著者
西本 章宏 勝又 壮太郎 本橋 永至 石丸 小也香 高橋 一樹
出版者
日本商業学会
雑誌
流通研究 (ISSN:13459015)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.29-54, 2016 (Released:2017-01-31)
参考文献数
75
被引用文献数
1

本研究の目的は、コンテクスト効果の一種であるプライミング効果の枠組みを用いて、ある製品に対する支払意向額の判断において、当該製品とは異なるカテゴリーの製品との接触が消費者の支払意向額に与える影響を検証することである。また、プライミング効果の影響を調整する要因として、「製品カテゴリーに対する消費者の事前知識」と「製品カテゴリー間の類似性」を考慮する。さらに、消費者行動研究の視点から、価格競争に巻き込まれないための脱コモディティ化戦略の一施策を提示する。
著者
横田 恭子 竹森 利忠 大西 和夫 高橋 宣聖 大島 正道 藤猪 英樹 高須賀 直美
出版者
国立感染症研究所
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

目的:本研究では、SARS-CoVに対する有効なワクチン開発のための基礎的研究を行うことを目的とする。成果:ヒトに即時に応用することが可能なワクチンとして、マウスモデルにおいてUV照射不活化ウイルス粒子ワクチンを皮下に2回接種し、これにより誘導される免疫応答を解析した。その結果、中和活性のあるIgG抗体がUV照射不活化ウイルス粒子のみで誘導可能であり、しかも長期に存続すること、アラムアジュバントを使うことにより抗体価は更に10倍以上高まることを明らかにした。安全性を更に高めるためにUV照射にホルマリン処理を加え、UV照射のみの不活化ウイルス粒子により誘導される免疫応答との比較を行った。ホルマリン処理したUV照射不活化ウイルス粒子免疫群と未処理のUV照射不活化ウイルス粒子免疫群とで血中のSARS-CoVに対するIgG抗体価を比較すると、ホルマリン処理をすることにより血中抗体価が多少低下する傾向はあるものの、中和活性のある抗体の誘導は十分可能であった。これらのマウス骨髄中のSARS-CoVのNucleocapsidに対する抗体産生細胞数は両群ともに増加しており、その数に有意差は認められなかった。また、ワクチン接種部位の所属リンパ節(腋下)のT細胞はウイルス粒子抗原に反応していくつかのTh1/Th2タイプのサイトカインを産生するが、ホルマリン処理群では非処理群と比較してIFN-の産生量がやや高く、IL-5産生量はむしろ低い傾向にあった。一方、投与部位に関しては、石井孝司博士(感染研ウイルス2部)が開発したSARS抗原を発現する弱毒ワクシニアウイルス(DIs)ワクチンを用いて皮下接種と経鼻接種における感染防御効果を比較した。経鼻免疫で誘導される鼻腔粘膜IgA抗体は皮下免疫ではほとんど誘導されないにもかかわらず、高濃度の血中IgG抗体に依存してSARS-CoVの呼吸器感染に対する防御効果が認められた。従ってUVとホルマリンで不活化したウイルス粒子によるワクチンは、即座にヒトに応用可能な安全性の高いSARSワクチンとしてのみならず、今後の新興感染症への緊急対策として有効であることが示された。
著者
升田 好樹 七戸 康夫 表 哲夫 高橋 広巳 小瀧 正年 並木 昭義
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.12, no.7, pp.777-780, 1992 (Released:2008-12-11)
参考文献数
9

キシロカインゼリー®によるアナフィラキシーショックを経験した.症例は51歳男性,中咽頭腫瘍術後,下顎骨骨折のため観血的整復術を予定した.既往に麻酔薬によるアナフィラキシーショックがあった.挿管困難が予測され,経鼻挿管のため鼻腔内にキシロカインゼリー®を注入し,経鼻用エアウェイを挿入したところショック状態となった.気管内挿管を試みたが心室細動となり,ただちに輸状甲状間膜切開を行ない,直流除細動により心拍再開し,なんら後遺症なく回復した.皮内テストではメチルパラベンが疑陽性,カルボキシメチルセルロースナトリウムが陽性であり,アレルギー反応の原因として添加物を考慮する必要性を痛感した.
著者
西田 孝三 海津 一成 高橋 恒一
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.40, no.156, pp.8-13, 2020 (Released:2021-02-04)
参考文献数
13

オミクス研究データの増加により,それらとパスウェイの統合と可視化をソフトウェアで自動化することが必要になっている.パスウェイ可視化はカスタマイズ性の高さとウェブアプリケーション化が求められるが,多くの生命科学研究者にとってその開発で用いられるJavaScriptは敷居が高い.また多くのパスウェイ可視化ウェブアプリケーションは公開後の第三者による改変や新たな応用を見据えた設計にはなっていない.我々はWebコンポーネントのように再利用可能でカプセル化されたパスウェイ可視化ライブラリをPythonのダッシュボードフレームワークDash用に開発した.本稿ではパスウェイ可視化がいかなるものかに加え,従来のウェブアプリケーションとDashを用いたものがどう異なるかを我々が開発したソフトウェアDash-Pathwayの機能,応用を交え紹介する.
著者
高橋 法子 大竹 理恵 北郷 次郎 郡司 良治 谷口 知子 中尾 智佳子 原口 充宏 坂本 祐一郎 可児 毅
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.17-27, 2020-04-25 (Released:2020-06-01)
参考文献数
16
被引用文献数
4

我が国では1970年代より再審査制度が導入され,新たに医薬品が上市した後または既存の医薬品の新適応の承認取得後,多くの場合に製造販売後調査等 (以下,製販後調査) が実施されている.しかしながら,2018年4月に「医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令等の一部を改正する省令 (改正 GPSP)」 が施行され,より科学的なアプローチに基づいた製販後調査の実施が求められるようになった.本調査では,改正 GPSP 施行後に,各社が計画する製販後調査に変化が生じているか確認した.調査方法は,各製品の審査報告書,医薬品リスク管理計画 (RMP),及び添付文書を確認し,必要な事項を抽出した後,集計及び分析を実施した.分析の結果,製販後調査では依然として使用成績調査が全体の 60%以上を占めていた.また,使用成績調査の目標症例数に関しては,500 例未満が 90 調査中 58 調査となっており,以前のような 3000 例を超えるような調査は 3 調査しかなかった.また,改正 GPSP 施行後に新しく導入された製造販売後データベース (DB) 調査に関しては,使用成績調査数には及ばないものの,13 製品 18 調査が確認された.利用する DB は,メディカル・データ・ビジョン (MDV) が 12 調査と最も多く,心血管系疾患や間質性肺炎等が複数の調査で安全性検討事項として設定されていた.なお,使用成績比較調査はなかった.一方で,追加の安全性監視活動なしで承認された製品が 2 件あった.また症例数設計では 135 調査中 88 調査で根拠が記載されおり,88 調査中 58 調査は統計学的理由を根拠にしていた.統計学的根拠は記載されているものの,多くは Rule of three という従来の製販後調査で汎用されている統計学的考え方が踏襲されていることが明らかになった.改正 GPSP 施行後,DB 調査を含む新しい製販後調査や PMDA が推奨する科学的なアプローチは企業に徐々に浸透している.今後,科学的アプローチを更に浸透させるためには,製販後調査に携わる企業側の人材の更なる向上が必要である.
著者
高橋 原
出版者
リトン
雑誌
死生学年報
巻号頁・発行日
vol.10, pp.237-254, 2014-03-31

In this paper, the author provides an overview of how religious professionals (i.e. Buddhist monks, Christian pastors, etc.) are dealing with socalled occult phenomena in the tsunami stricken areas after the Great East Japan Earthquake. Most of the ghost tales seem to result from a variety of unconscious anxieties but there are no professional support workers available for people to consult with about them other than religious people, especially Buddhist monks. Furthermore, even these religious people do not necessarily have any particular prescription that has been prepared by their sect or denomination to deal with such tales. However, this could be an advantage for them from the viewpoint of spiritual care, because it makes it possible for them to listen in an open and frank manner, and with an unbiased view to these stories.The main characteristics of the care provided by such religious professionals is that they aim not only at removing troubling symptoms as medical doctors do, but also aim for creating a better quality of life for people by restoring their views of life and the world. The experts do this through conducting religious ceremonies intended to bring peace to the restless souls of the dead. Even if they believe that the “true” cause of occult phenomena is some secular anxiety, they deal with these phenomena as religious or spiritual issues instead of reducing them to secular matters to be resolved by secular means. This is why religious people can take a unique role among caregivers and it is of importance to reconsider the role of the religious professionals as social capital.
著者
森田 栄伸 高橋 仁 金子 栄 千貫 祐子 東儀 君子 髙垣 謙二 辻野 佳雄 三原 祐子 石飛 朋子 福代 新治 山田 義貴
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.607-615, 2014-12-01 (Released:2015-04-16)
参考文献数
11

島根県下 5 医療施設を受診した慢性蕁麻疹患者のうち,フェキソフェナジン塩酸塩の通常量 (120 mg/day) の服用にて効果不十分であった 24 例の患者を対象に,フェキソフェナジン塩酸塩の増量 (240 mg/day) 群 (フェキソフェナジン増量群:12 例) あるいはオロパタジン塩酸塩の通常量 (10 mg/day) への変更群 (オロパタジン変更群:12 例) の 2 群に無作為に割付,その後 4 週間の臨床症状を蕁麻疹重症度スコア,蕁麻疹活動性スコア,改変した蕁麻疹活動性スコア (modified Urticaria Activity Score : mUAS) により解析した。蕁麻疹重症度スコアは,フェキソフェナジン増量群では最終評価時に有意なスコア低下を認め,オロパタジン変更群では割付 4 週後および最終評価時に有意な低下を認めた。mUAS は,フェキソフェナジン増量群で 0∼1 週,2∼3 週,3∼4 週,最終評価時において有意な低下を認め,オロパタジン変更群で 1∼2 週においてのみ有意な低下を認めた。以上の結果からフェキソフェナジン通常量投与で効果不十分な慢性蕁麻疹に対してフェキソフェナジン倍量の増量投与は症状の改善に有効であり,さらにオロパタジン通常量への変更も効果はやや劣るものの有効であると結論した。フェキソフェナジンの倍量投与に要する費用の観点からは,抗ヒスタミン作用の高いオロパタジンへの変更も選択肢となり得ることが示唆される。(本論文は第 76巻4号〔2014年8月号〕p.p.372-380 に掲載されたものを一部訂正し,再掲載したものである。訂正箇所は下線にて表示している。)
著者
高橋 元男
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.63-72, 1973-03-30 (Released:2009-09-04)
参考文献数
4
著者
福島 あずさ 高橋 日出男
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.127-137, 2012-03-01 (Released:2017-02-21)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

ヒマラヤ南面のネパールにおいて,長期の日降水量データを用い,降水量と降水特性の季節変化およびその地域性を調べた.クラスター分析によって降水量季節変化の地域性に基づく地域分類を行った結果,西部ミッドヒル・テライ,西部山岳,東部ミッドヒル,東部テライの4地域に分類された.平均日降水量の季節変化の特徴として,4~5月のプレモンスーン季の降水量の増加が,東部地域を中心に顕著であった.また,西部山岳地方では年間を通じて日降水量が少ない.各地域における降水特性の季節変化の比較から,西部山岳地方を除き,夏季に月降水量,降水日数,降水強度の増大期が見られ,ピークは7月であった.また西部の全域と東部ミッドヒル地方の一部では,冬季の降水量,降水日数,降水強度が大きい傾向にある.さらに東部テライ地方は,9月を除く4~11月の降雨強度が他地域と比べて最も大きく,11~3月は最も小さいことから,降水量の季節変化が最も大きい地域といえる.
著者
瀬戸 芳一 高橋 日出男
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.529-552, 2011-11-01 (Released:2016-09-29)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

一般には,地上風の収束域では上昇流,発散域では下降流の存在が大気下層で期待される.本研究では,関東平野の夏季日中における局地風構造の把握を目的として,海風日の地上観測風から発散量分布を求め,顕著に認められた収束域と発散域との出現位置や時間的関係について検討した.その際に,風速の観測高度が観測点ごとに異なるため,周囲の土地利用状況をもとに各観測点における地表面粗度を推定し,対数則に基づいて統一高度における風速を求めた.午前中には,水平規模が10~30km程度の典型的な局地循環として,東京湾付近に海風循環,関東北部には谷風循環がそれぞれ独立して存在することが示された.午後になると,谷風循環に伴う群馬・埼玉県境付近の発散域は弱まって,関東北部の谷風循環は不明瞭となり,広域海風の発達に対応した循環構造の変化を観測風の解析からもとらえることができた.
著者
澤田 康徳 高橋 日出男
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.80, no.2, pp.70-86, 2007-02-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
23
被引用文献数
7 5 3

本研究では, 夏季の東京都心部における対流性降水の降水強度と, 関東地方スケールの気温場および地上風系場・気圧場との関係を考察した. 関東平野全域に北東や南よりの風が卓越する場合には降水強度が小さく, 従来指摘されているように, 鹿島灘からの東よりの風と相模湾からの南よりの風の両者が内陸に進入する場合に降水強度の大きい事例が多い. 都心部に顕著な収束域が形成される後者においても, 都心部に対する相対的な低温域は, 海よりの風の進入によって気温上昇が抑制される沿岸域にほぼ限定される. 海よりの東風は, 都心部と沿岸域との気温差の増大に先行して出現しており, 各タイプの風系は, むしろ中部山岳域を含む関東地方スケールの気圧傾度に対応して現れている. 海よりの風の進入や強い雨の発現には, 都心部を含む内陸の高温域が誘因として作用するよりも, 中部山岳域の局地低気圧に関連した関東地方スケールの気圧場の条件が重要と考えられる.
著者
高橋 昭子 小口 高 杉盛 啓明
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.76, no.11, pp.800-818, 2003-10-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
43
被引用文献数
8 6

多摩丘陵と隣接する低山を対象に解像度10mのDEMを作成し,DEMの解像度とDEMから計算される地形量との関係を調べた.DEMの解像度が低下すると算出される傾斜が減少し,縦断曲率はゼロに収束する.傾斜の減少量は既存の事例よりも概して大きく,複雑な地形を持つ日本の丘陵地や低山の地形解析には高解像度のDEMが必要なことを示している.次に,50-m DEMの補間によって得られた10-m DEMの地形表現力を検討した.補間の誤差が最小であった手法は,薄板スプライン関数を用いた動径基底関数法,最小曲率法,平滑化を行わない修正シェパード法であり,クリギング法も実際のバリオグラムに対応した関数を用いた場合には有効であった.補間によって解像度を高めたDEMでは傾斜の表現力が向上しているが,縦断曲率の表現は不十分である.調査地域の一部では,過去数十年間に大規模な人工地形改変が行われたが,上記した補間の誤差に関する検討結果は,地形改変の程度には基本的に依存しない.
著者
高橋 和則
出版者
日本イギリス哲学会
雑誌
イギリス哲学研究 (ISSN:03877450)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.37-52, 2012-03-20 (Released:2018-03-30)
参考文献数
26

Edmund Burke seems to be a thinker who was one of critics to the modern social contract theory. But he had the idea of social contract. I think he did not deny the theory of social contract itself. This paper aims to reconstruct his theory from some writings and speeches. To do it, it is necessary to articulate the relation of civil society and civilized society in his thought, and to make clear how he understood the natural state. It seems to me that these arguments show the natures and conditions of modern government in his thought.
著者
高橋 沙奈美 Sanami Takahashi
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国立民族学博物館研究報告 (ISSN:0385180X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.235-251, 2015

マダム・ブラヴァツキーは幼少のうちから,ひとところに長く落ち着いて生活することのない「遊牧民的」生活を余儀なくされた。様々な民族と宗教が混在するロシア帝国の南方を転々と放浪する生活をしたこと,特にアストラハンで遊牧民のカルムィク人とそのチベット仏教に出会っていたことは,彼女のその後の人生に少なくない影響を及ぼしたと考えられている。母エレーナは,この放浪生活に耐えがたい疲弊を感じていたが,その一方で,西欧文明とは異なる生活の中にインスピレーションを見出し,「異郷」を舞台とした一連の小説を発表した。時に,1820–1830 年代のロシア文壇を風靡したロマン主義は,「カフカスもの」と称されるロシア南方を舞台とした小説を輩出していた。エレーナ・ガンの創作も,この潮流に棹差すものだったのであり,1838 年に彼女が発表した,カルムィクを舞台とする小説「ウトバーラ」もまた,ロシアのオリエンタリズムが生み出した作品の一つといえる。本稿はガンを育んだ人々や環境,彼女が抱き続けた理想や,彼女が生きた時代の歴史的・文化的背景を踏まえながら,ガンが見たカルムィクと仏教世界を小説「ウトバーラ」の中から読み解く試みである。Madame Blavatsky had no choice but to move from one place to anotherfrom the time she was in the cradle. Her family nomadically moved aroundthe southern part of the Russian Empire. Her encounter with the Kalmykpeople in Astrakhan affected her for the rest of her life to some extent. Hermother, Elena Gan, was also inspired by differences with the life in her"Europe," when exhausted from her non-cultural—sometimes even barbaric—nomadic life.She wrote several novels set in a strange land. Meanwhile, "Caucasiannovels," concerning the Southern Russian lands and peoples, played an importantrole in the history of the Russian romantic literature in the 1820's and1830's. Gan followed the mainstream. In 1838, she published "Utballa," set inKalmykia, which should be considered as one of the fruits of Russian orientalism.In this essay, I discuss the representations of the Kalmyk and their Buddhismin the novel, taking into account the author's background, her ideals,and the historical and cultural circumstances of her time.
著者
野坂 裕一 鈴木 光次 山下 洋平 齋藤 宏明 高橋 一生
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.273-273, 2011

2010年4月および6月の親潮域において,植物プランクトンの群集組成と光合成特性と共に,透明細胞外重合体粒子(TEP)分布の特徴を調査した.4月は珪藻ブルームが発生し,表層(5m深)における植物プランクトンの光合成活性が相対的に高かったのに対し,6月は珪藻ブルームが終焉し,光合成活性も低かった.4月における表層のTEP濃度は,6月と比較して,2-3倍高かった.観測期間中,表層のTEP濃度とSi(OH)4/NO3比の間に高い相関(r = 0.94, p < 0.01, n = 6)がみられたことから,珪藻類の栄養塩取り込み活性がTEP生産を支配していたことが示唆された.
著者
川村 卓 島田 一志 高橋 佳三 森本 吉謙 小池 関也 阿江 通良
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
pp.0812080087, (Released:2008-12-10)
参考文献数
20
被引用文献数
25 4

The purpose of this study was to analyze three-dimensionally two groups of baseball strikers, i.e. high and low swing speed groups, and to compare the kinematics of their upper limb motion. Sixteen skilled male strikers were videotaped with two synchronized high-speed video cameras operating at 200 Hz. One trial in which the maximum bat head speed was achieved was selected for each subject and digitized to obtain three-dimensional coordinates of the segment end-points and the bat using a DLT technique. Subjects were divided into High (n=8) and Low (n=8) groups according to the bat head speed. The angles compared between the two groups were abduction-adduction, horizontal abduction-adduction, flexion-extension and internal-external rotation for both shoulders, flexion-extension for both elbows, supination-pronation for both forearms, radius-ulnar flexion, and dorsi-palmar flexion for both hands. The sequential data were normalized with the time from the point when the speed of the grip was over 3 m/s to the ball impact, and then averaged.