著者
茅 暁陽 高橋 成雄 小俣 昌樹 吉田 典正 豊浦 正広
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、ユーザの情動を感知する情動センシング、情動をコンピュータ内で認知・利用する情動アナリシス、情動に適応する画像や映像を合成する情動適応型イメージシンセシスの各フェーズからなる閉じた処理ループを構成することにより、人間中心の情報ネットワークシステムの重要な基盤技術としての新しい CG技術-affective rendering の確立を目的として、感情価と覚せい度で構成される 2 次元情動モデルを使用し、各種視覚要素が情動に与える影響の調査、生体情報より2次元情動空間における状態の推定および情動を特定な状態に誘導する視覚アニメーションの設計と提示技術を開発した。
著者
松井 幸一 高橋 誠一
出版者
関西大学東西学術研究所
雑誌
関西大学東西学術研究所紀要 (ISSN:02878151)
巻号頁・発行日
no.44, pp.243-272, 2011-04

Amami Oshima has created own unique culture, which is based on Ryukyu culture and also mixed with Yamato culture. Tatsugou-chou,a targeted research area for this paper,has mountain district and forest in the central part and villages are located on coast area and look like sticking on the island. Each village inside the island Amami Oshima is called "Shima," which means island in Japanese,since they do not have good access to transportation to other villages as if they are island. Therefore,folk culture also has defferent characters. Under this nature environment,people clearly differentiate between the own village, which they belong to, and the others,which are outside different/unfamiliar world. A targeted research area of this paper is Tatsugou-chou in Amami-oshima. This paper is aim to geographically reserch regarding villagers' consciousness toward self-world and outside world by restoring scattering spiritual places and traditional places of infesting specters on the map As aresult of reserch,there is a tendency that spiritual places are mainly located on old area of the villages and each village has the spiritual place, which is called "Kamiyama." This village constriction is with the philosophy based on "Kusate" idea, which is a traditional village constriction philosophy of Ryukyu. In addition, some cases are recognized that traditinal spiritual places are incorporated in "Heike" legend and lost an original meanings. On the other hand, many of specter-infecting places are located around the outer edges of each village. One of the reasons for this tendency is due to villagers' unconscious social group consciousness. In order to differentiate
著者
辻 正二 中村 彰治 原田 規章 坪郷 英彦 松野 浩嗣 石田 成則 高野 和良 速水 聖子 鍋山 祥子 林 寛子 高橋 征仁
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

現在の高度産業社会には、これまで人類の歴史が経験したことのない新しい時間問題が生まれている。これまで人類は、進化の中で身につけた生命的時間と人間が自ら形成した社会的時間をうまく調和させてきたが、今日のグローバル化と情報通信技術の進展によって生じたハイスピード化社会は、社会的時間を大きく変化させて、人類の時間構造に歪みを増幅させて、生命的時間に慢性的時差ボケを生みつつある。今回の時間意識の調査研究ではハイスピード化によって社会的時間の変化が生じており、これが生命的時間との間でズレを生んでいることがある程度明らかになった。調査データの分析からは、ハイスピード化が生命的時間に負の影響をもたらし、青年や高齢者に身体の不調(疲労やイライラ度や不眠や生理不順など)や社会病理の原因を生んでいることが明らかになった。
著者
吉田 智成 高橋 友和 出口 大輔 井手 一郎 村瀬 洋
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.28, pp.1-6, 2011-08-29

監視カメラ映像からの顔画像認識において,顔領域が低解像度であることは認識精度の低下を招く.この問題に対して,動画像を用いた超解像技術を利用することで認識精度が向上できると考えられる.しかし,従来の超解像は,平面物体を撮影した動画像を対象としている場合が多く,顔画像のように向きや表情の変化によって 2 次元的に非剛体変形する動画像を扱うことが困難である.そこで本報告では,局所領域毎に位置合わせをすることで,顔向きや表情の変化に頑健な超解像を行う手法を提案する.具体的には,フレーム間の位置合わせに非剛体レジストレーションを用いることで顔画像の非剛体変形に柔軟に対応する.実際に撮影した動画像を用いた実験の結果,超解像の性能向上が見られ,提案手法の有効性が確認できた.In a face recognition system with surveillance video cameras, the decrease in resolution of face images degrades the recognition accuracy. To overcome this problem, multi-frame super-resolution techniques could be used to improve the accuracy. However, most super-resolution techniques assume that a planar object is captured in input images. Therefore, it is difficult to apply them to face images that include non-rigid deformations caused by changes of face poses and expressions. In this report, we propose a multi-frame super-resolution method that can deal with changes of face poses and expressions. To achieve this, alignment of each local region between video frames is performed by using a free-form deformation method. Thus, the proposed method can easily deal with the non-rigid deformation of face images. Experimental results demonstrate that the proposed method improved the performance of super resolution for actual videos. From this, we confirmed the effectiveness of the proposed method.
著者
山岸 俊男 坂上 雅道 清成 透子 高橋 伸幸 高岸 治人 品田 瑞穂
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-05-31

本研究は、人類に特有とされている高度な向社会性を、向社会行動をとることが自らの適応性の上昇をもたらす社会のしくみを作り出すことで形成され維持されているとする社会的ニッチ構築理論に基づき、一連の経済ゲーム実験、脳撮像実験、遺伝子多型分析を通して,一方では現代の人々がもつ心の文化差が、人々が集合的に作り出している社会的ニッチの違いを反映していることを示す証拠を提出すると同時に、もう一方では、現代社会に暮らす人々の向社会性のあり方の違いが、そうした違いを適応的にしている社会的ニッチの違いを反映していることを示す証拠を提供している。
著者
出水 力 高橋 泰隆 林田 治男 渡邉 輝幸
出版者
大阪産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

インドにあるホンダ系のアッセンブリーメーカーHMSIと、その関連するパーツサプライヤーを調査した。インド1999年に自動車生産が自由化されたことで、沢山の日系二輪・四輪部品企業が生産に踏み切った。1990年代から発展を遂げた二輪生産のインドと他の東南アジア諸国との大きな違いは、二輪生産の技術的基盤が整った中でスタートが切られた。そのため外資との合弁生産とは別に民族的な二輪企業が自立的に誕生していた。部品企業を育てながら外資に技術と資本を頼るインド、タイなど東南アジア諸国の国産化と違うのが、インドの二輪産業の特徴で台湾の二輪産業に近いと考えることができる。中国の二輪生産で、天津摩托集団はドイツのツンダップの工場設備と製品技術を買収して生まれた二輪では古いメーカーであった。しかし、経営的な行き詰まりからホンダとの合弁で息を吹き返しながら、次なる根本的な戦略を見出せず、その中国側の持分を民営の新大洲摩托に売り払い、新大洲本田摩托(天津)分公司が新たに発足した。上海にある本工場の分工場という位置づけである。部品の調達は上海の本工場が持つ、中国全土に張り巡らされた安く品質の保証された購買ルートに依拠することで、コストダウンを達成していた。新大洲本田摩托(天津)分公司の工場設備のうち工作器械は欧米のものが、日中の合弁が成立する前に導入されていた。この台数が多いのでかなり目がつくが、現在はほとんどの機械類はリプレイスする際には中国製に置き換えられつつあった。中国・東南アジア・インドなどで生産されているローエンドバイクの生産には、高性能な工作機械はコストの点から経験的に不必要なことに依拠している。
著者
谷口 孚幸 並木 裕 高橋 一郎
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.15, pp.19-31, 1981-02-25
被引用文献数
1

本研究は,事務所建物における必要衛生器具数を使用者の"許容待ち時間"から算出する方法を提示したものであり,1)業務内容別の衛生器具使用状況アンケート調査と,2)許容待ち時間に関するアンケート調査の結果からGPSS(General Purpose Simulation System)による衛生器具使用シミュレーションモデルを作成し,男子小便器を例にとり,衛生器具使用の待ち時間を"あふれの割合"と対応させ,既往の算定値との比較・検討を行ったものである.本研究により各計画対象階の計画人員数が同じでも,業務内容が異なると衛生器具使用頻度のピーク発生時とその値は異なり,衛生器具使用時の待ち時間を一定に保つサービスを行うためには各階の必要器具数は,かなりの差を生じることが明らかになった.
著者
高橋 隆雄
出版者
熊本大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1996

平成8年度・9年度でのアンケート調査をさらに完全にするために、10年度は、熊本市とその近郊の中学校7校(1.547名)を対象にアンケート調査を実施した。また、高校生自身が持つ自己理解の虚偽性を裏づけるために別の調査も実施した。これらによって今までの解析結果がかなりの程度確証された。アンケート調査としては、さらに生命倫理に的をしぼった内容でも行なってみた。ここでも興味深い解析結果が得られた。平成10年度のアンケート調査実施対象は、2660名。3年間の研究期間では統計6.844名となり、膨大なデータと解析結果を得ることができた。これらのアンケートの特徴は、設問数が33〜41問とないこと、内容が意議の広い領域に亘ること、数量化しやすい方式も採用していること等であり、相関係数がとりやすく解析が容易なように工夫しておいた。このため種々の統計処理が可能となり、多くの成果を上げることができた。それらの成果の一部は大学の紀要に論文として掲載したり、学会において研究発表という形で公表したが、成果が相当の量にのぼるため、約100頁(A4版)の報告書を準備中であり、3月中旬に印刷される予定である。ともかく、この3年間の研究によって、倫理学の新しい方法としてアンケート調査をとらえる試みの第一段階は十分成功したと言える。
著者
高橋すみれ
出版者
国際基督教大学
雑誌
Gender and sexuality : journal of Center for Gender Studies, ICU (ISSN:18804764)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.17-38, 2009-03-31

"Women's language" in fiction has been discussed in terms of its role in constructing or representing gender norms in society and culture. Research in recent years has included a re-examination of this relationship between gender norms and women's language in fiction. However, there has been little focus on the relationship between the fact that certain characters speak in "women's language" and the context surrounding their speech in the narrative structure. This paper examines the meaning and function of one female character's use of women's language in the narrative structure of a Japanese girl's comic called Raifu (Life). From a certain point in the series, the character starts to make extensive use of female-specific sentence endings that are not used in modern-day speech. If we consider the intention behind her speech in context, the use of women's language can be linked to her artful strategy of attacking the heroine. On the other hand, given her marginalized position in the story, her use of women's language identifies an important role that she has come to play in the narrative structure. With regard to the role of women's language here, it could be argued that this is a story that not only depicts solidarity among girls, but also female conflict.
著者
高橋 豪仁
出版者
奈良教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

プロ野球のスタジアムの空間が、如何にして統制・管理されているのかを検討した。1980年代に一般化した集合的応援行動は、自発的結社である私設応援団が一般の観客を統制する形で行われ、一般客の逸脱行為を防ぐという側面があった。日本野球機構は警察庁と連携して、2003年に「プロ野球暴力団等排除対策協議会」を立ち上げ、2006年からは私設応援団を許可制とした。球団や球場が黙認していた私設応援団に対して日本野球機構が正式に市民権を与えたというこの一連の動きは、私設応援団が囲い込まれる過程として捉えることができる。2008年にある私設応援団が起こした訴訟「応援妨害予防等請求事件」は、スポーツの市場メカニズムへの抵抗が、スポーツ観戦に基づく人々のネットワークによって形成されたことを示している。
著者
高橋 久美子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.59-67, 2003-01-15
被引用文献数
1

性意識の中でもとくにセックス観に注目し,父親と母親のセックス観が性教育に及ぼす影響について検討した。主要な分析結果は以下のとおりである。取り上げた5項目のセックス観のすべてにおいて,父親に比べて母親は否定的で禁欲的な考え方をもっていた。父親と母親の意識の差は,とくに快楽の肯定と男性による女性の道具視の項目で大きかった。母親では,禁欲の必要性の項目が快楽の肯定や女性の道具視の項目との間で関連が認められた。父親と母親のいずれも,性に関する会話への抵抗感をもつものが半数いた。子どもとテレビ視聴時のラブシーン場面において平静という者は予想外に多く,母親でも半数いた。父親と母親のいずれも,性教育の内容として取り上げた10項目のうち,家庭で必要と思う項目と学校で必要と思う項目はほぼ同数の5項目であった。しかし,家庭で必要と思う項目と学校で必要と思う項目の内容は対照的であった。家庭で実際になされた項目は少なく,2〜3項目でしかなかった。父親と母親のいずれも,家庭での性教育の必要性の意識と性教育の実践とは関連が認められた。性教育の実践に対し,父親では性に関する会話抵抗感は直接に関連し,母親では家庭での性教育の必要性の意識を通して関連していた。さらに,セックス観のなかでも禁欲の必要性の意識と性に関する会話抵抗感との間で関連が認められた。
著者
桑田 耕太郎 松嶋 登 高橋 勅徳 山田 仁一郎 水越 康介 山口 みどり 入江 信一郎
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究テーマである「制度的起業」とは、単に制度的環境を与件としてそれに組織が適応するとする議論を越えて、企業が既存の制度に埋め込まれながら新たな制度を創造する側面を持っていることに注目した概念枠組みである。本研究では、こうしたダイナミックな制度的実践の側面に注目しつつ、制度変革のマネジメントについて明らかにした。
著者
桑田 耕太郎 松嶋 登 高橋 勅徳 長瀬 勝彦
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、科学ないし技術的な知識基盤に支えられたベンチャー企業(以下、技術系ベンチャー企業)が、特定の科学および技術コミュニティにおける科学的・技術的知識を、それとは異なったコミュニティ(ビジネス・コミュニティ)へと移転し、ひいては経済活動を通じて社会変革を導くメカニズムを理論的ないし経験的に明らかにすることを目的として取り組んできた。まず、本研究では、技術系ベンチャー企業をめぐる理論的基盤の整備が行われた。ベンチャー企業論は、1970年代から欧米において研究が着手され、経済学、経営学、心理学、社会学、人類学等の領域を横断するカタチで無秩序に拡散・増大してきた。80年代末より独自の体系を持つ研究領域として体系化が進められ、近年は新制度学派社会学の知見を取り入れた理論的・方法論的基盤の整備について議論が交わされるようになった。こうした理論的基盤の整備の下、本研究では、ハイテクのなかでも、とりわけ近年勃興しているネット系のベンチャー企業の行動原理に基づいたビジネスモデルの形成過程について考察を行ってきた。そしてさらに、ハイテクベンチャーをめぐる理論的課題を検討する中で、本研究が新たに注目した論点として、ハイテクベンチャーをめぐる制度的環境の重要性を見出すにいたった。従来まで予見とされてきた制度的環境は、実は、ベンチャー企業にとっての設計対象であることに、その要点がある。なお、本研究で取り上げた事例の一部は、社団法人ニュービジネス協議会の協力を得て、近年にニュービジネス大賞を受賞した企業の中からリサーチサイトとなりうる技術系ベンチャー企業を理論的な観点から選定を行い、現実の経済界とのつながりを重視してきた。また、具体的な調査方法としても、ライフヒストリーの編集や、参与観察、GFA(グループ・フィードバック分析)など、さまざまな方法論・手法を用いて綿密に行われた。
著者
三村 信男 江守 正多 安原 一哉 小峯 秀雄 横木 裕宗 桑原 祐史 林 陽生 中川 光弘 太田 寛行 ANCHA Srinivasan 原沢 英夫 高橋 高橋 大野 栄治 伊藤 哲司 信岡 尚道 村上 哲
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

気候変動への影響が大きいアジア・太平洋の途上国における適応力の形成について多面的に研究した.ベトナム、タイ、南太平洋の島嶼国では海岸侵食が共通の問題であり、その対策には土地利用対策と合わせた技術的対策が必要である.また、インドネシア、中国(内蒙古、雲南省など)の食料生産では、地域固有の自然資源を生かした持続可能な農業経営・農村改革が必要である.また、本研究を通して各国の研究者との国際的ネットワークが形成されたのも成果である.
著者
中北 英一 田中 賢治 坪木 和久 大石 哲 中川 勝広 鈴木 善晴 大石 哲 坪木 和久 鈴木 賢士 川村 誠治 高橋 劭 田中 賢治 中川 勝弘 市川 温 杉本 聡一郎 鈴木 善晴 出世 ゆかり 大東 忠保 山口 弘誠
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

豪雨災害の軽減を目指して、次世代型偏波レーダーの降水量推定・降水予測への利用を目的に、偏波レーダーとビデオゾンデの同期集中観測を実施し、その結果、降水粒子の粒径と種類の推定手法を構築することに成功した。さらに、モデル予測への応用や現象の理解を深めることで降水量推定・降水予測の高度化を実現した。