著者
福山 透 徳山 英利 菅 敏幸 横島 聡 下川 淳
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2003

本研究課題では、独自に開発した合成方法論、および独創性が高く高効率的な合成デザインによる、真に物質供給に耐えうる全合成法の開発を目的として、ヘテロ元素を含む高次構造天然物の全合成研究をおこなった。その結果、当研究室で独自に開発した芳香族アミノ化反応を用いることで、デュオカルマイシン、ヤタケマイシンを、不斉CH挿入反応によるジヒドロベンゾフラン環合成法を用いることでエフェドラジンA、セロトベニンを、ラジカル環化反応によるインドール合成法を用いることでストリキニーネ、コノフィリン、アスピドフィチンを、それぞれ合成することに成功した。また独創的合成デザインに基づき、FR901483、リゼルグ酸、モルヒネ、オセルタミビルの効率的合成法の開発に成功した。強力な抗腫瘍活性を有しながらも天然からは微量にしか得ることが出来ないヤタケマイシンにおいては大量合成にも成功し、市場における化合物供給にも耐えうる方法論を確立した。またタミフルについて、その副作用の原因究明のための研究に対して、活性化合物を提供した。セロトベニンの全合成では光学活性試料の合成に成功し、生合成経路におけるラセミ化機構の解明に大きな知見を与えることが出来た。また全合成の達成には至らなかったものの、レモノマイシン、UCS1025A、プラキニジンA、アルテミシジン、アニサチン、レペニンの合成研究を行い、有機合成上有用な知見を得ることが出来た。以上の研究成果が得られたことより、本研究課題の目的を十分達成することが出来たものと考えている。以上のように本研究課題の成果は、有機合成化学を基盤とした幅広い研究分野に対して、大きく貢献することができた。
著者
庄子 習一 竹山 春子 水野 潤 関口 哲志 細川 正人 尹 棟鉉 鈴木 美穂 福田 武司 船津 高志 武田 直也 モリ テツシ 枝川 義邦
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では、微小発光サンプルの光学的超高感度定量計測を可能とすべく、以下の新規マイクロ流体デバイス要素技術を開発した。1)自由なサイズの液滴作製技術の構築,2) 自由な流れのコントロール技術の構築,3) 液滴のパッシブソーティング技術の構築。次に要素技術をシステム化することにより、微小発光サンプルの計測を実現した。1)液滴に生体サンプルを個別に抱合して環境微生物個々の遺伝子を解析,2) 個別に抱合された細胞の成長を観察して酵素反応活性を評価。本研究の遂行により、従来定性的観察のみ可能であった光学信号が高感度な定量的計測結果を得るのに十分なレベルに増幅され、光学的定量計測が実現された。
著者
池田 栄史 根元 謙次 佐伯 弘次 中島 達也 後藤 雅彦
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006

本研究では伊万里湾全域にわたる物理学的海底音波探査を実施し、詳細海底地形図および地質図を作成した。その上で、海底面および海底堆積層中で検出した音波探査反応体について、9つに類型化し、水中考古学的手法による確認調査を実施した。その結果、類型の一つから元寇沈船と思われる船体の一部と大量の磚を検出した。この調査により、元寇関連遺跡・遺物の把握と解明については、物理学的音波探査手法と水中考古学的手法の融合が有効であることを確認するとともに、これを今後の元寇沈船を含めた海底遺跡に対する新たな調査研究方法として提示するに至った。
著者
川合 將義 渡辺 精一 粉川 博之 川崎 亮 長谷川 晃 栗下 裕明 菊地 賢司 義家 敏正 神山 崇 原 信義 山村 力 二川 正敏 深堀 智生 斎藤 滋 前川 克廣 伊藤 高啓 後藤 琢也 佐藤 紘一 橋本 敏 寺澤 倫孝 渡辺 幸信 徐 超男 石野 栞 柴山 環樹 坂口 紀史 島川 聡司 直江 崇 岩瀬 宏 兼子 佳久 岸田 逸平 竹中 信幸 仲井 清眞
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007

高エネルギー高強度陽子ビーム場の材料は、強烈な熱衝撃や放射線によって損傷を受ける。衝撃損傷過程と影響を実験的に調べ、その緩和法を導いた。また放射線損傷を理論的に評価するコードを開発した。さらに、損傷に強い材料として従来の材料に比べて強度の4倍高く室温で延性を持つタングステン材と耐食性が4倍高いステンレス鋼を開発した。衝撃実験における応力発光材を用いた定量的な方法を考案し、実用化の目処を得た。
著者
佐藤 匠徳 赤沼 啓志
出版者
株式会社国際電気通信基礎技術研究所
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2010-04-01

1.臓器・組織の再生に必須な「Angiocrine因子」を同定した。2.臓器間を結ぶ新規の「臓器間血管網」を同定した。3.心筋梗塞における線維芽細胞特異的な細胞内エネルギー代謝機構の阻害をターゲットとした薬剤が梗塞後の線維芽細胞の増殖を抑制し、心臓の線維化を最小限化し血管形成を促進することで、心機能の向上を誘導することを示した。4.血管新生における、神経細胞の新たな役割とそのメカニズムを明らかにした。5.心機能の異常に伴う合併症の発症に関与している因子群を同定し、それらの作用機序に関する知見を得た。
著者
酒井 寿郎 川村 猛 油谷 浩幸 眞貝 洋一 桜井 武
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2010-04-01

生活習慣病発症には遺伝的素因とともに、環境因子が大きく関与する。環境からの刺激はDNAメチル化やヒストン修飾などのエピゲノムとして記憶される。我々は、脂肪細胞における研究から、エピゲノム修飾酵素が形成する新規のクロマチン構造を発見し、これが前駆脂肪細胞の未分化性を維持すること、また、寒冷刺激を感知するエピゲノム酵素複合体の発見し、環境変化に対する初期応答にはエピゲノム修飾酵素の翻訳後修飾が鍵となることを明らかにした。
著者
石田 浩 佐藤 博樹 苅谷 剛彦 本田 由紀 玄田 有史 永井 暁子 白波瀬 佐和子 佐藤 香 三輪 哲
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、若年者を対象としたパネル(追跡)調査を2007年から毎年実施した。同一の個人を何年にもわたり追跡して調査することにより、(1)学校から職場への移行、(2)初期のキャリア形成と転職、(3)離家と異性との交際・結婚、(4)意識・態度、価値観といった多様な側面から若年者のライフコースを総合的に捉え、その変化を跡付ける分析を行った。
著者
奥乃 博 尾形 哲也 駒谷 和範 高橋 徹 白松 俊 中臺 一博 北原 鉄朗 糸山 克寿 浅野 太 浅野 太
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007

音環境理解の主要機能である混合音の音源定位・分離・認識技術を開発し,ロボット聴覚ソフトウエアHARKとして公開し,国内外で複数の講習会を実施した. HARKを応用し,複数話者同時発話を認識する聖徳太子ロボット,ユーザの割込発話を許容する対話処理などを開発し,その有効性を実証した.さらに,多重奏音楽演奏から書くパート演奏を聞き分ける技術,実時間楽譜追跡機能を開発し,人と共演をする音楽ロボットなどに応用した。
著者
白髭 克彦 広田 亨 須谷 尚史 伊藤 武彦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006

出芽酵母、分裂酵母を用いた解析により、基本的な染色体情報解析システムのパイプラインは構築され、染色体の基本的な構造、染色体機能の制御、そしてその連携機構についていくつもの新しい発見があった。特に、本研究が契機となりひと染色体構造の解析技術を構築できた意義は大きい。興味深い発見につながったものとして、1)ヒトに於いて、ChIP-chip解析が可能となったこと、および、2)ヒトコヒーシンのChIP-chip解析から明らかとなったコヒーシンの転写に於ける機能の発見、があげられる。当初、本研究を開始した時点では、ヒト染色体でChIP-chip解析を行うことは、ゲノムの5割を超える繰り返し配列がPCRで増幅する際のバイアスとなるため不可能であった。そこで、この増幅法の検討を重ね、DNAをin vitro transcriptionにより、RNAとして直線的に増幅し、リピート配列によるバイアスを抑制することで、ヒト染色体構造もChIP-chip解析可能な系を構築することが出来た。さらに、この技術を用いて、コヒーシンについて、効率の良い染色体免疫沈降が可能な抗体を取得し、ヒト染色体上における局在解析を行った。その結果、染色体分配に必須の役割を持つコヒーシンがヒトではその機能とは独立にインシュレーターとして転写制御に機能していることが明らかとなった。
著者
坂神 洋次 小鹿 一 近藤 竜彦
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006

(1)枯草菌のクオラムセンシングフェロモンComXの構造決定、構造活性相関、in vitro酵素反応を用いて特異な翻訳後修飾機構を解明し、さらに翻訳後修飾の普遍性に関する研究をおこなった。(2)前駆体遺伝子が明らかになっているが、実際に作用している化学構造が不明な植物ペプチドホルモンの化学構造を解明する手法を確立し、シロイヌナズナの成長点(茎頂分裂組織)の機能維持に必須の遺伝子CLV3に由来する生理活性ペプチドとしてMCLV3を、同じくシロイヌナズナの気孔形成を誘導するSTOMAGEN遺伝子に由来するstomagenを同定し、その構造を明らかにした。
著者
塚本 修巳 雨宮 尚之 福井 聡 小川 純
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2002

交流損失を現状より1桁低減できれば高温超伝導の応用分野が大きく広がる.本研究はこのような観点に立ち,超伝導の微細構造における電磁現象の研究に基づき,線材,集合導体,巻線の各構造を互いに関連付けて統合的に交流損失の大幅低減を図る手法を研究し,高温超伝導を交流電気機器に応用するための要素技術を体系化することを目的とした.具体的な研究課題は,1.機器における磁気環境下での交流損失の評価法を確立すること,2.機器における電磁環境下での交流損失の大幅な低減手法を明らかにすること,3.ロバストかつ高い超伝導性能を発揮する巻線構成手法を明らかにすること,である.本研究の主な成果を下記に要約する.1.線材全交流損測定法:交流磁界下で交流通電したとき線材に生じる全損失の電気的測定法を開発した.熱的方法と同時に測定することにより,本方法の妥当性検証を行った.これにより,線材の交流損失測定法の確立をした.2.擬似ツイスト導体による磁化損失低減:斜にYBCO層を分割した2枚のテープ線材を張り合わせ,実質的に撚りの効果を得る方法,擬似ツイスト導体を提案した.これにより,分割数を増やすことにより交流損失を1桁以上減らすことが可能であることが示された.3.集合導体の損失測定法開発:我々の開発した集合導体の損失測定法により,非磁性基板Y系線材の場合,隣接線材の作る磁界により損失が単独通電時の値より1桁程度小さくなっていることがわかった.これにより,線材の並べ方により損失が大幅に減少することが示された.4.巻線の交流損失低減最適構造:高温超伝導テープ線材の損失データより交流損失を近似的に解析する手法を開発し,巻線の断面形状の最適設計方法を示した.5.Y系線材のクエンチ保護:Y系線材を用いたコイルのクエンチ保護のための導体の安定化設計法が明らかにした.以上により,上述の研究の目的はほぼ達成できた.
著者
中村 仁彦 山根 克 杉原 知道 岡田 昌史 関口 暁宣 大武 美保子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2003

1.力学的情報処理理論力学敵情報処理を行うメカニズムの設計法として,多項式および物理的力学系を用いた手法を確立した.また,力学系の可塑性パラメータを導入し,その可塑性に基づく学習と発達のモデルを構築するとともに,力学的引き込み現象としてのコミュニケーションモデルを実現した.2.ミラーニューロンの数学モデル隠れマルコフモデル(HMM)を用いたミラーニューロン数学モデルとその計算法を確立し,HMMの多重階層化による行為の抽象化を実現した.また,常識データベースをもつ言語解析システムと多重階層化ミラーニューロンモデルとの結合を行った.3.ヒューマノイドロボットによる行為の受容と生成の実験従外力運動をするヒューマノイドロボットの試作を行い,人間動作計測に基づいて動作パターンを獲得して制御系を設計する手法を開発した.また,ヒューマノイドロボットと力学情報処理および言語解析システム,行動受容生成システムの結合実験を行った.4.人間の筋・骨格詳細モデルによる大規模センサリ・モータ系のシミュレーションモーションキャプチャデータに基づく筋張力の推定と動力学シミュレーションを行う手法を開発した.また,人間詳細モデルの動力学計算の並列計算による高速化を実現した.大規模センサリ・モータ系としてのヒューマンキデルシミュレータを開発し,力学的情報処理モデルとの結合を実現した.
著者
前田 雄一郎 成田 哲博 甲斐荘 正恒 渡邊 信久
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

蛋白質アクチンは高等生物の細胞に最も多量に含まれ多くの重要な細胞機能を担う。筋細胞中では数珠のように連結した重合体として筋収縮とその調節に関与し、他方一般細胞では他の蛋白質の助けを借りて重合と脱重合を繰り返す循環的分子運動によって細胞を動かす。本研究でははじめてアクチン重合体の原子構造を解明し、またアクチンと他の蛋白質の複合体構造を解明した。それら構造情報を基に機能発現メカニズムの理解を進めた。
著者
前川 宏一 東畑 郁生 石田 哲也 内村 太郎 牧 剛史 半井 健一郎 龍岡 文夫
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2003

(1)土粒子間の連結空隙構造をセメント系複合材料の微細空隙構造モデルに導入し,物質平衡-移動-反応-変形解析に関する数値プラットフォームを開発し,拡張熱力学連成解析を土粒子間隙水の圧力と変形にまで連結させて,地震時の構造-地盤液状化解析と,構造中のコンクリートの過渡的な変性を追跡する多階層連結解析コードを完成させた。(2)コンクリートおよび地盤材料の水分保持能力の温度履歴依存性を実証し,過渡応答時の水分平衡モデルの精度を向上させた。大径空隙でブロックされる水分が高温時に急速に開放される状況が解明され,従来の定説を大きく変える契機を得た。セメント硬化体からのカルシウム溶出と自然地盤における吸着平衡モデルを,水和反応の過渡的状態に対して拡張した。(3)水和生成ゲルおよびキャピラリー細孔内の水分状態からセメント硬化体の巨視的な時間依存変形を予測するモデルを完成させ,分子動力学を適用し温度依存性に関するモデル化の高度化を図った。(4)鋼材腐食生成ゲルと周辺コンクリートのひび割れ進展,さらにゲルのひび割れへの浸入を考慮することにより,様々な条件下でのかぶり部コンクリートの寿命推定を可能にした。(5)飽和及び不飽和地盤中にRC群杭を設置した動的実験を実施し,初期振動状態から一気に液状化する厳しい非線形領域での杭と地盤の応答を詳細に分析した。土粒子構成則と多方向固定ひび割れモデルの結合で,地中埋設構造応答をほぼ正確に解析できることを示した。(7)非線形時間依存変形の進行モデルを弾塑性破壊型構成則の一般化で達成し,時間成分を取り除いた繰返し作用の影響度を、数値解析連動型実験から抽出することに成功した。ひび割れ面での応力伝達機構の疲労特性を気中・水中で実施し,高サイクル疲労に対応可能な一般化モデルを構築し,直接積分型高サイクル疲労破壊解析を実現した。
著者
山内 和人 山村 和也 佐野 泰久 稲垣 耕司 三村 秀和 森 勇藏
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2003

本年度(平成18年4月〜平成18年7月)の研究実績1 走査型蛍光X線顕微鏡システムの構築これまで開発を進めてきた、ナノ集光システムの後段に、既存のXYステージと蛍光X線ディテクターを装着させ、走査型の蛍光X線顕微鏡システムを構築した。XYステージには、0.01μm分解能のステージを用いた。蛍光X線ディテクターからの波形分布を、各ポイントで取得可能なシステムとし、複数の元素マップを取得することを可能とした。SPring-8のBL29XULにおいて、テストパターンによるシステムの動作確認と、細胞内の元素分布の観察を行った。テストパターンはFIB (Focused Ion Beam)により作製した。顕微鏡システムの空間分解能のテストを行った結果、30nmの分解能でテストバターンに書かれていた文字を画像化することができた。細胞観察では、細胞内の核やミトコンドリアの観察において、同時に複数の元素分布を可視化することに成功した。2 ブロジェクション顕微鏡システムの予備検討ブロジェクション型顕微鏡システムとしては、将来的な発展性を考慮すると、近年注目をあびているX線回折顕微鏡の導入が不可欠であり、検討を開始した。本手法は、X線の透過強度分布から、集光点近傍のサンプル内の電子分布を求めるものであり、原理的にナノメートルの空間分解能を持つ顕微鏡手法として有力である。今年度は、位相回復法と呼ばれる数学的手法に基づくブログラムを開発した。そして、ミラー集光光学系においても、透過強度分布からサンブルの電子構造を求めることが可能であることがわかった。
著者
平川 均 多和田 眞 奥村 隆平 家森 信善 根本 二郎 小川 光 山田 基成 中屋 信彦 奥田 隆明 佐藤 泰裕 森杉 雅史 瀧井 貞行 蔡 大鵬 崔 龍浩 徐 正解 厳 昌玉 陳 龍炳 蘇 顕揚 劉 慶瑞 宋 磊 李 勝蘭
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006

急速な東アジアにおける発展と国際競争力の源泉を産業集積と結びつけて論じた。その結果は一般的通念とされる低賃金に基づく単なる産業の発展を超えた側面の発見であり、東アジア地域のイノベーションの持つ役割である。独自のアンケート調査を実施した。日中韓台、ベトナムなどの海外の主要な研究機関の研究者との研究ネットワークの構築に成功し、国際会議も北京、南京、名古屋、ハノイで開催した。学術刊行物として、日本語、中国語、韓国語の図書の公刊、英語での学術雑誌への発表も行った。
著者
浅子 和美 伊藤 秀史 伊藤 隆敏 加納 悟 宮川 努 渡部 敏明
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、日本経済の適切な政策運営に役立てるために、日本経済の現状をより早く、より的確に把握する体制の確立を目指した。具体的には、景気循環の局面判断の観点からの日本経済の現状分析を行うとともに、経済制度面での歴史的変遷を踏まえた上で、1990年代以降の経済成長率や生産性上昇率の鈍化の原因を解明し、技術革新の活性化や産業構造の転換による日本経済の中長期的パフォーマンスの向上の可能性を探った。景気循環メカニズムの理論的研究や統計学・計量経済学的分析手法の研究も進めた。
著者
安田 喜憲 笠谷 和比古 平尾 良光 宇野 隆夫 竹村 恵二 福澤 仁之 林田 明 斉藤 めぐみ 山田 和芳 外山 秀一 松下 孝幸 藤木 利之 那須 浩郎 森 勇一 篠塚 良司 五反田 克也 赤山 容造 野嶋 洋子 宮塚 翔 LI Xun VOEUM Vuthy PHOEURN Chuch
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006

年縞の解析による高精度の気候変動の復元によって、モンスーンアジアの稲作漁撈文明の興亡が、気候変動からいかなる影響を受けたかを解明した。とりわけメコン文明の一つであるカンボジアのクメール文明の興亡については、プンスナイ遺跡の発掘調査を実施し、水の祭壇をはじめ、数々の新事実の発見を行った。稲作漁撈文明は水の文明でありアンコールワットの文明崩壊にも、気候変動が大きな役割を果たしていたことを明らかにした。
著者
上野 照剛 伊良皆 啓治 関野 正樹
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2005

神経電磁気現象に関する脳機能情報を解析して,脳機能の動的機構の解明に迫るため,MRIによる神経電気活動の電流分布イメージングや細胞膜の水透過率を解析する手法を提案した.また,経頭蓋磁気刺激と脳波の同時計測により高時間分解能,高空間分解能を有する新しい脳機能ダイナミックスイメージング法を開発した.さらに,アミロイド沈着をMRIで観測するため,鉄の貯蔵蛋白質であるフェリチンに着目し,これに交流磁場を印加することで,鉄イオンのフェリチンへの取り込みとフェリチンからの放出に関する磁場の作用を調べた.
著者
真嶋 哲朗 藤塚 守 川井 清彦 遠藤 政幸
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2005

様々な光機能性クロモフォアを修飾したDNAを用いて、DNA内の光電荷分離、電荷移動機構を明らかにし、高効率・長寿命電荷分離を実現した。さらに、光機能性DNA分子ワイヤー、光エネルギー変換などの光電変換デバイスや、高効率DNA損傷法への展開を行い、DNA光ナノサイエンスの創製を試みた。