著者
牧 良樹 中村 聡史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.3H2OS04b3, 2017 (Released:2018-07-30)

これまでの研究で,ネタバレが小説の面白さを増加させる場合があることが示唆されているが,ネタバレの問題について十分に研究されているとは言い難い.そこで我々は,読み進めた度合いがネタバレの影響は増減すると考え,コミックを対象とした実験を実施し,ネタバレ遭遇タイミングを人により変更することでその影響を調査した.その結果,3分の2の部分まで読んだ段階でネタバレされると面白さが減少することを明らかにした.
著者
畠山 智充 郷田 秀一郎 海野 英昭
出版者
FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
雑誌
Trends in Glycoscience and Glycotechnology (ISSN:09157352)
巻号頁・発行日
vol.28, no.161, pp.J55-J60, 2016-05-25 (Released:2016-05-25)
参考文献数
23

タンパク質毒素は標的細胞膜脂質との特異的な相互作用を介して非常に効率的に毒性を示す。細菌由来のタンパク質毒素の中には、標的細胞に結合した後、細胞膜中でオリゴマー化することにより膜貫通ポアを形成し、結果として細胞死を引き起こすものが存在するが、このようなポア形成メカニズムは、真核生物由来の溶血性レクチンの作用とも共通する。我々はナマコの一種であるCucumaria echinataから単離された溶血性レクチンの糖結合活性およびオリゴマー化活性に関して詳細に検討し、そのモノマーおよびオリゴマー状態の両者における構造解析を行った。その結果、このレクチンのポア形成過程において大きなコンフォメーション変化を生じることが明らかになった。これらの結果は、細胞表面上における糖質ならびに脂質との相互作用によって引き起こされるタンパク質の著しい構造変化の例を示すものである。
著者
河村 尚登 三宅 洋一
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.353-361, 2006 (Released:2011-08-25)
参考文献数
24
被引用文献数
2
著者
大場 美和子 中井 陽子 寅丸 真澄
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.159, pp.46-60, 2014 (Released:2017-03-21)
参考文献数
48

本研究では,会話データを対象とした多様な研究を「会話データ分析」という包括的な概念で捉え直し,学会誌『日本語教育』創刊号から153号で会話データ分析を行う研究論文170本を対象に,その研究の動向を年代別に分析した。まず,『日本語教育』中の(1)会話データ分析論文数の比率,(2)分析データ場面の傾向(母語場面,接触場面,両場面),(3)会話データの種類の傾向について年代別に集計した。次に,この集計結果に加え,各論文が分析項目として設定している項目も詳細に見つつ,当時の日本語教育の歴史的・社会的状況をふまえた総合的な分析を行った。この結果,80年代から会話データ分析の論文が増加し,分析も専門化・詳細化し,会話データ分析の研究成果を教育現場で活用することを主張する論文が増加していることが明らかとなった。今後は,より専門化・詳細化していく研究成果を多様化する教育現場で活用できるよう,会話データ分析の知見を多分野で共有し,連携していく重要性を主張する。
著者
小林 秀樹 松永 恒雄 梅干 野晁
出版者
The Remote Sensing Society of Japan
雑誌
日本リモートセンシング学会誌 (ISSN:02897911)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.612-624, 2002-12-31 (Released:2009-05-22)
参考文献数
31
被引用文献数
2

本研究では,まずTOMS/PAR法の基礎検討により,Ruvに対するRsの影響と,標高の変化に伴うPARclearの変化が無視できないことを指摘し,改良TOMS/PAR法を提案した。また,TOMS/PAR法と改良TOMS/PAR法でのPAR推定精度の違いを気象庁の観測値を用いて検証し,後者の場合,より妥当なPAR推定値が得られる事が確認できた。さらにMODISのFPARプロダクトとTOMS/PAR法及び改良TOMS/PAR法によるPAR推定値を用いてAPARを算出し,APAR推定誤差がNPP推定誤差に与える影響を評価した。その結果,ランダム誤差は最大で年間NPPの4%程度,バイアス誤差が4-6%(MODIS/FPAR+改良TOMS/PAR法),8-9%(MODIS/FPAR+TOMS/PAR法)であった。これらの検討から,TOMS/PAR法,改良TOMS/PAR法ともに,既往研究における年間NPPのモデル間のCVよりは小さく,現在のAPAR推定値は全球NPP推定値の算出に対して十分な精度を持っていることが示された。しかし,年間NPPの全球推定にあたって,不確実性を低減させるためには,様々な地表面の紫外線反射率の影響を受けにくい改良TOMS/PAR法を用いた方がより信頼できる値を得られる。
著者
山口 達史 長沼 修 松岡 正憲 高野 誠治 前崎 恒司 友永 和之 中村 浩
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌) (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.121, no.8, pp.997-1004, 2001-08-01 (Released:2008-12-19)
参考文献数
6

Though the power supply to airplane warning light installed in transmission line tower is generally carried out by low voltage distribution line, in especially basic transmission line over 500kV with many mountainous area the inside of transmission line, there are many cases in which there is no a distribution line near, and considerable labor and cost for the power supply are needed. Then, authors developed electromagnetic induction type power source equipment which took out the electric power by using current transformer from induced current which flows in overhead earth wire. First, the power source equipment which used the penetration type for CT for the power: was developed, and the demonstration experiment for about 10 months was carried out in Tokyo Electric Power Co., Inc. Minami Niigata trunk line. As the result it was able to be verified that operating characteristic and environment-resistant characteristics of the power source equipment were good. For the purpose of applying to Tokyo Electric Power Co., Inc. Minami Iwaki trunk line in continueing, the power source equipment which used winding type for CT for the power was developed. This equipment finishes the installation construction in July, 1999, after the test in the factory is carried out, and it is carrying out the practical use in Minami Iwaki trunk line at present. In this paper, the content is reported on power source equipment applied to Minami Iwaki trunk line on EMTP analysis of the overhead earth wire current and outline of developed power source equipment and means of application to the continuous line road and operation situation in the operation and comparison examination with analytic value.
著者
岩鼻 通明
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.535-552, 1983-08-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
55
被引用文献数
2 3

近年,山岳宗教に関する研究の進展は顕著であるが,筆者は山岳宗教が聖域圈,準聖域圏,信仰圏からなる圏構造を有するという地理学的視点から,出羽三山を対象地域として考察を進めた. 本稿においては,分析の中心を準聖域圏に置き,特にその核をなす山岳宗教集落について考察した.出羽三山には「八方七口」と称される7ヵ所の山岳宗教集落が存在する.まず,従来あまり問題にされなかった集落の起源について分析し,集落の成立時期から「近世再編型」と「近世成立型」に分類し,さらに両者に讃灘勲誌響藩翻町膿塾醗懲糠蒲諜欝講課在することが明らかになった.この集落の成立時期を指標とする類型は,日本各地の山岳宗教集落にも適用しうると考えられる.
著者
瀬戸口 昌也
出版者
日本ディルタイ協会
雑誌
ディルタイ研究 (ISSN:09142983)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.24, pp.40-55, 2013 (Released:2022-02-01)

In diesem Aufsatz soll die Methodologie der Geschichtsforschung bei Dilthey vom Standpunkt der Erzältehorie der Gegenwart aus untersucht werden. Nach Diltey ist dem Historiker und dem Dichter gemein, dass beide mit Phantasie und Metaphern das menschliche Leben lebendig darstellen, und durch erzählerische Beschreibung den Leser zum Nacherleben leiten. In diesem Sinne nähert sich die Geschichtsforschung bei Dilthey der Erzähltheorie der Gegenwart. Worin besteht der Unterschied ? Bei Dilthey wird nach erfolgreichem Nacherleben aufgrund des Prinzips der Individuation die Struktur des Wirkungszusammenhangs erfasst. Hier entsteht aber die schwierige Aufgabe, die verschiedenen Wirkungszusammenhänge zum universalhistorischen Zusammenhang zu vereinigen. Bei erzähltheoretischer Geschichtsforschung dagegen, etwa bei Riɶur, müssen die geschichtlichen Ereignisse mit der Fabel und der erzählerischen Konsistenz als eine abgeschlossene Erzählung erklärt werden. Der Unterschied zwischen Dilthey und Riɶur liegt schiließlich darin, dass zum einen die Gewissheit der historischen Erkenntnis dem Erleben des Bedeutungszusammenhanges des Lebens (Dilthey) oder zum anderen dem künstlerischen Ausdruck desselben (Riɶur) zugrunde gelegt wird. So steht die Aufgabe aus, dass die Beziehung der methodologischen Grundbegriffe der Geisteswissenschaften bei Dilthey, nämlich Erleben, Ausdruck und Verstehen, zueinander von neuem untersucht werden muss.
著者
青木 公也 舟橋 琢磨 輿水 大和 三和田 靖彦
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.1045-1049, 2013-11-05 (Released:2014-01-05)
参考文献数
13
被引用文献数
6 5

There are many such practical cases that it is difficult to detect defects even by a visual inspection. These defects, such as very small cracks of pattern and thin stains, etc., are slightly different with each other and hidden in the background texture. Even when the skilled inspector can detect these defects, they are undetectable by the traditional image processing algorithms. This paper describes the detailed program for detecting irregular region involving such invisible defects inspired by human vision architectures. This program has been named “KIZUKI” algorithm in this study. Two kinds of typical vision theories are used to model the “KIZUKI” process : the peripheral vision and the involuntary eye micro-vibration theories found in the field of psychology of vision. It consists of three steps : first step for forming low resolution images by a variable re-sampling, and the second step for detecting relatively salient regions at each low resolution image, and the last step for integrating these regions. Experimental results indicate that our approach is very reasonable in intuitive interpretation of human vision. Since our programs are very simple in architecture and effective in performance, it might be applicable equally to the quite different kinds of defects.
著者
林 知己夫
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.353-367,266, 1992 (Released:2009-01-22)
参考文献数
39

ここでは,意識の国際比較の方法論を中心に述べる.これを具体的にするに当たって, 35年間継続している統計的日本人の国民性研究(統計数理研究所国民性調査委員会)の考え方,方法,成果が土台となっているので,この研究にも言及する.意識の国際比較は,異なる文化圏に属する人々の考え方,感じ方の異なっている所と似ている所を明らかにすることがその根幹である.これをどのように統計的に現実化するかがわれわれの研究の中核である.このためには“調査の科学”というフィロソフィーが不可欠であることと,データをどうとり(design of data),どう分析するか(analysis of data)を深めることの重要性を説明する.そして,似た所と違った所を鎖の環のように続けて行く方法論,連鎖的比較調査分析法(CLA)を提起し,その構想を説明する.この方法論を考え出した背景,さらにこの方法を用いて国際比較を行った経緯についても論じる.
著者
杉原 辰哉 萩原 文香 門永 陽子 鳥谷 悟 松浦 佑哉 井原 伸弥 黒崎 智之 森山 修治 上田 正樹 森脇 陽子 広江 貴美子 古志野 海人 山口 直人 大嶋 丈史 岡田 清治 太田 哲郎
出版者
松江市立病院
雑誌
松江市立病院医学雑誌 (ISSN:13430866)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.53-56, 2019 (Released:2019-07-01)
参考文献数
10

【目的】心肺運動負荷試験(CPX)のAT レベルの心拍数(THRAT)での運動処方が困難な場合はKarvonen の式から得られる心拍数(THRkarvonen)を参考に実施するが, 心不全やβ遮断薬投与例では必ずしも適切な決定ができない.本研究はβ遮断薬投与中の急性心筋梗塞患者を対象にATHRとKarvonen 式の関係を検討し,適切な心拍数を求めることを目的とした.【方法】対象はβ遮断薬投与中の急性心筋梗塞患者20 例,年齢62.7±8.2 歳.a(220-年齢)を最大HR とし,係数a は実際にCPX で得られた実測最大HR からa =実測最大HR/(220-年齢)を求め,また,Karvonen の式から運動強度の係数k =(THRAT-安静時HR)/(最大HR-安静時HR)として求め,係数k と臨床的指標の関係について検討した.【結果】CPX から求めた係数a は0.72±0.09,係数k は0.42±0.13,THRmodified Karvonen = 0.42[0.72(220-年齢)-安静時HR]+安静時HR で,THRAT とTHRmodifiedKarvonen の相関関係はr=0.84(p < 0.01)であった.係数k と臨床的指標の関係は心リハ開始日数とLVEF に関連性が認められTHRclinical =(0.005×LVEF-0.015×心リハ開始まで+0.312)[0.72(220-年齢)-安静時HR]+安静時HR とすると,THRAT との相関関係はr=0.88(p < 0.01)であった.【結語】β遮断薬投与中の急性心筋梗塞患者はTHRmodified Karvonen = 0.42[0.72(220-年齢)-安静時HR]+安静時HR で求められ,係数k はLVEF と心リハ開始日数と関連して変化する可能性が示された.
著者
徳田 光紀
出版者
Japanese Society for Electrophysical Agents in Physical Therapy
雑誌
物理療法科学 (ISSN:21889805)
巻号頁・発行日
pp.2023-014, (Released:2023-06-12)

物理療法による疼痛治療は,病期別の疼痛メカニズムを十分に理解したうえで,物理療法を適切に選択し,実践する必要がある.急性期では,著明な疼痛と炎症症状が身体機能の予後不良に繋がる大きな要因となることから,消炎・鎮痛作用を有する物理療法が選択されるべきである.慢性期では,疼痛に対する直接的な作用を求めるだけでなく,運動療法をアシストするような間接的な役割が可能な物理療法を選択することも含めて治療戦略を考えるべきである.本稿では,病期別の疼痛メカニズムや疼痛治療に応用できる物理療法について概説するとともに,疼痛に対する物理療法の治療戦略について提示する.
著者
長井 慎成 東野 哲也 松田 圭二 外山 勝浩 河野 浩万 小玉 隆男
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.110, no.11, pp.707-712, 2007-11-20 (Released:2008-12-25)
参考文献数
15
被引用文献数
4 3

【はじめに】中耳真珠腫の画像診断にはCTが第一選択として用いられるが, 軟部陰影を質的に鑑別するためにはMRIが有用である. 当院では2002年よりMRI撮像に加え, 拡散強調法による撮像を用い真珠腫診断を行っている. これまでに当院にてMRI拡散強調画像で病態評価を行った中耳炎症例を用い, 本撮像法の有用性について検討したのでその結果を報告する.【対象と方法】2002年10月から2006年7月に, 当院で拡散強調画像を加えた側頭骨MRI検査を行った56例を対象とした. 男性35名, 女性21名, 年齢は3歳~76歳で, 平均42.8歳であった.【結果】真珠腫診断における拡散強調像の感度は85.4% (41/48), 特異度は100% (8/8), 陽性的中率は100% (41/41), 陰性的中率は53.3% (8/15) であった. 拡散強調像にて真珠腫を同定できた症例の画像におけるサイズは, 5mmから40mmであり, 4mmの先天性真珠腫は評価困難であった.【考察】今回の検討から, 本撮像法の中耳真珠腫診断における有用性が確認された. 今後本撮像法の分解能が向上することにより, 中耳真珠腫診断におけるMRI検査の位置づけがさらに高まるものと期待される.
著者
服部 圭郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.816-823, 2015-10-25 (Released:2015-11-05)
参考文献数
26
被引用文献数
2

日日本の人口は減少している。多くの都市も人口が減少し、その結果、人口縮小というこれまで経験しなかった課題に対応せざるを得なくなっている。しかし、旧東ドイツの都市では、このような課題を既に経験している。そして、その問題に対応する一つの手法が撤去(全面的減築)であった。本論文では、この撤去を旧東ドイツでは都市計画的にどのように位置づけたのか。その政策的意図と、実際の撤去の進捗過程を、ブランデンブルグ州の社会主義時代につくられた計画工業都市アイゼンヒュッテンシュタットを事例として整理し、その政策に伴う課題および成果をまとめた。その結果、アイゼンヒュッテンシュタット市の減築の都市計画目標、そしてそのための減築建物の選定プロセスを整理し、さらにはそのプロセスに伴った生じた課題を抽出した。そして、現段階での都市計画的成果をまとめた。撤去という手法は、将来において残すものを選択するという都市計画的判断であり、短期的には痛みを伴っても、長期的に都市を「消滅」させないための英断であることが本調査から理解できた。
著者
川嶋 かほる 櫻井 朝美
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成14年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.61, 2002 (Released:2003-04-02)

食べ物は生物に由来し、他者の「いのち」によって、自らの生命維持をはかることが「食べる」ことである。しかし、食物生産の場から遠く離れ、飽食の時代といわれる現在、食べ物と「いのち」の関係はどのように意識されているかを、調査紙法によって調べた。食べ物に「いのち」があると考える人は76.4%であった。「いのち」を持っていると感じているのは、魚介類が最も高く80%以上を占め、畜肉類は約70%、鶏卵55%、野菜類は35%であった。「いのち」が失われると考える段階は、「切った時」「収穫した時」が多く、「料理した時」「食べた時」は少なかった。「いただきます、ごちそうさま」は79.8%の人がしているが、その対象は「食事を作ってくれた人」へが57.5%、「食べ物そのもの」は24.8%であった。
著者
諸喜田 茂充 田内 裕之
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
CANCER (ISSN:09181989)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.7-9, 1996-05-01 (Released:2017-07-05)
参考文献数
6
著者
石田 哲也 関 洋平 欅 惇志 柏野 和佳子 神門 典子
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.586-631, 2023 (Released:2023-06-15)
参考文献数
34
被引用文献数
1

行政の政策や接客業のサービスの質を向上させるためには,市民によるフィードバックの収集/分析と同時に都市の特徴を明らかにするための他の都市との比較が重要となる.しかし,都市によって政策やサービスは異なり,市民の抱える意見も異なるため,機械学習により複数の都市に適応した市民意見の分析を実現することは難しい.本論文では,都市を横断して市民意見を抽出する手法を提案する.実験では,横浜市民,札幌市民,仙台市民のつぶやきを対象として,特定の都市のつぶやきでファインチューニングしたモデルを,評価対象の都市の比較的少量のつぶやきを用いて再度ファインチューニングする手法の有効性を確認した.この際,評価対象の都市の訓練データは,異なる都市のつぶやきで訓練したモデルによる予測の確信度が高いものを選定することが有効であることを明らかにした.
著者
村井 聡 塩沢 英輔 鈴木 髙祐 佐々木 陽介 本間 まゆみ 瀧本 雅文 矢持 淑子
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.296-306, 2022 (Released:2022-08-31)
参考文献数
28

濾胞性リンパ腫は低悪性度B細胞リンパ腫であり一般に緩徐な経過を示す.経過中に組織学的形質転換Histological transformation(HT)をきたすと予後不良とされる.十二指腸型濾胞性リンパ腫Duodenal-type follicular lymphoma(DFL)は濾胞性リンパ腫の一亜型である.DFLではHTは稀であるとされるが,その発生頻度に関して報告は少ない.DFL のHTの発生頻度を明らかにすることは治療方針を考えるうえで重要な意義を持つ.DFL症例を長期観察と内視鏡検査による連続的な病理組織診断によって組織学的変化を評価しHTの発生を病理学的に検討する.十二指腸・小腸生検により濾胞性リンパ腫と診断された37症例をデータベースから抽出した.節性濾胞性リンパ腫の消化管浸潤例を除外するため,消化管リンパ腫Lugano分類における臨床病期Ⅰ期のみを対象とした.Hematoxylin-eosin染色標本による組織形態学的評価と免疫染色標本による評価を行いHTの発生を評価した.条件を満たしたDFLの症例は20症例だった.診断時のHistological gradeは20症例全例でGrade 1-2だった.臨床的な観察期間は中央値56か月(範囲:12か月~147か月)だった.経過中に臨床的に臨床病期の進行した症例はなかった.病理組織学的にHTが認められた症例はなかった.DFLにおけるHTの発生頻度を評価するうえで,本研究のように単一施設で同一患者において定期的な内視鏡検査・生検を長期の観察期間に渡って行いHTの有無を組織学的に確認すること,ならびにDFLの診断において節性のFLの十二指腸浸潤を確実に除外することは高い信頼性があると考えられた.DFLと的確に診断できる場合にはHTのリスクは低く,節性のFLに準じた集学的治療を行うことは過剰な治療となる可能性がある.