著者
塚本 修一 増田 英孝 中川 裕志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.87, pp.35-42, 2002-09-17
被引用文献数
1

本研究は、HTMLの表形式データの構造の認識とその後の利用を目的とした変換のために、表の項目名と項目データの境界を認識するシステムを実現した。表はデータを整理し、見やすくする性質がある。しかし、携帯端末などの低解像度小画面にHTMLの表を表示する場合、スクロールすると項目名の部分が見えなくなってしまう。また、罫線が引かれている為に、表示領域にも制限が出来、単語途中の折り返しにより可読性が低下する。そこで、本研究では、表のデータをユーザが要求する形に出力するための基礎技術として、HTMLの表の構造を認識するアルゴリズムを提案する。提案手法は、表の行間あるいは列間の類似度による。すなわち類似度が低い場合には、行間あるいは列間に内容的な切れ目があると認識する。このアルゴリズムを実際のWebページ上の表データに適用したところ80%程度の認識率を得た。We implemented a recognition system to identify the boundary between attribute names and values of a table in HTML in order to obtain its structure. Table in HTML is aimed at displaying information clearly and understandably. However, users can't see the attributes of the table by using PDA, because of its small and low resolution display when they browse the Web pages. Its low readability is caused by the phenomena such that only a small portion of table is shown on the screen at once, and original one line is usually broken up into many lines on display screens. We propose an algorithm to recognize the structure of tables in HTML for the purpose of transforming them into forms of high readability even on a small screen of mobile terminal. Our method utilizes a similarity between rows(or columns)of the table. Precisely speaking, if we find an adjacent pair of rows(or columns) having low similarity, they probably are boundaries between item name row(or column)and item data rows(or columns). We achieved approximately 80% accuracy of recognition by applying our algorithm to existing tables on the Web.
著者
阿藤 誠 津谷 典子 福田 亘孝 西岡 八郎 岩間 暁子 田渕 六郎 星 敦士 菅 桂太 中川 雅貴
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、国連欧州経済委員会により組織された「世代とジェンダー・プロジェクト(GGP)」に参加し、各国共通のパネル調査(GGS)を実施し、各国共通枠組みに従って社会経済・家族政策等に関する時系列データを収集することによって、日本の少子化の背景要因を比較分析し、少子化是正のためには、仕事と子育ての両立支援、長時間労働慣行の是正、若者の非正規労働化の是正、子育ての経済支援が有効であるとの結論をえた。
著者
中川原 捷洋 大村 武 岩田 伸夫
出版者
日本育種学会
雑誌
育種學雜誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.305-312, 1972-12-31
被引用文献数
5

日本型の連鎖分析用標識系統と外国イネとの交雑によって認められる形質分離のゆがみ現象のうち、第11連鎖群の遺伝子に関与する形質分離のゆがみは、花粉の競争力を支配する遺伝子(配偶体遺伝子)と標識遺伝子とが連鎖するために生じる。ここでは、標識遺伝子、bc(鎌不要)、dl(たれば)およびch(黄緑葉)と配偶体遺伝子(ga_2、ga_3)との連鎖関係を明らかにした。組換価はF_2の形質分離からは推定できないので、F_3の調査から各F_2個体の遺伝子型を推定することによって算出した。種々の交雑組合せを通じて、ga_2はdlの近傍に座位し、ga_3はdlよりもむしろbcにかなり近い距離に座位している。しかし、片親に用いた外国品種の違いによってその位置はかなり変異しており、しかも上記4遺伝子相互の組換価は日本イネ標識系統間交雑によって求められる通常の組換価よりもいくらか小さく見積られた。つぎに、算出した組換価を用いて、ga花粉のga^+花粉に対する授精率を算出したところ、正常花粉(ga^+)に対してga花粉は1/10以下しか授精に関与していない場合が多く、したがってgaはかなり強力な選択授精の要因であることが明らかとなった。このことは、栽培イネが分化した結果、ga遺伝子が生殖的隔離現象の重要な因子となっていることを示している。以上の結果は、雑種不稔性に加えて、配偶体遺伝子の存在によっても交雑によって形質の自由な組換が阻害されているために、外国イネがもっている望ましい形質を日本イネに導入する際に大きな障害となっていることを示すものである。
著者
野村 泰朗 中川 美穂
出版者
埼玉大学教育学部
雑誌
埼玉大学教育学部教育実践総合センター紀要 = Journal of Integrated Center for Clinical and Educational Practice (ISSN:13477420)
巻号頁・発行日
no.13, pp.33-38, 2014

若者が引き起こす命に関わる重大事件が起きるたびに「命の教育」の重要性が繰り返し論じられている.しかし,「思いやり」ひとつ取ってみても,学校教育の中では実感を伴う学習を意図的に行うことは難しい.本研究では,乳児ロボットを活用することにより,命と向き合い困難な状況において命あるものに対する対応について判断を求められる場面を意図的に作り出すことによって,体験的に生命倫理に対する各自の態度形成を促す指導方法の開発を目指す.実際に大学生を対象にした実証実験により,乳児ロボットを用いた育児体験プログラムが乳児に関する知識理解への動機付けを高めるとともに,生命倫理に対する態度を高めることが示唆された.Nowadays, the importance of bioethics education is growing up. But in school, it seems very hard to improve the methodology of teaching without real daily life experience. This research forcuses the usage of child-care-training infant robot to prepare the opportunity of real experience of caring child in school. This paper show the new curriculum of home economic subject using infant robot to cultivate students' attitude to the bioethics. Also through the experience of caring infant robot, the curriculum aims to improve students' knowledge about the characteristics of infant and young child. Results of practical research with university students shows the effectiveness of this curriculum. Through this practical experiment, the knowledge of university students became more stable and the attitude to the bioethics grew up.
著者
藤坂 洋一 中川 誠司 荻田 武史 外池 光雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.606, pp.13-17, 2004-01-21

骨導振動子による呈示では,気導音では可聴帯域外となる20kHz以上の高周波であっても知覚可能であることが知られている.また,高度感音性難聴者においても,骨導可聴音提示では知覚できないが,骨導超音波であれば知覚可能であることが報告されている.我々は重度難聴者のための骨導超音波補聴器の実用化を目指している.実用化を目指すうえで音声の明瞭性が重要となる.これを解決するためには骨導超音波知覚のメカニズムを明らかにしなければならない.知覚メカニズムには幾つかの仮説が存在するが,我々は蝸牛関与説を重視している.知覚メカニズムの解明に向けた第一段階として,本報告では振動子から蝸牛へ至る波動伝搬を数値的に解析し,その特性を観察することとした.
著者
柴田 昇 神田 和重 久田 俊記 磯部 克明 佐藤 学 清水 有威 清水 孝洋 杉本 貴宏 小林 智浩 犬塚 和子 金川 直晃 梶谷 泰之 小川 武志 中井 潤 岩佐 清明 小島 正嗣 鈴木 俊宏 鈴木 裕也 境 新太郎 藤村 朋史 宇都宮 裕子 橋本 寿文 御明 誠 小林 直樹 稲垣 泉貴 松本 勇輝 井上 諭 鈴木 良尚 何 東 本多 泰彦 武者 淳二 中川 道雄 本間 充祥 安彦 尚文 小柳 勝 吉原 正浩 井納 和美 野口 充宏 亀井 輝彦 加藤 洋介 財津 真吾 那須 弘明 有木 卓弥 Chibvongodze Hardwell 渡邉 光恭 丁 虹 大熊 直樹 山下 竜二 Liang Guirong Hemink Gertjan Moogat Farookh Trinh Cuong 東谷 政昭 Pham Tuan 金澤 一久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.15, pp.1-5, 2012-04-16

世界最小の19nmのデザインルールを用いて64Gb多値(2bit/cell)NANDフラッシュメモリを開発した。片側All-bit-Line S/A構成、1plane構成によりチップサイズは112.8mm^2。ビット線バイアスアクセラレーション及び"BC"State-First書込みアルゴリズムにより、書き込みパフォーマンスは15MB/sを実現。プログラムサスペンド機能とイレーズサスペンド機能により、リードレイテンシー時間は大幅に短縮。400Mb/s/pin 1.8Vの高速Toggle mode InterfaceをNANDフラッシュメモリとしては初めて搭載した。
著者
阿部 裕輔 磯山 隆 小野 稔 斎藤 逸郎 三浦 英和 鎮西 恒雄 望月 修一 磯山 隆 小野 稔 鎮西 恒雄 斎藤 逸郎 三浦 英和 川崎 和男 望月 修一 井街 宏 バスク ジャロミル ドブザク ペーター 中川 英元 光宗 倫彦 河野 明正 小野 俊哉 時 偉 杉野 礼佳 井上 雄介 岸 亜由美
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

無拍動流完全人工心臓の可能性を検討するために、体内埋込式無拍動流完全人工心臓を開発し、成獣ヤギに埋め込んで研究を行った結果、無拍動流でも生理的制御(正常な状態に維持するための制御)が可能で、ヤギの一般状態、血行動態、肝機能、腎機能や自律神経機能を正常に保つことができることを明らかにした。しかし、無拍動流では人工心臓への十分な血液流入を維持できないことがあったため、体内埋込式完全人工心臓に生理的制御を適応する場合には、ある程度の拍動性が必要であると考えられた。
著者
園田 高明 三島 正章 小野 泰蔵 深谷 治彦 脇坂 昭弘 岩上 透 中川 美樹
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

環状、非環状、および、かご状構造を有する種々の多フッ化炭化水素(炭素酸)や多フッ化アルコール(酸素酸)を合成し、これらの化合物の気相酸性度をFT-ICR-質量分析法を用いて測定した。密度汎関数法を用いた気相酸性度の計算予測と既知のヘテロ原子を有する無機酸や有機酸との比較を行い、多フッ化炭素化合物が示す特異な物性と反応性について議論した。
著者
菊池 馨実 福島 豪 中川 純 上山 泰 菅 冨美枝 小西 啓文 尾形 健 川島 聡 今川 奈緒 永野 仁美 新田 秀樹 長谷川 珠子 長谷川 聡
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

研究者各自による研究論文の発表に加えて、4度にわたる公開シンポジウムの開催、3度に及ぶ学術雑誌での特集論文の掲載、さらに刊行が確定している論文集と教科書の出版などを通じて、日本における障害者法学の構築に向けた基盤をつくることができた。
著者
中川 恵正 新谷 敬介
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.23-33, 1996-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
13

The present study investigated which factors facilitated solving arithmetic word problems in fifth graders by comparing five training techniques: (1) Self controlinterpretation training(SCI) that was to acquire both the self regulated uses of solving skill and strategy and the self control ability of evaluating one's own solving process, correcting it and interpretating it to others; (2) Blind training(BT) expected to enhance the awareness of solving skill and strategy; (3) Error finding training (EF) that was to monitor the other's solving process; (4) Ordinary teaching training(C) used in a public elementary school, and (5) 30-SCI training(30-SCI) that children had been given the SCI training for 30 hours before the basic learning had begun. In Experiment 1, fifth graders were trained under a given condition for three hours and then given four posttests. Group 30-SCI did better performance on each posttest than the 4 other groups. Group SCI also did better performance on posttests 1, 2, and 3 than Group BT. Experiment 2 using four training techniques confirmed the superiority of the SCI technique to the others found in Experiment 1 in third graders.
著者
肥田野 登 中川 大
出版者
東京工業大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

本研究は大都市の都心部において郊外鉄道を直通運転した場合の効果を把握し, その効果の帰属について関連する主体別に明らかにすることを目的としている. 筆者らは郊外鉄道, 道路及び公園などのインフラストラクチャー整備に伴う効果を十全にかつ二重計算なく捉える方法として土地資産価値に注目して分析を進めてきた. 本研究はその一環として従来十分明らかにされてこかった都心部での交通プロジェクトをとりあげたものである.そのため, まず都心部での主体との関連性を明確にした. そのけっか, 既成市街地内においては土地利用変化や地代上昇に対しての既得権者の抵抗があり, 必ずしも便益が地価に転移しない可能性が示された.またこれらの効果を定量的に計測するために土地利用予測モデルを構築した. 都心部での鉄道サービス向上に伴う土地利用変化をきめ細かく把握する実用的なモデルは現在のところ存在しない. そこでここでは東京の新玉川線, 小田急線の半蔵門及び千代田線乗り入れを対象としてとりあげ, 新たに商業集積地区を単位とし, かつ地区間の複合条件をとり入れた集計型ロジットモデルを作成することとした. モデルは小売, サービスその他事業所(3次のみ)ごとに推定し, 概ね妥当な結果を得た. 説明要因の中では後背地のポテンシャルに係わるものが最も説明力が大きなものとなっている. 又モデルによる現況再現性も高い. 次にこのモデルを中心として関連する土地所有者, 事業所, 鉄道事業者, 自治体ごとの便益と費用を計測するための影響分析のサブモデル及び地価関数を推定した. 又事業者の地代についてはヒアリングから得られた値を用いた. その結果これらの郊外鉄道の都心部への乗り入れは土地資産価値で8700億円の上昇をもたらし, 又事業所, 港区にも便益が帰属することが判明した.
著者
堀内 清華 石黒 精 中川 智子 庄司 健介 永井 章 新井 勝大 堀川 玲子 河合 利尚 渡辺 信之 小野寺 雅史
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.526-532, 2012 (Released:2012-12-31)
参考文献数
13
被引用文献数
3

IPEX(immune dysregulation, polyendocrinopathy, enteropathy, and X-linked)症候群は1型糖尿病や甲状腺機能低下症などの多発性内分泌異常,難治性下痢,易感染性などを主症状とし,転写因子forkhead box P3(FOXP3)遺伝子の変異による制御性T細胞の欠損や機能低下を原因とするX連鎖性の原発性免疫不全症である.1型糖尿病,甲状腺機能低下症に難治性下痢を合併し,IPEX症候群と考えられた12歳女児例を報告する.患児は10歳時から下痢が遷延化し,著明なるいそうが認められた.12歳時に行われた消化管内視鏡所見と病理所見からクローン病と診断され,5-アミノサリチル酸製剤に加えてプレドニゾロン,アザチオプリン,インフリキシマブによる治療を要した.その結果,便性の改善ならびに炎症反応の低下など一定の治療効果が認められたが,プレドニゾロンの減量により下痢が増悪して体重も減少し,治療法の選択に難渋した.患児は2歳時に1型糖尿病を,3歳時に甲状腺機能低下症を発症しており,難治性腸炎とあわせてIPEX症候群でみられる臨床像を呈していた.ただ,本症例ではCD4+CD25+ T細胞中のFoxp3の発現は低下していたがFOXP3遺伝子には異常を認めなかった.過去の報告においてFOXP3遺伝子に変異のないIPEX症候群例では易感染性を認める場合が多いが,本症例では反復する細菌感染は認められなかった.
著者
安倍 大介 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.294, pp.51-55, 2010-11-11

現在,世の中には自動車や電車などの交通機関が数多く存在している.技術の進歩により機械的原因による事故は減少してきた.しかし,人間の判断ミスや操作ミスによる事故は未だに絶えない.近年,運転時における人間の心電や筋電などの生体情報から,ドライバーの心理状態を計測する研究が行われている.我々は,人間の脳波にフラクタル解析を行うことで,その人の意思や感性情報を取得する研究を行っている.ドライビングシミュレータを操作している時のドライバーの脳波計測しフラクタル解析することで,運転時の意思や感性情報を取得した.