著者
岡田 信弘 常本 照樹 笹田 栄司 佐々木 雅寿 宮脇 淳 棟居 快行 浅野 善治 武蔵 勝宏 小野 善康 稲 正樹 木下 和朗 齊藤 正彰 新井 誠 高見 勝利 深瀬 忠一
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

近時、わが国の法体系や立法過程の在り方に「地殻変動」が起きているとの指摘があるが、こうした現象は日本に特有のものとは考えられない。グローバル化の圧力の下で、多くの国が政治・経済・社会のあらゆる分野での改革を余儀なくされているからである。本共同研究は、このような状況認識の下に、変革期における立法動向と立法過程を国際的な視角から実証的かつ総合的に分析することを通して、日本の新世紀における立法や立法過程のあるべき方向性を追究したものである。
著者
八木 晶子 齊藤 貴浩 牟田 博光
出版者
日本キャリア教育学会
雑誌
進路指導研究 : 日本進路指導学会研究紀要 : bulletin of the Japanese Society for Study of Career Guidance (ISSN:13433768)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.1-8, 2000-05-31

This study aims at identifying the relationship between high school students' motives for entering universities and the usefulness of information on those universities. The questionnaire survey was conducted in two high schools and the number of respondents was 1,937. The 21 items on the motives behind their decision to go to universities were factor-analyzed. Five factors were then extracted, that is, "social status", "favorite subject", "purposelessness", "enjoyment", and "specialties". Firstly, the factor scores were compared by sex, school and grade. Secondly, the relationship between the motive factors and the usefulness of information on universities was examined. Some of the major findings were as follows; 1) Male students consider "social status" as a more important motive to go to universities while female students aim at "favorite subject". These motives for entering universities were also affected by school and grade. 2) The usefulness of information on universities was influenced by motives for entering universities. Those who want to have "social status" considered cramming and preparatory schools as a more important information source, and those whose scores of "favorite subject" are high considered books and magazines as a more important information source. On the other hand, those who mark high score on the "purposelessness" were less likely to utilize any information that must be obtained actively.
著者
津田 敦 道田 豊 齊藤 宏明 高橋 一生 鈴木 光次
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

本研究は、DMSなどの生物起源ガスを計測するグループに海域の生物学的な情報を提供し、その変動機構を推測する一助となった。また、台風通過を再現する培養実験により、台風通過時には大型植物プランクトンである珪藻が卓越し海域の炭素循環や食物網構造を変えることを明らかにした。クロロフィルセンサー付きアルゴフロートは、台風には遭遇しなかったが幾つかのアノマリーを観測している。知見の少なかった亜熱帯の動物プランクトンに関しては、極域で特徴的にみられる、季節的な鉛直移動が亜熱帯種においても多く観察され、台風など時空間的に予測できない高い生産が、亜熱帯の生物生産を支えている可能性を示唆した。
著者
熊 仁美 竹内 弓乃 原 由子 直井 望 山本 淳一 高橋 甲介 飯島 啓太 齊藤 宇開 渡邊 倫 服巻 繁 ボンディ アンディ
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.85-105, 2010-01-30

本論文は、2008年7月12日に法政大学で行われた公開講座『自閉症とコミュニケーション』におけるシンポジウムを収録したものである。慶應義塾大学における自閉症児のコミュニケーションをのばす包括的支援プログラム、筑波大学におけるPECSを日常的に使うための家庭支援プログラム、民間療育機関たすくにおける機能的コミュニケーション指導が紹介され、ボンディ博士による指定討論が行われた。
著者
桜井 泰憲 齊藤 誠一 BOWER John R. 山本 潤
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究は,スルメイカを対象として,気象の寒冷・温暖レジームシフト,アリューシャン低気圧の発達に影響される冬季季節風の強さ,海面気温などによって変化する本種の再生産・加入海域の表層暖水と季節混合層深度の季節・経年的変化が,再生産-加入過程を通して,どのように資源変動へと影響しているのかを明らかにすることを目的としている.申請年度3年間の成果は以下の通りである.人工授精により得たふ化幼生を用いて,各発育段階の幼生の鉛直方向への遊泳行動を精査した.その結果,発育ステージ31以降の幼生だけが,水温18-23℃の条件下で垂直上昇遊泳し,特に19.5-23℃の狭い水温範囲で最も活発に遊泳することを確認した.そこで,スルメイカの新しい再生産仮説として,「スルメイカの再生産可能海域は,水深が100m〜500mの陸棚から斜面上の表層暖水内であり,その水温が18〜23℃,特に19.5-23℃で,中層に水温躍層が発達する海域」を提案できた.この新再生産仮説に基づいて,2000-2005年の冬生まれ群の再生産海域である東シナ海の冬季の再生産可能海域を抽出した.その結果,黒潮流軸より大陸側の東シナ海に南西に伸びた細長くて狭い陸棚斜面域と薩南海域が,スルメイカの産卵からふ化幼生の生残に最も適した海域であることが明らかにできた.さらに,ネット採集したふ化直後の1mm未満の幼生は,九州南東の黒潮内側の複雑な渦流域の表層に集積することが判明した.特に,薩南海域では黒潮の前線波動による集積と本州沿岸への受動的輸送の可能性を見出した.また,新再生産仮説に基づいて,1970-80年代の寒冷レジーム期における冬の再生産海域は著しく縮小もしくは消滅し,1980年代後半からは陸棚斜面に沿って形成されることが明らかにできた.これにより,より精度の高い気候変化に応答する再生産機構の成否の解明に,新たな研究展開の道ができた.
著者
船木 麻由 西垣 桂 齊藤 明紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.21, pp.167-172, 2009-02-26
参考文献数
5

PC端末を並べた教室で全端末を常時稼働させると電力を無駄に消費する.逆に原則電源オフで使うときだけ利用者が電源を投入するという方式だとOS起動の待ち時間が生じ,利便性が低下する.そこで,端末室の利用状況に応じて自動的に端末の稼働台数を増減させるシステムを開発した.管理サーバは端末状態を監視し,起動済みの空き端末の台数が指定数を保つように, 余分な空き端末を停止したり,不足分の端末を起動したりする.端末室の講義使用時や昼休みなど利用者が多く来室することがあらかじめ分かっている場合には,その数分前に一時的に指定数を増やすことにより,過渡的な新規来室者増加にも対応できる.In PC classroom, running all PCs for 7x24 means waste of electric powercost. Contrarily, ordinary-off style operation brings low user satisfaction because users must wait for PC boot up for a few minutes. We propose a system that automatically controls number of running PCs along with active user number. The management server watches for PCs to keep number of vacant PC to be same as specified value by shutting down or turning their power on. If we are expecting many users will coming, lecture start time or lunchtime for example, we can handle many incoming user by giving larger number for the server.
著者
中村 覚 吉川 元 伊勢崎 賢治 高橋 和夫 中西 久枝 澤江 史子 栗栖 薫子 森 伸生 北澤 義之 立山 良司 坂井 一成 泉 淳 小林 正英 細井 長 齊藤 嘉臣 末近 浩太 土佐 弘之 木村 修三 小塚 郁也 福田 安志
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本プロジェクトは、国際関係論、安全保障論、中東地域研究の専門家による協働研究を通じて、日本における中東の安全保障問題に関する本格的な研究の基盤づくりを目的とした。また、中東における武力紛争の傾向や特質に関して論ずるのみではなく、短期的な紛争解決と、中長期的な予防レジームの構築に関する課題と可能性に関して考察した。その際に特に、日本への政策的示唆を生み出す視点を重視した。また当該の研究課題の遂行のために必要とされる国外の研究者とのネットワーク作りと同時に、国外への研究成果の発信で成果を上げた。
著者
深沢 克己 齊藤 寛海 黒木 英充 西川 杉子 堀井 優 勝田 俊輔 千葉 敏之 加藤 玄 踊 共二 宮野 裕 坂野 正則 辻 明日香 宮武 志郎 那須 敬 山本 大丙 藤崎 衛
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

当初の研究計画に即して、国際ワークショップと国際シンポジウムを3年連続で組織し、第一線で活躍する合計14名の研究者を世界各国から結集して、キリスト教諸宗派、イスラーム、ユダヤ教などを対象に、広域的な視野のもとで異宗教・異宗派間の関係を比較史的に研究した。これにより得られた共通認識をふまえて、研究者間の濃密な国際交流ネットワークを構築し、研究代表者を編集責任者として、全員の協力による共著出版の準備を進めることができた。
著者
岡田 信弘 高見 勝利 浅野 善治 只野 雅人 笹田 栄司 武蔵 勝宏 常本 照樹 佐々木 雅寿 加藤 一彦 稲 正樹 木下 和朗 新井 誠 齊藤 正彰
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

衆議院と参議院の多数派が異なる、いわゆる「ねじれ国会」が出現した結果、日本の国会における立法活動は混迷状態に陥った。本共同研究は、この混迷状態の制度的・政治的要因を探りつつ、そうした状態を解消・克服するための方策を従来の二院制に関する憲法学的研究とは異なった視角からの分析を通して明らかにすることを試みた。具体的には、従来の類型論的・解釈論的研究に加えて、統治構造論を視野に入れた実証的な比較立法過程論的研究を実施した。
著者
森下 陽平 荒木 純道 細川 嘉史 齊藤 典昭 倉科 隆 松澤 昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.90, no.12, pp.903-912, 2007-12-01
参考文献数
15
被引用文献数
11

本論文では,ダイレクトサンプリングミクサ(DSM)の広帯域化の手法を提案する.DSMを縦並列に構成することにより,単一の初段アンプで伝達関数の高次化を実現する.更に,高次化された伝達関数に対し,減衰極設計を提案する.また,トランスコンダクタンスアンプ(TA)の出力コンダクタンスと寄生容量が縦並列構成の利得の低下をもたらすことを示し,次にその利得低下を改善する手法を提案する.提案方式の有効性を確認する目的で測定評価を行ったので報告する.
著者
村山 繁雄 齊藤 祐子 石井 賢二 初田 弘幸
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

レビー小体型認知症(DLB)、パーキンソン病(PD)の認知症の責任病巣として、特異な線条体へのアミロイドβ沈着が原因と、ペンシルベニア大学、ロンドン大学からの報告で示されたことを受け、高齢者ブレインバンクプロジェクトで、PIB PETとドーパミンPETによる臨床例における線条体の検討と、死後脳におけるアミロイドβ蛋白とリン酸化αシヌクレイン沈着を免疫組織学的に線条体で検討する二つの方法で行った。DLB、認知症を伴うPD(PDD)51例と、認知症を伴わないPD(PDNC)48例の神経病理学的差分の検討で、辺縁系(扁桃核、嗅内野、CA2)、線条体、新皮質のαシヌクレイン沈着が抽出された。老人班に関しては、新皮質については抽出されたが、線条体は抽出されなかった。また、新皮質のAβ沈着はαシヌクレイン沈着を誘導する傾向が確認されたが、線条体沈着への促進作用は確認されなかった。なおこの研究期間3年間の新規蓄積例は13例であった。またこの検討過程で、αシヌクレイン沈着のみが有意で、アミロイドβ沈着、タウ沈着が軽度であり、認知症を呈するいわゆる純粋型レビー小体型認知症が23例検出され、辺縁方20例、新皮質型3例であった。これらの症例は、線条体のAβ沈着はないかほとんどなく、責任病理としての意味は少ないと考えられた。DLB/PDDとPD 3例ずつの差分で、DAT Scan(^<11>C-CFT PET)で、尾状核の集積低下が検出された。しかし、^<11>C-PIBでは新皮質はDLBの一例のみ陽性所見が検出されたが、尾状核を含め、線条体は全例で検出されなかった。研究期間中PDD一例の剖検所見が得られたが、辺縁型に分類され、新皮質にごくわずかびまん性老人班を認めるのみであり、線条体にはAβ沈着は認められなかった。以上の検討より、新皮質のアミロイドβ沈着は、レビー小体病理の新皮質への進展を促進することで、レビー小体型認知症の認知機能低下に影響を与えうるが、線条体における存在が、積極的に認知機能に影響を与えている結論は得られなかった。ただし、DLB/PDDにおける尾状核のDAT scan低下は、PDDに関しては病気の進行期であるためとの説明が可能であるが、DLBの場合の原因は、課題として残った。
著者
齊藤 晋聖
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

光ファイバのクラッド領域に微細構造を有する微細構造光ファイバにはいくつかの種類が存在するが、本研究では、ソリッドコアフォトニックバンドギャップファイバの有する特異な光学特性に着目し、その複雑な構造パラメータと光学特性との関係を詳細に調査し、高度利用のための基盤技術を確立した。特に、コア径拡大と単一モード動作、および低曲げ損失特性の両立という観点から、複数のバンドギャップにおける光学特性を総合的に評価し、大コア径ファイバとしての最適な透過帯域(フォトニックバンドギャップの次数)を明らかにするとともに、ファイバ製造上の構造制御技術、およびファイバ使用時のコイル径等を考慮に入れたコア径拡大の理論的限界を特定した。
著者
生田 久美子 北村 勝朗 前川 幸子 原田 千鶴 齊藤 茂
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は,スポーツ・看護・芸能領域の伝承場面における修辞的な言語(わざ言語)の分析を通して,「わざ」の伝承における「わざ言語」の意義を問い直し,学びの可能性を考究することにある。実際に卓越的技能の指導現場に触れている「わざ言語」実践者を対象とし,「わざ言語」が生起する文脈や役割の分析が行われた。本研究の成果として,行為の発現を促す役割,身体感覚の共有の役割,及び到達した状態の感覚へといざなう役割,を確認した点があげられる。
著者
赤間 亮 水田 かや乃 神楽岡 幼子 黒石 陽子 池山 晃 野口 隆 齊藤 千惠
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、日本近世演劇の基盤研究として近世期に出版された「役者評判記」を対象に、研究資料として正確な翻刻本文を作成し、それを使ったデータ・ベースを構築しようとするものである。今回の研究期間においては、いわゆる第三期(安永年間から享和年間まで)の役者評判記について、正確なデジタル翻刻本文を完成させるべく、研究協力グループも組織しながら大きく作業を進展させた。新時代の翻刻凡例を策定し、それに則った本文の調整、諸本を対照して、諸本確認翻刻(C翻刻)までの作業を実施した。また、役者移動DBを代表に、評判記を校正する情報データ・ベースの集合体をWEB上に展開し、海外の歌舞伎研究者の利用も想定した役者評判記の閲覧・検索システムによる、デジタル歌舞伎情報書庫を完成させるための作業を展開した。外題・人名・用語索引については、いわゆる手作業の線引は行わず、統合的な用語索引のシステムの実験を行った。役者評判記デジタル閲覧システムの原本閲覧システムを運用継続しながら、翻刻本文とのレイヤー化が実験された。検索された用語から、「歌舞伎興行年表」や「歌舞伎人名DB」「歌舞伎外題DB」「登場人物DB」「歌舞伎用語DB」へと連動が可能となった。また、今回の研究成果として、第三期以降の評判記の需要や地方への伝播について、あらたな視点による研究論文集をまとめた。
著者
大月 康弘 加藤 博 坂内 徳明 中島 由美 齊藤 寛海 立石 博高 長澤 栄治 大稔 哲也 三沢 伸生 亀長 洋子 堀井 優 竹中 克行 松木 栄三 三浦 徹 栗原 尚子 臼杵 陽 勝田 由美 黒木 英充 堀内 正樹 岩崎 えり奈 青山 弘之 飯田 巳貴
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

地中海世界の歴史において人びとの活動の重要拠点となった「島嶼」に注目し、自然・生態環境に規定された人々の生活・経済空間としてのマイクロエコロジー圏、および当該マイクロエコロジー圏が対外世界と切り結んだ経済社会ネットワークの構造分析を行った。政治的、人為的に設定され認知されてきた「地域」「海域」概念、および歴史的統一体としての地中海世界の存在論にも批判的検討を加えた。