著者
松本 剛 春日 恵理子
出版者
信州大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

ツキノワグマによる咬傷に対して、感染予防目的に使用べき抗菌薬の検討を行った。捕獲されたツキノワグマの口腔内常在菌を採取し、同定及び薬剤感受性試験を実施した。ツキノワグマの口腔内に常在する細菌は、イヌやネコなどの口腔内常在細菌に比べ、抗菌薬の効きにくい細菌が多く検出された。本研究によりツキノワグマによる外傷症例に対して使用する抗菌薬は、イヌやネコの外傷に対して使用する抗菌薬に比べ広域の抗菌薬を選択する必要が示唆された。
著者
大島 弥生 佐藤 勢紀子 因 京子 山路 奈保子 山本 富美子 佐々木 泰子 アプドゥハン 恭子 清水 まさ子 張 瑜珊 トンプソン 美恵子 二通 信子 李 セロン
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

国内外の日本語学習者および母語話者の大学生・大学院生,その指導者の学術的受信発信技能向上の支援方法充実のために以下を行った:人文科学・社会科学・工学の9分野270編の日本語学術論文の構造の分析;人文・社会科学系論文における引用を解釈に活用する談話展開の分析;学術語彙習得過程を調査するテストの開発と母語話者・非母語話者への実施;海外の日本語教員・国内の留学生等へのインビューによるニーズ調査。同時に、パネルディスカッションを通じて問題を分析・共有し,アカデミック・ジャパニーズ教育の中核的意義は広く洗練された視野を獲得し学術的追求の意義を認識する得難い機会を与えることであることを確認した。
著者
松本 淳 久保田 尚之 藤部 文昭 林 泰一 山本 晴彦 財城 真寿美 寺尾 徹 村田 文絵 高橋 幸弘 山下 幸三 赤坂 郁美 遠藤 伸彦 森 修一 釜堀 弘隆 高橋 洋 山根 悠介 大塚 道子 遠藤 洋和
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-11-18

日本を含むアジア諸国における紙媒体や画像での日降水量データや台風経路等をデジタル化したデータセットを作成し、モンスーンアジア域における降雨強度の長期変化を解析した。その結果、日本では1930年以降、東北日本を中心に降雨強度が大きくなっていた。フィリピンでは1950年以降の夏季には強雨の増加傾向が、冬季には西海岸で乾燥の強化傾向がみられた。1940年代以前の傾向はこれらとは異なり、近年の変化傾向は数十年スケールでの変動の一部とみられる事、エルニーニョと地球温暖化の影響の両方の影響を受けている可能性が高い事がわかった。中部ベトナムでも近年の傾向と1940年以前の傾向に違いがみられた。
著者
齊藤 伸
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2005

数10μm〜サブμmにパターン化された磁性材料では試料内各場所での磁気特性がその性能を左右することから、パターン試料内部の磁区構造観察に対する需要が高まっている。そこで本課題ではこれまでに確立した白色光の高倍率磁区構造観察技術を発展・応用し、ピコ秒オーダーの磁化過程を一括して観察できる高倍率高時間分解能縦カー効果顕微鏡を実現することにある。2年目に当たる平成18年度はレーザ光を光源として用いることにより(高時間分解能観察)、磁化ベクトル方向の検出が可能な磁区観察顕微鏡を作製することを目標として研究を行った。磁化方向の特定のためには、対物レンズ入射瞳の直交方向の辺縁部に微小スポットの入射光を落斜させて、各軸方向の磁化ベクトル成分に比例したコントラストを付すことが有効である。各落斜光軸からのプローブ光の入射タイミングをズラしながら試料を照明し、照明のタイミングと同期をとってCCDカメラのシャッタを切ることにより(時分割法)、磁界掃引時の磁化ベクトル履歴動画像の撮影に成功した。さらに得られたベクトル履歴動画像に対して、色合いの割付、局所領域の輝度ヒステリシスループ(磁界引加方向、直交方向)の抽出も可能であることを確認した。尚、本研究の成果は、2006年10月16日に同学会の広報部による技術情報サービス第28号が学会員向けに配信された。28.01 カー効果を利用した局所的磁化ベクトル測定の試み(抜粋)学術講演会にて、東北大学斉藤らのグループから薄膜試料の局所における磁化ベクトルを定量的に計測できるカー効果顕微鏡が提案された。新しい計測方法へ発展するものと期待される。http://www.wdc-jp.com/msj/information/061016/061016_01.html
著者
石田 佐恵子
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

当研究は、グローバル化時代においてメディア環境に生じた新しい研究課題を明確にしつつ、同時に、映像データの会析手法のいくつかの流れを統合する手法を確立することを目的とするものであった。具体的には、データ収集とアーカイブ構築、映像データの分析を実施しつつ、従来の映像分析手法の再検討を行い、統合的な手法を模索した。【1】本調査の実施特定期問の地上波6局、全放送時間の番組を記録し、DVD化・データベース化していく方法を模索した。また。1980年代から保管されてき番組録画全資料のデータベース化作業を行った。これは、家庭用ビデオデッキの普及が個人のテレビ視聴にもたらした影響を考えるための資料であると同時に、国内外のテレビ番組サンプルの資料としても活用可能である。【2】調査結果の分析、及び、研究のまとめ映像データ分析についての統合的方法を確立するための考察作業を実施した。【3】研究成果の発表、刊行明らかにされた発見と結果は、論文やミニレポート、研究会報告や報告書などの形式で報告・発表した。本報告書は、それらの資料のうち、映像資料のDVD化・データベース化の方法についての考察、国内外の番組録画資料のデータベースを中心としている。
著者
水野 浩二
出版者
札幌国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

2年間の研究成果は、論文3本、翻訳(部分訳)2本、研究発表2本である。まず論文。(1)「倫理的規範と人間的実践-遺稿《倫理と歴史》(コーネル大学講演)についての研究(1)-」では、一九六五年のサルトルの講演原稿をもとに、倫理的規範(日常生活において一貫している命令的構造)の特質、倫理的規範と人間的実践とのかかわり(規範を人間化する可能性)について検討した。(2)「「全体化するものなき全体化」について」では、遺稿『弁証法的理性批判』第二巻を中心に、全体化としての歴史には個人の実践があるのだが、歴史をひとつの集合体としてみた場合、歴史は個人の意識や意志を超えているように見えるところから、いったい誰が歴史を作ったのか、歴史とは、全体化するもの(作る主体)がいない全体化なのではないのか、という問題を検討した。サルトルによれば、ひとつの真理とひとつの可知性を備えたひとつの人間の歴史が存在する、という。ということは全体化するもの(歴史を作るもの)は存在することになる。しかし、それは単なる個人ではない。共同的個人である。(3)「「具体的なもの」とサルトル哲学」では、サルトルにも影響を与えた、ジャン・ヴァールの『具体的なものへ』(1932年)に触発されて、サルトル哲学を「具体的なもの」というキーワードをとおして読み直してみた。その結果、「具体的倫理」、「具体的普遍」、「具体的なものの水準としての歴史」といった言葉をとおして、サルトル哲学が、具体的なものへの運動の流れに沿ったものであることが判明した。次に、翻訳であるが、(1)ヴァールの『具体的なものへ』のまえがきと序論を訳出し、(2)遺稿『倫理学ノート』の一部を訳出した。最後に、研究発表であるが、論文の(1)を仙台の「現象学を語る会」で口頭発表し、翻訳の(2)を日本サルトル学会で口頭発表した。
著者
松下 憲司 松崎 茂展 大畑 雅典
出版者
高知大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

セラチア菌 (Serratia marscecens) は多剤耐性化の進行により、感染症の治療が困難になりつつある。我々は、本菌感染症に対するバクテリオファージ(ファージ)が保有する溶菌酵素を利用するファージ療法の可能性を検討した。まず、我々が分離した2種のセラチア菌ファージKSP90、KSP100の全ゲノム塩基配列を解読したが、相同性検索では溶菌酵素ドメインをもつ遺伝子は特定できなかった。そこで、データバンクに登録されているセラチアファージETAの推定溶菌酵素をBacillus属ファージ の溶菌酵素の推定外膜透過ドメインと融合させた融合タンパク質の遺伝子を合成し、溶菌活性の検討を進めている。
著者
池内 和代 祖父江 育子
出版者
高知大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

「Mixed methods research」を用いて,子どもが思春期を迎える「家族の発達危機」に対するシングルマザーの「生きる力の源泉」の体験を明らかにした。対象者は,思春期の子どもの子育てに苦悩し子どもの将来への心配を持っていた。しかし,責任ある養育への惜しみない努力と前向きに暮らす毎日の工夫を基盤に周囲の力を借りる力を持ちながら,対象者其々の形で苦悩を乗り越えようとする強い力があった。その力の支えは,子どもの成長への期待と自身の展望,それでいいという承認を引き出す肯定的感情であった。これらの体験がシングルマザーの「生きる力の源泉」であり,そこに対する支援が必要であると考える。
著者
坂野 達郎
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、実空間で培われてきた討議型世論調査の技術をオンライン討議へ移転することを目的とし、日本初のオンラインDPの社会実験をおこなった。討議テーマは、高レベル放射性廃棄物処分方法とし、インターネット調査会社登録のモニターから性別、年齢、居住地を基準に層化抽出を行い,101人の参加者を得た。討議は、Web会議システムを使用した。実験の結果、①Web上においても、実空間上のDPとほぼ同様に、代表性のある参加者が確認できた。②討議参加による学習効果も、ほぼ実空間と同様に起きることが確認できた。③コストは、実空間上のDPにくらべおよそ3分の1から5分の1程度で実現できるめどがたった。
著者
上原 沢子
出版者
鹿児島大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

脳機能活動の検討を行い、脳-腸相関を軸とした異常機能活動と消化器との機能的相関を調べるため、先行して、顎口腔の形態学的・機能的特徴と心理学的特徴および脳機能活動を調査した。計算負荷によるストレス負荷時、無意識の咬みしめを想定した手の握り締め時の筋活動と心理的評価および脳賦活部位を検討した結果、各被験動作時に咀嚼筋活動は増加し、VAS値は高く、ストレスを感じていたことが示唆された。さらに、覚醒時の咀嚼筋活動の増加を引き起こすとされる食道への実験的な酸刺激により賦活する島と前帯状皮質が本研究でも賦活したことから、覚醒時ブラキシズムのような無意識時の咬みしめ時に島と前帯状皮質の関連が示唆された。
著者
中垣 恒太郎
出版者
常磐大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

Popular Culture Association(Texas/Southwest)にて昨年度末(2007年2月)に行った、研究発表と学会参会による研修成果を軸に一年間の研究活動を展開した。アメリカ合衆国での「リアリティTV/メディア・スタディーズ」に関する最新の研究動向を参照した経験に基づき、日本映像学会第33回全国大会にて、主に「アメリカ合衆国におけるリアリティTVの動向」「日米および世界におけるリアリティTVをめぐる状況の比較考察と展望」にまつわる研究発表、さらに文学・環境学会(ASLE)日韓合同シンポジウム(8月)にて「1960年代以降の日本における公害と怪獣の創造」にまつわる研究発表を行った。共にアメリカ・日本・アジアに及ぶ比較文化的観点から、メディアを中心に時代状況とドキュメンタリー表現の関係について考察した成果であり、本研究課題の最終年度をしめくくるにあたり、3年間の研究成果の一端を具体的なケース・スタディの形で示すことができた。若手研究での研究課題であることからも、研究企画を課題期間終了後も発展継承させていく必要性があるだろう。学会での発表原稿を加筆改稿した上で、主要な学術雑誌への投稿論文としてまとめる機会を持ちたい。ドキュメンタリー作品が虚構性に対して自覚的であることをますます強いられていく状況の中で、「作り物の世界」を現出させるためにドキュメンタリー製作を作中に組み込む「モキュメンタリー」表現のあり方について関心をより一層深めるに至った。近年のドキュメンタリー表現において大きな潮流となっている、「セルフ・カメラ」の手法によるアイデンティティ探求の試みについて、さらに焦点を絞った検討を続けていきたい。研究テーマをより限定した形で、次の研究段階に進む足がかりを築き上げることができたことが、本研究期間の最大の収穫である。
著者
高田 豊雄 ビスタ B.B. 吉本 道隆
出版者
岩手県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近年、フィッシングやパスワード推測、不注意によるマルウェア感染といった人間を糸口とするセキュリティ被害が増えている。本研究では、ユーザビリティ工学や教育工学、認知科学といった人間を取り扱う学問の最新成果をとりいれたセキュリティ向上の方策を考案する。具体的な課題としては 1) 最新の認知科学の知識を導入した記憶容易性と安全性を両立させたパスワード認証方式、2) 最新の教育工学の知見を導入したセキュリティ教育システム設計方法論の確立、3) 可用性を重視した一般ユーザ向けセキュリティ対策ツールや対策システムの確立である。
著者
福田 勉 久保 義直
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

海洋天然物ラメラリンα 20-サルフェートは、HIV-1インテグラーゼをIC50値 22 μMで選択的に阻害するとともに、実際の標的細胞に対するHIV-1ウィルス感染をIC50値 8 μMで抑制することが知られている。一方でHeLa細胞に対するMTTアッセイから、ラメラリンα 20-サルフェートのLD50値は274 μMと低毒性であることも報告されている。このようなラメラリンα 20-サルフェートの特徴から新たな抗HIV剤のリードとして期待されるにも関わらず、これまでに構造活性相関研究はほとんどなされてこなかった。そこで本研究では、研究代表者らが開発した合成戦略を用いてラメラリンサルフェート類縁体の効率的な合成を行った。また構造活性相関研究から、ラメラリン五環性骨格並びにスルホ基が抗HIV-1活性に必要であることを見出した。さらに共焦点レーザー走査型顕微鏡による分析と細胞膜-細胞膜融合実験から、ラメラリンサルフェート類の抗HIV-1活性は、以前に提唱されていたインテグレーションの段階というよりウィルスの侵入段階の阻害によるものであることが示唆された。
著者
二宮 啓子 内 正子 山本 陽子 市之瀬 知里 勝田 仁美 岡永 真由美
出版者
神戸市看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、特別支援学校における医療的ケアへの支援体制と看護系大学・看護協会等との協働の実態とそのニーズを明らかにすることを目的とし、教育委員会、特別支援学校の看護師・教諭・養護教諭、看護系大学、看護協会を対象に、7つの質問紙調査等を実施した。その結果、教諭が医療的ケアを実施している特別支援学校では、看護系大学や看護協会等と連携しながら、教諭の医療的ケアの研修体制や看護師への支援体制の整備が進められていたこと、特別支援学校関係者が看護系大学、看護協会に期待していた「教諭や看護師の研修」、「看護師の雇用支援」や「研修や勉強会の開催」に各々の機関が答えられる可能性があることが明らかになった。
著者
松本 昇 小倉 いずみ 高橋 勤 君塚 淳一
出版者
国士舘大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

ジョン・ブラウンは過激な奴隷解放論者で、1859年10月、ヴァージニア州にあった連邦政府の兵器庫ハーパーズ・フェリーを襲撃した人物として知られている。襲撃の意図は、南部の黒人奴隷や北部の奴隷解放論者を巻き込んでの暴動を起こすというよりはむしろ、奴隷を解放するための戦争のきっかけを作ることにあったように思われる。ブラウンはハーパーズ・フェリー襲撃後のおよそ二ヶ月後、国歌に対するは逆の罪で公開処刑された。「ジョン・ブラウンの屍を越えて」という歌は、北軍の第二歩兵大隊(別名、タイガー連隊)が1861年にフォート・ウォーレンに来たことと関係がある。その大隊の中に、ヴァージニア州チャールズタウンで処刑された奴隷解放論者と同じ名前を持つジョン・ブラウン軍曹がいた。何かにつけて兵士たちはこの軍曹を、処刑されたジョン・ブラウンと関連づけてからかっていた。そのうちに「ジョン・ブラウンの屍を越えて」という歌ができあがったのである。やがてこの歌は、南北戦争のきっかけをつくったジョン・ブラウンをたたえる歌へと変化していった。この歌が」南北戦争で歌われたのは、ヘンリー・ソローやラルフやラルフ・ワルド・エマソンのような超絶主義者や北部の奴隷解放支持者による一貫したブラウン支持だけによるものではない。戦場でたたかう兵士たちの事情によるところが大きい。つまり、彼らは戦地で無意味に死ぬのではなく、ジョン・ブラウンのように自らの死に意味を持たせるためにこの歌を歌ったのである。ジョン・ブラウンの精神は、合衆国で後世の人々に歌い継がれている。日本でも、「ジョン・ブラウンの赤ちゃん」のメロディが導入され、現在でも「ヨドバシ・カメラ」のCMソングとして歌われている。
著者
新藤 一敏 三沢 典彦
出版者
日本女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

我々はアピオス(Apios americana Medik、和名ホドイモ)に新規化合物を含む8種のイソフラボン配糖体(化合物1 - 8)が存在することを初めて明らかとし、それらの化学構造を決定するとともに、生理活性を検討した。その結果、化合物2, 5が男性ホルモン拮抗作用を有することを見出した。しかしイソフラボン配糖体は小腸で、β-グルコシダーゼ作用でアグリコンとなって血液中に吸収されて生理活性を示すことが報告されているので、次に化合物1 - 8を酵素処理してアグリコンとして(化合物9 - 12)、それらの活性を調べなおした。その結果、化合物10が強い女性ホルモン様作用を有することを発見した。
著者
須賀 哲弥 力久 忠昭 山内 盛 吉田 武美 三澤 美和 永井 恒司 富岡 清 鮫島 啓二郎 佐用 博照 三輪 亮寿 三川 潮 首藤 紘一 北澤 式文 辻 章夫 寺尾 允男 粟津 荘司 野村 靖幸 狐塚 寛 濱田 昭
出版者
東京薬科大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1991

1.薬学はpharamaceutical sciencesと言われる通り多くの分野の学術の複合または総合とみられ、したがって各境界領域もまた多数にのぼっていて、学術擁護に多くの問題をかかえている。このため、当面薬学全域を8分野((1)衛生化学・裁判化学・公衆衛生学・微生物学・香粧品学、(2)薬理学(関連する医学)・臨床生理学・代謝学・毒性学、(3)薬事法規と関連分野、(4)調剤業務・薬品処理・処方箋と関係分野、(5)薬剤学・調剤学・薬剤製造学・製剤工学・臨床薬学(臨床薬剤学)、(6)生薬学・天然物化学・薬化学・物理化学、(7)分析化学・分析機器(試験法も)、(8)薬局法と関係分野(局法収載品名・測定法名・試薬名等)に分け、各分野に研究総括者と分野統括者を置き、その他に多数のチェッカーを置いて、新語、従来と同一語の他、カナ書き用語、略語で汎用されている語等々問題のある学術用語の収集に総力を傾注して遺漏なきを期した。2.初年度は基本方針を立て、基礎データの収集を行い、2年度は薬学会方式の、一語一語に評点をつけて重要度を客観的に評価する方式を十分活用して、基礎データを増やしながら、現に使用される度合いの低いものを減らして、現在の薬学用語集とした。これにつき日本薬学会の年会時等の折りを利用して広く意見を聞きコンセンサスを得たものとした。3.領域間の調整は、特に青戸邦天氏(学術情報センター)のお手を患わせて精細なチェックデータを得、これに基づき十分時間をかけて検討し、領域別による語義の差、用法の差などを番号によって区分し、標準化を明晰な形で行うことを心掛けた。4.以上のようにして、標準化された約8000語の薬学用語を選定した。
著者
戸田 由紀子
出版者
椙山女学園大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は、20世紀初頭の黒人女性文学における「母性」の表象に着目し、その前後の時代の黒人女性文学における「母性」の表象と比較分析することによって、アメリカ黒人女性文学における「母性」の戦略の在り方を、その歴史的変遷を通して明確にすることである。24年度はハーレム・ルネサンス期における黒人女性作家の作品に焦点を当て、黒人女性や母性がどのように表象されているかをジェシー・フォーセット、ネラ・ラーセン、ドロシー・ウェストの作品を中心に考察を行った。これらハーレム・ルネサンス期の黒人女性作家の小説に描かれる黒人女性の表象の考察を通して、従順愚鈍なマミー、放埒なイゼベル、悲劇のムラータといった19世紀末に黒人女性に課せられたさまざまな因習的ステレオタイプにも、それを払拭するために用いられた当時の理想的な黒人女性像にも当てはまらない、複雑な黒人女性像を提示できることを明らかにした。23年度に考察したように、19世紀末には、高潔で愛情溢れる「啓蒙された母親」が重要な役割を果たすのだとフランシス・ハーバーら活動家によって主張され、Women's Club Movementを始めとした社会運動/組織を通してこのような黒人母性のイデオロギーが普及していた。20世紀初頭のハーレム・ルネサンスは男性主流の運動であったことは周知の通りであるが、高潔で母性的な黒人女性像は引き続きハーレム期の黒人男性リーダーや芸術家によって作品や活動を通して推奨、普及されていた。しかしハーレム期の黒人女性作家は、ハーレム期に推進されていた「真の黒人母性像」の型にはまるのではなく、黒人女性の暮らしにさまざまな制限のあった20世紀初頭で、自己矛盾し続け、家庭の閉塞感に抵抗しつつもそこから抜け出すことができない複雑な黒人女性を描き出している点において評価できる。またそれは母性を前面に押し出すことで政治的戦略として用いた19世紀末や、1970年代以降の現代黒人女性文学とは異なっており、本研究ではその重要性を明らかにした。
著者
今間 俊博 近藤 邦雄
出版者
尚美学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

現状の制作環境を解析するために、これまでに制作されてきたセルアニメーションの解析を進めて行く中で、KEY POSEやACTION LINEなどを用いた新しいアニメーションの概念が形成されつつある。特にKIME POSEを有する日本独自のアニメーションの生成手法に着手した事は、今後の研究の進展が期待出来る
著者
内藤 祐子 市川 公一 竹中 敏文 松本 高明
出版者
国士舘大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

唾液は日常において被検者に苦痛や侵襲を与えずに試料を採取できる利点がある。したがって、各種疾患のスクリーニングや診断の指標として唾液のモニタリングの有用性について基礎的検討を加えた。1.心理的ストレスと肉体的ストレスの及ぼす影響を唾液物質でスクリーニングする:(1)1日に30kmを走行するハードトレーニングを実施した合宿前後の唾液中のsIgAの変化量と合宿後のPOMS検査による活気度得点との間には有意な正の相関関係(p<0.05)が観察されたが,試合前後による変化量には違いはなかった。(2)試合前後の唾液クロモグラニンAの変化量と試合後の活気度得点との間に有意な負の相関関係(p<0.05)が認められたが,肉体的ストレスである合宿前後での変化量に関しての相関は認められなかった。(3)これより唾液中のsIgAの変化量の増加にともなって合宿後の活気度得点が増加していることからハードトレーニングで身体的に疲労している場合でも精神的に充実しているものはsIgA濃度も高値を示すが,心身ともに疲れきったものはsIgA濃度も減少し,易感染しやすいと考えられる。また,試合後の活気度得点とクロモグラニンAの変化量の関係から,試合による肉体的疲労よりも試合結果のダメージによる心理的ストレスの度合いが試合翌日後の活気に影響を与えていると考えられる。2.唾液ストレスホルモン物質の違い:90%VO2maxの激運動後では唾液抗菌物質であるリゾチームと唾液コルチゾールの分泌量に変化が見られたが,その動向は唾液クロモグラニンAの変化とはかならずしも同一ではなかった。この点についてはさらに検討を加えている。3.唾液カルシウム濃度:運動選手の骨密度と血液や尿中のカルシウム濃度に関しては有意な相関関係がなかったが,唾液カルシウム濃度と骨密度の間には有意な相関関係がえられた。したがって,唾液カルシウム濃度を骨粗鬆症のスクリーニング値とする可能性が示唆された。