著者
伊藤 修一
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100103, 2014 (Released:2014-03-31)

Ⅰ.はじめに 破産は債務者の財産状態が悪化して,債権者への債務完済が不可能となることを指し,日本では破産法に基づく裁判手続きによって認められる(斎藤 1998).法制度の違いはあるが,アメリカ,イギリス,カナダ,オーストラリアなどの先進国では近年個人の破産が増えており,日本も破産事件の8割以上が個人(自然人)によるものであって例外ではない. 破産事件総数の推移は,法務省『司法統計調査年報』に基づいて,山本(2012)などが定量的に説明している.1980年までは3,000未満だった件数は,1983年の貸金業規制法施行と出資法改正の直前の駆け込み的な取立行為が多かったことや,非事業者の破産に破産宣告(破産手続開始決定)と同時に手続を終了させる同時廃止型破産を積極的に適用されはじめたことによって,同年には2.64万件と,それまでの8倍も増加した(第1のピーク).その後バブル景気に伴って1万件台まで減少したが,バブル経済の崩壊のほか,消費者信用の与信枠が拡大されて,「カード破産」が増加したことで1993年には4.62万件まで急増した(第2のピーク).さらに長引く平成不況は1990年代後半から件数の増勢を促して,2003年には過去最悪の25.2万件に達した(第3のピーク).しかし,翌年の貸金業規制法改正や2006年の貸金業法施行で過払金請求が増加したことなどで減少傾向となり,2012年は第3のピーク時の36.8%にあたる9.26万件に至る. このような破産傾向に地域差があることは,晝間(2003)が指摘している.これによると,各県を1985~1998年の破産率の順位の平均と変動の大きさの組み合わせから9分類した結果,変動が最小のグループのうち,高位は九州・中国地方,中位は四国・近畿地方,低位は中部・関東地方の諸県が占める.一方,変動が最大のグループでは高位に九州地方,中低位には東京圏や中京圏の諸県が含まれている.これは,基本的な分布パターンがいわゆる「西高東低」であって,大都市はパターンの変化に重要な役割を果たしていることを示唆している. この分布は第1と第2のピークの間にみられる特徴であり,全国推移の傾向からは1985~1998年の前後で分布が異なることは容易に推察される.そこで,破産率の全国推移が前述のピークに従って,統計的にも4期に区分されるかどうかを確認したうえで,各年の破産率の分布パターンを空間的自己相関統計量を用いて検討する.Ⅱ.分析データ 本研究で用いる破産事件数は『司法統計調査年報』における破産の新受事件数である.この件数は,原則として債務者の住所地を管轄する地方裁判所ごとに集計される.地方裁判所は50か所に立地するが,分析の都合上,県ごとに件数を再集計して用いる.これを住民基本台帳に基づく人口1万で除した値を破産率とする.対象とする期間は全県の統計がそろう1972~2012年とする.Ⅲ.破産率の全国推移 推移の特徴から4期に区分されることを仮定して,クラスター分析によって,傾向をとらえた(図1).第1期は1972~1991年で,破産率が平均0.72‱と全期間中で最低である.続く1992~1997年が第2期で,平均4.25件で第1期の6倍程度増加した期間である.第3期は1998~2001年と2008~2012年に分かれているが,2002~2007年は平均16.1‱と,第3期の10.3‱よりも高く,特異な期間と判別された.Ⅳ.破産率分布パターンの変化 第1期は,モランI統計量が平均0.3程度で推移し,弱い集中傾向がみられる(図1).1972年から第1のピーク直前の1981年までは中京圏と大阪圏の府県で,ローカルモランI統計量により有意な高率の空間クラスターが認められた.ただし,九州地方や東北地方で破産率が急上昇したこともあって,このクラスターは1983年には完全に解消した.同時廃止型破産の積極導入は,分布パターンを激変させた一因であることがうかがえる. 一方で,1980年代前半から第4期の2000年代半ばまでのおよそ20年間にわたって,九州地方では高率の空間クラスターが,北関東や甲信越地方に低率の空間クラスターがそれぞれ形成された.この間のモランI統計量は増加傾向で,1996年からの8年間で7年も0.4を超えており(図1),前述の「西高東低」パターンが強まったといえる. しかし,2003年以降はモランI統計量は急低下して,第3期後半の2009・2010年には有意な負の値を示すように,「西高東低」パターンを形成するクラスターは解消している.特に2007年以降の東京都は全国一破産率が高く,2004年からは平均20.7‱と近隣県よりも有意に高率であり,貸金業への規制が強まる第4期以降に,他県とは異なる例外的な特徴を示している.
著者
大桃 敏行 秋田 喜代美 村上 祐介 勝野 正章 牧野 篤 藤村 宣之 本田 由紀 浅井 幸子 北村 友人 小玉 重夫 恒吉 僚子 小国 喜弘 李 正連 植阪 友理 市川 伸一 福留 東土 新藤 浩伸 齋藤 兆史 藤江 康彦 両角 亜希子 高橋 史子 星野 崇宏 伊藤 秀樹 山本 清 吉良 直 星野 崇宏 伊藤 秀樹
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

日本を含めて多くの国で多様化や競争、成果に対するアカウンタビリティを重視するガバナンス改革が行われてきた。また同時に、単なる知識や技能の習得からそれらを活用する力や課題解決力、コミュニケーション能力などの育成に向けた教育の質の転換の必要性に関する議論が展開されてきた。本研究の目的はガバナンス改革と教育の質保証との関係を検討しようとするものであり、成果志向の改革では、広い能力概念に基づく教育において評価がどこまでまたどのように用いられるのかが重要な課題となってきていることなどを示した。
著者
伊藤博之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.27, pp.1-1, 2013-08-24

当社では毎日多くの問い合わせを海外から受けます.地域は北米から中南米,それにアジア諸国が中心.問い合わせ内容はコンサートやイベントへのお誘いからファンレターまで様々です.初音ミクをコアとしたボカロムーブメントは確実に世界に拡がっており,それに応える形で当社は初音ミク英語版を遂にリリース致します.本講演では,世界から届くファンからの声や実際に参加した海外でのイベントを通じて見聞きした事をご紹介するとともに,海外展開における課題をお話しいたします.
著者
伊藤 誠
巻号頁・発行日
2017-09

Supervisor:田中 清史
著者
伊藤 智 吉野 松樹 平林 元明
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.137-152, 2019-01-15

文字コード,電子出版の分野で永年標準化に携わってこられた小林龍生氏(本特集号「国際標準化活動の戦略と戦術」著者)と村田真氏のお二人に,国際標準化を有利に進めるためのストラテジーとタクティクスについて伺った.
著者
滝口 涼子 伊藤 冨士江
出版者
一般社団法人日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.55-68, 2010-02-28

わが国では犯罪被害者施策が急速に進んでいるが,その背景には特に犯罪被害者遺族を中心とした被害者運動があった.しかし被害者遺族に関する調査研究の動向をみると,被害者運動やソーシャルアクションに焦点をあてた研究は少ない.本研究では,被害者遺族の体験,特に被害者運動への関わりを取り上げ,事件後,遺族としてどのようなことを経験し,いかに被害者運動に関わり,なにを得たのかを分析することを目的とした.被害者当事者団体(「被害者の会」)の会員である遺族11人にインタビューを行い,「被害者の会」での運動参加・継続過程に関するナラティブを質的に分析した.この結果,「事件にまつわる思い」と,「遺族が運動に参加し始め,活動を続けていく過程」の2つのカテゴリーが見いだされた.さらに,エンパワメント・アプローチの視点から,パワーの欠如状態,エンパワメントの構成要素,パワーの生起するレベルの3点に関して考察を加えた.
著者
岩科 智彩 吉田 光男 伊藤 貴之
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:21888698)
巻号頁・発行日
vol.2018-UBI-60, no.24, pp.1-7, 2018-11-27

情報発信ツールとして利用されている SNS (Social Networking Service) は,現在でも団体や個人による情報拡散を目的とした利用例が増加している.SNS の中でも特に Twitter は気軽に拡散 (リツイート) できることで知られ,その日本国内での利用は著しい.本研究では,Twitter 上で影響力のあるユーザ (キーパーソン) のリツイートユーザ (リツイーター) に焦点を絞り,時間データを使用して情報拡散におけるリツイーターの行動パターンを可視化する.また,その可視化画像から観察されるキーパーソンごとの情報拡散の性質について,ツイート内容とリツイーターの側面から考察する.
著者
鈴木 克洋 中村 文彦 大塚 慈雨 正井 克俊 伊藤 勇太 杉浦 裕太 杉本 麻樹
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.379-389, 2017 (Released:2017-09-30)
参考文献数
17

The head-mounted displays (HMD) allow people to enjoy immersive VR experience. A virtual avatar can be the representative of a user in the virtual environment. However, the expression of the virtual avatar with a HMD user is constrained. A major problem of wearing an HMD is that a large portion of one's face is occluded, making facial recognition difficult in an HMD-based virtual environment. To overcome this problem, we propose a facial expression mapping technology using retro-reflective photoelectric sensors. The sensors attached inside the HMD measures the distance between sensors and a face. The distance values of five basic facial expressions (Neutral, Happy, Angry, Surprised, and Sad) are used for training the neural network to estimate the facial expression of a user. Our system can also reproduce facial expression change in real-time through an existing avatar by using regression.
著者
伊藤 毅志 板倉 貴章
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.31-36, 2015-09-18

チェスや囲碁・将棋のような完全情報確定ゲームを題材にした認知科学研究として,様々なレベルのプレイヤごとの思考過程の違いを比較した研究が行われてきた.本研究では,「氷上のチェス」と呼ばれるほど高度な戦略的思考を必要とされるカーリングを題材にして,プレイヤの思考過程の研究を行った.カーリングは,将棋などとは異なり,不確定要素を含むゲームであるが,その思考過程について確定ゲームと違いがあるかどうかを,「次の一手問題」を用いた認知科学的実験から検証していく.
著者
中辻 七朗 伊藤 浩史 伊原 久裕
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.3_21-3_30, 2017-11-30 (Released:2018-02-01)
参考文献数
21

本研究は,タイプフェイスについて,専門家と非専門家の類似性判断の差異を実験的に検証した。刺激として用いたのは,セリフ書体およびサンセリフ書体である。実験手法としては,各書体が記載されているカードを各書体の形態の類似度に応じて2次元空間に配置するカード配置法を用いて,空間上の刺激間の距離から各書体の形態の類似度を計測した。専門家と非専門家の空間配置について,配置図間の類似性を評価する跡相関係数を算出したところ,5%水準で有意差が認められ,専門家と非専門家の類似性判断に差異があった。次に,取得された類似度と各書体の文字の太さの相関関係を調べた。サンセリフ書体については,専門家の判断は中程度の相関を示したのに対して,非専門家の判断は強い相関を示したことから,非専門家によるサンセリフ書体の類似性判断は,字体の太さに大きく影響されることがわかった。
著者
伊藤 勝千代
出版者
水産庁日本海区水産研究所
雑誌
日本海区水産研究所研究報告 (ISSN:00214620)
巻号頁・発行日
no.39, pp.p37-133, 1989-02
被引用文献数
5

1983年6月~'85年9月の約3カ年間の海洋生産力調査と1986年8月~9月の深海性重要甲殻類分布調査の一環として,そりネットを使用し,新潟県中・下越及び佐渡島周辺沿岸の98定点で,メガロベントス採集調査を行い,混獲物として得られた貝類試料を調べ,資料を整理した。これらの資料に基づき,この海域の貝類相について,次の知見を得た。1)期間中に計385種の貝類が得られ,それらの種類リストと採集定点,水深範囲及び出現点当たり生貝・遺骸別個体数を示すとともに,多数の種名未確定種があるのを考慮し全種の写真を示した。2)採集物の構成内容は,腹足類224種(58.2%),堀足類7種(1.8%),斧足類154種(40.0%)であった。3)既往の貝類分布に関する諸報告を参考に検討した結果,これまで未確認であった腹足類52種,堀足類1種及び斧足類33種の計86種が,新潟県下の沿岸にも生息分布することが明らかになった。また,このうちコウダカチャイロタマキビガイ・セイタカハナヅトガイ・ツヤハナゴウナ・サガミシタダミ・オニカゴメガイ・Anacithara (A.) moeshimaensis・ヤスリコトツブ・ロウイロカゴメイトカケガイ・エドイトカケガイ・Turbonilla (Sulcoturbonilla) quantona・ブドウノタネガイ・ヨコヤマミミエガイ・オオマルフミガイ・チゴバカガイ・オトヒメカガミガイの15種は,日本海側での生息分布がこれまで確認されておらず初記録となった。 このほか,日本海を模式産地として記載されたものの,その後の採集記録が見当たらないConradia cf. clathrata,Trichotropis cedonulli及びレイシツボの3種について,再発見地の採集状況について述べた。4)種類数分布及び1種当たり個体数分布を示し,それぞれの多獲地点を述べた。しかし,多獲地点と深度及び海底底質との間には明瞭な相互関係が見出せなかった。5)この海域の優先種として,マメヒパリガイ・ナミジワシラスナガイ・モトリニシキガイ・オオシラスナガイ・オオキララガイ及びムチヅノガイの6種をあげ,それら各種の量的分布を示した。
著者
河相 安彦 矢崎 貴啓 松丸 悠一 先崎 孝三郎 浅井 秀明 今道 康夫 伊藤 允人 杉村 華織 竹尾 藍 朱 一慶 伊澤 武志 大野 洋介 山本 史朗 小平 真倫亜 宗 邦雄 島 由樹 林 幸男 桑原 克久 小林 喜平
出版者
Japan Prosthodontic Society
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.572-581, 2007-07-10
被引用文献数
3 7

目的: 本研究の目的は総義歯学の授業で講義型学習 (以下LBL) と問題解決型学習 (以下PBL) 双方を経験した学生の自己学習および臨床推理能力に関する教育効果と授業・教員に対する評価の両教育形式間での比較検討である.<BR>方法: 総義歯学の授業を平成15年度入学の学生に, 平成17年度3年次前期にLBL, 平成18年度4年次前期にPBLにて行った. PBLは5回にわたり, 毎回1症例についてグループディスカッションを行い, グループによるまとめを2回, 個人レポートを2回および全体発表を1回という予定で進行した. 全体発表終了後, 教育効果および授業・教員に関する27項目のアンケートを行った.因子分析により質問項目の類型を行い, 各質問項目についてLBLおよびPBLの比較を行った (Paired-t).<BR>結果: 因子分析より質問項目は4因子に類型された. LBLとPBLとの間で「学習態度」について7項目中4項目, 「臨床推理能力」について全項目, 「授業内容」について7項目中5項目, 「教員評価・そのほか」について6項目中2項目, 合計27項目中18項目 (66.6%) でPBLが有意に高い値を示した.<BR>結論: PBLはLBLに比べ自己学習および臨床推理能力の教育効果の向上に極めて有効で, 授業に関する評価も有意に高かった. 一方, 同様の授業を受けることに学生は後向きで, 消極性解消法の検討が必要であると示唆された.
著者
中根 邦彦 伊藤 寛将 磯谷 健治 板倉 裕子 糟谷 慶一 小林 慎一
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.252-255, 2015
被引用文献数
6

ジビエなどの肉および肝臓の生食あるいは加熱不十分な状態での摂食によるE型肝炎感染事例が各地で報告されている.そこで2010年4月から2014年11月までに愛知県岡崎市内および近郊で捕獲されたイノシシ439頭およびシカ185頭から採取された肝臓についてHEV感染状況を調査した.その結果,イノシシ49頭(11.2%)からHEV遺伝子が検出されたが,シカはすべて陰性であった.また,イノシシにおける推定体重40 kg未満の個体群でのHEV遺伝子の検出率は13.0%(28/216),一方40 kg以上の個体群では2.7%(3/111)と,40 kg未満の個体群で有意に検出率が高かった.分子系統樹解析により,検出されたHEVの遺伝子型はすべてgenotype4であり,4型愛知静岡株と同一のクラスターを形成したが,1株を除き48株はさらに小さなクラスター(Okazaki strain)を形成していた.
著者
伊藤 博之 清水 顕
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.91-94, 2014 (Released:2014-08-07)
参考文献数
12

da Vinciサージカルシステムによるロボット支援下甲状腺手術は,機器の持つ極めて高い利便性,安定性により内視鏡下甲状腺手術を応用発展させた術式である。内視鏡手術の欠点を克服し,安全性が高く確実な方法である。前頸部に創部を作らず腋窩から手術を行うため,術後の整容面で優位性がある。ロボット支援下手術の概要と利点,問題点を概説する。
著者
吉田 葵 伊藤 一成 阿部 和広
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-134, no.12, pp.1-10, 2016-02-27

青山学院大学では,2015 年前期 (4 月から 8 月) に,社会情報学部 1 年次必修科目として 「社会情報体験演習」 を開講した.この授業科目の目的は,構築主義を背景としたフィジカル・コンピューティングを通して,プログラミングの知識や技術を身に付けるだけでなく,主体的に学ぶ姿勢を身につけることである.授業では 「(教師は) 教えない」 を合言葉とし主体的に学ぶことを促した.また,学生の興味を惹き,アイデアを引き出せるよう,センサーボードをはじめとした様々なアイテムを提示し,自らのアイデアを形にするという体験を提供した.本稿では,授業設計について報告するとともに,履修学生に対するアンケート結果及び成果物から,技術の習得及び学ぶことに対する意識の変容について考察する.