアニオンラジカルの分子構造や電子状態をX線構造解析、ESR測定、理論計算などを用いてアニオンラジカルの諸物性を明らかにすることができた。最終目標のポリジシリンの合成には至っていないが、新しいπ電子化合物三重結合ケイ素化合物ジシリンの興味ある反応性を明らかにすることができた。