著者
長濱 澄 菅野 弘朗 森田 裕介
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.345-362, 2018-03-01 (Released:2018-03-16)
参考文献数
38

本研究では,オンライン学習を想定した映像コンテンツの高速提示において,学習スタイル別の情報処理プロセスと学習効果の関連性を明らかにすることを目的とした.FELDER の学習スタイル尺度によって分類されたVisual 群20名とVerbal 群20名に対し,講師映像,スライド,字幕から構成された映像コンテンツを1倍速と2倍速の提示条件で提示した.その結果,映像コンテンツの高速提示による認知負荷は,二重チャンネルモデルにおける聴覚チャンネルの情報処理量が増大したことによるものである可能性が示唆された.映像コンテンツの高速提示における教育実践上の配慮として,(1)F-ILS におけるVisual 型学習者のように,視覚チャンネルを中心に情報処理を行う学習者には,聴覚チャンネルにおける情報処理量が過度に大きくならない程度の再生速度で提示する,(2)F-ILS におけるVerbal 型学習者のように,聴覚チャンネルを中心に情報処理を行う学習者には,内容が簡略化された視覚テキストを提示することが挙げられる.
著者
大塚 浩仁 田中 健作 斉藤 晃一 森田 泰弘 加藤 洋一 佐伯 孝尚 山本 高行 後藤 日当美 山本 一二三
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.148-154, 2015-05-05 (Released:2017-06-12)
被引用文献数
1

イプシロンロケットは2013年9月14日に惑星分光観測衛星「ひさき」の打上げに成功し,目標とした軌道投入精度を達成し,新規に開発した誘導制御系の性能を遺憾なく発揮した.イプシロン開発では,惑星探査機「はやぶさ」を投入したM-Vロケットの誘導制御系の性能を継承しつつ新たな技術革新にチャレンジし,M-Vの機能,性能をさらに向上させた誘導制御系を実現した.最終段には信頼性の高い低コストなスラスタを用いた液体推進系の小型ポストブースタ(PBS)を開発し,新たに導入した誘導則とともに軌道投入精度を飛躍的に向上させた.フライトソフトにはM-Vで蓄積した各種シーケンスや姿勢マヌーバ機能をユーティリティ化して搭載し,科学衛星ユーザ等の多様な要望に容易に対応できる機能を実現し運用性を高めた.
著者
森田 大介 Daisuke MORITA モリタ ダイスケ
出版者
総合研究大学院大学文化科学研究科 / 葉山町(神奈川県)
雑誌
総研大文化科学研究 (ISSN:1883096X)
巻号頁・発行日
no.16, 2020-03-31

十六世紀は、『中原康貞記』や『中原康雄記』などの古記録があるものの、地下官人に関する研究が停滞している。その理由は、『中原康貞記』と『中原康雄記』が全面的に翻刻されていないことや、当該期の六位外記史に関する職員録がない点にある。そこで、本稿は、基礎的な作業となるが、十六世紀に現われる外記局・弁官局の六位外記史の系統・官職・在職時期などの考証を行う。これによって、中世から近世に至る六位外記史や外記局・弁官局の実態を解明するための礎を築くものである。その結果を述べると、まず、十五世紀半ばの外記局の構成員一族は、隼人正流中原氏と「種」流清原氏となっていたが、長禄年間(一四五七~六〇)を境に「種」流清原氏は姿を消し、それに代わって「賢」流清原氏が出現する。そのため、十六世紀は、隼人正流中原氏と「賢」流清原氏が外記を本官として活動する。十七世紀初頭には、隼人正流中原氏の康政と、「賢」流清原氏の賢好が、出家・引退してしまうものの、蔵人方出納を輩出していた中原氏や、京近郊で郷士となっていた隼人正流中原氏の傍流から、新たに六位外記となる一族が現れる。弁官局では、十六世紀前半に三善氏が加わるが、同時期に高橋氏がいなくなる。しかし、高橋氏は後陽成天皇の在位期に再興されるので、十六世紀末から十七世紀初頭に史を本官とする一族は、安倍氏・高橋氏・虫鹿流小槻氏・三善氏の四氏構成となる。これらのことにより、両局ともその構成は、十五世紀半ばから十六世紀末に至るまでいまだ流動的な状況にあったと判断されるのである。十六世紀の六位外記史の多くが「両局兼帯」していたことも確認できる。この「両局兼帯」の一般化によって、両局は多数の構成員一族で運営されることになり、それぞれの局内にいる特定の構成員一族が六位の極臈となる官職を目指し、それ以下の官職を家業習得の場として請け負っていく「下級官史請負」の仕組みは崩れた様子がうかがえる。当該期は、家業習得や極臈になることを目的として下臈から上臈に昇っていく階梯を少数の構成員一族が独占し請け負っていくのではなく、行事運営を支えるためにそれぞれの局を構成する一族が、両局の枠を超えて外記と史の両方を請け負う状態となったと捉える方が妥当である。こうして両局は、「下級官史請負」の進行がもたらした人員不足と、それに伴う少数の構成員一族による局内運営という組織運営上の構造的欠陥を克服し、組織の統廃合や改編を経ることなく近世へと存続したと考えられるのである。Research on low-ranking officials in the 16th century has been stagnant due mainly to an absence of contemporaneous staff records.Accordingly, this paper examines the history, responsibilities, and terms of service at the Rokuishi and Rokuigeki that emerged in the 16th century with the hope of laying a foundation for elucidating the actual situation of the Gekikyoku and Benkankyoku.Our examination confirmed that during this period, members of the main lineage of the Nakahara Hayato family and Shu lineage of the Kiyohara family served as the Rokuigeki Secretariat.Nakahara Yasumasa of the main lineage of the Hayato Nakahara family, and Katayoshi Kiyohara, from the Ken lineage of the Kiyohara family, became priests and retired in the early 17th century. A new family of Rokuigeki Secretariat then appeared from a side lineage of the Nakahara family, which had produced Kurodo-shutsuno or brewers’ treasurers, and from another side lineage of the Nakahara family, which had become country samurai in the suburbs of Kyoto. From the end of the 16th century to the beginning of the 17th century, the Benkankyoku was served by four families; Abe, Takahashi, Mushiga lineage of Oduki, and Miyoshi. In other words, the organizational personnel of the two bureaus was still unstable during the period from the mid-15th century to the end of the 16th century.It can also be confirmed from the history of the 16th century that most of the time the secretariat served both bureaus. When the practice of serving both bureaus persisted, both bureaus were operated by a large number of specific family members who aspired to achieve the position of Gokuro, or head chamberlain. The structure of taking positions as lower-ranking officials as opportunities to learn about their family business eventually disintegrated. During this period, instead of a few members of the family monopolizing the echelons from the lower to the upper ranks, a large number of the family members who were in charge shared the responsibilities beyond the scopes of the bureaus to learn their family business and reach the top Gokuro post. In this way, the two bureaus were able to overcome their structural deficiencies, such as shortages of personnel from excessive taking of positions as lower-ranking officials resulting in management by a small number of family members. The two bureaus survived to early modern times without experiencing organizational elimination, consolidation or restructuring.
著者
三輪 聖 森田 達也 松本 禎久 上原 優子 加藤 雅志 小杉 寿文 曽根 美雪 中村 直樹 水嶋 章郎 宮下 光令 山口 拓洋 里見 絵理子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.281-287, 2021 (Released:2021-10-26)
参考文献数
18

【目的】緩和ケア医が苦痛の評価を行う上で知っておくことが必要と考える方言を収集する.【方法】2020年2月から4月に緩和医療専門医・認定医762名を対象とした全国質問紙調査を実施した.緩和ケア医が苦痛の評価を行う上で知っておくことが必要と考える方言とその意味を自由記述で質問し,症状別に分類した.【結果】有効回答492名(64.8%).233名(47.4%)が方言として116語を挙げ,苦痛を表現する方言は101語であった.「倦怠感・特定できない苦痛・全体的な調子の悪さ」(N=62),「疼痛」(N=13),「呼吸器・循環器症状」,「精神症状」(各N=8),「消化器症状」,「神経・筋・皮膚症状」(各N=5)であった.【結語】緩和ケア医が苦痛の評価を行う上で知っておくことが必要と考える方言とその意味が明らかになった.苦痛の適切な評価のために,苦痛を表す様々な方言があることを理解することが必要である.
著者
神田 睦月 徳田 献一 入部 正継 森田 成昭 齊藤 安貴子 八上 修一 小堀 亮
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2017 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp.1A1-C02, 2017 (Released:2017-11-25)

In recent years, aging of agricultural workers has progressed, attention is paid to ICT conversion of agriculture and Functional food with health maintenance effect. Raspberry contains a large amount of compounds that have a high health maintenance effect, which takes time and labor for cultivation. The purpose of this research is to construct an image processing system that recognizes color and position information in order to check whether harvesting of raspberries is possible under an indoor environment. As research contents, RGB values of colors of berries at various stages were calculated from spectral analysis results of berries and compared with actual fruit photos. We also classified colors in the image using machine learning and verified its accuracy.

17 0 0 0 OA 腎症候性出血熱

著者
森田 千春
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.149-156, 1987-03-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
41
被引用文献数
2
著者
森田 兼吉
出版者
梅光学院大学
雑誌
日本文学研究 (ISSN:02862948)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.29-40, 1997-01-20
著者
小林 宏行 武田 博明 渡辺 秀裕 太田見 宏 酒寄 享 齋藤 玲 中山 一朗 富沢 麿須美 佐藤 清 平賀 洋明 大道 光秀 武部 和夫 村上 誠一 増田 光男 今村 憲市 中畑 久 斉藤 三代子 遅野井 健 田村 昌士 小西 一樹 小原 一雄 千葉 太郎 青山 洋二 斯波 明子 渡辺 彰 新妻 一直 滝沢 茂夫 中井 祐之 本田 芳宏 勝 正孝 大石 明 中村 守男 金子 光太郎 坂内 通宏 青崎 登 島田 馨 後藤 元 後藤 美江子 佐野 靖之 宮本 康文 荒井 康男 菊池 典雄 酒井 紀 柴 孝也 吉田 正樹 堀 誠治 嶋田 甚五郎 斎藤 篤 中田 紘一郎 中谷 龍王 坪井 永保 成井 浩司 中森 祥隆 稲川 裕子 清水 喜八郎 戸塚 恭一 柴田 雄介 菊池 賢 長谷川 裕美 森 健 磯沼 弘 高橋 まゆみ 江部 司 稲垣 正義 国井 乙彦 宮司 厚子 大谷津 功 斧 康雄 宮下 琢 西谷 肇 徳村 保昌 杉山 肇 山口 守道 青木 ますみ 芳賀 敏昭 宮下 英夫 池田 康夫 木崎 昌弘 内田 博 森 茂久 小林 芳夫 工藤 宏一郎 堀内 正 庄司 俊輔 可部 順三郎 宍戸 春美 永井 英明 佐藤 紘二 倉島 篤行 三宅 修司 川上 健司 林 孝二 松本 文夫 今井 健郎 桜井 磐 吉川 晃司 高橋 孝行 森田 雅之 小田切 繁樹 鈴木 周雄 高橋 宏 高橋 健一 大久保 隆男 池田 大忠 金子 保 荒川 正昭 和田 光一 瀬賀 弘行 吉川 博子 塚田 弘樹 川島 崇 岩田 文英 青木 信樹 関根 理 鈴木 康稔 宇野 勝次 八木 元広 武田 元 泉 三郎 佐藤 篤彦 千田 金吾 須田 隆文 田村 亨治 吉富 淳 八木 健 武内 俊彦 山田 保夫 中村 敦 山本 俊信 山本 和英 花木 英和 山本 俊幸 松浦 徹 山腰 雅弘 鈴木 幹三 下方 薫 一山 智 斎藤 英彦 酒井 秀造 野村 史郎 千田 一嘉 岩原 毅 南 博信 山本 雅史 斉藤 博 矢守 貞昭 柴垣 友久 西脇 敬祐 中西 和夫 成田 亘啓 三笠 桂一 澤木 政好 古西 満 前田 光一 浜田 薫 武内 章治 坂本 正洋 辻本 正之 国松 幹和 久世 文幸 川合 満 三木 文雄 生野 善康 村田 哲人 坂元 一夫 蛭間 正人 大谷 眞一郎 原 泰志 中山 浩二 田中 聡彦 花谷 彰久 矢野 三郎 中川 勝 副島 林造 沖本 二郎 守屋 修 二木 芳人 松島 敏春 木村 丹 小橋 吉博 安達 倫文 田辺 潤 田野 吉彦 原 宏起 山木戸 道郎 長谷川 健司 小倉 剛 朝田 完二 並川 修 西岡 真輔 吾妻 雅彦 前田 美規重 白神 実 仁保 喜之 澤江 義郎 岡田 薫 高木 宏治 下野 信行 三角 博康 江口 克彦 大泉 耕太郎 徳永 尚登 市川 洋一郎 矢野 敬文 原 耕平 河野 茂 古賀 宏延 賀来 満夫 朝野 和典 伊藤 直美 渡辺 講一 松本 慶蔵 隆杉 正和 田口 幹雄 大石 和徳 高橋 淳 渡辺 浩 大森 明美 渡辺 貴和雄 永武 毅 田中 宏史 山内 壮一郎 那須 勝 後藤 陽一郎 山崎 透 永井 寛之 生田 真澄 時松 一成 一宮 朋来 平井 一弘 河野 宏 田代 隆良 志摩 清 岳中 耐夫 斎藤 厚 普久原 造 伊良部 勇栄 稲留 潤 草野 展周 古堅 興子 仲宗根 勇 平良 真幸
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.333-351, 1995-07-31
被引用文献数
2

新規キノロン系経口合成抗菌薬grepafloxacin (GPFX) の内科領域感染症に対する臨床的有用性を全国62施設の共同研究により検討した。対象疾患は呼吸器感染症を中心とし, 投与方法は原則として1回100~300mgを1日1~2回投与することとした。<BR>総投与症例525例のうち509例を臨床効果判定の解析対象とした。全症例に対する有効率は443/509 (87.0%) であり, そのうち呼吸器感染症432/496 (87.1%), 尿路感染症11/13 (84.6%) であった。呼吸器感染症における有効率を疾患別にみると, 咽喉頭炎・咽頭炎19/22 (86.4%), 扁桃炎17/18 (94.4%), 急性気管支炎53/58 (91.4%), 肺炎104/119 (87.4%), マイコプラズマ肺炎17/19 (89.5%), 異型肺炎5/5, 慢性気管支炎117/133 (88.0%), 気管支拡張症48/63 (76.2%), びまん性汎細気管支炎17/19 (89.5%) および慢性呼吸器疾患の二次感染35/40 (87.5%) であった。<BR>呼吸器感染症における細菌学的効果は233例で判定され, その消失率は単独菌感染では154/197 (78.2%), 複数菌感染では22/36 (61.1%) であった。また, 単独菌感染における消失率はグラム陽性菌48/53 (90.6%), グラム陰性菌105/142 (73.9%) であり, グラム陽性菌に対する細菌学的効果の方が優れていた。呼吸器感染症の起炎菌のうちMICが測定された115株におけるGPFXのMIC<SUB>80</SUB>は0.39μg/mlで, 一方対照薬 (97株) としたnornoxacin (NFLX), onoxacin (OFLX), enoxacin (ENX) およびcipronoxacin (CPFX) はそれぞれ6.25, 1.56, 6.25および0.78μg/mlであった。<BR>副作用は519例中26例 (5.0%, 発現件数38件) にみられ, その症状の内訳は, 消化器系18件, 精神神経系13件, 過敏症3件, その他4件であった。<BR>臨床検査値異常は, 490例中49例 (10.0%, 発現件数61件) にみられ, その主たる項目は, 好酸球の増多とトランスアミナーゼの上昇であった。いずれの症状, 変動とも重篤なものはなかった。<BR>臨床効果と副作用, 臨床検査値異常の安全性を総合的に勘案した有用性については, 呼吸器感染症での有用率422/497 (84.9%), 尿路感染症で10/13 (76.9%) であり, 全体では432/510 (84.7%) であった。<BR>以上の成績より, GPFXは呼吸器感染症を中心とする内科領域感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。
著者
青山 貴則 相田 潤 竹原 順次 森田 学
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.16-24, 2008-01-30 (Released:2018-03-30)
参考文献数
49
被引用文献数
3

一般歯科医院において,修復物の生存期間とそれに関連する要因を検討することを目的とした.札幌市内の歯科医院にて,1991年1月1日から2005年3月31日の間に修復物を用いた治療を受け,その後,定期健診やその他の治療目的などで再来院した患者を対象とした.コンポジットレジン,メタルインレー,4/5冠,メタルクラウン,メタルブリッジの生存期間とそれに関連する因子をKaplan-Meier法と,Cox比例ハザードモデルを用いて検討した.総計95人,649歯の修復物について分析した結果,平均生存期間では,メタルインレーが3,804日と最も長く,次いでコンポジットレジン3,532日,4/5冠3,332日,メタルクラウン3,276日,メタルブリッジ2,557日であった.10年の生存率を推定した結果,メタルインレー67.5%,4/5冠60.5%,コンポジットレジン60.4%,メタルクラウン55.8%,メタルブリッジ31.9%であった.再治療の原因では二次う蝕によるものが多く,特にコンポジットレジン(78.2%),メタルインレー(72.4%)で著明であった.Cox比例ハザードモデルを用いて,修復物の生存期間の長さに影響している因子を検討した結果,アイヒナー分類で生存期間と有意な関連(p<0.05)がみられ,アイヒナー分類B1,B2,B3が予後不良であり,ハザード比はそれぞれ1.88 (1.16-3.05),3.18 (1.93-5.25),2.44 (1.31-4.53)であった.年齢,歯種,治療時の歯髄状態と生存期間との間に有意な関連は認められなかった.以上の結果から,メタルブリッジの生存期間が最も短く,また咬合の要因が生存期間と関連していることが示唆された.
著者
森田 登代子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.66, no.7, pp.317-328, 2015 (Released:2015-07-16)
参考文献数
37

This report describes how Emperor Meiji's costume changed from the end of the Edo Period to the beginning of the Meiji Era. When he lived in Kyoto, he wore a traditional costume called a Kugeshouzoku (nobility dress). However, after he moved to Tokyo, his costume changed drastically, because he was forced to westernize his way of life in all respects. In Kyoto, he showed his authority as Mikado with Three Sacred Treasures beside him. In Tokyo, everything was different. He had to represent his authority, not by those symbols but through his new dress: he had to give dignity and nobility to his military uniforms. Emperor Meiji's uniforms were henceforth decorated with epaulets, gold strings, and gorgeous chrysanthemum-pattern embroidery. This is clearly evident in the “Goyoudoroku” receipt lists of purchases by the Imperial Family owned by the Imperial Household Agency.
著者
坂巻 顕太郎 兼清 道雄 大和田 章一 松浦 健太郎 柿爪 智行 高橋 文博 高沢 翔 萩原 駿祐 森田 智視
出版者
日本計量生物学会
雑誌
計量生物学 (ISSN:09184430)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.55-91, 2020 (Released:2020-12-04)
参考文献数
44

It is common to use hypothesis testing to decide whether an investigational drug is ineffective and to determine sample size. However, it may not be good practice that only hypothesis testing is used for sample size determination, go/no-go decision making, and drug development decisions, especially in exploratory clinical trials. That is because important factors for decision making, such as treatment effects, drug development costs, and gains after launch, are not considered in hypothesis testing. The Bayesian decision theory is one of the approaches to consider such factors for decision making. The utility, which is defined by using important information such as cost, benefit, and disease severity, is used for decision making in the decision theory. In consideration of uncertainties of data and parameters, the expected value of the utility is used for decision making in the Bayesian decision theory. In this article, we explain basic concepts of the Bayesian decision theory, backward induction for calculation of expected value of utility in sequential decision-making, and introduce some approaches using the Bayesian decision theory in clinical trials. We summarize actions, utilities and sample size determination for applications of Bayesian decision theory in future clinical trials.
著者
河上 純輝 菊川 憲志 小田 勇一郞 森田 誠 橋本 憲蔵 田村 諭史 福間 裕子 高田 興志
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.552-555, 2018-09-25 (Released:2018-11-12)
参考文献数
4
被引用文献数
2

肩石灰性腱炎と診断されシメチジンを投与した症例について,臨床症状および単純X線の改善率を検討した.当科において肩石灰性腱炎と診断され,シメチジンを投与された33例35肩(男性6肩,女性29肩)を対象とした.病期分類としてDePalma分類を用いた.シメチジン内服後の疼痛を消失・軽快・不変に分け評価した.石灰化については,単純X線正面像で評価した.DePalma分類における急性期が25肩,亜急性期が6肩,慢性期が4肩であった.30肩(85%)で症状の改善(消失+軽快)を認め,24肩(69%)の症例で単純X線写真での石灰化改善を認めた.肩石灰性腱炎に対し,シメチジンの投与は有効な治療法の一つであると思われた.
著者
坪井 潤一 森田 健太郎 松石 隆
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.180-185, 2002-03-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
28
被引用文献数
14 15 9

北海道南部の4河川において,天然のイワナSalvelinus leucomaenisを用いて,キャッチアンドリリース後の成長,生残,釣られやすさを調べた。釣獲直後の死亡率は6.7%であり,過去の研究結果に近い値であった。一方,キャッチアンドリリースが行われた個体において,成長率や生残率の低下は認められなかった。また,釣られやすさは釣獲経験のある個体と無い個体で同程度であった。よってキャッチアンドリリースを行うことは資源量および釣獲量の増大に有効であることが示唆された。
著者
森田 恭成 渡辺 伸一 大野 美香 自見 孝一朗 荒川 立郎 難波 智矢 堀部 達也 劉 啓文
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.395-402, 2020-09-01 (Released:2020-09-01)
参考文献数
15
被引用文献数
1

【目的】リハビリテーション(リハ)の介入日数と人工呼吸患者の日常生活動作(activities of daily living, ADL)との関係を検討した。ADLの評価には,Barthel index(BI)を用いた。【方法】共通の離床プロトコルに基づいたリハを週7日と週5日で行う施設群間で比較した。診療録より2017年1月から13ヶ月間のリハに関する情報を収集し,検討した。【結果】週7日群100例,週5日群106例が登録された。BIは両群で差を認めなかった(75対60,P=0.310)が,週7日群はリハ開始とICU退室が早く(2日対3日,P<0.0001,8日対10日,P=0.004),また,端坐位達成率が高く(41.0%対28.3%,P<0.0001),せん妄発生率が低かった(24.0%対45.3%,P=0.001)。多変量解析でBIに関係した因子は年齢であり,せん妄に関係した因子は週7日介入,年齢,鎮静プロトコルであった。【結語】週7日群と週5日群でBIには差を認めなかったが,週7日群でリハ開始とICU退室が早くなり,端坐位達成が多く,せん妄発生は少なかった。
著者
濵本 真一 兵 行義 田中 浩喜 舘 俊廣 森田 倫正 福島 久毅 原田 保
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.106, no.8, pp.693-697, 2013 (Released:2013-08-01)
参考文献数
29
被引用文献数
1

Kawasaki disease (KD) is an idiopathic systemic vasculitis common in infants and children that affects predominantly small and medium-sized extraparenchymal muscular arteries. KD manifests various clinical symptoms, of which coronary aneurysms are the most important complication. However, the association of sensorineural hearing loss with KD is rare. A 7-year-old girl with KD was referred to our department with a chief complaint of hearing loss. In her hearing test, she showed a high degree of bilateral sensorineural hearing loss. Although the patient was treated with steroid pulse therapy (methylprednisolone), her hearing level deteriorated. Two weeks after steroid therapy, a slight improvement was seen. Thereafter, the patient started to use hearing aids. About one year has elapsed since the onset of hearing loss, but her hearing level has not improved.
著者
阿部 泰之 堀籠 淳之 内島 みのり 森田 達也
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.134-140, 2014 (Released:2015-02-17)
参考文献数
19

【目的】本研究の目的は,医療介護福祉間の,特に現場においてのバリアをなくす取り組みであるケア・カフェ®を地域に適用することにより,地域の連携がどのように変化するか調査することである.【方法】ケア・カフェ®の参加者を対象とした質問紙による前後比較研究を行った.医療介護福祉の地域連携尺度の点数変化の解析,質問紙の自由記載の内容分析をあわせて検討する混合研究法を用いた.【結果】地域連携尺度の点数は,合計点数および4つの下位尺度において有意に上昇し,その効果量は0.32~0.36であった.自由記載の内容分析において,参加者はケア・カフェ®に参加することにより,多職種の顔の見える関係をつくるという本来の目的以外にも,癒しの場,コミュニケ-ション上の気づき,社会関係資本など,多様な成果を得ていることが分かった.【結論】ケア・カフェ®は,地域における医療介護福祉の連携を改善する有用なツ-ルである.
著者
柏原士郎 上野淳 森田孝夫 カシハラ シロウ ウエノ ジュン モリタ タカオ Kashihara Shiro Ueno Jun Morita Takao
出版者
大阪大学出版会

1995年1月17日兵庫県南部地震発生.その直後から筆者らは現地に入り調査を開始し,避難所と避難生活の実態を継続的に記録する.そして地域住民の避難行動,避難拠点形成過程を分析し,施設・空間の利用構造,生活環境としての問題点を明らかにした.とくに避難所の中核“学校"についての知見と提言は,地方自治体の防災基本方針をたてるうえで一石を投じる.逃げないで安全で住みよい地域生活環境を創造するための貴重な基礎資料.
著者
西村 直也 坪田 未希 奥 知久 森田 拓真 白澤 進一 小川 貴久
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.73-78, 2023-04-15 (Released:2023-05-15)
参考文献数
19

【目的】大腿骨近位部骨折術後において, 炎症の高低によって入院中の体重変化に関わる栄養要因が異なるかどうかを明らかにする.  【対象および方法】当院にて大腿骨近位部骨折に対し手術を施行した60歳以上の223名を対象とした. 術後7±2日目のCRP値をカットオフとして, 高炎症群 (CRP≧3mg/dL), 低炎症群 (CRP<3mg/dL) の2群にわけ, 多変量回帰分析により, 術後1週間の三大栄養素摂取量それぞれの総エネルギー比と術後1カ月後の体重変化との関連性を検討した.  【結果】平均年齢は85.1歳 (女性165名),低炎症群は148名, 高炎症群は75名にわけられた. 体重減少に関連する有意な要因として, 高炎症群では, 炭水化物と脂質摂取量が少ないこと, 低炎症群では, エネルギー充足率が低いことが認められた.  【結論】大腿骨近位部骨折の患者にとって, 炎症が高値である場合は炭水化物または脂質, 炎症が低値の場合は, エネルギー充足率が体重減少に影響していることが示唆された.