著者
溝上 智惠子 清水 一彦 歳森 敦 池内 淳 石井 啓豊 逸村 裕 植松 貞夫 宇陀 則彦 永田 治樹 長谷川 秀彦 石井 夏生利 呑海 沙織 孫 誌衒 松林 麻実子 原 淳之 井上 拓 佐藤 翔
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、大学教育の実質化を進展させるための学習支援サービスの1つとして、大学生の主体的学習を促進させる実空間「ラーニング・コモンズ」 (Learning Commons)に着目し、その現状と課題を明らかにした。1990 年代に、北米地域から導入・整備が始まったラーニング・コモンズは、現在各国の高等教育改革や大学図書館の状況を反映して、多様な形態で展開しつつあること、学習成果の視点からの評価はいずれの国でもまだ不十分な段階にあることが明らかになった。
著者
松橋 通生
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

生物細胞が音波信号を発して同種又は異種の細胞がこれに応答すること、また多くの天然物質が赤外線等の電磁波の断続波を受けて音波を発すると、そのある周波数の音波が細胞によって受信され、細胞の増殖を促進又は抑制するように働くことを明らかにした。このような現象ははじめ細菌細胞で見出されたが、高等動植物にも存在することが分かった。本研究は以下の数項目の現象究明よりなる。1.枯草菌菌体からの音波シグナルの検出。光音響スペクトロメトリに用いるカプラーと超高感度マイクロフォン-アンプ系を転用して約50mgの枯草菌湿菌体より発する音波を捕らえ、フーリエ解析によってそのスペクトルを検出したところ、9kHzを基音とする倍音を頂点に、ややなだらかな数個のピークと、他に共鳴と思われる少数個のシャープなピークを得た。2.枯草菌と近縁のBacillus carboniphilusを音波信号の受信者とし、関数発生機に接続したスピーカより種々の周波数の単一・連続な音波・超音波を与えた時、同様に9kHzを基音とする倍音を中心にした周波数帯の音波・超音波が最もよく同菌の増殖を促進した。3.大腸菌を受信者としたときは数百ヘルツ以下の低周波帯の音波が同菌の増殖を抑制した。4.生きている細胞ばかりでなく木材、コルクや土、砂、鉱物、一部の金属等が赤外線等の断続波を受けてこれを音波に変え、B.carboniphilusやその他の類縁の細菌の増殖を促進する事を見出した。5.枯草菌、大腸菌、B.carboniphilusより音波応答に関する変異株を分離して解析した。6.めだかの受精卵の孵化を細菌、酵母、グラファイト、スピーカからの音波が抑制又は促進する事を見出し、この音波に感受性の一定の時期のあることを明らかにした。
著者
橋本 昌司 松浦 俊也 仁科 一哉 大橋 伸太 金子 真司 小松 雅史
出版者
国立研究開発法人森林研究・整備機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は、森林内の放射性セシウム動態のデータベースを構築すること、またそのデータを用いてマルチモデル(複数モデル)による将来予測を行うことを目的としている。今年度は、昨年度構築したデータベースのプロトタイプを改良しながら、データ入力を行った。Web of ScienceやJ-Stageを活用しながら、英語・日本語の学術誌から論文を収集し、データを抽出してデータ入力を行った。加えて、林野庁の調査と福島県によるモニタリングデータも入手し、データ入力を行った。現時点でレコード数は約10000となった。データベースからスギの葉および表層リターに関してデータを抽出し、初期の総沈着量で正規化した濃度をサンプリング年でプロットし時間変化を調べたところ、葉・リターともに初期の総沈着量によらず時間とともに確実に指数関数的に濃度が低減していた。しかし、事故当時に比べて非常に小さい値に収束している葉の濃度に比べ、リターの濃度は4分の1程度のところで定常しているように見受けられた。データベース構築の進捗状況を、国際原子力機関IAEAのMODAIRAIIプロジェクトの第2回専門家会合(ウィーンのIAEA本部で開催)、およびそのワーキンググループ4: Fukushima data groupの中間会合(筑波大学で開催)で報告し、海外の専門家のアドバイスを受けた。また、データベースに収録されている森林総合研究所のモニタリングデータと福島県のモニタリングデータを比較した。さらに国立環境研究所において開発されたFoRothCsモデルのパラメータを、森林総合研究所が行っているモニタリングデータを用いて決定する方法に関して、観測値を直に用いるのではなく、データに指数関数を適用し指数関数の定数を比較する方法を検討した。
著者
菅 豊 北條 勝貴 宮内 泰介 川田 牧人 加藤 幸治 西村 明 中澤 克昭 市川 秀之 俵木 悟
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本年度、研究メンバーは、まず個々のフィールドで生起しているパブリック・ヒストリーをめぐる歴史実践の展開と深化に不可欠な重要課題を、フィールドワーク・文献調査等により精査するとともに、理論研究を行った。加えて、各メンバーの個別研究を統合し、成果を発表するために研究会を3回開催した。その研究会はパブリック・ヒストリー研究会というかたちで基本的に公開とし、現代民俗学会等の学術団体と共催することにより社会への研究成果の還元に努めた。また、本研究を世界的な研究水準とすり合わせるために、国内学会のみならず海外学術集会等で発表、意見交換を行った。主たる研究実績は下記の通り。○2017.4.6:北京聯合大学北京学研究基地・One Asia Foundation主催『北京学講堂:亜州文化共同体與首都比較』において「東亜文化共同体中的非物質文化遺産相関問題」と題して講演、○5.11~13:台湾文化部文化資産局主催国際シンポジウム『2017 亜太無形文化資産論壇-前瞻教育與当代実践』において「無形文化資産保存維護與公共民俗学:「共学」立場與方法之必要性」と題して講演、○5.20:現代民俗学会2017年度年次大会でシンポジウム「「民俗学」×「はたらく」-職業生活と〈民俗学〉的知」を共催、○7.7~10:第4回研究会「神代在住Oターン郷土誌家をめざして」、○10.15:第69回日本民俗学会年会で第5回研究会「パブリック・ヒストリー―歴史実践の民俗学―」パネル発表、○12.16~17:第6回研究会「『十三浜小指 八重子の日記』について語りあう」※研究会回数は前年度からの通算
著者
太田 修 宮本 正明 板垣 竜太 福岡 正章
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

(1)日韓会談文書検索システムの構築2016年度に引き続き、「日韓会談文書全面公開を求める会」(以下、「求める会」)HP上で公開されている日韓会談文書の書誌情報のデータベース化(文書の表題、作成年月日、キーワードなど)を行った。日韓会談文書1916ファイルのうち文書番号601から文書番号1500までの作業を進めた。また、研究代表者と「求める会」メンバーとの打ち合わせ会議を持ち(2017年11月24日、大阪経済法科大学東京麻布セミナーハウス)、データベース作業済ファイルの点検作業、および分担者の調整、検索システムの立ち上げと公開の方法と時期について協議した。検索システムについては、2016年3月に「求める会」HP上に「テスト用検索システム」を構築した状態となっている。データベース化作業が完了した後に検索システムを公開する予定である。(2)戦後日韓関係史研究の深化2017年度は、第5・6回研究会(2017年9月12日、民族問題研究所、ソウル)および第7・8回研究会(2018年3月13日、民族問題研究所、ソウル)をもち、本研究の趣旨・内容、研究範囲、研究方法・研究体制、研究計画などについて再確認し、各分担研究者および研究協力者が研究報告を行った。第5・6回研究会では、宋炳巻(研究協力者)が「崔虎鎮の国経済史研究と東洋社会論」、沈載謙が「国交正常化以前の韓日経済協力論の3つの脈絡と合意」というテーマで報告した。また、第7・8回研究会では、板垣竜太(研究分担者)が「映画「朝鮮の子」(1955年)の製作過程をめぐって」、金丞銀(研究協力者)が「植民地歴史博物館の基本概念と展示の構成」というテーマで報告した。その後、各自の研究の進捗状況を確認し、文献調査の結果について情報を共有し、次回研究会の予定を立てた。
著者
宮川 卓 徳永 勝士 豊田 裕美
出版者
公益財団法人東京都医学総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

ナルコレプシーを対象としたゲノムワイドメチル化解析を実施した。さらにそのデータとナルコレプシーのゲノムワイド関連解析を統合した解析を行い、ナルコレプシーの新規感受性遺伝子としてCCR3遺伝子を同定した。平成29年度から特発性過眠症の研究も開始した。特発性過眠症は長時間にわたる睡眠エピソードが出現し、日中に強い眠気を感じ、総睡眠時間が11時間以上となる特に重症な中枢性過眠症である。その病態及び原因が解明されていないため、治療法が確立しておらず、対症療法に用いられる薬剤は副作用が多いことが問題となっている。そこで、特発性過眠症の遺伝要因を探索するために、ゲノムワイド関連解析を実施した。ゲノムワイド有意な一塩基多型(SNP)は同定されなかったが、疾患関連候補SNPを抽出した。平成28年度までの研究で、ナルコレプシーと真性過眠症を含む中枢性過眠症のゲノムワイド関連解析によりCRAT遺伝子の近傍のSNP(rs10988217)が真性過眠症とゲノムワイドレベルで有意な関連を示すことを見出している。発現解析及びメタボローム解析の結果を統合的に解析した結果、rs10988217遺伝子型は血中スクシニルカルニチン濃度ともゲノムワイドレベルで有意な関連を示すことがわかった。上記のようなSNPだけでなく、頻度の低い変異も睡眠障害に関わる可能性が高いと考えている。平成28年度までに、PER2遺伝子上に頻度が低く、アミノ酸置換を伴う疾患関連の候補変異(p.Val1205Met)を見出している。そこで、実際に睡眠障害と関連するか検討した結果、当該変異が睡眠相後退症候群及び特発性過眠症と有意な関連を示すことを見出した。
著者
上杉 彰紀 米田 文孝 長柄 毅一 清水 康二
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

平成29年度には、まず平成29年6月にバハレーン国立博物館において西暦紀元前後の時代の墳墓から出土した石製装身具のデータ化および分析を実施した。これはバハレーンを含むアラビア半島において出土する石製装身具が南アジア方面からもたらされたと考えられるためで、その可能性を実証的に検証し、南インドの社会が海洋交易にどのように関わっているか考察することを目的としたものである。調査の結果、西暦紀元前後の時代にバハレーン島の墳墓で出土する石製装身具は南アジア産である可能性が高いことが明らかとなった。今後、調査時に作成した玉の孔のシリコン型の顕微鏡観察を進め、南アジア産の可能性をより高い精度で検討する予定である。平成29年7月には、ケンブリッジ大学考古学・人類学博物館に所蔵される南インド巨石文化の墳墓から出土した石製装身具のデータ化を行った。石製装身具は、北インドと南インド、そして海洋交易を通じて西のアラビア半島や東の東南アジアとの関係を考える上で重要な資料である。南インド巨石文化の遺跡から出土する石製装身具は同時代の北インドの例との類似点が多く、北インドからの製品搬入のみならず技術移転によって南インドでも生産されるようになったと考えられる。それは南インド社会がより複雑化する過程を投影したものと評価できる。平成29年9・10月には、インド、ケーララ州およびマハーラーシュトラ州において巨石文化期の墳墓群の分布・測量調査を行った。広域に広がる墳墓群の悉皆的分布・測量調査はこれまでほとんど行われておらず、そうした調査は南インド巨石文化を研究する上での基礎資料となる。また、ハリヤーナー州に所在する青銅器時代・鉄器時代の遺物の記録化を実施し、南インドとの比較資料の蓄積を進めた。平成30年3月には同じくケーララ州およびマハーラーシュトラ州において分布・測量調査を実施した。
著者
坂東 昌子 和田 隆宏 真鍋 勇一郎 角山 雄一 中尾 麻伊香 尾上 洋介
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

社会調査G:アンケート項目を作成し、491人の放射線の研究者(10の学会、6のML)にアンケートを実施し、結果の分析を行った。その結果、交流人数が多い人は放射能汚染のリスクを低く評価していることが認められた。交絡因子によるものかどうかを精査することによって、これらの関係がより明確になるが、これはH30年度実施予定の項目を改善し、大規模で実施するアンケートで確かめていきたい。また、異分野交流の人数が多い人は放射線に関する知識量も多い傾向がみられた。参与観察G:環境科学研究所、ノースウエスタン大学に赴き、研究所(室)の概要についてのインタビューを実施した。また分野を横断する試みを行っている研究会(iCEM リトリート研究会等)に参加し、分野横断の試みについて調査した。歴史研究G:分野横断研究を行った研究者(和田昭允・永宮正治・安斎育郎))のインタビュー調査を行い、文章化し、推敲を行い、発表できる目処が立った。
著者
三谷 博 深町 英夫 後藤 はる美 酒井 啓子 塩出 浩之 池田 嘉郎 平 正人
出版者
公益財団法人東洋文庫
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

この研究は近代に起きた6つの革命を公論と暴力の関係に着目しつつ比較する。取り上げるのはイギリス・フランス・日本・中国・ロシア・中東の革命で、日本と外国の専門家が互いに緊密な議論を行い、最後は英文論文集を刊行する。革命では公論と暴力が同時に誕生するが、暴力が蔓延する条件を探るのが第1の問題である。また、革命の終わりには暴力が排除されるが、その後、公論が維持されて自由な体制が生まれるのか、公論まで排除されて専制体制が生ずるのか、その分岐要因の解明が第2の課題である。さらに、諸革命がどんな連鎖関係に立っていたのか、アジアなど後発革命の側から先行革命の利用の様子を明らかにする。
著者
西野 麻知子 大高 明史 池田 実 大和 茂之 川勝 正治 丹羽 信彰 遠山 裕子 WANG Hong-Zhu CUI Yong-De WANG Zhi-Young CHEN Rong-Bin CHEN Rung-Tsung WU Shi-Kuei PONCE Leonrodrigo VOLONTERIO Odile
出版者
滋賀県琵琶湖環境科学研究センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

日本に侵入したと推測されるカワリヌマエビ属を遺伝解析した結果、2つのクレードに分かれた。クレードIは日本在来亜種ミナミヌマエビと分布域が重なったが、クレードIIは日本と中国の両方にみられた。雄の外部形態からも、前者は在来、後者は外来種と判断された。日本の4地点では両クレードが混在し、外来種との交雑による遺伝子撹乱の可能性が示された。聞き取り結果と合わせると、日本のカワリヌマエビ属は中国の華中・華北地域、近年、兵庫県で発見された共生種ヒルミミズは華中地域から導入された可能性が高い。
著者
上田 修一 安形 輝 池内 淳 石田 栄美 野末 道子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

研究の目的は,分野を限定せず,日本語及び英語の学術論文への直接的なアクセスを保証し,公開された検索アルゴリズムを用いた学術論文に特化した検索エンジンの構築と評価である。ウェブクローリングを行うために機関リポジトリ収載ファイルを調査し,深層ウェブの存在などウェブ構造を明らかにした。また,日本語および英語で書かれた全分野の学術論文の構成要素と構成を調査し,その結果に基づいて,学術論文の自動判定を行うための判定ルールを構築した。次いでウェブから約300万件の日本語PDFファイルを収集し, Solrによる検索エンジンの構築を行った。既存の検索エンジンと比較評価を行った結果,構築した検索エンジン「アレセイア」は,論文へのアクセスの点で優れており,高い確率で学術論文を自動判定できることが明らかになった。
著者
中川 尚史 川本 芳 村山 美穂 中道 正之 半谷 吾郎 山田 一憲 松村 秀一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

ニホンザルは順位序列が明確な専制型と分類されてきた。しかし、野生群は乳母行動から、餌付け群は給餌実験時の攻撃性から評価した結果、勝山、小豆島は専制型、屋久島、淡路島は寛容型と個体群間変異があった。他方、モノアミン酸化酵素A遺伝子およびアンドロゲン受容体遺伝子の頻度に個体群間変異があり、屋久島では前者の短いアリル、淡路島では後者の長いアリルが高頻度で見られた。これはアカゲザルやヒトの攻撃性と遺伝子型の関連と一致する傾向であった。また、ミトコンドリアDNAによる分子系統関係も、屋久島と淡路島は比較的近縁であることを示し、社会様式の違いに遺伝的背景があることを示唆する結果となった。
著者
三成 美保 姫岡 とし子 小浜 正子 井野瀬 久美恵 久留島 典子 桜井 万里子 小川 眞里子 香川 檀 羽場 久美子 荻野 美穂 富永 智津子 桃木 至朗 成田 龍一
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の主な成果は、以下の3つである。①三成・姫岡・小浜編『歴史を読み替えるージェンダーから見た世界史』2014年と長野・久留島・長編『歴史を読み替えるージェンダーから見た日本史』2015年の刊行。②前者(『読み替える(世界史編)』)の合評会を兼ねた公開シンポジウムの開催(2014年7月)。③科研費共同研究会(比較ジェンダー史研究会)独自のウェブサイト(http://ch-gender.jp/wp/)の開設。このウェブサイトは、『読み替える』の情報を補足すること及びジェンダー史WEB事典として活用されることをめざしている。また、高校教科書の書き換え案も提示している。
著者
北原 恵 小勝 禮子 金 惠信 香川 檀 レベッカ ジェニスン 池田 忍
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本プロジェクトは、美術(史)で周縁化されてきた女性アーティストに焦点を絞り、海外・日本におけるジェンダーの視点からの美術史研究や、表象文化理論とアート実践の調査を行い、特にアジア太平洋戦争期の女性美術家の活動を実証的に跡付けることによって、戦争や暴力、ディアスポラに関わる表象・アートを明らかにした。
著者
加野 芳正 吉田 文 飯田 浩之 米澤 彰純 古賀 正義 堤 孝晃
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究課題は4つのパートからなっていて、それを研究代表者(加野芳正)と4人の研究者の共同研究として進めてきた。それらの作業は、(1)学会の歴史に関する資料の収集と整理、そして分析、(2)日本教育社会学会の先輩会員(教育社会学第2世代、第3世代)へのインタビュー調査、(3)教育社会学の学術的課題(学問的課題、現代的的課題)による日本語論文集=全2巻の刊行、(4)日本の教育社会学の学問的水準を広く世界に発信することを目的とした英語論文集の刊行、である。(1)については資料がほぼそろい、8月下旬までに報告書として刊行する予定である。(2)については、18人に対するインタビューを完了するとともに読み物風に整理して、『日本の教育社会学と18人の軌跡-オーラルヒストリーによる語り』東洋館出版社、2018年8月刊行予定である。原稿はほぼ出そろっている。(3)については『教育社会学のフロンティア1-学問としての展開と課題』(日本教育社会学会編、本田由紀、中村髙康責任編集、2017年10月)、『教育社会学のフロンティア2-変容する社会と教育のゆくえ』(日本教育社会学会編、稲垣恭子、内田良責任編集、2018年3月)として、いずれも岩波書店から刊行した。4)英語論文集については、Japan’s Education in the Global Age-Sociological Reflection and Future Direction-(Akiyoshi Yonezawaほか責任編集)として今年中には刊行される予定である。すでにすべての審査を終え、原稿を出版社であるSpringer に送付している。本研究は順調に進展しているが、図書の刊行に向けての調整が必要なため、研究期間を1年間延長することにした。また、研究成果は『教育社会学事典』(丸善、2018年1月刊行)にも活用されている。
著者
飯田 仁 岡本 雅史 大庭 真人 石本 祐一 阪田 真己子 細馬 宏通 榎本 美香
出版者
東京工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

計2回の漫才収録を通じ,漫才師および観客のデータを収集した.ツッコミ役が聞き手は,ツッコミ・同意のどちらを行うのかにより,ボケ役への顔を向ける潜時に違いがあることが分かった.また,モーションキャプチャによりツッコミを行う際に顔の向きとともに,近づくということが確認された.最後に,「身体ノリ」は観客の有無にかかわらず行われる一方で,観客のいる方が発生しやすく,また,同じネタでも観客の有無によってその表現は異なることがわかった.
著者
今中 哲二 川野 徳幸 竹峰 誠一郎 進藤 眞人 鈴木 真奈美 真下 俊樹 平林 今日子 高橋 博子 振津 かつみ 木村 真三 七沢 潔 玉山 ともよ
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

代表者の今中は以前よりチェルノブイリ原発事故の調査を行ってきた。福島原発事故の長期的問題を考えるため、広島・長崎原爆被害やセミパラチンスク核実験被害の調査を行っている川野徳幸、マーシャル諸島での核実験被害調査を行っている竹峰誠一郎らとともに、原子力開発がはじまって以来世界中で発生した様々な核災害の後始末について調査を行った。核災害は、放射線被曝や放射能汚染といった問題にとどまらず、社会的に幅広い被害をもたらしており、その多くは災害が起きてから50年以上たっても解決されないことが示された。得られた成果は2017年11月12日に東京で開催した報告会で発表し、12編の報告を含むレポートにまとめた。