著者
関口 海良 田中 克明 赤石 美奈 堀 浩一
雑誌
SIG-SAI = SIG-SAI
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.1-9, 2007-11-26

多元的な世界とは,真理,価値,世界観などの多様性を認める世界である.これを実現するためには,人と人の対話を支援することが有効であると考えられる.ロボット・ネットワークを用いれば,人とロボットの同期対面(ミクロ)の対話と,ネットワークを介した人と人の非同期非対面(マクロ)の対話の両方を,効果的に支援することができる.本論文ではコンセプトを提案し,研究開発中のプロトタイプを紹介する.
著者
青木 正敏 千村 隆宏 石井 健一 開發 一郎 倉内 隆 虫明 功臣 仲江川 敏之 大手 信人 ポルサン パンヤ セマー スティーブ 杉田 倫明 田中 克典 塚本 修 安成 哲三
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.39-60, 1998-01-05
参考文献数
23
被引用文献数
6 7

アジアモンスーンエネルギー水循環観測研究計画(GAME)の予備的な観測が,地表面フラックスと土壌水分を測定するためのプロトタイプ自動気象ステーションの性能の評価といくつかのフラックス測定法の相互比較を目的に1996年の夏,タイ国スコタイ付近において行われた.使用された3つの観測システムで得られたデータに渦相関法,バンドパスコバリアンス法,ボーエン比法,プロファイル法,そしてバルク法を適用することで地表面フラックスが得られた.乱流統計量やフラックスの相互比較の結果,統計量そのものは正確に得られているものの,潜熱フラックス評価のためのバンドパスコバリアンス法のアルゴリズムには改良の余地があることが示された.また,熱収支的な方法を利用する場合,水田の水体の貯熱量変化の正確な評価が重要であることがわかった.全体としてステーションは短期間の高温度高湿度下の運用に満足のいくものであったが,長期運用のためにはこの地域特有の強い雨に対する備えが必要であることがわかった.
著者
艾爾肯 牙生 加藤 鎌司 明石 由香利 Nhi Phan Thi Phuong Halidan Yikeremu 田中 克典 龍 波 西田 英隆 龍 春林 Wu Min Zhu
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.52-65, 2011
被引用文献数
18

中国新疆ウィグル自治区のハミウリは <i>cassaba</i>, <i>chandalak</i>, <i>ameri</i> および <i>zard</i> の 4 変種に分類されているが,その遺伝的多様性についてはほとんど研究されていない.そこで,ハミウリおよび近隣地域の在来品種を含むメロン 120 系統を供試して,遺伝的多様性ならびに類縁関係を解析した.ハミウリ 24 品種の種子長はいずれも 9 mm 以上であり,欧米のフユメロン変種と同じく大粒系に分類され,中国東部のマクワ・シロウリ(小粒系)とは明瞭に異なった.一方,イラン,アフガニスタン,パキスタンおよび中央アジア諸国では,大粒系および小粒系の両者が混在していた.PS-ID 領域(<i>Rpl16-Rpl14</i>)の SNP(一塩基多型)および ccSSR7 マーカーにより葉緑体ゲノムの塩基配列多型を解析した結果,供試したメロン品種が 3 種類の細胞質型(母系)に分けられること,そしてハミウリの細胞質型(T/338bp 型)が欧米のフユメロン品種(T/333bp 型)と異なることが明らかになった.一方,RAPD および SSR マーカーを用いた核ゲノムの多様性解析では,ハミウリの多様性指数(D = 0.243)が他地域の在来メロンより低いことが判明した.系統間での遺伝的距離に基づくクラスター分析の結果,ハミウリのうち果実の貯蔵性に優れる <i>ameri</i> 変種および <i>zard</i> 変種のほとんどが第 2 クラスターに分類されたことから,両変種は遺伝的に分化していないと考えられた.一方,早熟で果実の貯蔵性が悪い <i>chandalak</i> 変種は第 4,第 6 クラスターに分類され,上記 2 変種とは遺伝的に分化していることが判明した.第 2 クラスターには他地域のメロン 12 系統も含まれたが,このうちトルクメニスタンおよびアフガニスタンのメロン 3 系統がハミウリと同じく大粒系(種子)で T/338bp 型(細胞質)であったことから,ハミウリが西方から導入されたと考えられた.これに対して,中国東部のマクワ・シロウリは小粒系,A/338bp 型であり,また核ゲノムの解析でも第 1~第 9 クラスターから遠く離れた第 10 クラスターに分類されたことから,ハミウリとは別起源であることが示された.<br>
著者
田中 克枝 神薗 洋子 氏田 直子 成田 智
出版者
弘前医療福祉大学紀要編集委員会
雑誌
弘前医療福祉大学紀要 (ISSN:21850550)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.41-48, 2013-03-29

先天性聾児や難聴児に2000年以降、人工内耳装用が目覚ましい。本研究の目的は人工内耳を装用している子どもの養育者の思い、特に子どもの聴覚障害の告知後の受け止め、治療・訓練、日常的な育児に関しての思いとその時のサポート状況を明らかにすることである。研究方法は研究趣旨の了承の得られた5 名に半構成的インタビューの面接を行った。結果として、【障害が診断された時の不安、ショック】、【初期対応の仕方に対する不満と納得】【初期の母親の心理的支援の不足】【交流の場がない】【心の支えになった教育相談】子どもの発達時期における【幼児期の関わりの難しさ】【小学校選択の葛藤】【自立への援助の葛藤】などが挙げられた。よりよい支援を考えるにあたり、初期対応は母親の思いをくみ取る丁寧な対応、障害が分かってから教育相談までをつなぐ「橋渡し」、障害への価値観差のより個別的なサポートが必要であると示唆された。
著者
柿野 賢一 津崎 慎二 田中 克幸 服部 利光 松下 和弘 岡林 博文 正山 征洋
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.379-385, 1998-12-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
32

水をベースにした化粧品を考える上で, 水のクラスターが小さい水 (クラスター水) の挙動には非常に興味深いものがある。われわれは, 松下が提唱した水の17O核磁気共鳴 (17O-NMR) スペクトルの半値幅を求める方法により, クラスター水のクラスターの大きさを市販の精製水と比較した。クラスター水の半値幅は56.3Hz, 精製水のそれは142.4Hzであり, この事実からクラスター水が精製水に比較して平均的にクラスターのサイズが小さいことがわかった。さらに, クラスター水と精製水への油脂の分散性を1H核磁気共鳴 (1H-NMR) 分光法を用いて, 油脂の有するメチレン基のプロトンをもとに評価したところ, クラスター水への分散性は精製水と比較してよいことが確認された。また, モノオレインを用いたエマルジョン形成においても, クラスター水は精製水と比較して均一なエマルジョンを形成しているのが確認された。以上より, 水のクラスターの大きさ, 動的構造の差異が油脂の分散性に影響を及ぼすことが示された。
著者
鈴木 宏昭 福田 玄明 鈴木 聡 田中 克明 山田 歩
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第27回全国大会(2013)
巻号頁・発行日
pp.1J3OS22a6, 2013 (Released:2018-07-30)

人間の行う様々な知的活動は感情,動機によって支えられている.近年,これらは意識できないレベルの周辺情報によって大きく影響を受けることが明らかになってきた.本報告では,これらについての認知科学,実験社会心理学の知見を紹介し,AI研究の方法論と組み合わせて,オフィスワーカのモチベーションを向上させるための方策を探究する.
著者
濱崎 雅弘 沼 晃介 田中 克明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.1P1OS143, 2012

<p>社会が抱える問題の複雑化に伴い,異分野越境型プロジェクトの重要性が指摘されている.本稿では筆者らが関わる,美術・社会学・工学の三分野のメンバーから構成される研究プロジェクトにおけるコミュニケーションとコラボレーションの履歴を俯瞰することで,異分野越境型プロジェクトがどのように進展しうるのかについて考察する.</p>
著者
吉野 和樹 久保野 敦史 田中 克史 秋山 隆一
出版者
一般社団法人 日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集 2001年 日本液晶学会討論会 (ISSN:18803490)
巻号頁・発行日
pp.301-302, 2001-09-24 (Released:2017-01-10)

The visco-clastic properties for binary mixtures of 6OCB/8OCB are investigated by a light scattering technique with an application of voltages. The mixtures exhibit a reentrant nematic phase between the smectic and crystal phases in the range of 22.0 to 29.5 wt% of 6OCB content. The viscosity and the elastic constant increase with cooling both in the nematic and reentrant nematic phases. It is also found that the viscosity and the elastic constant show an anomalous increase near the phase transition temperature, namely a pretransitional phenomenon. The activation energies for viscosity differ in the nematic and reentrant nematic phases, depending on the 6OCB content. Moreover, the visco-elastic behavior depends on the specific time during which the sample is kept in the smectic A phase. These results confirm that the formation of dimers plays an important role in the reentrant phenomenon of this system.
著者
森下 寛史 中嶋 正博 田中 克弥 覚道 健治 佐藤 正樹 川添 堯彬 杉立 光史 赤根 昌樹
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学 (ISSN:00306150)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.227-231, 2005-06-25 (Released:2017-05-18)

われわれは舌縁部の咬傷を主訴に来院した58歳女性の巨舌症に対して舌縮小術を施行し, 術前後における音声機能を比較した.最大舌幅径は術前55mmから術後40mmに減少し, 舌縁部の歯の圧痕も消失した.また発語明瞭度検査および「杉スピーチアナライザー」を用いた音声分析の結果では術前と術後5か月とでは変化がみられず, 手術における機能障害は認められなかった.
著者
佃 洸摂 中村 聡史 山本 岳洋 田中 克己
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.3471-3482, 2011-12-15

映像の編集や検索を行う際に,ある人物がより視聴者の注目を集めている映像を検索したいということはよくある.また,現在視聴している映像の関連映像として,登場人物の活躍パターンが似ている映像を推薦してほしいということもよくある.しかし,映像に登場する人物がどの程度視聴者の注目を集めているかは,映像のテキストデータや画像解析だけでは判断できないことが多く,視聴者の反応に基づいて注目されている人物を推定する必要がある.そこで本稿では視聴者の反応として映像の再生時刻に沿って付与されたコメントを用いて,映像に登場する人物が視聴者の注目を集めているシーンの推定と各シーンにおける各登場人物の活躍の度合いの推定を行う手法の提案をする.ただし,本稿ではニコニコ動画に投稿された映像の中で,コメントが一定数以上付与された映像に登場する,視聴者に名前が広く知れわたっている人物を対象とする.
著者
原 聖 藤井 毅 大黒 俊二 高田 博行 寺尾 智史 三ツ井 崇 名和 克郎 包 聯群 石部 尚登 HEINRICH Patrick 荒木 典子 岩月 純一 バヤルメンド クルマス フロリアン デフラーフ チアド 黄 行 フフバートル カムセラ トマシュ 中江 加津彦 落合 守和 オストラー ニコラス プルブジャブ スマックマン ディック 田中 克彦 許 峰 徐 大明 珠 麗 彭 韃茹翠
出版者
女子美術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本科研の重要な成果は、(1)書き言葉生成時にある程度の標準化が行われている、(2)欧州の初期標準規範においては、①文字化と②詩歌など韻律規則を伴う書記規範の生成の2段階を経る、(3)ラテン語文化圏でも漢字文化圏でも、権威をもつ文字をそのまま採用する場合と、その変種的な創作を行う場合がある、(4)欧州における新文字の生成は紀元前1千年紀から紀元後1千年紀であり、(5)漢字文化圏における漢字に類する新文字の生成は、やや遅れ、紀元後5世紀以降、表音文字の中東からの流入以降、中央集権の力が比較的弱まる宋王朝(10-12世紀)にかけてである。
著者
田中 克宜 西上 智彦 壬生 彰 井上 ゆう子 余野 聡子 篠原 良和 田辺 曉人
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】</p><p></p><p>中枢性感作(Central Sensitization:CS)は,中枢神経系の過興奮による神経生理学的な状態を示し,慢性疼痛の病態の一つであることが示唆されている。CSは疼痛だけでなく,疲労や睡眠障害,不安,抑うつなどの身体症状を誘発することから,CSが関与する包括的な疾患概念として中枢性感作症候群(Central Sensitivity Syndrome:CSS)が提唱されている。近年,CSおよびCSSのスクリーニングツールとしてCentral Sensitization Inventory(CSI)が開発され,臨床的有用性が報告されている。CSIはCSSに共通する健康関連の症状を問うPart A(CSI score)および,CSSに特徴的な疾患の診断歴の有無を問うPart Bで構成される。我々はこれまでに言語的妥当性の担保された日本語版CSIを作成し,筋骨格系疼痛患者において,CSI scoreと疼痛や健康関連QOLとの関連を報告している。また,人工膝関節置換術前にCSI scoreが高いと3ヶ月後の予後が不良であることも報告されており,CSIが予後を予測するスクリーニング評価として有用であることが報告されている。しかし,保存療法において,CSIが治療効果を予測する評価であるかは不明である。今回,筋骨格系疼痛患者においてCSIを用い,理学療法介入前のCSと介入後の疼痛および健康関連QOLの関連について調査し,CSIがCSのスクリーニング評価として有用であるか検討した。</p><p></p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>外来受診患者を対象に介入前にCSI,Euro QOL 5 Dimension(EQ5D),Brief Pain Inventory(BPI)を評価した。その後,3ヶ月理学療法を継続した46名(男性17名,女性29名,平均年齢55.1±16.3歳,頚部8名,肩部7名,腰部19名,膝部6名,その他6名)を対象に,EQ5D,BPIを再評価した。介入は関節可動域練習,筋力増強運動,動作指導といった標準的な理学療法を行った。CSI scoreと3ヶ月後のEQ5D,BPI(下位項目:Pain intensity,Pain interferenceの平均点を使用)の関連をSpearmanの順位相関係数を用いて検討した。また,CSSに特徴的な疾患の診断歴の有無で2群(CSS群,no CSS群)に分け,3ヶ月後のEQ5D,BPIについてMann WhitneyのU検定を用いて比較検討した。統計学的有意水準は5%とした。</p><p></p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>CSI scoreの中央値は21.5点(範囲:3-48点)であった。CSI scoreと3ヶ月後のEQ5Dは有意な負の相関を認め(EQ5D:r=-0.332,p<0.05),BPIと有意な正の相関を認めた(Pain intensity:r=0.425,p<0.01;Pain interference:r=0.378,p<0.01)。また,CSS群(n=14)における3ヶ月後のEQ5Dはno CSS群(n=32)に比べて有意に低く,Pain interferenceは有意に高かった(p<0.01)。</p><p></p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>介入前のCSI scoreが3ヶ月後のEQ5D,BPIと有意な相関を認めたことから,CSIがスクリーニング評価として有用である可能性が示唆された。また,CSSに関連する疾患の診断歴もリスクとして考慮する必要性が示唆された。これらのことから,CSI scoreが高い症例に対して,早期からCSを考慮した治療戦略を実施する必要性が示唆された。</p>
著者
杉森 一哉 沼田 和司 岡田 真広 二本松 宏美 竹林 茂生 前田 愼 中野 雅行 田中 克明
出版者
公益社団法人 日本超音波医学会
雑誌
超音波医学 (ISSN:13461176)
巻号頁・発行日
2019

<p><b>目的</b>:慢性肝疾患患者にガドキセト酸ナトリウム(gadolinium ethoxybenzyl diethylenetriaminepentaacetic acid: Gd-EOB-DTPA)での核磁気共鳴画像 (magnetic resonance imaging: MRI)(EOB-MRI)および造影超音波を施行して,早期肝細胞癌(early hepatocellular carcinoma: eHCC)や高度異型結節(high grade dysplastic nodule: HGDN)と再生結節(regenerative nodule: RN)の鑑別に有用な特徴的所見を調査した.<b>対象と方法</b>:最大径が1 cm以上でかつ病理学的に診断された平均腫瘍径がそれぞれ15.5 mm,15.1 mm,14.8 mmの早期肝細胞癌(100結節),HGDN (7結節),RN (20結節)を後ろ向きに検討した.これらの結節のEOB-MRI肝細胞相の信号強度所見と,造影超音波動脈相の所見を用い,RNに特徴的な所見について検討した.<b>結果</b>:早期肝細胞癌100結節中98結節は,EOB-MRIの肝細胞相で低信号(n=95),等信号(n=2),高信号(n=1)を呈し,HGDN 7結節は,低信号(n=6),または高信号(n=1)を呈し,造影超音波動脈相においてはいずれも求心性血管を認めた.早期肝細胞癌1結節では,EOB-MRI肝細胞相で低信号を呈し,造影超音波動脈相で遠心性血管と求心性血管の両方が観察された.RN 20結節中18結節と早期肝細胞癌の残りの1結節ではEOB-MRIで結節中心に小さな低信号域を伴い,周囲は高信号を呈した.残り2結節のRNでは肝細胞相で高信号のみを呈し,造影超音波動脈相で遠心性血管が観察された.結節中心部の小低信号域は,造影超音波動脈相では中央から辺縁に向かって走行する肝動脈とそれに伴走する門脈に一致していた.<b>結論</b>:EOB-MRI肝細胞相および造影超音波動脈相での中心部の血管構造所見は,RNに特徴的な所見である可能性がある.</p>
著者
田中 克行
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.102, no.6, pp.1099-1134,1266-, 1993

The hanzei system as a land policy of the Muromachi bakufu is well-known and has been repeatedly investigated. However, it is less known that the original meaning of hanzei is literally "half-payment" of the tax. This meaning precedes the hanzei law promulgated by the Muromachi bakufu, and it had already appeared in the Kamakura period. During the Sengoku period, villagers in a suburb of Kyoto declared a hanzei and demanded their taxes be reduced by half. In this paper, the author investigates this type of hanzei by each of these villages and tries to regard it as one development of the yearly rice tax (nengu) reduction protests, which had been carried out by shoen-level leagues (shoke-no-ikki). The grounds for village hanzei lay in military mobilization by the bakufu. The bakufu, noticing the military forces built up by the villages (goshu), mobilized them in the suburbs of Kyoto and allowed them tax exemptions in the form of hanzei. For the villagers, who paid nengu, the hanzei exemption meant half-payment of that tax. However, even in those cases where hanzei was not permitted by the bakufu, the villagers proclaimed it anyway. For them, hanzei fell under the category of a nengu reduction. In this sense, the hanzei movement is a variation of the nengu reduction protests. Hanzei was proclaimed not only by isolated villages, but also by groups of villages over a wide area, which formed leagues called sogo or kumi. The ordinal nengu reduction protests were also regionally widespread. The hanzei movement was closely related with war mobilization and leagues calling for social justice by the government (tokusei-ikki). Hanzei was proclaimed as a part of tokusei, which was expected to be carried out with the outbreak of a war, and nengu reduction, even when not in the form of hanzei, was essentially an important part of tokusei proclamations.