著者
五十里 彰 古田 巧 遠藤 智史
出版者
岐阜薬科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

低マグネシウム(Mg)血症は薬物療法において重大な障害になるが、その発症機序は大部分が不明であり、有効な治療法は全く開発されていない。Mg輸送体の分子実体が未解明であったことが、Mg代謝疾患と創薬研究の遅延を招いたと考えられる。申請者は低Mg血症におけるMgチャネルの発現異常機構を検討し、薬剤性および遺伝性低Mg血症の発症機序を分子レベルで解明した。さらに、低Mg血症の治療につながる化合物の同定に成功した。本研究により、低Mg血症の回避に向けた薬剤の開発基盤が構築された。
著者
木戸 博 高橋 悦久 澤淵 貴子 IL Indalao
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

インフルエンザ感染重症化は、「インフルエンザ─サイトカイン─プロテアーゼ」サイクルと「サイトカイン─代謝不全」サイクルが共に回転した時に生じる。両サイクルの共通因子のサイトカインの中で、IL-1βが中心的役割を演じ、ミトコンドリアのエネルギー代謝を抑制して細胞機能障害と生体防御機能の低下を引き起こす。これまでの研究から、糖代謝障害修復にPDK4阻害剤が、脂質代謝修復にBezafibrateが有効であることを明らかにした。抗体産生能の低下には、イムノモデュレータ機能を有するマクロライドとR-1乳酸菌が有効であることを見出した。これら薬剤はインフルエンザ感染重症化の治療に有効であった。
著者
春田 直紀 佐藤 雄基 薗部 寿樹 小川 弘和 榎原 雅治 呉座 勇一 湯浅 治久 高橋 一樹
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

令和2年度は、以下の研究活動で成果をあげた。(1)10月3日にオンラインで研究会「中世肥後の文字史料と地下社会」を主催した(熊本中世史研究会と共催)。この研究会では、池松直樹氏と兒玉良平氏が「「肥後国中世地下文書・銘文史料」概観」、春田直紀氏が「大百姓の文書と水利開発―舛田文書と現地の調査成果から―」、廣田浩治氏が「地下文書論からみた中世の肥後~肥後国中部を中心に~」という題目で研究報告し、総合討論も行った。この研究会に先立ち、池松直樹氏・杉谷理沙氏・兒玉良平氏により、肥後国中世地下文書・銘文史料目録が作成された。 (2)2月20日にオンラインで第11回中世地下文書研究会(諏訪ミニシンポジウム)を主催した。この研究会では、岩永紘和氏が「「大祝家文書・矢島家文書」原本調査報告」、金澤木綿氏が「「守矢家文書」原本調査報告」、佐藤雄基氏が「「守矢家文書」における鎌倉時代の文書」、湯浅治久氏が「戦国期の諏訪社造営と「先例」管理―地域権力と地下文書の接点―」という題目で研究報告し、村石正行氏のコメントの後全体討論も行った。(3)畿内・近国班が連携している神奈川大学国際常民文化研究機構の奨励研究のフォーラム「中世熊野の海・武士・城館」が1月23日にオンラインで開催され、本科研グループからは坂本亮太氏が「紀州小山家文書の魅力と可能性」と題して報告し、村上絢一氏がコメント報告を行った。なお、この奨励研究の成果報告書として、3月に『熊野水軍小山家文書の総合的研究』が神奈川大学より刊行された。(4)3月27日にオンラインで中世の荘園制と村落に関する研究会を主催し、朝比奈新氏と似鳥雄一氏が報告して、討論も行った。(5)研究協力者(熊本大学教育学部日本史研究室所属)の協力を得て、日本中世の「浦」関係史料に関するデータベース(全国版)を作成した。
著者
大沼 保昭 斎藤 民徒 川副 令 豊田 哲也 伊藤 一頼 申 惠〓 王 志安 伊藤 剛
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本共同研究は、多極化・多文明化へと向かう今日の国際社会の現実が、欧米中心の現行国際法秩序の再考を迫っているという問題意識の下、21世紀の国際社会の現実に即した国際法秩序のあり方を模索し、研究の公刊を通じてその理解を広めることを目指すものであった。その際特に、世界人口の過半数を占め、歴史的に豊かな文明を生み出しながらも、国際法秩序の形成にその地位に見合った役割を果たすことなく、欧米中心の国際法秩序の消極的受容者と見なされてきたアジアの存在に着目し、21世紀の国際法秩序におけるアジアの位置、その貢献可能性を明らかにした。
著者
近藤 良享
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究ではRTP選手ではなくドーピング検査対象になっていない学生/選手(非RTPA)を対象にドーピング問題を検討した。結果として、検査方法などに抜け道があればドーピングに手を染める選手の現状は防止教育の難しさを物語っていた。問題解決に厳罰主義か、緩和主義かがある中、日本の「世間」という個人と社会の媒介を利用した、教育的スポーツを連帯責任システムによって堅持する方法論は検討に値する。伝統や美徳を大切にする共同体主義的傾向が強い日本社会では、教育的スポーツをベースにして、正しいスポーツ教育、スポーツのインティグリティ教育、ドーピング防止教育を推進することが必要と考えられる。
著者
河盛 隆造 筧 佐織 田村 好史
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

骨格筋細胞内は肥満状態になっているのにも関わらずインスリン感受性が高い、いわゆる「アスリートパラドックス」の全容を解明し、メタボリックシンドローム予防の一助とするため検討を行ったところ、PGC1Aプロモーター領域のメチル化率に差が見られ、血中、骨格筋中の脂質組成が運動強度によって異なる組成となったことより、アスリートパラドクスの一因としてエピジェネティクスによる遺伝子制御の影響が存在する可能性が示唆され、メタボリックシンドローム予防のためには特に運動強度の設定が重要になることが示唆された。
著者
宝達 勉 高野 友美
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

猫伝染性腹膜炎(FIP)はネコ科動物の致死性ウイルス感染症である。臨床応用が可能な治療薬およびワクチンは未だ存在しない。我々は、FIPの治療薬およびワクチンの開発を試みた。我々は、FIPVの構造蛋白質に由来するペプチドの中からTh1活性を強く誘導するものを選抜した。これらのうちN蛋白質に由来するペプチドを接種した猫にFIPVを攻撃したところ、FIP発症が抑制される傾向を示した。我々は猫TNF-αを中和する抗体(MAb2-4)を作製した。MAb2-4を投与した3頭のFIP発症猫のうち2頭において症状が改善された。これらの結果は、FIPに対する治療薬およびワクチンの開発に有用となり得る。
著者
佐賀 朝 塚田 孝 吉田 伸之 人見 佐知子 神田 由築 小野沢 あかね 松井 洋子 吉田 ゆり子 金 富子 浅野 秀剛 伊藤 毅 米谷 博 杉森 哲也 初田 香成 松田 法子 松本 良太 本康 宏史 横山 百合子
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本課題では、日本近世~近代における「遊廓社会」の形成・普及の歴史について、三都と中核とする列島各地や植民地の事例も視野に入れて、比較類型史論・都市社会=空間構造論の方法を用いて共同研究を実施した。その最大の成果は、『シリーズ遊廓社会』全2巻(吉川弘文館)であり、本課題の代表者・分担者・連携者・協力者21名による論稿を掲載することができた。列島各地で個別の現地調査や、調査と一体の研究会を開催し、遊廓研究のネットワーク化を図るとともに、府県別の遊廓・遊所の沿革と史料情報を内容とするデータベースWEBサイトを構築し、今後の遊廓・遊所研究の発展につながる基盤を構築した点も特筆すべき成果である。
著者
大賀 哲 佐古田 彰 大井 由紀 中藤 哲也 上田 純子 松井 仁 清野 聡子 内田 交謹
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-07-19

研究期間の2年目にあたる今年度は、所定の役割分担に基づいて研究代表者・分担者・連携研究者間で相互調整および個別の研究を進めた。全体を制度分析・人権規範・経営規範・環境規範・データ分析の5グループに分け、大賀が制度分析、松井・大井・吾郷が人権規範、内田・上田が経営規範、佐古田・清野・渡邉が環境規範、中藤がデータ分析を担当した。研究メンバー間での勉強会を5回(6月・9月・12月・2月・3月)、外部の研究者を招聘しての公開研究会を2回(10月・2月)行った。勉強会では大賀・内田・佐古田・渡邉・松井・上田・中藤がそれぞれ研究報告を行った。公開研究会では石井梨紗子准教授(神奈川大学)、畠田公明教授(福岡大学)を招聘し、また連携研究者の吾郷も研究報告を行った。勉強会、公開研究会では、研究分担者・連携研究者とともに報告内容を討議した。「企業の社会的責任」・国連グローバル・コンパクトの研究動向への理解を深める上で非常に有意義な機会となった。来年度以降は個別の研究を進めるとともに、研究成果の発信と各グループの研究成果の比較を行っていく予定である。
著者
米田 剛 後藤 晋
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

乱流の数理的理解を飛躍させるために、乱流モデルを一切使わずに、非圧縮Navier-Stokes方程式そのものを使った大規模数値計算、及びその数値計算結果に対する純粋数学的洞察を進める。さらに、乱流実験も進め、そのNavier-Stokes乱流の数理的洞察そのものの妥当性を検証する。より具体的には、①3次元Navier-Stokes乱流のエネルギーカスケードのメカニズム解明②流体運動が乱流であるための重要な指標であるzeroth-lawの数理的理解③乱流実験データに基づく、①および②の数理的洞察の妥当性の検証、を進める。
著者
吉田 邦彦 遠藤 乾 辻 康夫 丸山 博 ゲーマン・ジェフリー ジョセフ 井上 勝生 上村 英明
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-07-19

第1に補償問題に関する研究はかなり進捗した。そのうちの1つめとして主力を注いだのは、先住民族研究の中のアイヌ民族に関するもので、2016年4月発足の市民会議(代表者は、分担者丸山)を本年度も鋭意続行し(2017年3月、6月、10月)、その報告書も公表した。関連して、海外の研究者との関連も密にし、コロラド大学でのアメリカ原住民研究者との意見交換(2017年5月)、アラスカ大学でのアラスカ原住民研究会議報告及び意見交換(2017年4月)(ニューメキシコ大学には前年度訪問(2017円1月))、北欧での北極圏会議の参加,ウメオ大学での北大交流会では、特にサーミ民族との比較研究に留意して意見交換をし、講演も行った(2017年6月、2018年2月)(オーストラリアのアボリジニー問題の比較研究は、前年度末(2017年3月)にオーストラリア国立大学で講義)。近時のホットな問題である遺骨返還について、ベルリン自由大学のシーア教授とも意見交換した(2017年7月)。補償問題の2つめは、済州島の悲劇に即して,ノースキャロライナ大学でのシンポを主催し、アメリカの補償責任との関係で、連邦議員とも意見交換した(2017年5月)。済州大学との提携での学生も交えたシンポも例年通り行っている(2017年8月)。さらにこの関連では、奴隷制に関わる補償論調査のためにアラバマ大学を初訪問し(2017年10月)、さらにチュレーン大学での補償問題のシンポで報告した(2018年3月)。第2に、移民問題との関係では、北大のサマーインスティチュートの一環で、UCLAのモトムラ教授、マイアミ大学のエイブラハム教授、トルコの中近東大学のカレ教授を北大に招聘してのシンポ及び講義・討論を実施した。さらにこの問題群を深めるのは、今後の課題である。関連して、メキシコ国境の環境問題についても調査する機会も得た(2018年1月)。
著者
小峯 敦 藤田 菜々子 牧野 邦昭 古家 弘幸 橋本 努 原田 太津男 堂目 卓生
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は、3つの時代と2つの国(および全世界)という特徴的な時期・国に焦点を当て、「戦争・平和と経済学」の複雑な関係を歴史的・思想的に精査することで、「経済学は戦争を回避し平和を構築することに貢献できるのか」という根源的な問いに回答する。初年度に続き、二年目はこの共同研究を軌道に乗せ、特に、(a))学術雑誌(英語)の「戦争と平和の経済思想」シリーズを特集させること、(b)近隣の社会科学者や政策担当者に開かれた形で、日本語による専門書・啓蒙書を編纂すること、という二点を推進した。その具体例として、(a)学術雑誌History of Economic Thoughtにおいて、War and Economicsというシリーズを2017年度中に3回連載し、研究分担者・連携研究者による3本の英語論文を掲載した。また、(b)いくつかの出版社と交渉し、『戦争と平和の経済思想』(晃洋書房、2018年度後期に出版予定)として出版するべく、11人による原稿を集め、草稿を検討する研究会も行った。2017年度における最大の実績は、Fabio Masini (the University of Roma Tre, Italy) とMaria Paganelli (Trinity University, USA)という研究者を招き、2日間に渡り、広島修道大学で国際会議を開催したことである(2017.9.4-5)。平和記念館の資料にもアクセスできたことは大きな収穫であった。二番目の実績は、経済学史学会・全国大会で、スミス研究の世界的権威Nicholoas Phillipsonの招待講演を実現したことである。特に、現実主義的な側面をスコットランド啓蒙研究の立場から、一般会員にも平易に講演された。
著者
田中 眞奈子 原田 一敏 星野 真人
出版者
昭和女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、研究代表者らがこれまで確立してきた放射光X線を用いた鉄鋼文化財の非破壊分析技術を日本刀の作刀技法の解明のために応用し、刀剣の専門家や博物館、放射光分析の専門家他と学際的な研究グループを組織し、作者や流派、時代に焦点を絞り5年間で120振を超える価値ある日本刀を体系的に分析することで最終的に日本刀の黄金時代と言われる鎌倉中期の作刀技術を解明する。
著者
大谷 由香 師 茂樹 小野嶋 祥雄 河上 麻由子 榎本 渉 吉田 慈順 野呂 靖 村上 明也 西谷 功
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

「唐決」とよばれる日中間を往来した仏教の教義に関する書簡を中心とし、国や地域、文化を越えた仏教教義の問答内容と歴史的背景の分析を通じて、「仏教東漸」とは異なる東アジア仏教の相互交流の実態を明らかにする。本研究では、地域・時代・分野を別とする仏教学者と、対外交流史を専門とする歴史学者が共同研究を行う。これによって学術分野を超えた東アジア仏教史全体を俯瞰するための新たな視点の獲得を目指す。
著者
鈴井 伸郎 井倉 将人 渡部 浩司 坂下 哲哉 尹 永根 吉原 利一
出版者
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

これまでの放射性セシウムの動態研究に欠けていた「個体レベル」の動態解析を、新規に開発したポジトロン放出核種Cs-127(半減期:6.25時間)を用いた非破壊イメージングにより実現する。具体的には、生きた作物(ダイズ)と樹木(リンゴやスギ等)におけるセシウム動態を非破壊的に可視化し、子実へのセシウム輸送メカニズムの解明と樹体内のセシウム動態モデルの構築を行う。さらに、Cs-127を生きた動物(ラット)に経口投与し、ポジトロン断層法(PET)を用いてセシウムの3次元動態を非破壊的にリアルタイムで可視化し、各臓器への移行速度を算出することで、放射性セシウムによる内部被ばく線量の正確な評価に資する。
著者
井奈波 良一 鷲野 嘉映 高田 晴子 岩田 弘敏 森岡 郁晴 宮下 和久
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

埋蔵文化財発掘調査機関における労働安全衛生管理の実態と発掘作業の労働負担を明らかに、その対策を検討することを目的に、本研究を行った。都道府県教育委員会関連の発掘調査機関においては、「救急蘇生の講習会を開催している」および「定期健康診断を実施している」機関は25%以下であった。労働災害発生件数に関連する要因として、「独自に雇用している発掘作業員数が多いこと」および「安全衛生に関する規定がないこと」が抽出された。夏期に発掘現場の作業環境測定を行った結果、WBGT(湿球黒球温度指標)は中等度の労働強度における許容基準を超えている時間帯があった。鼓膜温は、発掘作業中上昇し、休憩によって下降するパターンを示した。体温の最大値は、午後の第1回目の休憩前に記録された。冬期に作業者の血圧等を経時的に測定した結果、収縮期血圧の最大値は発掘作業開始時点に記録された。これは主として発掘現場における寒冷曝露の結果と考えられる。ダブルプロダクトは、発掘作業中上昇し、休憩時に低下するパターンを示した。冬期における作業者に自覚症状を調査した結果、発掘作業中に防寒靴を使用する者の自覚症状の有症率は、使用しない者よりいくつかの項目について有意に低率であった。しかし、「足の冷え」については両者の間で有意差がなかった。これらの結果から、冬期の発掘作業を快適に行うための方策のひとつとして防寒靴の使用が勧められる。寒冷紗の効果をみるため模擬発掘現場で炎天下と寒冷紗のWBGTを測定した結果、寒冷紗下では乾球温度、湿球温度、黒球温度が低く、その結果、寒冷紗下のWBGTは炎天下より低くなっていた。したがって、夏期の発掘現場における寒冷紗の使用は、夏期の埋蔵文化財発掘作業を快適に行うための方策のひとつとして効果があることがわかった。しかし、寒冷紗下の風通しを悪くすると効果が低下することも明らかになった。
著者
藤木 卓 森田 裕介 寺嶋 浩介 柳生 大輔 竹田 仰 相原 玲二 近堂 徹
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では,原爆への科学技術的認識を育てることを意図したVR(Virtual Reality)技術を活用した学習環境を構築し,それを用いた遠隔授業実践を行うことを目的として研究を行った。その結果,携帯端末との連携を図るVR学習環境及び,それを遠隔地から操作するとともにテレビ会議映像の立体視伝送を行う環境を開発することができた。そして,これらの環境を用いた授業実践を行い効果を確認するとともに,今後の課題を把握することができた。
著者
田中 誠二 安居 拓恵 辻井 直 西出 雄大
出版者
独立行政法人農業生物資源研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

サバクトビバッタは混み合いに反応して、行動や形態、体色などを著しく変化する相変異を示す。ふだんは個体数が少なく、単独生活を好む習性があり、孤独相とよばれている。大発生すると群生相化して、体色は黒化し、集団で行進したり群飛して作物を食い荒らす群生相になる。本研究は、群生相化の刺激要因を特定し、相変異のメカニズムの解明を目指すのが目的である。孤独相幼虫の体色は緑などの薄い色だが、混み合いを経験すると黒くなる。この刺激として、視覚が重要な役割を果たしており、ビデオでバッタの集団を見せると、黒化することが分かった。