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1910年代における日本の朝鮮植民地統治とキリスト教教育
著者
板垣 竜太
SHAPIRO MICHAEL
SHAPIRO Michael
マイケル シャピロ
出版者
同志社大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01
本年度の研究目的は、現在までの研究をシャピロ氏が書籍にまとめることにあった。その内容は、日本帝国とグローバル規模のキリスト教伝道事業を代表するキリスト教青年会(YMCA)との二重の枠組みのなかで、日本と朝鮮におけるキリスト教徒がどのような関係を結んだのかを解明しようとするものである。この目的に向けて、2冊の出版企画書をまとめた。一つは日本・朝鮮・中国のYMCA運動の起源と相互関連を取り上げ、それらが植民地朝鮮においてどう交差したのかを問うものである。これまでの研究では、この過程を単に<非キリスト教勢力 対 キリスト教勢力>の衝突として扱うことが主流であったが、この研究ではキリスト教青年会(YMCA)に焦点を当て、このグローバル規模のキリスト教伝道団体と日本帝国における天皇制という二つの異質的な制度が、いかに植民地朝鮮において妥協点を探りながら共存しようとしたのかという観点に基づき二者の関係の解釈を試みる。もう一つの企画書は、プロテスタント教徒で有名なジャーナリストだった徳冨蘇峰が朝鮮総督府の御用新聞であった『毎日申報』の監督として果たした役割を取り上げる書籍の出版企画書である。1910年代の毎日申報を取り上げている先行研究では、監督の徳富蘇峰の編集方針を度外視してきたが、この発見によって朝鮮における最初の近代小説家とされる李光洙(イ・グァンス)との意外な思想的関係が明らかになる、というのがこの本の主張である。これをもとに、現在、出版企画が進んでいる。
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冷戦期北朝鮮の文化史:人・情報の流動性に注目して
著者
板垣 竜太
太田 修
高 榮珍
水野 直樹
喜多 恵美子
谷川 竜一
森 類臣
呉 永鎬
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01
本研究は、冷戦期(1945年~1980年代)の北朝鮮において、国内外での人口や情報の流動性を背景として、いかに文化の諸領域が歴史的に形成され変化を遂げてきたのかを学際的に明らかにすることを目的とする。研究に際しては、社会の流動性、北朝鮮外の人口の相互影響、個人の能動性、文化の諸領域の相互関係(収斂)という4つの視点を一貫して導入する。その遂行のために学際的な研究体制を組織し、海外に散在する豊富な北朝鮮資料を共同で調査・分析するとともに、インタビュー調査も併用する。
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20世紀前半朝鮮半島北部の地域社会に関する社会史的研究
著者
板垣 竜太
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009
本研究を通じて、20世紀前半の朝鮮半島北部の地域社会におけるプロテスタント教会の役割の大きさが分かったとともに、北米の宣教師文書が詳細に地域情報を残していたことが明らかになった。それらと公文書・新聞資料やインタビュー等を組み合わせることで、1945年以前の地域社会史の多面的な復元が可能となった。また1945年以降についても新聞記事や米軍の鹵獲文書などのほか、北朝鮮の民俗学等によって地域社会が照明できることも分かった。
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第2次大戦直後・大阪在住朝鮮人の生活状況に関する歴史的研究
著者
藤永 壯
伊地知 紀子
高 正子
村上 尚子
福本 拓
金 京子
出版者
大阪産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009
本研究では、在日済州島出身者へのインタビュー調査や現地踏査を中心に、第2次大戦直後の時期の在阪朝鮮人の生活状況を復元しようとした。インタビューの記録は研究代表者の勤務先の学会誌に掲載中であり、またそのうち一部を翻訳し韓国で単行本として出版した。また研究の成果を、済州4・3平和財団、琉球大学、朝鮮史研究会などの主催する学術会議で報告し、その一部は研究論文として発表している。
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都市部/地方別にみた非大学私立セクターの大学昇格への感応条件と定員充足の動態分析
著者
光永 亜希子
光永 悠彦
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01
本研究は大綱化以降に設立された新設大学の変遷を検証する。新設大学は短期大学や専門学校からの昇格が多く、また学校法人内に他の学校種を併設していることが多い。そのため学校法人単位で検討する。大学昇格をする/しないは併設校の財務的余裕や、高学歴化志向だけで決まるわけではない。またその行動や成否は地方の産業構造や人口構成、進学構造などの特性に左右される。そのため学校法人については、受験案内書などを参照して量的指標を作成し、財務指標データを加え、これらを用いた多変量解析によって分類する。加えて学校法人の属する地方の特性を踏まえ、定員充足の構造を探り、大学昇格や学部構成の指針となるモデルを探索する。
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大学の専攻分野と進路選択の関係の変遷に基づく大学進学希望者の進路選択支援システム
著者
高橋 望
出版者
琉球大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01
平成3年の大学設置基準の大綱化以降、大学の個別化により学部・学科名称が多様化している。この多様化により、専攻分野と卒後の進路との対応関係が不明確となったことが、大学進学希望者らにとって、将来のキャリアを見据えた進路選びを阻害する一因となっている。本研究は、適切な進路選択を支援するため、まず、学位に付記する専攻分野の名称を専攻分野の代理指標として、専攻分野と卒後の進路選択との対応関係の変遷を解明することを試みる。そして、この対応関係に基づき、希望する進路と関係する専攻分野や大学を検索し、結果を比較表示するアプリケーションを開発し、大学進学希望者らへ進路選択支援システムとして提供する。
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欧米における大学設置及び大学評価システムの研究調査
著者
喜多村 和之
大膳 司
安原 義仁
手塚 武彦
潮木 守一
出版者
広島大学
雑誌
海外学術研究
巻号頁・発行日
1987
アメリカ合衆国:アメリカ合衆国の高等教育機関の設置認可は、従来は大学の自由設立の原則にもとづき、その認可機関たる州政府の関与はゆるやかで、認可の基準や手続きも簡素であったが、近年では学位の乱造の防止や消費者保護の見地から、州政府の関与の度合いもつよまり、規制が厳格化される傾向にある。いくつかの州では設置認可基準の厳格化や法制度の整備、さらには新設大学の視察・監督の強化が進行しつつある。また、アメリカ合衆国においてはすでに1930年代より民間の基準協会が一定の質的基準に到達した大学のみを会員校としてみとめ、一定期間の実地調査や事後審査にもとづいて大学の質的向上をはかる基準認定活動(Accreditation)を行なっている。連邦政府や州政府は、基準協会の認定をうけた会員校のみに公費援助の受給資格を認めており、このことが更には大学内部に自己点検と自己改善を刺激する源泉ともなっている。連合王国:イギリス高等教育の水準維持方式にはチャータリング方式とCNAA方式の2つがあり、前者は自治権を有する大学セクターにおいて、また後者はパブリック・セクターにおいて採られているものである。これらのうちCNAA方式は1964年に始まって以来20有余年間、パブリック・セクター高等教育の水準の維持・向上に大きな役割を果たしてきた。しかし最近では、形式化・官僚化の弊もみられるようになり、その改革が論議されるようになってきた。本研究ではCNAA方式によるパブリック・セクター高等教育水準維持方式の実際(とくにコース認定の手順)とその問題点および改革の基本方向について現地調査に基づき、具体的に解明した。西ドイツ:大学の設置主体はほとんどが州政府であり、私立大学の存在は例外的である。私立大学としては、従来、教会系の大学が若干存在するにすぎず、その設置根拠は、法的に明確になっていなかった。しかしながら、1976年に「大学大綱法(Hochschulrahmengesetz)」が制定されたことにより、州立大学と同等の内容を有する私立大学については、州政府により国家による認可が与えられることとなり、そのために必要な規程が、州の大学法で定められることとなった。現実に州政府が私立大学の設置認可を行うかどうか決定する際に、最も大きなウエイトを占めるものは財政状況である。西ドイツで現在最も注目されている私立大学であるヴィッテン/ヘアデッケ大学の設置認可に当たっては、所管の州であるノルトライン・ヴェストファレン州学術研究省は、最低5年間大学を運営していくに十分な資金を有しているかという点から審査した。また、認可後も、毎年その後5年間の財政計画を提出させ審査させている。しかしながら、同大学の財政状況は厳しく、一部を除き学部の大半をバーデン・ヴュルテンブルク州に移転するとともに、授業料を徴収することを計画している。フランス:ローラン・シュヴァルフ教授を委員長とする全国評価委員会(CNE)を政府レベルで設置し、既存大学の評価の作業に着手した。評価の方法に関しては、「大学の作成資料」「運用の指標12項目」「指標」の具体的項目が判明した。残された課題として、この委員会の活動が各大学の評価を一巡すればそれで終了するのか、恒常的大学評価機関として存続するのか、またその評価の結果が評価を受けた大学にどのような形でどの様な方法による改善ないし効果をもたらしたのか、さらにはCNEの評価活動が国の高等教育行政にどのようなフィード・バックするのか、等が残されている。
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近代日本の大学における歴史研究・教育体制と学術行政
著者
奈須 恵子
佐藤 雄基
神野 潔
小澤 実
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01
本研究は、教育史及び歴史学(史学史)の専門家の共同研究のもと、日本の戦前に設立された官公私立大学がほぼ揃うに至る1920年代~30年代の時期を中心にして、大学における史学科及び史学関係講座に注目して研究を行う。具体的には、史学関係の教員・カリキュラムがどのような制度的枠組みのもとに置かれていったのか、それが諸学問における歴史研究・教育の位置づけとどのような関連性をもつのかを検討する。最終的には、教育・研究組織と学術・教育行政という制度的アプローチを通じて、日本の近代学問・大学における歴史研究の位置づけについて解明することを目的としている。
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在宅嚥下リハビリテ-ションのEBMの確立-高齢者の誤嚥性肺炎予防プログラムの構築-
著者
野崎 園子
芳川 浩男
道免 和久
土肥 信之
石蔵 礼一
安藤 久美子
出版者
兵庫医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010
メトロノームによる嚥下訓練とカプサイシンゼリーの6か月間の嚥下訓練における、在宅での長期継続性と訓練の長期効果について検討した。メトロノーム訓練では、12名中10名が継続。嚥下造影(VF)評価では口腔移送時間の短縮と咽頭残留の減少を認めた。肺炎発症はなく、5名でむせや咳が改善した。カプサイシンゼリー訓練では、15名中12名が継続、VF評価は有意な変化は認めなかったが、4名で嚥下自覚症状の改善がみられた。肺炎発症は2名であった。メトロノームによる嚥下訓練は、長期継続可能性と長期訓練効果が期待できる。
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中南米型リ-シュマニア症の病態生理と分子伝播疫学
著者
橋口 義久
是永 正敬
上里 博
三森 龍之
加藤 大智
伊藤 誠
加藤 大智
ゴメス エドワルド
ベレス レニン
スッド ロベルト
マルチーニ ルイジ
カルボピーニャ マヌエル
バルガス フランクリン
カセレス アブラハム
マルコ デイエゴ
アンドレア パオラ
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01
リーシュマニア症は吸血昆虫媒介性の原虫感染症である。世界の98カ国で約1,200万人が感染し、3億6千万人が感染の危険に曝されている。本研究では患者、媒介者、保虫動物の3要素について分子生物学的・免疫学的・疫学的手法を駆使して調査研究を行なった。主な成果は(1) Leishmania原虫と患者病型との関係解析、(2) 媒介サシチョウバエ種の同定と決定、(3) 各種動物感染の有無、(4) 迅速診断、治療法の検討・開発、(5) 対策法の検討等である
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イセエビ幼生が平面構造から3D形態へ変化する原理の解明
著者
近藤 滋
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28
イセエビの幼生は、1回の脱皮で、2次元平面から3次元形状に変態する。脱皮前後のクチクラの構造を電顕で詳しく解析することにより、クチクラの各地点での収縮率、収縮の異方性を測定し、それを幼生の平面上クチクラ形状にマップする。次にその平面情報から、収縮後の立体構造を、計算機により3次元物理計算から導き出す。成功すれば、平面の構造から、任意の3次元構造を瞬時に作り出す新しい技術が生まれる可能性がある。
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放射線誘発発がん変異のゲノム・エピゲノムシグニチャーの解明
著者
鈴木 啓司
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01
放射線被ばくによる健康影響として発がんがよく知られているが、放射線発がんの分子メカニズムの全貌は未だに未解明のままである。唯一、放射線起因の小児甲状腺がんでは、高頻度に見られるドライバー変異として、RET/PTC等の遺伝子融合型変異が報告されているが、これらの発がん変異が、放射線被ばくにより直接誘起されたものかどうかは実際のところ定かではなく、その検証なしには、放射線発がんの分子メカニズムの解明、ひいては、放射線発がんリスクのモデルの科学的妥当性の議論はかなわない。そこで本研究では、『放射線誘発の発がん変異は被ばく特有のゲノム・エピゲノムシグニチャーを留める』との仮説を証明することを立案した。
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フェノール系内分泌攪乱物質による野生生物の汚染と生体畜積特性の解明
著者
高田 秀重
熊田 英峰
高田 秀重
出版者
東京農工大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002
鳥島で採取されたアホウドリの雛の吐瀉物10試料をプラスチックとそれ以外の内容物(大部分は魚介類;以下非プラスチックと略す)に目視により分け、それぞれについて重量の測定並びにPCBs、DDEおよびアルキルフェノール類の分析を行った。10試料中9試料からプラスチックが検出された。吐瀉物中のプラスチックの割合(乾燥重量比)は最大66%であった。プラスチックから数十ng/gのPCBsが検出された。この濃度は非プラスチック吐瀉物中の濃度と同程度あるいは一桁低かった。吐瀉物中のPCBs全量に占めるプラスチック由来のものの寄与は10試料中2試料で21%および55%と大きく、プラスチックが生物へのPCBsの輸送媒体になる可能性を示した。しかし、他の8試料ではプラスチックからの寄与は数%程度であった。DDEについても同様の傾向が認められた。プラスチック中のノニルフェノール濃度は数十ng/gであった。一方、非プラスチック吐瀉物からもノニルフェノールは検出され、その濃度はプラスチック中の濃度よりも高かった。特に、プラスチックが含有されていなかった試料からもノニルフェノールが検出されたことから、アホウドリが摂食する魚介類のノニルフェノール汚染が示唆された。吐瀉物中のノニルフェノール全量に占めるプラスチック由来のものの寄与は12%〜36%と有意な寄与が明らかとなった。しかし、非プラスチックからの寄与が全般に大きく、魚介類からのノニルフェノールの取り込みの寄与が大きいことが示唆された。
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Ancient DNA解析からみた日本在来犬の起源と分布に関する分子進化学的研究
著者
石黒 直隆
富岡 直人
本郷 一美
松井 章
上原 静
江上 幹幸
山岸 則夫
出版者
帯広畜産大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000
本研究は、縄文時代から中世にかけての遺跡より拙土する古代犬とオオカミの骨に残存するミトコンドリアDNA(mtDNA)を分離・増幅して古代犬を遺伝子面で復原し、日本在来犬の遺伝的系統を明かにすることを目的とした。1)縄文時代(20遺跡)、弥生時代(2遺跡)、古墳時代(1遺跡)、中世(1遺跡)、オホーヅク分化期(6遺跡)より出土した古代犬の骨よりmtDNA198bpを分離し、日本在来犬の遺伝的系統を解析した。北海道から関東にかけての遺跡では、ハプロタイプM5が多いのにくらべ、西日本から東北地方にかけてハプロタイプM2が多く、縄文時代からかなり複雑な遺伝子分布をしていることが明かとなった。しかし、縄文犬と弥生犬を遺伝的に明確に区別することはできなかった。2)中国試料のDNA分析と日本在来犬との遺伝的関係:中国の3遺跡(上海馬橋、大旬子、河南花国庄)から出土した古代犬25点をDNA分析した結果、10サンプルより残存遺伝子が増幅された。系統解析の結果、クラスター3に属した現生犬のM20の1サンプルを除いて、全てが日本の古代犬に検出されたM5,M10,M11のハプロタイプであり、日本在来犬の遺伝的起源が大陸由来であることが明かとなった。3)ニホンオオカミの遺伝的復原と日本在来犬との関係:日本在来犬とニホンオオカミとの遺伝的な関係を明かにするため、ニホンオオカミのmtDNAを解析した。形態的にニホンオオカミと同定された6試料(高知県:仁淀村、熊本県産、国立科学博物館所蔵の3試料、縄文中期1試料)よりmtDNA(750bp)の増幅し系統解析した結果、ニホンオオカミは犬と大陸のオオカミの中間に位置した。
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デンプン高生産性のウキクサ類を用いた食料非競合型のバイオエタノール生産
著者
森 一博
田中 靖浩
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009
本研究は, ウキクサ類を用いてデンプンを多く含むバイオマスを生産し,これをバイオエタノール生産の原料に用いようとするものである。そこで,有用ウキクサ植物株の探索, バイオマス生産条件, デンプン誘導条件, ウキクサ類バイオマス由来デンプン糖化条件を明らかにした上で,供試植物のエタノール生産への適用性と実用性評価を検討し結果,ウキクサ類から効率的にバイオエタノールを生産できることが示された。
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日本中世債務史の基礎的研究
著者
井原 今朝男
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002
1,日本のおける債務史研究という新しい研究分野を創造することを目的に研究を積み重ねてきた。これまで、「中世借用状の成立と質券之法」(『史学雑誌』111-1)、「中世請取状と貸借関係」(『史学雑誌』113-2)、「日本中世の利息制限法と借書の時効法」(『歴史学研究』812)などによって研究成果を公表し、債務史の分析視角と分析課題を提示するとともに、前近代社会の債務債権関係の慣習法が、近代資本主義社会のそれと時代的に異質であることが明確になり、債務史という研究分野の存在を明示することができた。2,前近代社会の債務・債権関係の慣習法A 近代資本主義社会では利息制限法は利子率を制限するが、貸借期間がつづくかぎり永久に増加しつづける。しかし、前近代社会においては、利息は本銭の二倍で制限される利息一倍法と銭の場合には本銭の半倍以上には利息が増えないという挙銭半倍法が機能しており、利息制限法は総額主義であった。B 近代では、貸借契約で質流れになった場合は、売買契約と同様物権が移転し、所有権が移る。しかし、前近代の質契約では、質流れのあとでも債務者が返済の意志を示せば、質物は債務者にもどされるという質券之法が機能しており、質流れ観念が未成熟であり、質物は容易に流れないもので、質権の自立性が強かった。売買と貸借の観念が未分化であった。C 近代では自分のものと他人のものが明瞭に区別される。しかし、前近代では、神物・仏物とひとのものとが区別され、自分のものと他人のものの区別が曖昧であり、請取状も預状も返抄なども借用状として機能した。
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近世日本における書籍・摺物の流通と享受についての研究
著者
鈴木 俊幸
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996
1. 書籍の流通業者について(a) 貸本屋に関するデータの収集図書館・文庫、また個人蔵書から貸本印のデータ収集を行い、また引札等から本屋の貸本営業に関する記事を収集した。(b) 仕入印データの収集図書館・文庫、また個人蔵書から、そこに押捺してある仕入印のデータを収集した。その成果の一部として、日本近世文学会平成10年秋季大会において「仕入印と符牒」と題する研究発表を行った。(c) 売弘書肆データの収集主として明治初期刊本に備わる売弘書肆一覧記事を収集し、データ化した。(d) 上記収集データの総合地域ごとに配列した書商の名寄せの形で上記データを総合し、冊子体の報告書とした。2. 書籍の享受についての調査・研究松本市安西家・上松町武居家・小千谷市高橋家・同田中家・同大滝家の蔵書調査を行った。その内武居家の蔵書についての研究は「木曽上松宿武居家の蔵書」と題して『中央大学国文』第42号に発表した。3. 近世日本を中心とする書籍・摺物の出版・流通・享受に関する文献目録の作成研究成果公開促進費(一般学術研究)の交付を受け、『近世書籍研究文献目録』と題し、ペりかん社より刊行、収集データを公開した。
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陸域から沿岸域への放射性セシウムの移行動態解析と生態系への影響評価
著者
長尾 誠也
山本 政儀
福士 圭介
桐島 陽
井上 睦夫
富原 聖一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01
2011年3月11日に発生した福島原発事故により環境中に放出された放射性核種の陸域と沿岸域での影響評価を行うために、主に福島県浜通りを調査地域に設定し、沈着した放射性セシウムの河川流域から沿岸域への二次的な移行動態を調べた。2011年5月から2014年12月までの観測結果では、河川水中の放射性セシウムの放射能濃度は、降雨時に一時的に増加するが、平水時には時間の経過とともに指数関数的に減少した。また、2011年度には、粒子態に含まれる放射性セシウムの存在割合が、それ以降の観測試料に比べて20~30ポイント低く、放射性セシウムの河川への流出挙動が事故初期時とそれ以降では異なることが明らかとなった。
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ケセン語のヴォイス・アスペクトに関する理論言語学的研究
著者
新沼 史和
出版者
盛岡大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01
本調査によって、ケセン語の「サル表現」のサルの機能が明らかになった。意味的には、自発・状況可能・結果状態という3つの意味を有し、自発が基本的な意味である、ということである。そして、統語的には、サルがMiddle Voiceという機能範疇であり、補部にはいかなる動詞句を要求し、その指定部には、音を持たない内項を要求するということである。この内項により、時には原因項や経験者となり様々な意味を有する、ということが明らかになった。それに加え、ar自動詞の特性を検討し、ar自動詞とサルとの関係が日本語の使役における語彙的使役・統語的使役との関係に対応することが明らかになった。
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分子系統仮説の分類体系への還元
著者
今村 央
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01
分子系統学的研究で示されてきたタラ目とマトウダイ目、およびアンコウ目とフグ目の近縁性を形態学的に検証した結果、これらはそれぞれ姉妹関係にあると推定された。タラ目とマトウダイ目は、さらにサケスズキ目とギンメダイ目と単系統群を形成するという分子系統仮説も支持された。この一群は、本研究では観察しなかったステューレポルス科とも近縁であることがごく最近の研究で示唆されており、これら5分類群を側棘鰭上目に位置づけることを初めて提唱した。アンコウ目とフグ目はヒシダイ科と姉妹関係にあるという分子系統仮説も支持されたが、この一群に対しては他の分類群との類縁関係が解明された後に分類群名を検討すべきと判断した。
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