著者
小野 浩明 高橋 幸利
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.58-60, 2010 (Released:2016-05-11)
参考文献数
10

インフルエンザ脳症では情動異常や行動異常などの側頭葉辺縁系症状が前駆症状として出現することがある. しかし, インフルエンザ罹患に伴う辺縁系脳炎自体の報告例は稀である. 今回, インフルエンザ感染を契機に情動障害, 異常行動を呈した12歳女児例を経験した. 症状が遷延したためステロイドパルス療法を施行し, 以後軽快した. 頭部MRIでは異常を認めなかったが, 脳血流検査において側頭葉辺縁系の血流増加と髄液中抗グルタミン酸受容体抗体陽性を示したことから本例を辺縁系脳炎と診断した. インフルエンザで異常行動が遷延する場合は辺縁系脳炎の可能性も考慮し, 自己抗体の検索, ステロイドを含めた治療法の選択を検討するべきかと思われた.
著者
高橋 彌
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.25-32, 1990-06-25 (Released:2010-06-15)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

日本3大急流の一つに数えられる富士川の下流部は、1500年代までは左岸岩本山下から東に向かって流れ、現在の田子の浦港方向に乱流し、扇状地を形成していた。しかし、1621(元和元)年から1674(延宝2)年まで、実に53年の年月を要して、総延長約3, 000mに及ぶ大堤防が建設された。この堤防によって富士川東流は岩本山と水神の森間で締切られ、流れは現流路方向で固定された。工事は古郡氏3代にわたる執念とも言うべき努力と洪水観察を含む当時の最新土木工事の成果であり、雁堤として現存し、逆L字の特異な形状で知られている。この成果は富士川左岸一帯の地域を洪水から守り、加島平野として豊かな田園地帯とする事を可能にした。これはまた、誕生間もない徳川幕府が全国支配のため企画した重要施策実現の一環となった。本工事完成により可能になった施策と影響は次の通りである第一に元和偃武、即ち、武士帰農の一助になり、多くの入植者を迎え入れることができ加島新田6, 000石の開発が可能となり、新旧37ケ村が栄えた。第二は、富士川の流路が定まることにより、東海道の「富士川の渡し」が定着し、幕府体制下の交通網の整備が可能となった。第三として、甲府や、諏訪、松本と言った内陸とも、富士川の船運を開発することにより交易が盛んになり、幕府財政を支えると同時に地域の経済発展をもたらす事になった。一方、自然の流れを強固な左岸築堤で締切った結果、対岸には洪水流れが流入し易くなり、しばしば右岸蒲原町方面に氾濫が繰り返し発生するようになった。雁堤はこれまで特異な形状と、治水面の効果のみが評価されていたが、本研究の結果、周辺地域に大きな影響を与えたと同時に、当時の日本の社会体制や経済を支えるうえに極めて重要な役割を果たしていたことが明かになった。
著者
高橋 洋 浅田 寛太 赤坂 郁美 松本 淳
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.115-120, 2012

本研究では、台風が日本付近に存在する場合に、台風の位置による強風の発生しやすい地域分布について、発生頻度を調べることにより、明らかにした。特に、防災の観点から、比較的警戒度が低いと考えられる北東進する台風の西側(台風の通過後の地域)や、台風から数百キロメートル以上離れた地域に注目し、強風の発生を調査した。その結果、強風は、いわゆる危険半円以外の地域でも多く観測されていることが分かった。また、その位置は、地形との関係が明瞭な場合が多く、比較的沿岸域に多い。一方で、G12の場合の九州地方全土での強風や、K6における関東の内陸部での強風など、気象学的にあまり知られていない結果も得られた。これらについては、今後さらに結果を精査し、強風による災害を未然に防ぐための警戒情報に活用できる可能性がある。
著者
高橋 英次
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.259-286, 1971 (Released:2008-02-26)
参考文献数
15
被引用文献数
7 9

アジアおよびヨーロッパにおける身長の地理的分布および東アフリカにおける部族の身長と環境要因との関係を検討した.アジア地域については,MARTIN-SALLER の人類学教科書に所載のアジア諸地域住民の平均身長を利用した.測定年次•被検数•標準偏差などの記載のないものが多いが,他に適切な資料がえられないのでこれを使用した.身長分布の地域差の大きい印度およびその周辺地域では,西パキスタンを含む北西部地方の砂漠•乾燥地帯が一般に長身で165cm 以上を示すが,これに対して東部ガンジス河流域からビルマにかけて,また南インド•セイロンにかけてはすべて165cm 未満であり,山間部族のうちには155cm 末満のものもある.この地方は気候的には降水量が多く,概して稲作地帯に属する.シベリア北部では冬季狩猟•夏季漁撈を行う種族が多いが,牧畜は行っていない.中緯度地方に向うにしたがって半ば定着した遊牧民や農耕民が居住するが,これらシベリア以北の住民の平均身長はすべて155~164cm の範囲内にある.日本列島および朝鮮半島を含む極東地域住民も同じ範囲の中位身長を示している.島嶼東南アジアについては,ルソン島ザンバレス山系のアエタ族やスマトラ西北方のアンダマン島民のように155cm 未満の低身長種族もみられるが,大部分は155~164cm の中位身長を示す.第2次大戦中ジャワ島で計測を行った附田の数値によれば,同島在住の諸種族間の身長差は社会階層や年齢層による差に近い値を示している.中国から大陸東南アジアにかけては,内陸部寄りの住民に高身長がみられるが,平野部の稲作地帯では一般に155~164cm の中位身長を示している.ただしマライ半島山岳部原住民は155cm 未満の低身長である.蒙古•トルキスタン•チベットから中央アジアを経て西アジアに至る中緯度内陸部はインド北西部とともにその大部分が砂漠•半砂漠•高原ステップなどで占められているが,これらの地域の住民の大部分は165cm 以上の高身長を示している.ただし,中央アジアの砂漠地帯の中でもアム•シル両河による灌概が行われ農耕に従事している流域住民は165cm に達しない。要するにアジアでは,主として稲作農業の行われているモンスーン地域やその他の農耕地域の住民にくらべて,食生活において畜産品に対する依存度の大である内陸砂漠地域住民は長身である.FAO の調査報告により1951/53年の国民1人当り食糧供給量をみると,乳および乳製品の配分量は日本•台湾•フィリッピンなどにくらべてトルコやパキスタンは約10倍ほども多い.東アフリカの同一地域に住む原住民について食生活形態と身長の関係をみた。ケニヤの部族については主として East Afr.Med.J.所載の文献により,タンザニヤの部族については京都大学アフリカ学術調査隊報告および同未発表資料を供与利用させてもらったが,牧畜民は農耕民に比して長身である.ヨーロッパについては身長の地理的分布を示した LUNDMAN の地図によって16か国国民の身長を6つの階層に格づけし,FAO の国民1人当りの食品群別配分量との間に相関を求あてみた.身長と乳および乳製品,砂糖類およびいも類との間に順相関,穀類,豆類および野菜果実との間に逆相関がみられた.これらの関係の解釈にはなお慎重な検討を要するものがあるが,著者が前に46都道府県について14才と17才の男女生徒の身長と消費実態調査成績による米•肉魚•牛乳卵•野菜の消費額との間に相関を求めた結果,米とは相関がなく他の3者ことに牛乳卵との相関が最も顕著であったこととも関連して,著者は動物性蛋白質とともにカルシウムの身長発育に対する意義を重視している.カルシウムその他の鉱物質は食物のみならず飲料水からの摂取も当然考えられる.フランスおよびスペインの壮丁身長の地理的分布には地質との関連の考慮されるものがある.この関連は河川水のミネラル含量によって仲介されるものと考えられ,セーヌ•ライン•ローヌの河川水はロアール•ガロンヌにくらべてミネラルことにカルシウムの含量が大である.
著者
鳥居 朋子 岡田 有司 高橋 哲也 林 透 村上 正行 山田 剛史 串本 剛 大山 牧子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、4年間の研究期間において下記の5点を一体的に進める。(1)教育プログラムの評価と改善の好循環システムの先進事例を検討するため、米国・英国等の大学への訪問調査を行い、優れた循環システムの要件を抽出、(2)日本の大学の全国的な量的調査により、教育プログラムの評価と改善に関わる実態分析や主要な問題を特定、(3)学習成果測定や教育プログラムの評価を推進している日本の大学への訪問調査、(4)日本の大学において教育プログラムの評価と改善の好循環システムを形成する際に考慮すべき点やシステム構築上の要件等の抽出・整理、(5)好循環システムを組織的に構築するための具体的な手法をティップスの形式にまとめ公表。
著者
青木 孝義 谷川 恭雄 中埜 良昭 湯浅 昇 岸本 一蔵 丸山 一平 高橋 典之 松井 智哉 濱崎 仁 迫田 丈志 奥田 耕一郎
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は、2009年にイタリアで発生した地震により被害を受けた文化遺産建築の被害調査を実施して、被害状況と応急処置方法を系統的に整理し、1970年代以降に文化遺産建築に対して行われたRC補強の効果を検証し、モニタリングにより補強前、補強途中の構造的安定性と補強後の補強効果を検証することにより、また、関連する国内外の文化遺産建築の調査を通して、文化遺産建築の有効な修復・補強方法、地震によるリスクから文化遺産建築を保護する方法に関する海外学術調査を実施したものである。
著者
高橋 哲哉 山脇 直司 黒住 眞 北川 東子 野矢 茂樹 山本 芳久 古荘 真敬 信原 幸弘 石原 孝二
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

旧約聖書の「殉教」物語の検討から、ユダヤ教的「殉教」観念が靖国思想に酷似した犠牲の論理から成り立っていること、キルケゴールがアブラハムによるイサク犠牲の物語に読みこんだ「悲劇的英雄」と「信仰の騎士」の区別は厳密には成り立たないことを確認した。ニーチェがナザレのイエスに見た「根源的キリスト教」は、罪からの解放のためにいかなる贖いも求めない「犠牲の論理なき宗教」だという結論を得た。
著者
酒井 完 青山 哲也 高橋 渡 本田 晋也 中本 幸一 若林 一敏
雑誌
DAシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.69-74, 2018-08-22

本稿では,積和演算ライブラリを高位合成ツール上で実現するフローを提案する.まず,既存の高位合成ツール上の FIR フィルタ専用ライブラリで実現されているハードウェア構造を一般化し,本ハードウェア構造は従来適用対象であったパイプライン回路だけでなく順序回路においても使用可能であること,また DSP ブロックの適切な利用により高性能なデザイン生成が可能であることを示した.高位合成ツール上で本ハードウェア構造を実現する為,積和演算ライブラリ関数の呼出し部を適切な単位で分割し,各分割単位を多サイクル入力型のパイプライン演算器として合成するフローを提案した.本フローを高位合成ツール CyberWorkBench (R) 上に構築し,より高性能なデザインが得られていることを確認した.
著者
高橋 一志 笹田 耕一
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告システムソフトウェアと オペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.13, pp.1-10, 2010-07-27

われわれは,WinKVM (Windows Kernel-based Virtual Machine) と呼ばれる Linux KVM の Windows 移植版を構築することで,Windows と Linux 間で VM ライブマイグレーションを行うことを目指している.WinKVM を構築するために,Windows 上で Linux カーネルを模倣するエミュレーションレイヤを構築し,KVM をその上で動作させる手法を開発した.しかし,既存研究で述べたエミュレーションレイヤは Windows 上で Linux カーネルのメモリ管理機構を正確に再現できなかった.そのため,QEMU と KVM ドライバとの間でゲスト OS のメモリ内容に不一致がおこり,VM ライブマイグレーションが実現が不可能であった.エミュレーションレイヤ上で KVM を動作させるため,KVM 内のメモリ管理情報をエミュレーションレイヤ側に通知できる機構を KVM に組み込むこみ,最終的に,われわれは WinKVM 上で Linux kernel 2.6.20 を起動させることに最終的に成功した.これで,VM ライブマイグレーションをおこなう土台が整ったことになる.We aim at providing the VM-live migration between Windows and Linux by building WinKVM, a port of Linux KVM to Windows. To construct WinKVM, we developed a method to emulate Linux kernel functions on Windows kernel. However, our previous work could not emulate the memory management system of Linux on Windows correctly. There was an inconsistency of memory between the QEMU and the KVM driver. Therefore, we could not achieve VM-live migration. To achieve correct emulation of Linux memory management system, we have developed a channel sharing KVM internal memory management information with our emulation layer. We succeeded in executing the Linux kernel 2.6.20 on WinKVM eventually. Now, we could build the fundamental of VM-live migration between WinKVM and KVM.
著者
高橋 和子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.147-155, 2005-03-30 (Released:2012-12-11)
参考文献数
17

基本的な意思疎通に問題がないとされている高機能広汎性発達障害の子どもたちは, 学校などの健常児集団の会話の中では, 健常児が共通理解できる言外の話題の前提や文脈が分からず, 周囲から奇妙だと思われる発言をしたり, うまく会話に参加できなかったりするといった語用障害をもっている。そのため, 彼らには健常児集団内での会話支援を行う一方で, 高機能自閉症児の集団内でコミュニケーション・ソーシャルスキルの支援を行うことが効果的であると考えられる。しかし, 国内では, まだ彼ら仲間集団内で相互交渉を通してコミュニケーションを系統立てて支援した報告はほとんどない。また, 支援の結果, どのようなプロセスで子どもたちはコミュニケーションの破綻を修正し, 他者の心情を確かめたり, 自己の心情を伝えるようになるのかについても, 明らかにはされていない。本稿では, 小学5年生から中学1年生を中心にした10人の高機能広汎性発達障害児集団で集団活動に取り組み, そこでINREALによるコミュニケーション・ソーシャルスキル支援を行った。その取り組みに対し, 援助の内容と, 子どもたちが自分の気持ちを伝えたり相手の気持ちを推し量り情動調整を行うプロセスに検討を加えた。
著者
高橋 行雄
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.14-22, 2014-06-30 (Released:2014-08-13)
参考文献数
7
被引用文献数
5

副作用自発報告は,実際に臨床現場において副作用と認識された事象の一部しか報告されないこと,またその割合がさまざまな要因で変動するといった報告バイアスが存在すること,発生頻度が求められず一般的な副作用発現の評価手法が適応できないという問題が知られている.そのため,シグナル検出という探索的な解析法が確立されてきた.(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)から医薬品副作用データベース(JADER)が, 2012年4月に公開され,誰でも制約なしに使えるようになった.本データベースの活用により,薬剤疫学研究の質が向上することが期待されている.しかしながら,活用方法としては「シグナル検出」に注目されがちであり,その結果,規制当局が対応すべき課題と認識され,製薬企業などでの活用事例の報告は少ないのが現状である.筆者ら第2期医薬安全性研究会薬剤疫学グループは,JADER 公開以前から網羅的ではないが,PMDA が提供している「副作用が疑われる症例報告ラインリスト検索」で得られたリストを取りまとめてデータベース化し,薬剤疫学の検討方法を参考に製薬企業の中での活用を試みてきた.その後,JADER を用いて一般的な PC でも可能なシグナル検出のための統計量を容易に算出するための方法を考案し,各種の課題に応用を試みてきた.本論文では,シグナル検出を可能にするための JADER の処理方法について解説する.この方法を用いて,多くの薬剤疫学の課題に対する応用が活発に行われ,薬剤疫学研究の質の向上に寄与することを期待する.
著者
金田 義行 Haluk Ozener Nurcan Ozel Dogan Kalafat Seckin Citak 成実 高橋 高嶺 堀 宗朗 堀 真由美 阪本 Ali Pinar Asim Ozel Ahmet Yalciner Gulum Tanircan Ahmet Demirtas
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

Recent, many destructive earthquakes and tsunamis occurred around the plate boundary in the world, which are, 2004 Sumatra Earthquake/Tsunami, 2011 East Japan Earthquake/Tsunami in Japan, and so on. Along plate boundary in Turkey, the North Anatolian Fault (NAF) distributes and the large earthquakes has occurred there. The one of the events along NAF in Turkey is the 1999 Izmit Earthquake, and severe damages was brought to residents The NAF between the eastern end of Turkey and the Aegean Sea has been ruptured in turn from the both ends, and the part off Istanbul city still remains as unruptured zone. It is considered that future large event brings fatal damages not only Istanbul city but also the entire of Turkish economy.To prepare future large earthquake there, Japan and Turkey made an agreement to start a multidisciplinary research project, MarDiM SATREPS in 2003. The Project has four research groups with the following goals. Group 1 is Marmara Earthquake Source region observational research group to clarify seismicity, crustal structures and crustal displacement, and to construct a possible fault model. Group 2 focuses on scenario researches of earthquake occurrence along NAF and precise tsunami simulation in the Marmara region. Group 3 aims improvements and constructions of seismic characterizations and damage predictions based on observation researches and precise simulations. Group 4 promotes disaster educations using research result visuals and construct strategies of disaster mitigation.Group 1 constructed a fault model along NAF with some asperities and with variation on the dip. The segment boundary was also identified through the modeling and it is consistent with the past rupture pattern and fluid distribution. The NAF on the western region of Sea of Marmara has creep and the rate is nearly half of block motion based on direct seafloor observation for crustal displacement. Group 2 calculated cyclic rupture pattern along NAF using heterogeneous fault model and constructed monitoring system “SWIFT” for crustal stress field by mechanisms of many events estimated automatically. We developed tsunami calculation code to image inundation around the coastal area. Group 3 investigated ground structure through regular fine shake observation, and constructed city model of industrial region supporting Turkish economy. We simulated strong motion using ground structure, city model and fault model derived from Group 1 and made a new hazard map. Group 4 considered teaching materials for disaster prevention including Japanese animation technique based on above results of three groups. These materials are utilized for disaster mitigation in Marmara region and disaster education in Turkey.
著者
熊谷 広子 渡辺 弘子 神津 登志枝 野口 ひろみ 高橋 元次
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.9-21, 1989-06-25 (Released:2010-08-06)
参考文献数
6
被引用文献数
8 13

Using noninvasive measurement techniques, parameters representing skin characteristics were measured in a total of 117 Japanese females ranging in age from 3 to 65 years. The parameters measured were sebum secretion rate, transepidermal water loss, skin surface conductance, skin color, skin surface temperature, corneocyte surface area, and skin surface microtopography. Measurements were taken twice for each subject, once in the summer (July) and again in the winter (December). Polynomial regression analysis was used to quantitatively assess age-related trends associated with changes in shin parameters. Also, to evaluate the progression of the aging phenomena in adults (i.e., physiological aging), multiple regression analysis was carried out with age as the criterion variable and the above parameters as predictor variables.The results of these analyses established the following facts: Most physiological skin parameters undergo changes that can be characterized by curves which attain peak values during the third decade of life, whereas morphological parameters tend to vary linearly with age. Until the third dacade of life, the physiological functions of female skin remain in the developmental phase and are extremely prone to fluctuations. However, during the third decade, the physiological development of the skin reaches a stage of completion and becomes comparatively stable, and thereafter commences a gradual transition to senescence concomitant with chronological aging. The degree of skin aging can be estimated by a quantiative assessment of age-related physiological phenomena and a comprehensive analysis of the relevant data.
著者
高橋 哲 西原 舞
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.88, no.5, pp.460-469, 2017 (Released:2017-12-25)
参考文献数
33
被引用文献数
1

It is widely accepted that sex offenders frequently deny their offense or minimize their responsibility, and there is controversy regarding how this should be approached in psychological interventions. However, few studies have examined the relationship between denial/minimization and recidivism, and the results are inconsistent across the limited body of research. The purpose of this research was to estimate the prevalence of denial/minimization in sex offenders and examine its relationship with recidivism. We examined 1,484 sex offenders who had been convicted from July 2008 to June 2009 in Japan. The prevalence of both denial and minimization was 16.3% overall. In addition, the relationship between denial/minimization and recidivism was investigated for 753 convicts whose sentences had been suspended. Controlling for possible confounding variables, including empirically known risk factors, logistic regression revealed that denial/minimization did not significantly increase the possibility of both any and sexual recidivism during the 5-year follow-up period. Implications for psychological intervention and future research are discussed.
著者
本多 正喜 城田 陽子 金子 鈴 高橋 滋
出版者
The Japanese Society of Health and Human Ecology
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.115-123, 1995 (Released:2011-02-25)
参考文献数
14

We studied 388 cases who have consulted by telephone twice or more, and were selected from records kept at the Gunma Prefectural Mental Health Center since its opening (1986) until March 1993. For many cases, such series of consultations ended after no more than four calls, but 19 cases have lasted over several years or over a hundred calls. The most frequent type was related to mental illness of various sourts; the second most frequent concerned problems of children. Among the first type, many cases had visited psychiatric hospitals or clinics, increasing percentage wise as they passed the stages of their condition; first, anxiety overhaving fallen mentally ill; second, dissatisfaction or doubt about psychiatric treatment; third, anxiety over rehabilitation. Many cases felt completely at a loss over difficulties in finding solutions to their problems even after consulting with mental hospitals, clinics, or other counseling facilities. Cases continually used telephone for a sense of ease and/or familiarity with counselors of the Center. It was suggested that these continuing telephone consultations followed public relations that the Center's services were available without charge, and especially that they were so easily accessible by telephone.
著者
次山 淳 松村 恵司 松村 恵司 次山 淳 池田 善文 梅崎 恵司 江草 宣友 小畑 弘己 神崎 勝 北野 隆亮 木村 理恵 小泉 武寛 小林 義孝 栄原 永遠男 芝田 悟 関口 かをり 高橋 照彦 田中 大介 永井 久美男 濱崎 真二 降幡 順子 古田 修久 松崎 俊郎 松村 恵司 宮崎 貴夫 森岡 秀人
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

3カ年にわたる研究により、銅銭を基軸に据えた貨幣制度の導入が、中国式都城の建設と一体的に企画され、富本銭が発行された歴史的経緯が明らかになった。和同開珎の発行時には、銭貨の規格性を維持しつつ発行量の増大を図るために、鋳銭体制の整備と鋳銭技術の改良が図られていること、地金貨幣である無文銀銭を駆逐するために和同銀銭が発行されるなど、7世紀末から8世紀初頭にかけての貨幣関係記事が、名目貨幣である国内通貨の定着に向けた一連の貨幣政策として整合的に理解できるようになった。